性別に違和感を覚えたのは小学校高学年の頃だった。

LGBT当事者もしくはアライによるレポートシリーズ。今回は性同一性障害についてです。

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私が性別に違和感を覚えたのは小学校高学年の頃でした。
といっても、幼少期からずっと何の戸惑いもなく自分は男であると思って過ごしてきたのですが、そういった意味では女の子として振る舞った時期というのは無かったと思います。

服装も、遊びも言葉遣いも全てが男でした。海で遊ぶ時も、BBQなどで花火をする時にも上半身は裸で過ごしていました。
まだ幼かったからか、周りの大人たちも何も言わなかった記憶があります。

しかし、成長するにつれて段々と「スカートを穿いたら?」「髪を伸ばしてみたら?」などと、友達や先生から言われ始め、身体的にも女性としての特徴が出始めた頃、自分はみんなと違うのかもしれない。と思うようになっていきました。

そして自分が女性であると決定的に気づかされたのは、初潮を迎えた事が大きなきっかけでした。

初めは何が起こっているのか意味が分からず、何かの病気ではないか、ケガをしてしまったのかと戸惑いながら、母親に相談するとそれが女性に起こる生理であることを説明され、頭がパニックになったのを覚えています。

そうしているうちに中学校入学を迎え、制服という男女の違い、男らしさ女らしさという周りの大人たちの教育に物凄く嫌悪感を抱くようになっていったのです。

そして周囲の友達が恋愛の話をしている中、自分自身の恋愛の対象が女性である事を心に秘め、やはり自分は頭が変なのか、病気なのか、なぜみんなと違う感覚であるのかということに日々葛藤していました。

高校はブレザーの制服で、女子のズボン着用が認められており、服装での精神的苦痛からは逃れることができましたが、未だ自分の性別について何がどうなっているのか分からずにいました。

ちょうどその時期にテレビで目にした「性同一性障害」という人々の映像を観て、全てが自分自身の事の様に当てはまり、ネットで詳しく調べ始めたのです。

初めは“障害”という文字に戸惑いましたが、それが悪い事ではないという事や同じ苦しみを持つ人々がいるという現実を知り、とても心が楽になったのを覚えています。

しかしながら周りの大人たちをはじめ、親や友達にはそのことを打ち明ける事は出来ませんでした。
高校を卒業後、就職し実家を出ることになった時、初めて母親に自分の悩みを打ち明けました。勘当されはしなかったものの、母親が泣いている姿を見たとき改めてショックを受けました。

それから成人し、精神科医2名の診断を経て正式に「性同一性障害」という診断名がついたのでした。

MtFの就活体験記「大手企業から内々定を得るまで」

LGBT当事者もしくはアライによるレポートシリーズ。今回はMTFの方の就活体験レポートです。

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私が「女子大生」になるまで

私は現在大学4年生です。
先日誕生日を迎え、ついに25歳になりました。四捨五入すると30歳です。

なぜ私が25歳で「女子大生」をしているかというと、私の生い立ち、セクシュアルマイノリティという事柄に深く関わってきます……。

私のセクシュアリティは、ざっくり言うと「トランスジェンダー」らしいです。
私の場合は、男として生まれ現在は女として生活している、通称「MtF」に区分けされています。

私は幼いころから性別の違和感が拭えなかった典型的なパターンでした。
高校卒業後は親元を離れて上京し、女性として生きるためにホルモン療法を開始して性別をシフトチェンジしていきました。

働きながらトランスをしていき、女性として認知されるようになった20歳の時に大学に入学しました。

ジャストのタイミングで性別適合手術の費用も貯まったので、大学の長期休暇を使い、タイで全てをモデルチェンジしました。

その年には戸籍上の性別も変更し、はれてフツーの「女子大生」に進化(?)することができました。

就活せねば!と一念発起

大学3年生になった2016年3月。
翌年の3月には大学を卒業するつもりでいたので、「就活せねば!」と一念発起しようとしました。
しかし、何から始めたらよいか分からなくて、路頭に迷っていた時にNijiリクルーティングの存在を知りました。

「とりあえず、私もセクマイの端くれなので登録しておこう」という軽い気持ちで就活イベントに行きました。

Nijiリクルーティングのキャリアアドバイザーの方は、セクマイに関わること以外にも就職活動のアドバイスなどをしてくださいました。

私はコミュ障なのも相まって、初めから就職活動は苦戦するだろうと踏んでいました。

しかし、Nijiリクルーティングからのアドバイスなどのおかげで、多少苦戦はしましたが、七夕(7月7日)に化粧品業界の大手企業に内々定を頂きました。

就活でMtFであることは
話さなかった

私は自分がMtFであることを公表して就職活動は行いませんでした。

セクシュアルマイノリティであることを公表して企業面接を受けたこともあります。

しかし、セクシュアリティのことを聞かれたれることもあり、戸籍の性別も変えている以上、わざわざ腫物に触るような扱いを受けるようなことを言わないでもいいのではないかと思うようになりました。

変に気を使われて打ち解けられない雰囲気になるのであれば、男女の分けられた世界で女性として埋没している方が私は気が楽でした。

なので、カミングアウトをしないまま就職活動をすることを選びました。

私がこの就職活動を通して感じたのが、必ずしもカミングアウトすることが全てではないということです。

nijipi編集部より

人によって事情は様々なので、就活をする上でカミングアウトするかどうかもそれぞれの意思によるものだと思います。
彼女の場合はカミングアウトすることがすべてではないと感じたようです。

カミングアウトせずに働く人はたくさんいます。カミングアウトできる環境ではないという人もいれば、LGBTフレンドリー企業に勤めながらもあえてカミングアウトしないことを選択している人もたくさんいます。

レズビアンカップルに育てられた男性のスピーチ

LGBT当事者もしくはアライによるレポートシリーズ。今回はレズビアンカップルに育てられた男性のお話です。

ご存知の通り、アメリカでは全土で同性婚が合法化されています。今回取り上げる動画は、まだ同性婚が認められていなかった時代のアイオワ州での、ある大学生のスピーチです。

動画の概要

スピーチをしているザックはアイオワ大学に通う学生の1人です。
アイオワ州では当時同性パートナーシップ法を廃止する案があり、それに対する主張としてスピーチをしています。

レズビアンカップルに育てられたザックは、両親が男女でなく女性2人であることで、他のアイオワ州の家族と異なっていることは何もないと主張しています。

彼自身とても堂々としており、「アイオワ大学で優秀な成績をおさめ、ボーイスカウトをし、小さなビジネスもしている。こんな私がもしあなた方の息子であれば、あなた方は私を誇りに思うだろう」と発言しています。

また締めの言葉として、両親の性的指向は、子供の性格になんら影響はしないと言っています。

優劣という言葉を使わない

彼は3分のスピーチの中で、私の両親は2人とも女性であるから男女の両親よりこんないいことがある、悪いことがあると言った言い方を決してしていません。

主張はあくまで「違っているけど同性パートナーシップも認めてほしい」ではなく、「他の家族と何も変わりはない」です。

自らの家庭を特別視することもなく、また卑下することもない彼の一貫した姿勢にとても感動させられました。

中盤で自分自身のことは、成績が優秀でビジネスなどもしている、と表現していますが、女性2人に育てられたから優秀になったとは言っていません。

まとめ

彼はスピーチの最初から最後まで堂々としていて、自信に満ち溢れています。
誰かにメッセージを投げかける際に自信をもっているだけで印象が全然違いますよね。

マイノリティの権利向上を訴える際に、辛い歴史や体験を交えて同情を誘う話し方もあります。どちらが正しいというのは言えませんが、私はザックのスピーチをきいて勇気づけられました。

LGBT当事者本人や当事者のパートナー、友達がスピーチをしているものは見かけることがありますが、当事者の子ども目線でのスピーチははじめて見ました。様々な目線からLGBTについての考えに触れることで、自身も成長できているように感じます。

LGBT権利団体はヒラリーを支持していたが…

ドナルド・トランプ氏がアメリカの大統領となりました。
同性婚など、LGBT当事者の権利がどうなるのかも、注目されています。

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アメリカ国内最大のLGBT権利団体は、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアルやトランスジェンダーのアメリカ人のための保護を強化するため、連邦政府全体に大胆な努力をするように、大統領に呼びかけています。

人権キャンペーン(Human Rights Campaign=以下HRC)は、70以上の具体的な政策変更を促す選挙後にレポートをリリースする準備をしていて、それは連邦政府のプログラムでLGBT差別を禁止し、性自認と性的指向を含む、ジェンダーの多様性への政府全体のコミットメントを示しました。

「過去8年間、オバマ政権は、この国の建国以来、LGBTQコミュニティを悩ませてきた連邦政府の不平等な差別的インフラを解体してきました。

しかし、驚異的な連邦政府の進捗状況の年をきっかけに、LGBTQコミュニティは、自身が岐路に立っていることに気がづきました。まだ行われていないことがたくさん存在していることに」

HRCは、1月19日に民主党の大統領候補としてヒラリー・クリントン支持を表明しました。
HRCは、ヒラリー・クリントンは同性結婚を合法化した2015年の最高裁判所の決定を支持し、最高裁判事を任命するために働くだろうと述べています。

しかし、結果的にはアメリカ次期大統領は、ドナルド・トランプ氏となりました。
彼は2000年から「伝統的な結婚」を支持しており、LGBTに批判的だともいわれています。しかし、選挙中にはレインボーフラッグを掲げるというパフォーマンスも行っています。

今後、LGBTに関してトランプ氏がどのような立場をとるのか、LGBT関連団体も彼の動向に注目しています。

参照
https://www.washingtonpost.com/news/powerpost/wp/2016/11/07/top-lgbt-rights-group-calls-for-stronger-protections-diverse-cabinet-appointments/

「バイセクシャルとは?」LGBT当事者レポートより

LGBT当事者もしくはアライによるレポートシリーズ。今回は、バイセクシュアルについてです。

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私は、自分はバイセクシャルなのではないかと思っています。それを意識し始めたのは大学に入ってからです。しかし、振り返ってみるともしかすると物心ついた頃から、男性も女性も好きになっていたように思います。

私は自分がバイセクシャルだと気づいてから、LGBTのオフ会やイベントに行くようになりました。そこでは当事者や理解者、様々な人の体験談を聞くことができました。

私は大学3年生の初夏に年下の女性とお付き合いしていました。約1か月で別れてしまいましたが、その方ももしかして同性が好きなのかもしれないと思っていたそうです。

その後も私はセクシュアルマイノリティ人たちと会って話をすることを続けていました。その中で、私はレズビアンであることを公言する女性と出会いました。

彼女は作詞作曲をしており、時々学外でライブをしています。さらに、LGBT向けのブランドも立ち上げており、ライブグッズとしても売っていきたいと考えています。

そんな彼女から、私は一緒にLGBTを知ってもらう活動をしないかと誘われました。私自身も当事者として、今の日本ではLGBTに対する理解が遅れていると感じています。
私にできることがあるなら是非やってみたいと思い、彼女と一緒に活動することを決意しました。

主な活動内容はライブ活動で、LGBTをテーマにした曲をライブハウスやイベント会場で披露しています。現在のメンバーは私を含め3名。結成してまだ間もないですが、ライブ活動を通じてより多くのLGBT当事者・理解者、LGBTを知らない人にもメッセージを伝えていきたいと考えています。

就活ノウハウ講座 最初の関門「ES」の書き方

就活ノウハウ講座シリーズ、今回はES(エントリーシート)の書き方についてです。

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ESは就活において最初の関門だとも言えます。

自分をうまくプレゼンテーションできるように、作成していきましょう。
頻繁に出題される質問はあらかじめ対策を練っておく必要があります。また、書き方にはコツがあるのでしっかり理解してまとめておきましょう。今回はESをうまく書く秘訣をご紹介していきたいと思います。

エントリーシートを書く上でのポイント

出題される質問は大きく6つのテーマに分かれます。

1.自己PR・学生生活

学生生活の中で、最も力を入れたこと、またそこから得たものを記入
強みを具体的なエピソードを交えて説明する

2.企業とのマッチング

志望企業がどのような人材を求めているのかを把握しておく
志望企業の事業内容・仕事内容にうまく関連付けるように書く

3.学業

ゼミや研究などどんな学習に努力してきたのかを書く

4.志望動機

志望理由・チャレンジしてみたいこと・希望職種とやってみたいことを具体的に書く
志望企業についてしっかりと研究していることをアピールできるようにしておく

5.職業観・価値観

職業観や価値観を企業に結び付けられるように書く
将来についてやる気や意欲が感じられる文面にする

6.課題・提案

自分のアイディアをオリジナリティの感じられるように工夫して内容を考えてみる

上手く書くために

話の要点を一つに絞る必要があります。
欲張ってたくさんの要素を盛り込んでしまうと、うまく話がまとまりません。

また、具体的な話を入れることで説得力のある話になります。抽象的な言葉を並べずに、具体的な話をすることを心がけておくと良いです。

大切なのは、あなた自身の意思や価値観、興味・能力を伝えることです。自分らしさを表現できるようにしましょう。

また、最終的には他人の目で判断しチェックしてもらうようにしましょう。
いくら自分でよく書けたと思っていても客観的にみると間違いやミスがあるかもしれません。他人に見てもらって直すべき点は修正しておくと良いと思います。

ESは自分のアピールポイントでもあるので、よく考えて自分のことを整理してからエピソードを盛り込むようにしていくと良いかもしれません。

早い段階のうちに自己分析を行っていくと話をまとめやすいと思います。上に挙げたようなポイントを意識しながら自分の話を組み立てていってください。

自分にしかできないESを就活で作成できると良いですね。

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LGBT学生に大学ができる支援とは?一橋大学でのセミナーレポート

一橋大学にて行われた「大学・教育とセクシュアリティマイノリティ(LGBT)~大学でできる支援について考えよう~」に取材に伺いました。

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http://www.hit-u.ac.jp/

大学・教育とセクシュアリティマイノリティ(LGBT)
~大学でできる支援について考えよう~
日程 2016年11月18日(金)16:30~18:30
会場 一橋大学
http://www.hit-u.ac.jp/kenkyu/hit_seminar/domestic.html

今回のセミナーは、学外からの参加者も多く、大学関係者の方や、他大学の学生さんなどが参加されていました。

一橋大学にはジェンダー社会科学研究センター(CGraSS)があり、セクシュアルマイノリティについての研究も進められています。
また、「ハラスメント防止等に関する規則」が制定されており、セクシュアルマイノリティに関するハラスメントについても記載されています。

しかし、昨年、一橋大学のロースクールの学生が、アウティングがきっかけで学内の建物から転落死するということが起こりました。
大学側は対応に問題はなかったと話していますが、本当に大学としてできることはなかったのか…。CGraSSでは、この問題についても話し合いを進めているそうです。

そんな中で開催されて今回のセミナーでは、LGBT当事者の活動家である、遠藤まめたさん(やっぱ愛ダホ!idaho-net・代表)、松岡宗嗣さん(明治大学MEIJI ALLY WEEK・代表)を招いての講演、そして参加者とのディスカッションが行われました。

遠藤まめたさん
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松岡宗嗣さん
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LGBT学生が大学生活で困ること

LGBT学生が大学生活において困ることは様々ありますが、遠藤さん、松岡さんの講演よりいくつかピックアップして紹介します。

通称名について

通称名使用に関しては大学によって対応が異なります。また、通称名が使えたとしても学生名簿は本名であったり、身体の性の性別が記載されていることで、アウティングにつながる可能性もあります。
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体育の授業が男女で分かれている
英語などの授業で教授がMr.、Ms.で呼ぶ

トイレや更衣室の使用

「多目的トイレが、男女のトイレの中にある場合もあり、使いづらい」という意見も。

健康診断

説明することに抵抗があり、受診しないという人も多い。

キャリアセンターでの相談

自分のセクシュアリティが選考に影響するのか、LGBT学生が働きたい企業はどこかなど、相談したいことはあるが、理解されないのではないかと不安で利用しづらい。

差別発言

教授が差別発言をする、サークルなどの飲み会で「ホモネタ」で盛り上がるなど、差別発言を耳にする機会がある。

大学側はどんなことができるか?

今回のセミナーでは、遠藤さん、松岡さんより、学生がどんなことに困っていて、大学側はどんなことができるのかといったお話がありました。

大学側ができることとしては、大きく分けると、制度・設備の整備と理解の促進なのではないでしょうか。

制度・設備の整備

国際基督教大学では、「LGBT学生生活ガイド in ICUトランスジェンダー/GID編」にて制度・設備についても詳しく紹介しています。

・学籍簿の氏名・性別記載の変更
・大学の発行する証書の性別記載
・体育実技の履修、更衣室
・学生定期健康診断の個別受診
・だれでもトイレ(多目的トイレ)の設置…設置場所もガイドに明記されています。
・ジェンダー・セクシュアリティ特別相談窓口
etc

参照:http://web.icu.ac.jp/cgs/docs/20151021_TSGuide_v8.pdf

理解の促進

理解の促進については、「アライを増やす」ということが一例として挙げられます。

松岡宗嗣さんはアライを増やす活動として、「MEIJI ALLY WEEK」を主催しています。
イベント中は、自分らしさを表現するファッションショーの開催、白色の服装をして写真を撮りSNSで「Allyになりたい!」というメッセージと共に発信する「Ally in White」が開催されました。
多くの方が参加され、LGBTについて知る機会、Allyになる機会となったそうです。

「ALLY WEEK」は他大学にも広がっており、全国の大学で開催されています。

まとめ

LGBT学生にとって、まだまだ学生生活は困ることや悩むことも多いのが現状です。しかし、大学として、学生として、それぞれの立場でどんなことができるかを考え活動している人の数は増えているのではないか、と感じています。

今後も一橋大学CGraSSさんでは、セクシュアルマイノリティについて考える会を開催していくとのことです。

LGBTに対する取り組みをする保険会社

生命保険の受取人を同性のパートナーにしたいと望むLGBT当事者は多いですが、生命保険の受取人に指定できるのは、戸籍上の配偶者または2親等内の血族が基本です。そのため、同性パートナーを指定することは難しいのが現状でした。

しかし、渋谷区や世田谷区のパートナーシップ制度が始まったことや、LGBT当事者からの要望を受け、2015年にライフネット生命が同性パートナーを受取人に指定できると発表しました。その後、多くの保険会社が同様の発表を出しています。

保険会社によって手続きに必要な書類はやや異なります。
現在同性パートナーを受取人に指定できると発表している保険会社及び、必要な書類を紹介します。

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渋谷区の「パートナーシップ証明書」で手続き可

渋谷区の「パートナーシップ証明書」を提出することで、手続きがスムーズになるといった表現で発表をしています。

第一生命

渋谷区の「パートナーシップ証明書」でスムーズになる

日本生命

渋谷区の「パートナーシップ証明書」でスムーズになる

オリックス生命

渋谷区の「パートナーシップ証明書」で手続きが可能

渋谷区の「パートナーシップ証明書」以外の書類でも手続き可

ライフネット生命

・住民票(同居の事実を確認するため)
・パートナー関係に関する確認書(ライフネット生命所定の書類)
以上があれば手続きが可能。

プルデンシャル生命

住民票のみで手続き可。
渋谷区の「パートナーシップ証明書」があれば住民票は不要となる。

ジブラルタ生命

自治体が発行するパートナーシップ証明書等の書類を提出すれば手続き可能

アスモ少額短期保険株式会社

自治体が発行するパートナーシップ証明書等の書類を提出すれば手続き可能
証明書がない場合は、アスモ少額短期保険所定の「死亡保険金受取人の指定に関する確認書」の提出で手続きが可能。

メットライフ生命

・自治体が発行する「パートナーシップの証明書類」の写し
・「任意後見契約の公正証書」(正本または謄本)または「生活、療養看護および財産の管理に関する事務を援助する旨の合意契約の公正証書」(正本または謄本)

※渋谷区が発行する「パートナーシップ証明書」または「渋谷区パートナーシップ証明書交付済証明書」の写しがあれば、その他の書類は不要

まとめ

今回紹介した以外にもLGBTに対応する保険会社は増えてきています。
この流れは今後も進んでいくと思われます。

「採用面接時」のLGBT対応に関する調査

LGBT当事者もしくはアライによるレポート。今回は「採用面接におけるLGBT」に関する意識調査についてです。

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世の中のLGBTに関する独自の調査・研究、情報発信を行うLGBTマーケティングラボは運営する株式会社CIN GROUP協力のもと、現役企業人事180名を対象に「採用面接におけるLGBT」に関する意識調査を実施しました。

採用面接時にカミングアウトを受けた経験があるか、なぜカミングアウトしてほしいのかなど、さまざまな質問を通して調査が行われました。

結果まとめ

・採用面接でカミングアウトされたことがある人は約2割。

・平均カミングアウト人数は1.35人。

・「採用面接の場でカミングアウトしてほしい」と回答した人は全体の約6割。

・カミングアウトしてほしい理由としては、「自分らしく働いてもらいたいから」や「最初にオープンにしてもらった方が採用後に対応しやすい」という採用後のことを考えた意見が多数。

・反対に、カミングアウトして欲しくない理由は「どう対応していいかわからないから」というLGBTに関する理解が足りないゆえの回答が第1位に上がりました。

参照 http://news.biglobe.ne.jp/economy/1018/prt_161018_7333931832.html

まとめ

現役採用担当者の半数以上が、面接をするタイミングでカミングアウトを望んでいるんですね。それは、当事者からしたらとても勇気のあることで、なかなか難しいと思います。
しかし、LGBT当事者にも自分らしくオープンにしてほしいと望んでいる企業もたくさんあると思います。

その一方で、カミングアウトをしてほしくない理由として、「どう対応して良いのかわからない」が挙げられているのを見ると、まだ理解が無い企業が多いことが分かります。

当事者が就職する際に、見極めるべき点としてその企業がLGBTフレンドリーであるかどうかだと思います。しかし、実際にはホームページ上で記載されているだけで何もアクションを起こしていない企業もあります。
そのため、セミナーや研修・講習会に積極的に参加しているか、LGBT当事者が実際にいるかなどを事前に確認しておくと良いかもしれません。

当事者が実際にいれば、その人に対してどんな対応を行っているかが分かったりセクシュアルマイノリティの人にも寛容である可能性が高いと思います。

これから、就職活動をしていく方は、当事者やそうでないに関わらずその会社がどのような社風でどんな人も働きやすい環境にあるかを十分に知っておく必要があります。
また、それはネット上の情報だけを鵜呑みにするのではなく、説明会やその会社で働いている社員に話を聞くなどより現実的な情報を得た方が自分のためになると思います。

世界と日本の同性婚事情

日本ではまだ法的には認められていませんが、2000年以降同性カップルの結婚が法的に認められている国や地域は増えてきました。

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同性婚が合法化されている国

結婚に関する法律を改正し、これまで異性間でのみ可能であった結婚を同性間でも可能としています。
同性婚が初めて合法化されたのは、オランダで、2000年のことでした。

オランダ、ベルギー、スペイン、ノルウェー、スウェーデン、ポルトガル、アイスランド、デンマーク、フランス、南アフリカ、アルゼンチン、カナダ、ニュージーランド、ウルグアイ、イギリス、ブラジル、米国、メキシコ、ルクセンブルク、アイルランド、グリーンランド(デンマーク自治領)、エストニア、コロンビア、ベトナムなど

LGBTフレンドリーと言われる台湾では、同性婚が合法化されるのも近いのではないかと言われています。
台湾で同性婚が合法化されれば、アジア初となります。

同性間の婚姻と同等の制度がある国

異性カップルにのみ認められている結婚の法律はそのままに、同性カップルに向けた新しい婚姻制度が作られています。補償内容は結婚とほぼ同等です。

デンマークなど北欧諸国の「登録パートナーシップ」
ドイツの「生活パートナー関係法」
イギリス「シビル・パートナーシップ法」

異性間、同性間どちらも利用できる、結婚に準ずる制度がある国

2と同じく、それまでの結婚の法律はそのままに、新たに結婚に準ずる制度が作られています。
フランスのパックス(パクス/民事連帯契約)が代表的です。ただ、現在では異性カップルの利用がほとんどのようです。

日本の同性婚事情

日本では同性婚は合法化されていませんが、結婚に相当するものとして、渋谷区、世田谷区などでパートナーシップ制度が導入されました。

パートナーシップ制度はまだ導入されてはいないものの、LGBTに関する勉強会を開催するなど、LGBTフレンドリーになるための準備を進めている自治体も増えています。

まとめ

日本での同性婚合法化はまだこれから、というところですが、自治体でのパートナーシップ制度の他、企業によるダイバーシティ推進は急速に進んできています。

「制度はあっても職場の理解はないのではないか」という意見もありますが、最初から完璧に誰もが理解している環境をつくるのは非常に難しいです。制度の整備や、研修の実施など、少しずつ進めていくことで、徐々に理解が広まっていくのではないでしょうか。