バイセクシュアルという生き方

LGBT当事者orアライによるレポート。今回はバイセクシュアルという生き方についてです。

こんにちは。私はバイセクシュアルの30歳で、現在都内の一般企業に勤めています。私は職場やプライベートで特にバイセクシュアルであることを隠すことなく生活しています。

バイセクシュアルであることを公にしていると言われるのが、「バイセクシュアルって得だよね」という言葉です。バイセクシュアル以外のLGBTの人で、このような言葉をかけられることはあまりないかと思います。

正直この言葉には慣れましたし、普段は明るいキャラクターで通っていることもあり、「いいでょ~」などと明るく受け流すことが多いのですが、内心「本当にそうなのか」と思うことがあります。バイセクシュアルは得だという人の意味は、恋愛対象がストレートの人に比べて2倍だから、ということらしいですが、私自身はそれを得だと思ったことはありません。

今でこそほとんどオープンにしていますが、学生時代は自分がバイセクシュアルであると自認する前に同性を好きになったこともあってか、自分は異常だと思い込み、周りに隠していました。

同性に恋心を抱くのは、得なことではないと思います。恋愛相談を誰かにすることもできなかったし、もし気持ちを彼に伝えた時に、縁を切られてしまう可能性だってあるわけです。異性でも告白して振られれば気まずくなることもあるかもしれませんが、それが周りに知れ渡っていじめなどにつながるケースはまれかと思います。本人に告白して結果がどうなるかの心配よりも、同性に告白したという事実がクラスや学年に知れ渡るかもしれないという心配のほうが、当時は大きく、結局気持ちを伝えることなく私たちは卒業していきました。

確かに、片思い両想い関係なく恋愛は楽しいものかもしれませんし、恋愛対象が多いという面ではバイセクシュアルのほうが楽しい=得と言えるのかもしれません。ただ、誰にも言えない辛い恋の機会も同時に増えるのは、得とは言えないのかもしれません。

現在独身で恋人もいませんが、特に家族や職場からのプレッシャーもなく、楽しく過ごしています。そろそろ結婚を考える歳ですが、未だに予定はありません。