映画「ムーンライト」でLGBTに触れる

LGBTに関連する映画紹介。今回は現在上映中の「ムーンライト」を紹介します。

ムーンライトとは

主人公シャロンの少年時代、高校生時代、青年時代の3つの時代を描いた作品です。

少年時代のシャロンは内気な性格で、学校ではいじめの標的にされてしまいます。唯一の友達は同級生のケヴィンです。
シャロンはそんなケヴィンに惹かれていきます。

高校生になったある日の夜、シャロンとケヴィンは初めてお互いの心に触れることに。
しかしその翌日、学校ではある事件が起こります。

LGBTQ作品初、アカデミー作品賞受賞

自分の居場所を探し求める主人公の姿を色鮮やかな映像と情緒的な音楽でつづったムーンライトは、北米で大ヒットし、数々の賞を受賞しました。

第74回ゴールデン・グローブ賞では作品賞
第89回アカデミー賞®では作品賞・脚色賞・助演男優賞(マハーシャラ・アリ)の3部門受賞

LGBTQをテーマにしたラブストーリーが、作品賞を受賞したのはアカデミー賞史上初です。

LGBTに触れ合う

人種、年齢、セクシュアリティを越えた普遍的な感情が描かれているムーンライト。
純粋で美しい愛の映画として話題になっています。

LGBTの幼少期を描いた作品はあまりなく、LGBTについて知る機会、多様な個性を持つ人が生きやすい社会にするためにはを考えさせられる映画にもなっています。

親友のカミングアウト

LGBT当事者orアライによるレポート。今回はカミングアウトについてです。

親友の話をしようと思います。

親友と私は高校1年生の時に出会いました。
同じクラスで、共通の趣味から初対面から話が弾み、気づけば毎日一緒に過ごす仲になりました。

そんな親友から、ある日突然「実は、女の子と付き合っている」という話を聞きました。
私は親友が冗談を言っているのだと思いました。
なぜなら親友と私は、それまで頻繁に男性の好みや結婚観についての話などをしていたからです。
何の違和感もなく、“親友の恋愛対象は男性である”と認識をしていた私には、冗談のようなカミングアウトでした。

親友は私にパートナーを紹介し、詳しく話をしてくれました。
中学校の同級生で、女友達として接していたが、卒業前に「ずっと好きだった」と告白され、それを受け入れたとのこと。
親友は告白されるまで、自分のセクシュアルはストレートであると認識していたが、レズビアンの女友達からの告白で、バイセクシュアル、あるいはパンセクシュアルと呼ばれるようなセクシュアルであることに気付いたそうです。

性にとらわれない、“人として好き”だから受け入れるという親友の想いに、私は驚きとともに感動したことを覚えています。
同性の恋愛について、お互いの本質をとらえた深い愛の形であると思えるようになりました。

その後も二人はデートの報告や喧嘩の相談など、それぞれ私に連絡をしてくれます。
高校卒業後から同棲をはじめ、最近は結婚についても二人で話し合いはじめたそうです。

親友たちがこれからもずっと一緒にいられることを祈っています。

友情結婚とは?

LGBT当事者orアライによるレポート。今回は友情結婚についてです。

同性婚の認められていない現在の日本では、ヘテロセクシュアルではない人にとってその選択肢はないものになっています。
偽装結婚や友情結婚という言葉をきいたことあるでしょうか?今回は日本初の友情結婚支援サービスについて紹介します。

友情結婚・偽装結婚とは?

友情結婚とはその名の通り、恋愛ではなく友情が成立している2人の間の結婚です。
同性愛者やAセクシュアルの人は、異性と恋愛をして結婚する、というプロセスは踏むことはありません。しかし、家族など世間からの結婚へのプレッシャーは、生涯独身の割合が増えたとはいえど存在します。
このような場合に仲のいい異性と、「家庭を築く」ことができるのが友情結婚です。
一般に偽装結婚というとそのイメージは、犯罪や在留資格をとるためのネガティブなものでありますが、友情結婚はそうではなく、お互いの利害が一致した場合に成立します。

友情結婚相談所

友情結婚相談所カラーズ(https://www.colorusfsb.com/)は、日本初の友情結婚をしたい方のための結婚相談所です。
もともと婚活支援事業を行っている会社が運営しているため、安心できるサービス化と思います。

どのような需要があるのか

同性愛者(ゲイ、レズビアン)の方からの需要はあるかと思います。その他には、バイセクシュアルからの需要もあるかと思います。
その他、ノンセクシュアルやAセクシュアルなど、異性との性的接触に抵抗のある人からの需要もあるそうです。

友情結婚を望む理由については、上記で述べたように親や社会的なプレッシャーによって、結婚することで周りを安心させたいというものがあります。
他にも、生涯独身であることがさびしい、という理由で家庭を求める人がいます。
また、異性との性的接触を望まない場合でも、子供が欲しいという人も存在します。友情結婚をした家庭で子供を育てるのであれば、傍から見ればごく一般的な家庭であるため、友情結婚をするメリットはあるかと思います。

最後に

年頃になれば異性と結婚し、子供を育てるという慣習は、日本で伝統的に続いているものです。田舎であれば、都心部よりもそこに対するプレッシャーは大きいものです。

しかし、本当に恋愛対象として好きな異性と結婚して家庭を持つことだけが幸せの形ではない、と私は思います。
伝統に縛られない、新しいライフスタイルの方法の1つとして、友情結婚を視野にいれてみてはいかがでしょうか。

トランスジェンダー パス度は就活に影響する?

LGBT当事者orアライによるレポート。今回はパス度についてです。

MtF、FtMの方の多くが常に意識しているのが、「パス度」という概念。
ストレートを含めそれ以外のセクシュアリティの人にとっては理解しがたい問題かもしれません。
今回はこのパス度について取り上げようと思います。

パス度とは

トランスジェンダーの人以外にとってはパス度という言葉は聞きなれないかと思います。パス度とは、その名の通りパスする度合であす。

MtFであれば女性、FtMであれば男性が性自認ですので、外見も性自認と同じ性別に近づけたいというのが一般的です(そうでない人もいます)。
しかし身体の性別は違いますので、服装や髪型によっては、性自認の性別にみられないことがあります。
この、「自認している性別」にどれだけ周りから認識されているか、がパス度ということです。

パス度が低いことによる弊害

パス度が低い、つまり自認している性別と周りから認識される性別が異なっている状態だと、生活する上で問題が生じます。
たとえば、トイレの問題。自身では自認している性別のトイレを使いたくて使っても、周りからは男子トイレに女性が入ってきた(女子トイレに男性が入ってきた)と捉えられてしまいます。場合によっては通報などの騒ぎに発展してしまうので、注意しなければなりません。
トイレ以外にも、男女で区別している場面では周囲を混乱させることになりかねないので、パス度は高い方が物事がスムーズに進むのが現状です。

>>NEXT パス度は就活に影響するか

LGBTフレンドリー企業の紹介 LGBT就活

2018卒の就職活動が活発になってきました。nijipiを運営するNijiリクルーティングにも多くのLGBTの学生さんからご相談を頂いています。
今回は、LGBTフレンドリー企業としてnijipiインタビューに登場頂いた3社をご紹介します。

株式会社資生堂さん

女性社員の割合が高く、以前から女性活用に非常に力を入れられており、就職人気企業でもあります。
2014年の年末からはLGBTに関するダイバーシティも進められています。
2016年にはTOKYO RAINBOW PRIDEに出展し、メイキャップアドバイスやサンプル配布などを行いました。
2017年1月には同性パートナーシップ制度が開始され、より一層LGBT当事者が働きやすいLGBTフレンドリー企業へと進化しています。

interview

スターバックス コーヒー ジャパン株式会社さん

アメリカシアトルで誕生したスターバックスさん。
創業より多様な個性を尊重する企業文化であり、LGBT当事者の方もたくさん活躍されています。
2017年1月には同性パートナーシップ制度が開始され、1月時点で4名が申請をされているそうです。

interview

株式会社丸井グループさん

あらゆる顧客のニーズに応えようと、LGBTに関わるサービスを充実させている丸井グループさん。
靴やスーツなど、豊富なサイズを展開し、誰も自分らしい服装を選べる店舗にしています。
2016年のTOKYO RAINBOW PRIDEでは、渋谷モディの大型ビジョンがレインボーとなったことも印象的でした。
社内でもLGBTアライを増やそうと、研修などを積極的に行われています。

interview

地方でのLGBTの知名度を上げたい

LGBT当事者orアライによるレポート。今回は地方でのLGBTをテーマにした講演会についてです。

岩手大学LGBTs学生団体Poi(ぽい)が今年2月に性のあり方や多様性をテーマとした講演会「『あたりまえ』にクエスチョン!」を同大学学生センターB棟1階多目的室で開催しました。

講演会は同団体が制作したパンフレットを基に、性別や恋愛、結婚に関することや、「男らしさ」「女らしさ」という考え方など、性のあり方に関して「当たり前」と思われている事柄に疑問を投げ掛けながら、参加者と一緒に多様性について考えていく内容となったようです。

同団体はLGBTsやその当事者であるAlly(アライ)の居場所作りを目的に活動している団体です。
映画鑑賞や座談会、勉強会などの活動を通したコミュニティーづくりを中心に、大学の文化祭などでパネル展示やワークショップを行いLGBTsに関する情報発信や啓発活動を行っているそうです。

地方では都会と異なってLGBTのコミュニティが少なかったり交流する機会があまりありません。
LGBTの存在すら知らない人がたくさんいるため、正しい知識がないままに偏見を持つ人も少なくありません。そのために地方のLGBT当事者は都会と比較すると孤立しやすい、差別されやすいといった傾向があります。

地方で、ダイバーシティを積極的に推進するには、そしてその人たちにLGBTの存在を知らせるためには、やはり誰かから情報を得ないと分からないと思います。そして、この講演会で当事者の想いを実際に聞き、自分自身で気づくものが多くあると思います。LGBTやセクシュアルマイノリティを知ることで何か自分の考えが変わるかもしれません。

オーストラリアのLGBT事情は?現地レポート

LGBT当事者orアライによるレポート。今回はオーストラリアのLGBTについてです。

先日旅行でオーストラリアのシドニーへ行ってきました。日本はまだまだ寒いですが、シドニーはまさに真夏、汗がとまらない中観光してきました…(笑)

シドニーといえば南半球最大のゲイパレードともいわれるMardi Grasが開催されています。パレードは2月から3月にかけてのようなので、時期は合いませんでしたが、ゲイタウンに行ってきたので、写真とともにご紹介します。

Hyde ParkやDarling harborなどの観光地から歩いて行ける距離にあるOxford Streetです。ゲイタウンとして有名ですが、写真右手は普通のカフェなんです。わかりにくいですが、左手の標識の柱部分もレインボーになっていて、すごくカラフルな通りでした。
いった時間は昼だったのでバーはまだ開いていませんでしたが、夜はきっともっとにぎやかなんだと思います。

通りに貼ってある広告は、ドラッグクイーンによるショーの宣伝なようです。昼ですが通りでは虹色の衣装を身にまとったドラッグクイーンの方々も見かけましたよ!

オーストラリアのLGBT事情

シドニーのあるオーストラリアのLGBT事情はどうなんでしょうか。同性婚こそ認められていないものの、同性カップルの養子縁組を認めていたり、同性愛差別を法律で禁止しています。

去年の年末には、同性婚合法化の国民投票が行われる一歩手前という段階でしたが、野党の反対により投票は行われませんでした。
投票が行われれば合法化確実とも言われていただけにとても残念でした。

また冒頭でも少し触れましたが、Mardi Grasという南半球最大級のパレードが毎年行われています。今年は2月17日から3月5日まで行われるようです。

おまけ

シドニーで少しお世話になった大学の寮には、Ally Programと題した活動のポスターが貼ってありました。許可がとれなかったため画像を貼れないのが非常に残念ですが、男性と思われる方が2人手をつないでいる写真とともに次のようなことが書かれていました。

・性的(gender,sexual)なアイデンティティにかかわる問題に気付けるようにしよう
・性的指向やジェンダーに関係なく、学生たち全員を尊重しよう
・多様で安全なこのキャンパスをこれからも支持していこう

学生の多くが住んでいる寮にこのような掲示がされているのは素晴らしいですよね。だんだんとLGBTであることが多様性の中の1部として受け入れられているようで、日本も同じように進んでいってほしいと思います。

LGBTインタビューvol.5 株式会社資生堂

TOKYO RAINBOW PRIDEへの出展や、2017年1月に開始した同性パートナーを平等に処遇する規定改訂、LGBTダイバーシティにも積極的に取り組む株式会社資生堂さん。
LGBTに関する取り組みのきっかけや、活動内容などを、人事部ピープルマネジメント室、育成グループマネージャーの春日裕勝さんにお話を伺いました!

御社ではLGBTに関する取り組みはいつ頃から始められたのでしょうか?

2010年頃から岡山大学病院にて、性別適合手術をされた患者さんへのメーキャップを中心にアドバイスを実施していました。
また、店頭にはLGBT当事者のお客様が来られることもあり、美容職の皆さんは以前から身近に感じていたようです。

LGBT支援プロジェクトを本格的に開始したのは2014年の年末で、「知る・触れる・受容する」を理念として進めることを社内に発信しました。

本格的に開始するきっかけは、日本社会でのLGBTを含むダイバーシティの必要性の高まりから、自社も取り組まなければいけないと考えていたからです。

また、私自身、アメリカでの勤務経験から欧米に比べて日本はLGBTの理解、受容が遅れていると感じていました。
アメリカではLGBTの方が自然に受け入れられていました。仕事で関わるメーキャップアーティストの中にもLGBT当事者の方は多かったですし、身近な存在でした。

アメリカと比較すると、日本ではLGBTの方が特殊な存在と捉えている人がまだまだ多いように感じます。そのために差別的な扱いを受けている方も多いのではないかと思います。
LGBT当事者の社員が働きやすく、LGBT当事者のお客様にも支持してもらえる会社でありたいと考え、LGBTダイバーシティを進めなければいけないと考えるようになりました。

LGBTダイバーシティを始めるにあたり、どんなことから始められましたか?

まずは何よりも「知る」ことが大切だと考え、社内でのLGBTセッションを開始しました。
セッションでは、LGBTの正しい理解・正しい知識の共有、LGBT視点のマーケティングなどを考える場になっています。
2015年7月に全体セッションを実施し、それ以降は各部門の朝礼等でもセッションを開催しています。

また、2015年5月にはTOKYO RAINBOW PRIDE(以下TRP)にグループ会社のベアエッセンシャルに協賛してもらい出展しました。
TRPへの出展は、イベントを通じてLGBTを知るきっかけになるだろうとの考えからです。
ベアエッセンシャルはもともとサンフランシスコに本社があり、当地はLGBTの方が多い街として有名です。それもあって、TRPの出展を打診した際にはすぐに快諾してもらえました。

▼OUT IN JAPANへの参画も2015年8月より行っている。
OUT IN JAPANは、LGBTへの理解を深めるため、市井のLGBTをプロの写真家(レスリー・キー氏)が撮影、各所で展示していくイベント。資生堂はヘア/メイクを担当している。

2016年5月のTRPには資生堂として出展されましたが、どのようなことをされたのでしょうか?

メーキャップアドバイスやサンプリング活動を行い、多くの方に好評頂きました。
TRP出展にあたっては、事前にLGBT支援プロジェクトチームが各支店をまわって説明会を開催しました。その結果イベントスタッフとして総勢144名がボランティアで参加してくれました。
LGBTについて「知る」「触れる」機会になり、イベントスタッフからは「楽しかった」という意見も多かったです。
また、「自分のスキルupになった」という意見もありました。男女で肌質に違いがあるので、男性の肌にメイクをする際には、女性のときとは違う工夫が必要だと感じたそうです。
そうした意見から、ジェンダーフリー視点の化粧品を開発しようという議論も出てきて、改めて出展してよかったと感じます。

▼スタッフがつけているオリジナルスカーフは、宣伝/デザイン部 がボランティアで制作したそう。

2017年1月に同性婚認定の規定を改訂されたそうですね。

「受容する」の一環で、配偶者の解釈を拡大して同性パートナーも含む形に改訂しました。
同性パートナーを配偶者とするにあたり、どの規定を改訂すべきかは社内でもディスカッションを重ねました。
弊社のLGBT支援プロジェクトチームは専属のメンバーはおらず、全員兼務で行っています。そのためスケジュールの調整が難しいこともあり、改訂までに時間がかかりました。
ただ、いろんな部署から集まったチームなので、人事、美容職、マーケティングなど、様々な視点から意見を交わせることはメリットだと感じています。
また、チームには1名LGBT当事者もいます。当事者の意見を聞くことができ、貴重な存在です。

最後に今後についてお聞かせください。

知る・触れる・受容するという理念でスタートしたLGBT支援プロジェクトですが、ようやく同性パートナーをこれまでの配偶者と同様に処遇する規程も導入することができました。
徐々にですが社内でのLGBT理解も広がり、受容へとつながってきているように感じます。

2017年もTRPへの出展や、LGBT学生への就活支援、社内外のLGBTアライを増やす活動など、様々な活動を通して、理念実現に向けて動いていきたいと思います。

編集部より
就職先としても非常に人気の高い資生堂さん。
以前からLGBTの存在は身近であったそうですが、会社として本格的にLGBTダイバーシティに取り組むようになり、より一層あらゆる個性を持つ人が働きやすい会社になっているのではないでしょうか。
また、今後はジェンダーフリーな化粧品の開発のアイデアも出ているなど、顧客向けサービスとしてもLGBTフレンドリーな展開が期待できそうですね!

学校で起こるLGBTに関わるいじめ問題

本日は、LGBT当事者orアライによるレポートです。

東京都の渋谷区と世田谷区で同性カップルに対するパートナーシップを認める制度が導入されるなど、同性カップルへの配慮も少しずつですが進んできたような気がします。

LGBTやセクシュアルマイノリティへの理解や認識は、徐々に日本でも広まっているように感じます。
それは、テレビや新聞、SNSなどで取り上げられることが増えてきたからだと思います。しかし、それは学校などにおいてもその理解は広まっているのでしょうか。

2013年のデータによると、回答者の84%が、学校でLGBTをネタにしたからかいを見聞きした経験があったそうです。
それだけではなく、回答者の68%がLGBTであることを理由に暴力やいじめを受けており、担任の教師が加害者だったケースも12%あったといいます。
生徒・児童同士のいじめや暴力でなく、加害者が教師だったケースが12%もあることは衝撃的な事実です。

私には、小学生の妹がいます。ある日、妹とクラスの友達について話しました。
「クラスの中に、男の子だけど仕草や話し方が女の子っぽい子がいるの」と話していました。また、何人かはその子のことをからかっていると言っていました。

やはり、どんなに幼くても人の振る舞いや行動でセクシュアリティを勘付くものだと思います。これから先、多様な性があることを、妹をはじめとする今の子どもたちはどこで、いつ、だれから教えてもらうのでしょうか?
教師さえ、偏見を持っているようではこの状況は変わらないようにも思えます。

LGBTを学ぶことで気づいたこと

LGBT当事者orアライによるレポート。今回はLGBTを学ぶことで気づいたことです。

私は留学していたオーストラリアで、セクシュアルマイノリティ(ゲイ)である中国人と友達になった。
私は彼との出会いによってセックス、ジェンダー、セクシュアルマイノリティに興味を持つようになった。

留学する前から、西欧には日本に比べてカミングアウトしている人が多いということはなんとなく知っていた。
しかしセクシュアルマイノリティの人と友達になるのは初めてで、LGBTについての知識が自分には全然足りないと感じるようになった。その当時私はまだ専攻をはっきりとは決めていなかったため、LGBTについてもっと知識を深めたいと思いジェンダースタディーズを専攻することを決めた。

ジェンダースタディーズの授業で学ぶことは多かった。
まず、ジェンダーとセックスの違いだ。
私は性についてそれまで深く考えたことがなかったため、セックスは生物学上の性であること、ジェンダーは文化・社会的性であることにまず驚いた。

日本にはここまではっきりとこの2つの違いを説明できる言葉はないのではないかと思った。
この2つの違いはとても大きく、特にセクシュアルマイノリティの人にはとても大切なことである。それなのに日本語には「性別」という単語にセックスとジェンダーどちらの意味も含まれていることに違和感を覚えた。

また、授業を受けていく上で「普通・標準」を意味する「norm」という単語を頻繁に耳にした。
セクシュアルマイノリティは社会でnormとして認識されていないことが問題視されている、といった話題でよく使われていた。

私も、ジェンダーについて学ぶ前は、自分は女だから恋愛対象は男であると思っていた。
しかし、社会のnormに縛られてそう思い込んでいるだけなのかもしれない、と考えるようになった。今も自分のセクシュアリティについては考えている最中だ。

性ついて何が普通で何が普通でないかを決めているのはマジョリティだ。
マイノリティにとっての「普通」は、マジョリティにとっては「普通ではない」。それが要因となってマイノリティは生きにくくなっている。

働くということに関しても、マイノリティにとって困難はたくさんある。
セクシュアリティは人間のアイデンティティを形成する大きな要素のひとつだ。しかし、現在は自分のセクシュアリティを話すことを躊躇う人も多いため、どこか本来の自分を隠しながら働かなくてはいけない人も多い。

このような現状を変えていくためにも、もっともっと理解者が増え、お互いを尊重し合える社会になっていけばいいと思う。