「無意識の偏見」を減らそう。メルボルンの信号表記が女性に

オーストラリアの都市メルボルンの歩行者信号が、女性のマークに変わりました。
オーストラリアの120以上の団体からなるNPOのメルボルン委員会が、この活動を行っています。

オーストラリアの歩行者用信号は、日本と同じように赤と緑の人がそれぞれ「止まれ」と「わたってもよい」を表しており、通常の信号の場合ズボンを履いた「男性」が使用されています。

今回の変更についてメルボルン委員会の代表マーティン・レッツ氏は、今回の女性マークの信号の導入に関して、以下の発言をしています。
「信号機の人間を女性にすることで、気付かぬうちに人間の表象に男性を使用している現状の“無意識の偏見”を減らす目的がある」
「メルボルンは、世界一住みやすい都市と思っているが、さらに私たちはメルボルンを、世界一平等な都市と世界に言えるようにしたい」


拠出 http://www.abc.net.au/news/2017-03-07/green-female-crossing-signal/8331320

この活動で6つの信号機が変更されたそうですが、およそ8400ドル(約70万円)かかっているそうです。
この活動で、何か大きな変化が急に起こるわけではありません。しかし、世の中の人間のシンボルにはほとんど男性が使われているという“気付かぬ偏見”に疑問をもつことで、人口の50%いる女性に関心をもつきっかけになると言います。

人を表す単語としてmanが使われることなども含め、男女関係ない場面で人間が表現される際には男性が使用されるのがほとんどです。
そもそもスカート=女性でズボン=男性と決めつけてしまうのはどうかという批判もあります。
このニュースに関する声の中で、「そもそもなんで人のマークを使っているんだ? 歩く/歩くな と書けばいいだけの話じゃないか」と言うものがありました。

実際にこの信号機で大きな問題が起こるわけでも、平等がすぐに実現されるわけでもないでしょう。
しかし上記の声のように、今まで当たり前だった「男性がスタンダードであること」に疑問を持つ人が増えること、それがこの活動の大きな意味ではないでしょうか。