今週の記事まとめ

今週公開した記事をまとめてご紹介します!

性同一性障害について

多くの人は自分の性別に対する認知とジェンダーアイデンティティは一致しています。しかし一部の人はそれらが一致していません。それを性同一性障害と呼び、性同一性障害とは医学的な病名です。

https://nijipi.lgbt/life/3895

「本物のトランス」という考えがあることについて

LGBTの中でも、トランスジェンダーはさらに細分化されるセクシュアリティです。MtFとFtMが大きなカテゴリーとしてあると思いますが、その中でも性別適合手術を受けるかどうか、受けるならどの段階まで受けるのか、という部分で分かれます。その中で起こっている問題について今回は取り上げます。

https://nijipi.lgbt/life/3897

就活中の18卒学生さんにオススメする今からやるべきこと3選

3月にナビサイトがオープンしてから5か月が経過しようとしています。6月に大手の選考が解禁になり、面接のピークが終わりました。

https://nijipi.lgbt/job/3900

「L」「G」「B」「T」の割合

LGBTとひとくくりにされていますが、この言葉をとっただけでも4つのセクシュアリティが一緒くたにされています。LGBTが日本に占める割合は、2015年の電通ダイバーシティラボの調査では7.6%とされていますが、それぞれの割合は出ていません。

https://nijipi.lgbt/life/3903

「L」「G」「B」「T」の割合

LGBTとひとくくりにされていますが、この言葉をとっただけでも4つのセクシュアリティが一緒くたにされています。LGBTが日本に占める割合は、2015年の電通ダイバーシティラボの調査では7.6%とされていますが、それぞれの割合は出ていません。

今回は当事者が感じている、4つのセクシュアリティそれぞれの割合を考えてみます。

レズビアンは少ないと言われがち

「周りにゲイはいるけどレズビアンは会ったことがない」そんなことばをたまに耳にします。芸能界においても、ゲイを公言している人はいてもレズビアンは多くありません。

レズビアンの当事者の方にこの理由を聞いたことがあります。

「レズビアン、女性は男性に比べて所得が少ない現状がある。そのため、バーに行ってお酒を飲んだり、交流会やイベントに参加するための経済的な余裕が男性に比べて少ない。だから、実際にレズビアンと会う機会は多くないのではないか」

この言葉をきくと、自分の周りにいる数よりも、実際はもっと多いのではないかと思います。

ゲイは多いと言われる

 レズビアンとは対照的に、ゲイは割合多いと言われます。それは所得の面でもそうですし、メディアで多く取り扱われるために、認識される機会が多いのだと思います。

また、オネエキャラなどと言われる、いわゆる女性らしい男性をゲイであるとしてしまう、または疑うという流れが存在するので、実際の数と多少差が出るのかもしれません。

バイセクシュアルはもっと多い?

バイセクシュアルは、異性のパートナーがいて、カミングアウトをしていない場合は、バイセクシュアルであるということは基本的に周りに知られることはありません。また、過去に出会った人に実際にいたのですが、同性に感情を抱いたことはあっても、現在異性と交際しているため、自身をバイセクシュアルと公言していない人がいました。

そのように、実際に自認をしている人よりも、数は多いのではないかと思います。

トランスジェンダーは一番少ない?

性同一性障害に限れば、その割合は1万人に1人か2人、つまり0.01%ほどとなるそうですが、トランスジェンダーについては、数字は出ていません。これは、MtFとFtMだけに限定するのか、Xも含めるのかによって変わってくるかと思います。

トランスジェンダーの場合、LGBとは違い性自認の問題なので、自認をするきっかけも人それぞれです。またこれは、社会におけるジェンダー規範(いわゆる男らしさ女らしさ等)がどれほど存在するかによっても変わるかと思います。

まとめ

自認をしているかどうかや、匿名かどうかなどで、調査結果は大きく変わるのがセクシュアリティの問題かと思います。割合が多いか少ないかに関係なく、他者を尊重できる社会になればいいと思います。

「本物のトランス」という考えがあることについて

LGBT当事者orアライによるレポート。

LGBTの中でも、トランスジェンダーはさらに細分化されるセクシュアリティです。MtFとFtMが大きなカテゴリーとしてあると思いますが、その中でも性別適合手術を受けるかどうか、受けるならどの段階まで受けるのか、という部分で分かれます。その中で起こっている問題について今回は取り上げます。

「本物のトランス」という概念

トランスジェンダーの中には、冒頭でもあげたように、どの段階まで性別移行を望むかは人によってさまざまです。男女によって細かくは異なるかと思いますが、手術の前の段階ですと異性装やホルモン治療、手術になると、生殖機能を取り除いたり、性器や乳房の切除、望む性別の性器の形成などが当てはまります。

MtFやFtMと大きなくくりで言っても、どの段階まで進んでいて、どの段階まで最終的に望んでいるのかはそれぞれ異なります。その中で、手術により身体も見た目も完全に望む性別に移行した人、もしくはする予定の人を、本物のMtFやFtMと呼ぶ人が存在します。

「偽物のトランス」がいるのか

本物と呼ばれる人がいるということは、偽物が存在しているということでしょう。この基準に当てはめれば、ホルモン投与のみを行っている人や、何も治療を行っていない人は、本物のトランスジェンダーではないということになります。

また、私は実際にお会いしたことはありませんが、自称MtFやFtMなどのLGBTを名乗り、当事者との性的な接触を迫る人が存在しているということは聞いたことがあります。セクシュアリティはストレートであるのに、このような理由からLGBTを自称している人は、もちろん偽物でしょうし、存在してはいけないことだと思います。

しかし、本人の性自認がMtFやFtMであるのであれば、それは周りが本物か偽物かと評価することはできないのではないかと思います。

実際に判断するのは難しい

費用や時間の面、また社会的な規範の中で、すべての人が自認している性別へ身体的に完全に移行できるとは限りません。

また、トランスジェンダーであることを自認する時期が遅いと、それも偽物と批判する声もありますが、いつ自認するかは人によってさまざまなので、偽物と決めつける理由にはならないかと思います。(特に、年齢の高い方だと、昔はLGBTに関する知識を得る機会が少なかったために、自認するきっかけが多くなかったことも理由かと思います。)

性的指向の部分や、さらに曖昧な概念であるXジェンダーの人を含めて、その人がLGBTかどうかを周りが判断するのは、極めて難しいことです。

大事なのは、「個」を尊重すること 

そもそも、男女の規範にならった異性愛前提の規範に、当てはまらないことにより不満や心地悪さを感じているのがLGBTの人の多くだと思います。

現在の日本社会における男女の規範にならった異性愛前提の規範から漏れた人が、LGBTとしてくくられているのに、その中でさらに、「この人は本物のLGBTではない」と追い出してしまっては、同じことの繰り返しになってしまうでしょう。

LGBTの問題に関わらず、大事なのは個々人を認め合うことです。周りからはそうは見えなくても、その人がパンセクシュアルであると言えばパンセクシュアルですし、トランスジェンダーと言うならトランスジェンダーです。

ただ、上にも書いたように、性的な目的やビジネス目的から、LGBTを自称する人が存在しています。一部にそのような人が存在しているのはとても悲しいことですが、そのような人が一定数いるということに気をつけて、人付き合いをしていくしかありません。

最後に

私は、LGBTだからみんなで仲良くしようという意見を言うわけではないですし、実際それは不可能だと思っています。大事なのは、セクシュアリティに関係なく人と関われることだと思います。もちろん同じセクシュアリティの人同士は共通点から仲良くなれることは多いと思いますが、自分と違うからと言って、偽物だと批判するのは絶対に間違っていると思います。

LGBTもそうではない人も全員が生きやすい社会になるためにも、過度に自分と違う人を干渉しすぎず、尊重できる形が理想ですね。

性同一性障害について

LGBT当事者orアライによるレポート。今回は性同一性障害についてです。

性同一性障害とは

多くの人は自分の性別に対する認知とジェンダーアイデンティティは一致しています。しかし一部の人はそれらが一致していません。それを性同一性障害と呼び、性同一性障害とは医学的な病名です。

これは「反対の性に対する強く持続的な同一感」などの医学的な4つの診断基準があります。芸能人でははるな愛さんや椿姫彩菜さん、佐藤かよさんがいます。

ここで注意したいのは、性同一性障害の持って生まれた「性自認」が異常であり「障害」があるというわけではありません。これは身体的な障害を持った方にも言えますが、持って生まれたものが社会生活を送るうえで支障が出てくるという意味で「障害」と捉えます。そこをしっかりと認識することが重要です。

性同一性障害とLGBT

正確にはLGBTのTにあたるトランスジェンダーは性同一性障害とは異なっています。性同一性障害自体、2003年ころから使われ始めた言葉なのですが、性同一性障害とはトランスジェンダーの中でも身体的手術を望む人のことを言います。

戸籍の性別変更

現在の法律をまとめると、「20歳以上であり、婚姻をしておらず、未成年の子供がいないこと。生殖腺がないこと、または生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること。その身体について、他の性別にかかる身体の性器に係る部分に禁じする外観を備えていること。」とあり、性別の変更を申し出ることができます。

しかし、現在の日本においては特例法が制定されたことによって、性別変更をすると生殖能力を放棄しなければならず、自分の子供を持つことはできなくなります。それは性別変更を認められたのに、そのかわり子供はあきらめる必要があるということです。また特例法よって性別適合手術がより合法性を増して、さらに性同一性障害への理解が進みました。

一方で、制定により性別適合手術さえ行えば戸籍を変更できるというように、本人が強く望むならまだしも、周囲の人間が手術へと追い込むことがあります。

今後の課題

以上のように性別の違和感を覚える人の程度は人それぞれであるのにもかかわらず、ガイドラインに沿って性別適合手術を行って、性別の変更を行うことが最も理想的な治療だとする風潮もあるため、人それぞれに合った治療を行うことが必要だと感じます。医学的に健康な体に対して手術をするということに対して慎重になる必要もあると感じます。

今週の記事まとめ

今週公開した記事をまとめてご紹介します!

芸能界のLGBTについて

自分がLGBT当事者と気づいたきっかけやカミングアウトについて、みなさんもテレビでよく目にするLGBT当事者である芸能人を紹介します。

芸能界のLGBTについて

インターンシップに参加するメリット

夏休み期間中にインターンシップを開催している企業は多くあります。また、既に就活を経験した方の中では、夏休みのインターンシップが初めての就活だったという方も多いです。今回はインターンシップに参加することで得られるメリットについてです。

インターンシップに参加するメリット

現役メジャーリーガーのカミングアウト

日本には現在約950万人のLGBTの方が存在します。つまり日本人の約13人に1人の割合です。野球であれば1試合したら1人以上は当事者がいるという計算になります。したがって、どのスポーツにおいても、同じように多くのLGBTであることを隠して、競競技をしていることが想像できます。

現役メジャーリーガーのカミングアウト

現役メジャーリーガーのカミングアウト

日本には現在約950万人のLGBTの方が存在します。つまり日本人の約13人に1人の割合です。野球であれば1試合したら1人以上は当事者がいるという計算になります。したがって、どのスポーツにおいても、同じように多くのLGBTであることを隠して、競競技をしていることが想像できます。

しかしスポーツ界においては、特に男性のスポーツ選手は「男らしくあるべきだ」と世間では考えられているため、言いたくてもなかなかカミングアウトできないスポーツ選手がいることが想像できます。特に男性のみの団体スポーツである野球界ではカミングアウトは非常に難しいのではないでしょうか。

現役メジャーリーガーのカミングアウト

2015年8月、そういった厳しい風潮の中、現役選手として初めてLGBTであることをカミングアウトした選手がいます。ミルウォーキー・ブルワーズに所属するデヴィッド・デンソン選手です。

メジャーリーグではその傘下のマイナーリーグを含めて、140年以上の歴史で何百万人もの選手が在籍していたことを考えると、歴史的な出来事でした。過去には引退後にカミングアウトした選手はいます。しかし、20歳の現役選手がカミングアウトすることは異例のことでした。

カミングアウトの経緯

AFP通信によると、デンソン選手は同僚に勇気を出して‘同性愛者’であることを告白しました。それに対する仲間の反応は、『それでも君はチームメートであり、兄弟であることに変わりはない。それぞれ考え方はあるだろうが、君の能力は性的指向とは無関係だ。君が野球選手であることは変わらないし、君を差別することはしない。応援するよ』と言われてとても驚いた反面嬉しかったそうです。

それを受けて彼は「これで世間一般の人が、みんな同じ人間であり、スポーツをする仲間であると目を開いてくれることを願っている」と語りました。さらに球団も彼に対して理解を示し、ファンや他の選手、監督、コーチから差別されることなく、野球に集中してメジャーに昇格できるような体制をしっかりと整えることを発表しました。

今後の野球界

80年以上続く日本のプロ野球においては、LGBTだと公表した選手はいません。もしかすると、当事者の割合は他の職業よりも少ないのかもしれません。しかし、カミングアウトしにくい環境を作っているとも考えられるのではないでしょうか。

これからに日本でも「セクシャルマイノリティー」に対する理解が進み、アメリカと同じように偏見なく受け入れる土台作り、セクシャルマイノリティーの方が安心して競技に専念できる場所を提供する必要があると感じます。

芸能界のLGBTについて

自分がLGBT当事者と気づいたきっかけやカミングアウトについて、みなさんもテレビでよく目にするLGBT当事者である芸能人を紹介します。

カズレーザーさん(メイプル超合金)

バイセクシャル(両性愛者)であることをカミングアウトされていて、過去には男性・女性との交際経験があります。

カズレーザーさんがバイセクシュアルになった初めのきっかけは高校3年生の頃。その頃の担任教師がバイセクシュアルであることをカミングアウトしたことをきっかけに関心をもつようになりました。その後20歳になったカズレーザーさんは、ゲイの友人からの誘いもなんの抵抗もなく受け入れられたことが最大のきっかけだったと本人は語っています。

高校3年生の頃の担任のカミングアウトを経験していなければ、こうしてカズレーザーさん本人が自分自身の本当の性別に気付くこともカミングアウトをすることもできなかったかもしれません。

はるな愛さん

はるな愛さんは自分の性別について断言はしておらず、ニューハーフでも、女装家など様々なカテゴリーがある中で、どのカテゴリーにもあてはまらない人でいたいと語っています。

物心がついた幼稚園の頃から、ままごとや人形遊びが好きで、野球好きのお父さんからよく「男はこっちで遊べ!」といってグローブとボール、バットを渡されていました。

小学校、中学校と自分の心の変化には気付いていたものの、親からの「男らしくあれ!」と言われていたり、しぐさや言葉遣いが女っぽいと学校でいじめられていたりとなかなか自分の心に素直になれず、初めて父親にカミングアウトできたのが高校生になってからのことでした。お父さんは「後悔のないようにしろ」と。しかしお母さんの反応は真逆で、しばらくの間口をきいてくれない日々が続いたそうです。

みなさんもご存知の通り、テレビで活躍するようになった今はお母さんにも十分理解してもらっているようです。

最後に

性にはたくさんのグラデーションがあって、どんな人にも男性らしい部分や女性らしい部分があります。もちろんそれだれではないと思います。何よりも自分が自分自身の何を大切にしたいか。どうすれば自分らしくあれるか。それが大切で、それが自分らしく生きることにつながるのではないでしょうか。そして、セクシュアル・マイノリティのない方たちも、もっと理解を深めることが大切だと思います。

今週の記事まとめ

今週公開した記事をまとめてご紹介します!

大学でのLGBTの対応について

昨今LGBTに対する認識も高まってきましたが、大学でもLGBTに対する認識が高まってきています。身近なところだと、全国の様々な大学においてLGBTサークルが結成されていることが挙げられます。

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アセクシュアルの認識して

Asexual(アセクシュアル)とは、性指向の1つで、日本語では無性愛と訳されます。他者に対して、恋愛感情や性的欲求を抱かない人のことを指します。

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バイセクシュアルという生き方

こんにちは。私はバイセクシュアルの30歳で、現在都内の一般企業に勤めています。私は職場やプライベートで特にバイセクシュアルであることを隠すことなく生活しています。

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ダイバーシティの概念と日本企業の実務面の比較

ダイバーシティという言葉が本来持つ意味と実際の企業の取り組みについてです。

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ダイバーシティの概念と日本企業の実務面の比較

今回はダイバーシティという言葉が本来持つ意味と実際の企業の取り組みはどうなのかについて考えていきたいと思います。

ダイバーシティとは

そもそもダイバーシティとはどのような意味を持つのでしょうか。ダイバーシティには本来、均等な機会を提供する少数派優遇策のような倫理的な目的での取り組みと、経営合理性の追求を目的とした取り組みという面があります。

ダイバーシティという概念は、米国で倫理的な取り組みから経営合理性を追求した取り組みへの転換の際に生まれたものであり、弱者救済の概念が主流であったが、企業経営にとって合理的であるかという考えが追加されダイバーシティという言葉が生まれました。

日本企業における「ダイバーシティ」

ダイバーシティ推進を数々の日本企業が取り組んでいるわけですが、上記の意味のような「ダイバーシティ」を推進している企業はまだまだ少ないです。多様な人材を上手く用いて経営の合理性につなげているのではなく、ただ多様な人材を増やすことのみが目的となっています。

日本におけるダイバーシティと言うと、LGBT当事者に加えて、女性、障害者、外国人等、多様な人材を活用して企業の競争力を高めようとする動きがあります。実際に女性の管理職の登用に目標を設けたり、LGBTフレンドリーを発信している企業は増えつつあります。しかし企業が取り組んでいるダイバーシティ推進の多くはまだまだ女性を対象にしたものが多く、「ポジティブ・アクション」の取り組みが一区切りついたというのが実情です。

最後に

実際にダイバーシティ制度を推進、運用していて表彰もされている企業を見ると、時短勤務や在宅勤務、育児休暇等子育てに関する制度の充実などが見受けられます。ワークライフバランスの追求や女性社員の推進といった目的からすると、素晴らしい制度だといえます。しかしまだ障害者やLGBTの人材を経営に上手く活かしている企業はまだ多くはありません。

障害者に関して言えば、日本では雇用者の2.0%に相当する障害者を雇用することを義務づけており、これを満たさない企業からは納付金を徴収しています。一方で、雇用義務数より多く障害者を雇用する企業に対しては助成金を支払っています。このことから、企業は経営合理化のために、自発的に障害者を雇用していない事が伺われます。

以上のことから考えると、本当の意味でのダイバーシティ推進のためには、まだまだ企業側の姿勢や、ダイバーシティ推進の評価基準の変更等が必要になってくるかと思います。

 

バイセクシュアルという生き方

LGBT当事者orアライによるレポート。今回はバイセクシュアルという生き方についてです。

こんにちは。私はバイセクシュアルの30歳で、現在都内の一般企業に勤めています。私は職場やプライベートで特にバイセクシュアルであることを隠すことなく生活しています。

バイセクシュアルであることを公にしていると言われるのが、「バイセクシュアルって得だよね」という言葉です。バイセクシュアル以外のLGBTの人で、このような言葉をかけられることはあまりないかと思います。

正直この言葉には慣れましたし、普段は明るいキャラクターで通っていることもあり、「いいでょ~」などと明るく受け流すことが多いのですが、内心「本当にそうなのか」と思うことがあります。バイセクシュアルは得だという人の意味は、恋愛対象がストレートの人に比べて2倍だから、ということらしいですが、私自身はそれを得だと思ったことはありません。

今でこそほとんどオープンにしていますが、学生時代は自分がバイセクシュアルであると自認する前に同性を好きになったこともあってか、自分は異常だと思い込み、周りに隠していました。

同性に恋心を抱くのは、得なことではないと思います。恋愛相談を誰かにすることもできなかったし、もし気持ちを彼に伝えた時に、縁を切られてしまう可能性だってあるわけです。異性でも告白して振られれば気まずくなることもあるかもしれませんが、それが周りに知れ渡っていじめなどにつながるケースはまれかと思います。本人に告白して結果がどうなるかの心配よりも、同性に告白したという事実がクラスや学年に知れ渡るかもしれないという心配のほうが、当時は大きく、結局気持ちを伝えることなく私たちは卒業していきました。

確かに、片思い両想い関係なく恋愛は楽しいものかもしれませんし、恋愛対象が多いという面ではバイセクシュアルのほうが楽しい=得と言えるのかもしれません。ただ、誰にも言えない辛い恋の機会も同時に増えるのは、得とは言えないのかもしれません。

現在独身で恋人もいませんが、特に家族や職場からのプレッシャーもなく、楽しく過ごしています。そろそろ結婚を考える歳ですが、未だに予定はありません。