LGBTイベント 3選 10/3~10/9

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こんにちはnijipi編集長のtommieです!
今週は10/9(日)までの全国LGBTイベント情報をピックアップします!

[東京]JLGAの座談会

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テーマは”カミングアウト”する?しない?
普段はカミングアウトをせず一部の仲間にしか話していないけど、自分を隠さずに生活したい。カミングアウトはしたいけど、なかなか勇気が出ない。周りの人にもカミングアウトをしたいけど、まずは家族に伝えたい・・・
そんな思いを持つ方同士で集まり、お話をするイベントです。

JLGAの座談会
開催日:10月5日(水)
開催時間:19:00~21:00
開催場所・会場:東京サンケイビル
東京都千代田区大手町1丁目7-2
参加費:500円(飲み物、お菓子付き)
URL:http://jlga.or.jp/event_home.html#info05

[大阪]関西レインボーパレード2016

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関西で行われるレインボーパレード!
ブース出展や、ステージでのパフォーマンスが行われます。
テーマソングは、9月7日発売のはるな愛さんの新曲、全人種”肯定応援”歌謡ソング「えぇねんで」だそう♪
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関西レインボーパレード2016
開催日:10月8日(土)
開催場所・会場:扇町公園
URL:http://www.kansaiparade.org/

[栃木]第一回『宮コミ‼︎!』

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栃木で行われる、LGBTの交流会。
「初めましての方ばかりなので、ゆっくりご飯を食べながらお話♪♪」するそうです!

第一回『宮コミ‼︎!』
開催日:10月9日(日)
開催時間:18:00~
開催場所・会場:JR宇都宮駅西口餃子像前集合
URL:http://blog.livedoor.jp/initiatinglgbt2102/archives/10397350.html

各地でいろんな講習会が開かれていますね!
その他のイベントはこちらにまとめています~!→LGBTイベントカレンダー

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tommie
関西外国語大学卒、LGBTアライ。
nijipi編集長。イベント&エンタメ系担当。趣味はアイドルのおっかけ。

※画像は各イベントページより参照させていただきました。

同性カップルは「家庭」ではない?台湾大学の試験問題の記述が問題に。

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台湾の名門、台湾大学の筆記試験の問題のとある記述が問題になっています。

家庭は、異性カップルで構成されるもの?

今年の3月に行われた台湾大学機械学部の筆記試験の問題文の中に「家庭は、1人の男性と1人の女性によって構成される」という記述がありました。

この記述は、家庭は異性カップルで構成されることを限定しているように捉えられます。
そのため、日本の文部科学省にあたる台湾教育部は、同性カップルなどセクシュアルマイノリティの人たちなどの「性別の平等に反する」と批判しました。

その結果、台湾大学には3万元(日本円で1000万円弱相当)の罰金が科されました。

なぜ問題になったのか

台湾教育部の顔宝月氏は「『性別平等基本法』第13条によって、学校は生徒を募る際、性別や性差、性自認や性指向によって区別をしてはいけない。国際的にみて婚姻は男女1人ずつ、一夫一妻とは限らない、性の多様性から見て問題である」と述べています。

台湾では法律で同性婚は認められていませんが、世界的な目線で批判をしています。

日本でも起こっている

この問題は、日本における家庭科や保健の教科書の問題と似ているように感じます。

今までの家庭科の教科書では「家庭は父母と子どもで構成されるものである」、といった内容があったり、保健の授業では「子どもは思春期になると異性を意識し始めます」、といったことが書かれていました。

実際に学校でこの内容に基づいた授業を受け、絶望的な気持ちになった、という同性愛者の方の声も多く聞いたことがあります。

現在では、性の多様性を認めるべきである、といった観点からLGBTの説明が教科書の中に書かれていたり、同性カップルの紹介をしているものもあります。

日本で同性婚合法化をめぐる際には、憲法の「婚姻は、“両性”の合意のみに基づいて成立し」という記述がネックになっているとよく言われています。

その国、地域での法律での規定がどうであれ、LGBTなど今までないがしろにされてきた人たちを考慮してどんどん内容が変わっていくのはとてもいいことですね。
教科書や試験問題等の文面だけでなく、全てのものが異性愛前提でなくなっていくことを願います。

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こあせんせー
早稲田大学法学部卒のストレートアライ。
時事ネタ、法律関係が得意。趣味は将棋とモノポリー。

兵庫県宝塚市のパートナーシップ制度ってどんなもの?

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兵庫県宝塚市の同性パートナーシップ制度は、東京都渋谷区、世田谷区、三重県伊賀市に続いて全国4例目として導入されました。
ひとくくりに「同性パートナーシップ制度」といっても、自治体によって内容は様々です。
では宝塚市の制度はどのようなものなのでしょうか。

同性カップルを公的にパートナーとして認める

宝塚市の同性パートナーシップ制度は、LGBT(性的マイノリティ/セクシュアルマイノリティ)への支援策の一環です。法律上の効果はありませんが、誰もが自分らしく暮らせるまちづくりを目指すして導入されました。

宝塚市が発行するのは受領証

宝塚市のパートナーシップ制度は、「宝塚市パートナーシップの宣誓の取扱いに関する要綱」という要綱に定められています。
同性カップルがパートナーシップを宣誓し、それが受領されると受領証が発行されます。

対象者

  • 双方が20歳以上であること。
  • 双方が市内に住所を有すること又は一方が市内に住所を有し、かつ、他の一方が市内への転入を予定していること。
  • 双方に配偶者がいないこと及び当事者以外の者と同性カップルでないこと。

手続きの方法

宣誓をしたい日時を市と調整した上で市役所に行きます。市職員の前で宣誓書を記入し、市長に提出します。宣誓書は人権男女共同参画課にて受領され、受領証が発行されます。

(宣誓の方法)
第4条
パートナーシップの宣誓をしようとする同性カップルは、市職員の面前においてパートナーシップ宣誓書(様式第1号)(以下「宣誓書」という。)に自ら記入し、市長に提出するものとする。
2 パートナーシップの宣誓をしようとする同性カップルは、宣誓する日時等について事前に市と調整するものとする。
3 宣誓書は、人権男女共同参画課において受領するものとする。
4 同性カップルの一方又は双方が宣誓書に自ら記入することができないときは、当該同性カップ
ルの双方の立会いの下で他の者に代書させることができるものとする。

「宝塚市パートナーシップの宣誓の取扱いに関する要綱」より
http://www.city.takarazuka.hyogo.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/016/495/a.pdf

▼実際の書類
宝塚市宣誓書
宝塚市受領証

申請に必要な書類

渋谷区のパートナーシップ制度のように、公正証書等は必要ありませんが、本人確認のために以下のいずれかを提示する必要があります。

  • 住民基本台帳カード(顔写真が貼付されたものに限る。)
  • 個人番号カード
  • 旅券
  • 運転免許証
  • 前各号に掲げるもののほか、官公署が発行した免許証、許可証又は登録証明証であって、本人の顔写真が貼付されたもの

パートナーシップ宣誓のメリット

受領証の交付を受けることで、これまで異性カップルの夫婦や家族にしか認められていなかったことが、認められるようになります。

  • 市立病院にパートナーが入院した際に連帯保証人になれる
  • 市立病院での手術の承諾書にサインできる
  • 市立病院で病状の説明を受けることができる

また、宝塚市では市営住宅への応募できるようにするため条例の改正を検討する、民間の不動産業者に同性カップルが入居できるよう働きかける、といった動きを引き続き行っています。

問い合わせ先
兵庫県宝塚市 人権男女共同参画課
Tel 0797-77-9100

プライドパレードってどんなことするの?

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日本でも開催される「プライドパレード」。
今回はその起源や、そもそもプライドパレードの意味などをお伝えします。

プライドパレードの起源

プライドパレードの起源は、1969年7月28日、ニューヨーク・マンハッタンの「ストーンウォール・イン」というゲイバーを発信として行われた警察への抵抗運動です。

当時警察によるゲイバーの捜索は日常茶飯事で、そこを訪れる客たちはそのことに対してフラストレーションや怒りをため込んでいました。
そして、ついにその怒りが沸点を超え、大規模な暴動に発展したのが「ストーンウォールの反乱」です。

その運動から、LGBTの人々は、もっと声を上げていくべきであり、自分たちはLGBTではない人々と平等であるべきであるとする自尊心を持ちました。その自尊心は、やがて暴動ではなく「パレード」という形での意思表明を生み出していくのです。

プライドパレードとは、なにをするのか

ではプライドパレードとは具体的にどのようなことをするのでしょうか。

その内容について、今年の5月に開催された「東京レインボープライド」を例に見てみましょう。
「東京レインボープライド2016」は、「パレード」と「フェスタ」、そしてその前後を含んだ「レインボーウィーク」によって構成されています。

パレードでは、「フロート」と呼ばれる山車が先導し、参加者たちが新宿・原宿の通りを音楽とともに行進します。
フロートの上ではドラァグクィーンのパフォーマンスなどが行われ、皆で盛り上がりながら行進していきます。

フェスタでは、LGBT当事者やアライによるスピーチや、パフォーマーによるステージなどが行われます。
イベント会場ではLGBT関係団体や各国の大使館によるブースが出展され、イベント会場でさまざまな情報を発信します。飲食ブースも設置され、食事をしながら当事者やアライが語り合うことができます。

レインボーウィークの期間中は、イベント会場以外の協力店舗や団体がイベントを開催しています。広い地域で行われているので、イベント会場とはまた違う人と出会い、意見を交換することができるかもしれません。

日本のプライドパレード

東京以外でも、プライドパレードは東京、北海道、京都、兵庫、大阪、福岡、愛知、沖縄など、日本各地で開かれています。
大都市を中心に、北から南までまんべんなく行われていて、今後も開催する都市は増えていくと予想されます。

また、プライドパレードにおいて深刻なのが、協賛企業や支援団体が少ないことによる資金不足です。東京のプライドパレードも、過去に資金不足で中止となってしまったことがあります。

プライドパレードの目的は当事者同士が交流することと、理解者を増やすことです。パレードが盛り上がることが、次の支援者を募ることにつながります。その盛り上がりの一端を担うために、ぜひ一度参加してみてはいかがでしょうか。

同性愛は病気なの?後編 LGBT当事者orLGBTアライによるレポート シリーズ

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LGBT当事者もしくはアライによる「セクシュアリティ」に関するレポートを紹介するシリーズ。
今回は、「同性愛が病気か」というテーマのレポートです。

前編はこちら「同性愛は病気なの?前編」

自然主義的誤謬

大切なのが「自然主義的誤謬」という哲学の領域における考え方です。たとえば著名なオランダ人動物行動学者のフランス・ドゥ・ヴァールはその著書『利己的なサル、他人を思いやるサル―モラルはなぜ生まれたのか』(草思社)の中で次のように述べています。

自然から倫理規範を引き出そうとするのは,とても危険なことだ。
生物学者は物事の成り立ちを説明したり、場合によっては人間の性質を詳しく分析するかもしれないが、行動の典型的な形や頻度(「正常」かどうかを統計的な意味で判断する)と、行動の評価(道徳的な判断)のあいだには、確かな関連性などないのである。

自然から何らかの規範を引き出そうとする試みは、「自然主義的誤信」(引用者注:「自然主義的誤謬」のこと)と呼ばれており、いまにはじまった話ではない。
物事の状態を表す「である」を、物事のあるべき姿を表す「であるべきだ」に移しかえることは不可能なのだ。

『利己的なサル、他人を思いやるサル―モラルはなぜ生まれたのか』(草思社)
フランス・ドゥ・ヴァール著
pp.69-70

同性愛と生物学

このような考え方は18世紀の哲学者デイヴィッド・ヒュームもその著書『人間本性論』の中で言及していますし,社会学者マックス・ヴェーバーの「価値自由」の考え方にも通じるものです。

確かに今のところ同性愛男性に特有の脳の解剖学的・神経学的特徴は特定されていません。

たとえば,異性愛男性・女性・同性愛男性の間で性差があるとしてS. LeVayにより報告され注目された脳部位として視床下部間質核(INAH:interstitial nucleus of the anterior hypothalamus)の中のINAH3という組織がありましたが、その後W. Byneらによって行われた追試では統計的に有意な差は確認されず、現在に至るまで追試もなかなかあがっていないのが現状です。

しかしながら、こうした生物学的研究の現状をもって同性愛が病気ではないとするのは、同性愛男性に特有の解剖学的・神経学的特徴が見つかったとき再び同性愛が病気だと見なされる危険性を残してしまうことでもあります。

大切なのは何か同性愛男性に特異的な解剖学的特徴が仮にあったとしても、それをもって同性愛が病気であるとか異常であるという結論が必然的に導き出されるかのように考えるのは誤りであるということです。

また、双生児法をその基本的方法論に据える行動遺伝学の研究によって、性的指向の決定に遺伝的要因が関与していることは既に示されていますが、この事実によって同性愛の正常/異常を決定することも同様にできません。(この遺伝子があれば100%ゲイになる,という遺伝子が存在するという意味ではありません。)

そしてこれは同時に同性愛を擁護する際にも注意しなければならないことです。
たとえば時折見かける議論として、動物など自然界でも同性愛は多く存在しているのだから同性愛は異常ではない、というものがあります。

実際、確かに「同性愛」行為はピグミーチンパンジー(ボノボ)やヒツジなど多くの動物で確認されていますが、だからといってその事実によって同性愛は「正常」である、という結論を導くことはできません。
「自然主義的誤謬」を犯しているという点では同じなのです。

先に引用したドゥ・ヴァールの文章にも述べられている通り、ある行動や形質が「正常」か「異常」かを定める倫理的規範が自然から必然的に導き出されることは決してありません。
しかし、こうした「自然主義的誤謬」を犯している議論は、同性愛に肯定的なものも否定的なものも含め世の中にたくさん流布しています。

みなさんも同性愛に関する議論を目にしたとき、それが「自然主義的誤謬を犯していないか」という観点から眺めてみてはいかがでしょうか。

同性愛は病気なの?前編 LGBT当事者orLGBTアライによるレポート シリーズ

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LGBT当事者もしくはアライによる「セクシュアリティ」に関するレポートを紹介するシリーズ。
今回は、「同性愛が病気か」というテーマのレポートです。

同性愛は異常?

2016年6月に博報堂DYグループのLGBT総合研究所によって実施された調査によるとLGBTを含むセクシュアルマイノリティに該当する人は8%にも上るそうです。

セクシュアルマイノリティの人々に対する認知は広まりつつありますが、そうした動きの中で否定的な発言があることもまた事実です。

たとえば昨年11月には神奈川県海老名市議による同性愛は「異常動物」であるとのツイートや、同年12月の岐阜県議による「同性愛は異常」とのヤジが非難を集めました。

こうした事例に象徴されるように、同性愛者を含むセクシュアルマイノリティの人々に対しては、「生物学的」に「異常」であるとの主張によって反発の声が上がることが少なくありません。

同性愛の病理化/脱病理化

同性愛はかつて「病気」として扱われていた歴史があります。
これはジェンダー研究の領域では同性愛の病理化として言及されているものです。この「同性愛の病理化」の歴史は,1987年に米国精神医学会のDSM-Ⅲ-R(精神障害のための診断と統計の手引き,改訂第3版)から「自我不親和性同性愛(ego-dystonic homosexuality)」が削除され,1992年に世界保健機関(WHO)による国際疾病分類 改訂第10版(ICD-10)からも同性愛に関する項目が削除されたことをもって終わりを迎えました。

では、どのような認識に基づいてこうした同性愛の脱病理化の決定はなされたのでしょうか。

もちろん当事者による運動の影響も大きいですが、たとえば分子生物学者の石浦章一氏は『サルの小指はなぜヒトより長いのか』(新潮文庫)という本の中で、「ホモセクシュアルは病気か」という問いかけに続いて次のように書いています。

これ病気の定義になるんですけれども,病気って何かというと,検証可能な病理像がないといけないんです。ある病気だったら,必ず脳のこの場所にこういう症状が出るっていう検証可能なものがなきゃいけないわけです。

…ところが,この検証可能な病理像は,…ホモセクシュアルの人にはない。…つまり,病気という定義には明らかに当てはまらないということで,このホモセクシュアルが病気かっていう議論は,現在ではノーっていうことになっています。

『サルの小指はなぜヒトより長いのか』(新潮文庫)
石浦章一著
pp.240-241

しかしこれで本当に良いのでしょうか?

確かにたとえば男性同性愛に限定すると、現在は同性愛男性に特異的な脳の解剖学的・神経学的な特徴は明確には特定されていません。
その限りでは同性愛が病気として扱われることもないでしょう。

ただ、今後研究が進んで器質的な要因が明らかになったときは,やはり同性愛は病気だということになってしまうのでしょうか?

-後編につづく-

同性婚合法化は出生率低下を招くのか

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同性婚合法化は出生率低下を招くのか

2016年4月18日、産経新聞のネットコラムにこのような記事が掲載されました。

「LGBT差別禁止法に異議あり! 異性愛を指向する価値観に混乱をきたしてはならない」
http://www.sankei.com/column/news/160418/clm1604180005-n6.html

この記事の中で、著者の八木秀次氏は下記のように述べています。

LGBTの人たちへの配慮も彼らが生きやすい社会をつくることも必要だ。
しかし、だからといって彼らの考えを中心として社会を再構築することは別の話だ。
異性愛を指向する大多数の人たちの価値観に混乱を来してはならないし、婚姻はあくまで男女のものであり、それを前提とした制度・慣行も守らなければならない。

基本を譲れば社会は崩れ、少子化も一気に加速する。これは同性婚を認めた米国から得られる教訓でもある。

同性婚と出生率の関係性は薄い?

実際に、アメリカの出生率は、同性婚によって急速に低下しているのでしょうか。
人々が異性ではなく同性を結婚相手として選ぶことで子どもを作ることができず、そのために全体的な子どもの数に影響が出ているのでしょうか。

実は、そのような明確なデータは存在しません。

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出典 http://ecodb.net/country/US/fertility.html

このデータよれば、アメリカで同性婚が全州で合法とされる2015年前からじわじわとアメリカの出生率は低下しています。

アメリカで最初に同性婚が州法で認められたのは2004年ですが、それ以降同性婚を認める州は増えているはずなのに、出生率が上がっている年もあります。

同性婚と出生率が必ずしも関係しているとは言えない状況でしょう。

また、アメリカにおける出生率の低下については、このような見解があります。

中流階級としての家族の生活を守るために働く必要があり、かつてないほど仕事をしている。また彼女たちが暮らす社会では、自分たちの子どもの将来を安泰にするためには、多大な時間と金を投じることが求められる。
(中略)
彼らは時間的にも金銭的にも高くつくため、中高所得社会では少なからぬ寂しさとともに、欲しいだけの子どもを持つ余裕がないとあきらめる女性が増えている。

コラム:米国での出生率低下、その脅威とジレンマ
http://jp.reuters.com/article/tk0571741-column-birthrates-idJPTYE8BA04320121211?sp=true

このコラムでは、出生率の低下について、中流階級女性が自分たちの生活を今の生活圏内で安定させるため、子どもの未来を安定させるために働かなくてはいけなくなったことが原因だとしています。
同性婚が原因ではなく、社会の在り方が変わったことが原因だというのです。

出生率の低下は、先進国を中心に世界中で起こっていることです。それは深刻な問題であることに間違いはありません。
しかし、その原因は同性婚ではないでしょう。同性婚が合法な国でも、そうではない国でも、少子高齢化に悩んでいることには変わりがないからです。

しかし、この記事のような考え方が存在することも確かです。そういった人々に、同性婚が少子化を推し進めるものではないことをどのように説明していけばいいのでしょうか。

その方法を考えることが、日本における同性婚の合法化、LGBT差別禁止法を成立させるための第一歩となるかもしれません。

トランスジェンダーのドキュメンタリー映画「ハイヒール革命!」

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MTFのトランスジェンダーある女優、真境名薫のドキュメンタリー映画「ハイヒール革命」が9月17日に公開されました。

ハイヒール革命は、男性として生まれた真境名ナツキ(本名:真境名薫)が、性の壁を越え女性に生まれ変わり、いかにコンプレックスを豊かな個性に変えていったのか-インタビューパートに少年時代の再現ドラマパートを交えながら描いています

黒いランドセルにモヤッとした違和感

真境名ナツキが性に違和感を感じたのは小学校に入学する時。真黒なランドセルをプレゼントされた時、愕然としたといいます。
説明のできないもやもやした違和感を感じました。

女子の制服を着たくても先生にも理解されない中学時代から一転、高校時代は女子バレー部のキャプテンとして活躍します。

家族のやさしさに支えられ、なりたい自分へ近づくため、女性として生まれかわっていきます。

取材に基づいた再現パート

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取材に基づいて描いた再現ドラマパートも見どころのひとつ。

大河ドラマ「龍馬伝」で子役として注目された濱田龍臣が、ナツキの少年時代を熱演。
今回の役を演じるにあたり、「LGBTについて調べたり、真境名さんに話を聞いた」といいます。インタビューでは下記のように語っています。

―この作品を通して「性」に対する考え方は変わりましたか?

そうですね。劇中に「周りが理解してくれれば障害じゃなくなる」っていうせりふが出てくるんですけど、まさにそのとおりで、周りの人の受け止め方次第なんだなって思いました。

―ナツキさんの場合は、お母さんが最大の理解者となってくれたことが大きいですよね。

そうですね。身近に支えてくれる人がいるっていいなって。力になるんだなって思いました。僕ももし、身近にLGBTの方がいたら、その人の話や意見をちゃんと聞いて自分なりに受け止めてあげたいし、何か力になってあげられたらと思いましたね。

濱田龍臣インタビュー 映画「ハイヒール革命!」で初めての“女の子”役に挑戦
http://www.tvlife.jp/2016/09/09/71579

ハイヒール革命は公開中!

ハイヒール革命は、9月17日から公開しています。
劇場情報は下記サイトより確認できます。

http://highheels.espace-sarou.com/info/

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※記事中の写真は、映画「ハイヒール革命」公式サイトより参照
http://highheels.espace-sarou.com/

トランスジェンダーが性自認のトイレを使えないのは差別だ!アメリカでのトイレ問題のその後

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トランスジェンダーは性自認のトイレを使えるかどうかを巡るアメリカの問題のその後です。

NCAA(アメリカ大学体育協会)主催の7つのイベントが、ノースカロライナ州で開催されなくなりました。

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NCAAとは、大学のスポーツクラブのリーグ戦などを運営する協会で、扱う競技はアメリカンフットボール、バスケットボール、野球、テニス、陸上競技、など多彩です。

NCCの決定は、ノースカロライナ州が「LGBT学生が性自認のトイレを使ってはいけない」とする州法を可決したことに対する反対意見を示すためのものです。

NCAAが今年はノースカロライナ州での7つの大会を開催しないと発表した後、ACC(東海岸カンファレンス)のジョン・スウォードコミッショナーは「この州での多くのスポーツのイベントは誰のものだ?」とACCの会議で発言しました。

ACCの決勝戦は2010年にノースカロライナ州シャーロット市で開催されて以来、2016年、2017年のシーズンは最後にマーキー大学で開催されています。

ジョン・スウォードコミッショナーはそれが今のノースカロライナ州のイベントを開催についての意思決定を行うために「時期尚早」であろうが、法律に対する明確な声明を発表しました。

「個人的にジョン・スウォードはこの法律は基本的人権への侵害として廃止すべきだと思っています」と述べました。

HB2として知られる法律は、トランスジェンダーの人々が政府や学校でお手洗いを使用するために、出生証明を必要としていて、性自認や性的指向も被差別保護の対象から除外しています。

ノースカロライナで開催できる今年度唯一の決勝戦は、自身のキャンパスで開催できる権利を得た時に決定したものです。

NCAAは男子バスケットボールの1回戦と2回戦を別の場所で行うと宣言し、3月の17日と19日にグリーンズボロでやることが決定しました。
NCAAがほかに場所を変更したものとしては

・女子サッカーの一部リーグが12月2日と4日に州都ローリーのすぐそばのケーリーで
– 3部リーグの男子と女子サッカー選手権の大会が12月2日と4日にグリーンズボロで
– 1部リーグの女子ゴルフの地方大会が、5月8-10にグリーンビルで
– 3部リーグの男子と女子テニス選手権は、5月22日から27日でケーリーで
– 1部リーグの女子ラクロス選手権は5月26日と28日にケーリーで
– 2部リーグ野球選手権5月の27日から6月3日にケーリーで

実はノースカロライナ州は男子のトーナメントを251回開催しており、すべての州において一番多いです。

NCAAのマーク・エマート会長は月曜日の夜に声明を出しました。

「運営機関は開催地に関する発表を来年初めまで延期するだろう。
NCAAの反差別基準に照らして、将来の開催地にへの必要な質問票を準備しています。

またすでにみなさんご存じだと思いますが、ブルース・スプリングスティーン、パール・ジャムとリンゴ・スターなどの芸能人は、ノースカロライナ州でコンサートする計画をキャンセルしました。

そして、PayPalはシャーロットで400人の従業員のオペレーションセンターを開設する計画を白紙にしました」

差別がある地域では、スポーツイベントは開催しない、というNCAAの姿勢は毅然としていてわかりやすいですね。しかし一方で関係ない方も巻き込まれる形になっていて、それはそれで残念な気持ちもあります・・・。

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早稲田大学法学部卒のストレートアライ。
時事ネタ、法律関係が得意。趣味は将棋とモノポリー。

LGBTとの出会いで世界が広がった。LGBT当事者orLGBTアライによるレポート シリーズ

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LGBT当事者もしくはアライによる「セクシュアリティ」に関するレポートを紹介するシリーズ。
今回はTOKYO RAINBOW PRIDEでLGBTという言葉と出会ったという方のレポートです。

LGBTとの出会いで世界が広がった

私がLGBTという言葉を知るきっかけは「RENT」というミュージカル作品でした。

この作品には1組のゲイカップルがと1組のレズビアンカップルが登場します。物語の中で彼らは、差別や偏見に負けずに自由な愛にあふれた生活をし、彼らの友人たちはごく自然に彼らを受け入れている、性別による壁のない愛や友情を描いた物語です。

舞台鑑賞が趣味である私は、この作品も是非観たいと調べていたところ、とあるイベントにてチケットが販売されることを知りました。

そのイベントが、LGBT関連イベントであるTOKYO RAINBOW PRIDEでした。

私はチケットを買いにイベントへ行き、LGBTという言葉とその存在を知りました。
当初の目的はチケットだったものの、イベントに参加することで、LGBTに、そしてこのイベントに参加する人たちに非常に関心を持ちました。

イベントでの光景は、一生忘れないと思います。そこにいる全ての人が楽しそうで、自由で、美しく輝いていました。
私とLGBTという言葉の出会いは、長くない人生の中でかなりの衝撃的な出来事でした。

今年も私はTOKYO RAINBOW PRIDEに足を運び、虹色の空間で様々な人と写真を撮ったり、楽しい時間をすごしました。

私は、知るきっかけはなんでもよい、LGBTを知ってもらいたいと思っています。
知って、話をし、触れ合うことで、本当に全ての人が自由に輝ける、虹色の社会が見えてくれるのだと感じています。