台湾、同性婚実現まであと一歩

台湾は、アジア初の同性婚合法化が実現されるかどうかで、ずっと注目されてきました。
nijipiでも以前状況をお伝えしていますが、昨日新たな動きがありました。
同性婚実現まで、あと一歩の段階まで来ているようです!

台湾の最高司法機関、司法院の大法官は、24日、同性婚を禁止する規定は、すべて違法であるとしました。
現行の民法は、婚姻の規定について、同性間の規定を排除していて、これは憲法の保障する、人民の婚姻の自由と平等に反しているということです。
そのため2、3年以内に、当該の法律は修正される見通しです。

合法化までには2年ほどかかる見通しですが、それまでに結婚を申し出る同性カップルがいれば、婚姻届の受理はするとのことです。

台湾のLGBTについての活動をけん引してきたのは、祁家威という男性です。
自身がゲイであることを自認している彼は、1986年にカミングアウトをしたのち、同性愛者の人権問題や、エイズの治療について、活動を行ってきました。
2013年には実際に台北市へ男性パートナーと共に婚姻届を提出していましたが、当時は受理されませんでした。それ以降も同性婚合法化に向けて地道に活動を行ってきたことが実り、今回の判決となりました。

台湾の総統が現在の蔡英文になって以降、彼が同性婚支持を公に言い続けていたこともあり、今回の段階まで至ったということです。
去年末に提出された民法の修正案では、条文の中の“夫妻”“父母”など異性同士を前提とした単語は、性別に中立な“双方”“配偶”などに変更するよう書かれていました。
この修正案は現在審議中とのことですが、今回の判決をきっかけに動き出す可能性が高いようです。

今後同性婚の実現に向けて動きがさらに加速する見通しですが、どのような形で進んでいくにしろ、立法院の受理が必要になります。
アジア初の同性婚に向けた、今後の動きに、注目していきたいですね。

参照: 禁止同性结婚违宪 台湾大法官做出判决( http://www.bbc.com/zhongwen/simp/chinese-news-40026323)

札幌市パートナーシップ宣誓制度、6月1日より開始

札幌市パートナーシップ宣誓制度が6月1日より開始されることとなりました。

同性パートナーシップ制度とは?

日本の自治体で導入されている同性パートナーシップ制度は、多様性を認め合う街づくりの一環として、自治体が同性カップルを「パートナー」として認め、証明書などを発行するものです。
日本では同性婚は法的に認められていないので、同性パートナーシップ制度は婚姻とは異なり、法的な効力はありません。

日本では2015年に東京都渋谷区・世田谷区が導入し、その後三重県伊賀市、兵庫県宝塚市、沖縄県那覇市と続き、北海道札幌市は6番目となります。
札幌市では元々4月開始予定でしたが、市民への理解を促進する期間を設けることとなり、2カ月延期をしての導入となりました。

札幌市のパートナーシップ宣誓制度とは?

札幌市のパートナーシップ宣誓制度では、パートナーであることを札幌市に宣誓し、市がそれを受領するというもので、世田谷区などに近い制度です。

▼参考「渋谷区と世田谷区の「パートナーシップ制度」何が違うの?」

渋谷区と世田谷区の「パートナーシップ制度」何が違うの?

札幌市はパートナーシップ宣誓制度について以下のように発信しています。

概要
性的マイノリティの方の気持ちを受けとめる取組として、お二人が互いを人生のパートナーとして、日常生活において相互に協力し合うことを約束した関係であることなどを札幌市長に対して宣誓をする制度です。お二人の宣誓に基づき、宣誓書の写しと市長名の宣誓書の受領証を交付します。

対象
次の全てに該当する、一方又は双方が性的マイノリティのお二人。
・双方が20歳以上であること。
・市内に住所を有する、または、市内への転入を予定していること。
・双方に配偶者がいないこと及び他にパートナーシップの関係にないこと。

宣誓の方法
・宣誓する日時を事前に電話等で調整
・必要書類を揃え、予約した日時に二人で来庁(場所 札幌市役所本庁舎13階男女共同参画課)
・市職員の面前で確認書と宣誓書を記入
・市から「宣誓書の写し」と「宣誓書受領証」を交付

必要書類
・住民票 各1通
・独身を証明する書類(戸籍抄本など) 各1通
※いずれも3ヶ月以内に発行されたものに限ります。

※来庁時には、免許証など本人確認ができるもの(官公署が発行した顔写真付きのものに限ります)が 必要になります。また、確認のため写しをとらせていただきます。

http://www.city.sapporo.jp/shimin/danjo/lgbt/seido.html

すでに9組が予約

札幌市では5月18日よりパートナーシップ宣誓制度の手続きの予約が開始され、すでに9組が予約申し込みがありました。

これまで同性カップルには事実婚状態であってもそれを証明するものがありませんでした。同性パートナーシップ制度には法的効力はありませんが、自治体という公的な機関が二人の関係性を認め、書類を発行してくれるということに、喜びを感じる同性カップルも多いようです。

今後も札幌市のように同性パートナーシップ制度を導入する自治体は増えていくのでは、と考えられています。

「無意識の偏見」を減らそう。メルボルンの信号表記が女性に

オーストラリアの都市メルボルンの歩行者信号が、女性のマークに変わりました。
オーストラリアの120以上の団体からなるNPOのメルボルン委員会が、この活動を行っています。

オーストラリアの歩行者用信号は、日本と同じように赤と緑の人がそれぞれ「止まれ」と「わたってもよい」を表しており、通常の信号の場合ズボンを履いた「男性」が使用されています。

今回の変更についてメルボルン委員会の代表マーティン・レッツ氏は、今回の女性マークの信号の導入に関して、以下の発言をしています。
「信号機の人間を女性にすることで、気付かぬうちに人間の表象に男性を使用している現状の“無意識の偏見”を減らす目的がある」
「メルボルンは、世界一住みやすい都市と思っているが、さらに私たちはメルボルンを、世界一平等な都市と世界に言えるようにしたい」


拠出 http://www.abc.net.au/news/2017-03-07/green-female-crossing-signal/8331320

この活動で6つの信号機が変更されたそうですが、およそ8400ドル(約70万円)かかっているそうです。
この活動で、何か大きな変化が急に起こるわけではありません。しかし、世の中の人間のシンボルにはほとんど男性が使われているという“気付かぬ偏見”に疑問をもつことで、人口の50%いる女性に関心をもつきっかけになると言います。

人を表す単語としてmanが使われることなども含め、男女関係ない場面で人間が表現される際には男性が使用されるのがほとんどです。
そもそもスカート=女性でズボン=男性と決めつけてしまうのはどうかという批判もあります。
このニュースに関する声の中で、「そもそもなんで人のマークを使っているんだ? 歩く/歩くな と書けばいいだけの話じゃないか」と言うものがありました。

実際にこの信号機で大きな問題が起こるわけでも、平等がすぐに実現されるわけでもないでしょう。
しかし上記の声のように、今まで当たり前だった「男性がスタンダードであること」に疑問を持つ人が増えること、それがこの活動の大きな意味ではないでしょうか。

今週の記事まとめ~企業のLGBTの取り組みや漫画の紹介~

本日は今週公開した記事をまとめて紹介します。
ドン・キホーテのALL GENDERトイレ設置のニュースや、同性カップルが主役の漫画の紹介など様々な記事を公開しました!

ドンキ「LGBT用トイレ」に様々な意見

ディスカウント店大手のドン・キホーテが旗艦店である「MEGA(メガ)ドン・キホーテ渋谷本店」に「LGBT用トイレ」を設置すると報道されました。

ドンキ「LGBT用トイレ」に様々な意見

「LGBT対応 大手企業の4割」その取り組み内容とは?

経団連が会員企業にLGBTに関する取り組みについて調査を行ったところ、4割の企業が何らかの取り組みを行っていると発表したことが報道されました。

「LGBT対応 大手企業の4割」その取り組み内容とは?

LGBTへのハラスメント「SOGIハラ」とは?

LGBT当事者へのハラスメントを「SOGI(ソジ)ハラ」と呼び、防止する活動が行われています。

LGBTへのハラスメント「SOGIハラ」とは?

男性カップルの養育里親認定で注目された「同性カップルを描いた漫画」

先月、大阪市が男性同士の同性カップルを、虐待などで親元で育てられない子どもの「養育里親」として認定したことがわかりました。
様々な意見があがる中で、1995年に連載された漫画「ニューヨーク・ニューヨーク」の一番面がSNSで取り上げられ注目されました。

男性カップルの養育里親認定で注目された「同性カップルを描いた漫画」

LGBTに配慮、AP通信が三人称単数で「they」を使用

アメリカのAP通信が、配信記事の英文表記のルールに「heともsheとも呼ばれたくないLGBTに配慮し、三人称単数としてtheyを使ってもよい」と加えました。

LGBTに配慮、AP通信が三人称単数で「they」を使用

LGBTに配慮、AP通信が三人称単数で「they」を使用

アメリカのAP通信が、配信記事の英文表記のルールに「heともsheとも呼ばれたくないLGBTに配慮し、三人称単数としてtheyを使ってもよい」と加えました。

AP通信の新ルール「they」

AP通信とは、世界的な通信網を持つアメリカ合衆国の大手通信社です。
アメリカ国内の放送局や新聞社の協同組合であり、各社はAP通信を通して記事を配信すると同時にAP通信から記事の配信を受けています。
AP通信は、毎年自社の英文表記の基準をまとめたスタイルブックを発行しており、多くの作家やジャーナリストが利用しています。

AP通信の新ルールでは、heともsheとも表現しにくい、してほしくないLGBT当事者に対し、できるだけ名前や職業で表現するようにし、どうしても他に言い換えられない場合に「they」と表現してもよいとしています。
また、theyに続くbe動詞は三人称複数と同じで「they are」と使われます。

これまでもLGBT当事者に配慮し「they」が使われることがありました。ただ、その使い方は「they is」や「they are」などに分かれ、定着してはいませんでした。

世界的に影響力のあるAP通信の新ルールによって、今後は「they」の使用が定着するのではと言われています。

広がるニュートラルな表現

様々なところでニュートラルな表現が広がっています。
Facebookでは以前から自分のジェンダーで男女以外に「カスタム」という選択肢があります。これを選ぶと自由記述で自分のセクシュアリティが選べ、さらにその公開範囲を友達だけにするのか等、選ぶことができます。
また、呼ばれ方も選ぶことができ、英語版では「he」「she」以外に「they」があります。
その他に、Googleでもアカウント作成時の性別で男女以外に「その他」を選ぶことができます。

Facebookの自分のプロフィールの編集画面(英語版)

まとめ

AP通信の新ルールにより、theyの使用が定着していくかもしれません。
こうしたことにより、男女どちらでもないXジェンダーや、心と身体の性が一致しないトランスジェンダーなど、男女どちらかで表現してほしくないとする人への配慮が広がることを期待します。

セクハラ指針改訂でLGBTも対象に。LGBTフレンドリー企業は増える?

LGBTの就活生にとって、企業がLGBTフレンドリーであるかどうか(理解や配慮があるか)は企業選びにおいて気になるポイントではないでしょうか。
今年1月、企業のLGBTフレンドリーへの意識が一層高まる動きがありました。
それが、厚生労働省の「セクハラ指針」の改定です。

これまでLGBTは対象として明記されていませんでしたが、職場でLGBTへの差別的な言動があれば、「セクハラ」となることが明記されるようになりました。

また、従来より、職場におけるセクシュアルハラスメントについては、被害者の性的指向や性自認は問わないものであるが、それが周知徹底されていないとの声が近年多くなっている。
これを踏まえ、被害を受ける者の性的指向や性自認にかかわらず、これらの者に対する職場におけるセクシュアルハラスメントも、セクハラ指針の対象となる旨を明確化する改正を行うこととする。

事業主が職場における性的言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置についての指針の一部を改正する告示案について【概要】
雇用均等・児童家庭局雇用均等政策課より抜粋

この指針において、「性的指向」「性自認」と明記されたことで、セクシュアルマイノリティの問題が雇用管理上で大きな課題となります。
企業には以前からセクハラに関する相談窓口の設置が義務付けられていましたが、この相談窓口にはLGBTに関する相談にも応じることが求められるようになります。

LGBTダイバーシティの推進が企業課題になることで、LGBTフレンドリー企業はさらに増えていくのではないかと予想されます。
今後、nijipiでは具体的にLGBTフレンドリー企業の紹介も行っていく予定です。

IT業界を研究する 就活ノウハウ講座

就活を受ける際、業界研究は志望する企業を選んでいくために必要です。数ある業界の中から、今回はIT企業について紹介します。

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IT業界の業界規模は増加傾向

IT業界の業界規模は、増加傾向にあります。
リーマンショックや東日本大震災、景気の低迷などで、長らくIT投資を先送りしていた企業が、再び投資を再開する動きが見え始めています。こうした動向を受け、IT業界の業績も回復基調にあります。

IT業界とは

IT業界は大きく分けると、ハードウェア業界、ソフトウェア業界、ネット業界、情報処理サービス業界に分けることができます。
以下はこの4つについての説明です。

→page2 IT業界の4つのカテゴリーとは?

資生堂、同性パートナーも「配偶者」として福利厚生対象に

大手化粧品会社の資生堂が、今月1日付で社内規定を改め、同性パートナーを配偶者として福利厚生の対象とすることを9日に発表しました。

化粧品大手では初めての取り組み

同性カップルを結婚に相当する関係と認め、福利厚生の対象とするよう規定を改めたのは、化粧品大手では資生堂が初です。

行政が発行する同性婚認定書もしくは、公共料金の領収書を含め住居を共にしていることが分かる住民票を提出することを認定要件としています。

認定されれば介護・育児休暇の取得や、慶弔見舞金、転勤した際の別居手当を受け取れます。
また、介護・育児休暇は契約社員も取得できるようになりました。

資生堂は、多様性を尊重し、LGBTを含めたダイバーシティを推進することによって、「有能な人材の確保につなげたい」としています。

LGBTフレンドリーな資生堂

資生堂といえば、TOKYO RAINBOW PRIDEに出展し、LGBT当事者のモデルに自分らしさを表現するメイクを施したメイクショーを行うなど、LGBTフレンドリーな活動を以前から行っていました。

2015年には「だれでもカワイクしちゃいます。」をコンセプトにした動画が話題になり、記憶にある方も多いのではないでしょうか。

インドでLGBTの権利向上を訴えるパレード開催

インドのニューデリーで2016年11月に、LGBTの権利向上を訴えるパレードが開催されました。
このパレードは毎年行われています。

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パレードを行うことで、LGBT当事者が差別に直面していることを強調し、同性愛行為を犯罪とする法律の廃止を要求し続けています。

パレードに参加した33歳の建築家、サウラフ・ジャイン(Saurav Jain)氏は、「多くの変化がある」と語っています。
一方で、活動家のリトパルナ・ボラ氏は、「ヒンドゥー教のナレンドラ・モディー首相政権は同性愛者の権利を支持していない」と語っています。

インドでの同性愛をめぐる問題

ここ10年程で、同性愛はインドの特に大都市では、ある程度受け入れが進んできました。
多くのバーにはゲイの為の時間があり、いくつかの意識の高いボリウッド映画ではゲイの問題に取り組んでいます。

しかし、法律上では同性愛は違法となっています。
2009年にニューデリー高等裁判所が同性愛行為を犯罪とする刑法第377条は違憲であると宣言しましたが、2013年に、最高裁判所が第377条の改正または廃止を司法ではなく、議会に委ねることを決定しました。
現在、同性愛行為は最大10年間懲役となっています。

まだまだ「同性愛は恥知らず」と考える人も多く、LGBT当事者が暮らしやすい社会にはなっていないのが現状です。

参照
http://www.voanews.com/a/gay-rights-activists-march-in-annual-new-delhi-parade/3613375.html

沖縄県のホテルLGBTに配慮したトイレを導入

沖縄県那覇市にあるホテルパームロイヤルNAHAが、一階の多目的トイレを改修してLGBTに配慮をしたトイレを導入しました。

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ドアには、男性用女性用を表す絵文字の代わりに緑色を基調とした抽象的なデザインを用いることを決定したそうです。これは県内ホテルや観光施設で初の試みでした。

トランスジェンダーの方は男女共用トイレを探すことに苦労し、長時間トイレを我慢してしまう場合もあるそうです。一方で、「ジェンダーフリー」と大きく書かれたトイレに入ることは人目を気にして入りづらいと感じてしまいます。
総支配人の高倉さんは、こうした当事者たちのリアルな思いに配慮して、抽象的なデザインにしたそうです。また、おむつ交換をするためのベビーベッドや便器周りに手すりを設置するなどして、「多目的トイレ」と位置付けました。

ホテルパームロイヤルNAHAは、性的少数者も楽しめる観光旅行の普及を目指す「国際ゲイ&レズビアン旅行協会」(IGLTA)に加盟するLGBTフレンドリーのホテルです。
フレンドリーホテルは全国に計42施設ありますが、LGBTに配慮した多目的トイレは例がありませんでした。ホテルの館内外にレインボーフラッグを設置するなど、フレンドリーであることが見てすぐわかると思います。このように可視化されているとLGBTの方でも気軽にパートナーと宿泊できると思います。このように、ホテルパームロイヤルNAHAはLGBTツーリズムの普及に積極的に取り組まれています。

現在では国内にLGBTやセクシュアルマイノリティ向けの旅行プランやツアーもあります。
旅行先やホテル、飛行機の座席などはもちろん、行く人に合わせたアレンジも受け入れるなどさまざまな要望も受け入れてくれるそうです。これなら、旅行する人たちと特別な思い出を作ることが出来そうですね。

日本国内や海外においても、LGBTフレンドリーなホテルは注目されつつあるのかもしれません。
日本の中でLGBTが話題になりつつある中、沖縄はフレンドリーな県であると言われています。日本で旅行会社やホテルなどがフレンドリーな対応を推進することでさらなる観光客の増加も期待できると思います。

ぜひ、パートナーや家族・友達など大切な人と旅をして思い出を作りたい方はフレンドリーなプランやホテルに宿泊してみると、より楽しめるかもしれません。

参考URL
http://palmroyal.co.jp/