LGBTに配慮、AP通信が三人称単数で「they」を使用

アメリカのAP通信が、配信記事の英文表記のルールに「heともsheとも呼ばれたくないLGBTに配慮し、三人称単数としてtheyを使ってもよい」と加えました。

AP通信の新ルール「they」

AP通信とは、世界的な通信網を持つアメリカ合衆国の大手通信社です。
アメリカ国内の放送局や新聞社の協同組合であり、各社はAP通信を通して記事を配信すると同時にAP通信から記事の配信を受けています。
AP通信は、毎年自社の英文表記の基準をまとめたスタイルブックを発行しており、多くの作家やジャーナリストが利用しています。

AP通信の新ルールでは、heともsheとも表現しにくい、してほしくないLGBT当事者に対し、できるだけ名前や職業で表現するようにし、どうしても他に言い換えられない場合に「they」と表現してもよいとしています。
また、theyに続くbe動詞は三人称複数と同じで「they are」と使われます。

これまでもLGBT当事者に配慮し「they」が使われることがありました。ただ、その使い方は「they is」や「they are」などに分かれ、定着してはいませんでした。

世界的に影響力のあるAP通信の新ルールによって、今後は「they」の使用が定着するのではと言われています。

広がるニュートラルな表現

様々なところでニュートラルな表現が広がっています。
Facebookでは以前から自分のジェンダーで男女以外に「カスタム」という選択肢があります。これを選ぶと自由記述で自分のセクシュアリティが選べ、さらにその公開範囲を友達だけにするのか等、選ぶことができます。
また、呼ばれ方も選ぶことができ、英語版では「he」「she」以外に「they」があります。
その他に、Googleでもアカウント作成時の性別で男女以外に「その他」を選ぶことができます。

Facebookの自分のプロフィールの編集画面(英語版)

まとめ

AP通信の新ルールにより、theyの使用が定着していくかもしれません。
こうしたことにより、男女どちらでもないXジェンダーや、心と身体の性が一致しないトランスジェンダーなど、男女どちらかで表現してほしくないとする人への配慮が広がることを期待します。