企業が「LGBTフレンドリー」を謳う理由とは??

LGBT当事者もしくはアライによるレポート。今回はLGBTフレンドリー企業についてです。

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現在、LGBTフレンドリーを打ち出す企業が急速に増えています。企業にとってLGBTフレンドリーを打ち出すことにどのようなメリットがあるのでしょうか。

LGBTフレンドリー企業って?

そもそも、LGBTフレンドリー企業とはなんでしょうか?LGBTフレンドリーについての具体的な規定はなく、取り組みも企業ごとに様々です。

例として、
社員向けに理解を促すセミナーを開催している
選考でLGBTであることを理由に区別をしない
ジェンダーフリートイレを用意している
などがあります。

これらは一例に過ぎませんが、LGBTに特化して、何かしらの取り組みを行っていることが、LGBTフレンドリー企業と呼べる基準であるといえると思います。

どんなメリットがあるのか

LGBTフレンドリーであると企業が謳うことによるメリットにはどんなことがあるのでしょうか。

1.売り上げがアップする!?

フレンドリーであるということは、LGBT当事者にとってはとても安心できます。
商品を購入するにしろサービスを受けるにしろ、LGBTに配慮している会社を選択するのは必然的であると言えます。人口の約8%のシェアを獲得できるのは競合他社との差別化という点でメリットになりますね。

2.売上増加は8%以上!?

LGBTフレンドリーを打ち出すことで、LGBTでない消費者にも影響するようです。
LGBT総合研究所さんの「“LGBTフレンドリー”企業の印象に関する調査(http://lgbt-marketing.jp/2016/06/28/lgbt-friendly-companies/)」によるとLGBTへの取り組みを行っている企業の商品/サービスを利用したいと思うか、という問いに対して、約6割の方が、「利用したい」と回答しています。

この調査はLGBT当事者、非当事者両方含まれています。
ここで注目したいのが、非当事者の方に絞って数字を見ても、依然約6割が「利用したい」と答えているということです。

LGBT向けの商品やサービスを提供しなくても、LGBTフレンドリーであると謳うだけでも、謳わないときよりも売上アップにつながるということです。

3.雇用の拡大

LGBTフレンドリーを謳うことは、人材確保の点でも有利になります。
LGBT当事者がLGBTフレンドリー企業を優先して選ぶのは容易に想像できます。(全員が全員とは限りませんが、私はそうでした)

LGBTに対する差別を受けた方は特に、会社の理解があるかどうかが選ぶ際の重要な基準になることが多いです。
裏を返して言えば、優秀であるのにLGBTであるがゆえに会社選びの幅を狭めざるを得ない人が存在しているということです。

まとめ

昔に比べれば認知度はあがったものの、まだまだLGBTダイバーシティが浸透しているとは言い難い社会です。

仕事という場では、全体の理解は会社1社1社が変わっていくしかありません。メリットがあるから実施する、だけではいいとは思いませんが、すべての人が気持ちよく働けるという点でも進んでほしいと思います。

「LGBTは自分には関係ない」という人

LGBT当事者もしくはアライによるレポート。本日はLGBT非当事者にLGBTについて話すときについてのレポートです。

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自分自身がLGBTに関することをしていくうちに、周りの知り合いに「LGBTに関する仕事や活動をしている」と伝える機会も増えました。
その際に、「面白い」「素晴らしい」など言ってもらえることも多いのですが、そういってもらえる反面、「自分には分からない、関係のない分野だ」という態度を示されることがあります。
しかし、LGBTについて知っておくことは、全ての人に必要なことだと思います。なぜなら全ての人に関係のあることであるからです。

「私には関係ない」という人

まず、なぜ「関係ない」と思ってしまうのか。理由を聞くと、大方以下の答えが返ってきます。

「今までそういう人(LGBT)に会ったことがないから」

しかし、日本におけるLGBTの割合は2015年の調査の段階で7.6%、約13人に1人の割合で存在しています。

日本で多い苗字ベスト6の佐藤、鈴木、高橋、田中、伊藤、渡辺を合計しても全人口の7%程度だそうです。そう考えると「LGBTの人と会ったことがない」のはこれらの苗字の方と会ったことがない、ということよりも確率が低いことになりますね。

私は今まで会ったことがない、私の周りにはいないから、といった返答をされたときは必ず「いないのではなくて、いるけど気づいていないだけ」と答えています。

私は当事者であることを全員にオープンにしているわけではないので、「あなたの目の前にいるよ!今会っているよ!」なんて思いながらこのような会話をしていることもあります(笑)。

学校で、「人種差別や障がい者差別をしてはいけません」「お年寄りは大切にしましょうね」と習うので、それに気を付けている人は多いと思います。

しかしLGBTは目に見えることが多くないため、知らぬ間に傷つけてしまっている危険性があります。だからこそ尚更、LGBTについて知って配慮をしていくことが大切になります。

どうやって知ればいいのか

周りにいるかもしれないのは分かっても、どこにいるかも分からないし、自分には知識も何もない…という人も多いと思います。
最初は何も知らなくて当たり前です。今はネットで調べると多くのLGBT関連のサイトも出てきますし、近年LGBTとは何かを基礎から説明するような本も増えてきています。

当事者と実際に接することは、理解するうえで一番有益だと思います。文字で「同性愛者はこういった人である」といくら読んでも、完全な理解はできません。

また、多くの当事者と接するうちに、LGBTだから何か特別であるわけではない、一人ひとり個性を持っている普通の人間である、と感じることができるでしょう。
今はストレートの人も参加可能なLGBTに関する交流会などを開いている団体も増えてきているので、実際に知り合うことはずっと簡単になりました。

まとめ

LGBTの方の多くが抱える悩みとして、「本当の自分を隠して周りと接するのが辛い」があります。仲のいい友達に自分のことをすべて打ち明けたいというのは誰でも同じですよね。

関係ないと思っていたストレートの方がアライ(LGBTの理解者、支援者)になることでその周りの当事者がカムアウトして楽になれる、より深い関係になれるかもしれません。

実際に私もLGBTについて知ったことで仲良くなれた友達が多くいます。
全員が自分に関係のあること、という意識で社会全体のLGBT理解を深めていけるのが理想ですね。

LGBT学生さんにNijiリク就活LIVEをオススメする3つの理由

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nijipiを運営するNijiリクルーティング主催の就活セミナーの開催が決定しました!
12月は「ESセミナー」です。

ESは就活で必要不可欠

ESを突破できなければ希望の企業に就職することは難しく、将来を左右する重要なポイントとも言えます。

セミナーでコツを学び、合格率100%を目指しましょう!

LGBT学生さんにNijiリク就活LIVEをオススメする3つの理由

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合格率100%のESの書き方がわかる!

ESの書き方にはコツがあります。
まずはそのコツを覚えることで、合格率はぐっとupします!

LGBT就活生限定だから安心して話せる!

就活でカミングアウトするかしないかは個人の自由です。

ですが、自分の価値観、経験などには、セクシュアリティに関わることが何かしら影響しているのではないでしょうか。
Nijiリク就活LIVEでは、LGBT就活生限定なので、自分のセクシュアリティについても安心して相談することができます。
相談した結果、就活でカミングアウトするかしないかは個人の自由ですので安心して相談してください。

LGBTフレンドリー企業の探し方がわかる!

そもそもどんな会社がLGBTフレンドリーなのか、そして何を指標に探せばいいのかがわかります。

就活が本格スタートする前に知っておくことで、就活をスムーズに進められます!

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参加した先輩の声

ESの書き方にいまいち自信がなかったので、参加しました。

コツを教えてもらえたので、書くスピードも早くなり、合格率も上がりました!

絶対受かりたい企業があったので、参加することにしました。

少人数制だったので個別に受けたい企業のESについて相談することもでき、とても参考になりました。

トランスジェンダーなので就活が不安だった。

トランスジェンダーが働きやすい会社をどう探せばいいのか、そもそも何を基準に判断すればいいのかわからず不安でした。このセミナーで企業の見分け方を知ることができたので、就活を本格的に始める前に参加しておいてよかったと思います。

LGBTフレンドリーな企業が気になっていた。

私はレズビアンなので、言わなければ周りにセクマイだということはわかりません。ですが、働く上でセクシュアリティに関わることで悩むこともあるのではないかと思い、LGBTフレンドリー企業も気になっていました。参考までに話を聞いてみようと思いこのセミナーに参加しました。

参加者同士で交流できた!

参加者同士で話す時間もあり、楽しかったです。セクマイ限定のセミナーなので、安心して参加することができました。

対象となる方

・2018年卒業予定の大学生、大学院生の方
・セクシュアルマイノリティの方

Q&A

Q.服装は性自認に近いものでも大丈夫でしょうか?

A.服装は自由です!お好きな服装でお越しください。

Q.アウティングはされませんか?

A.注意事項として対応ガイドを設けていますので、安心してご参加ください。

Q.1人での参加でも大丈夫でしょうか?

A.ほとんどの方がお一人で参加されますので、安心してご参加ください。

イベント概要

日程

12月5日(月)10:30~12:00
12月5日(月)14:00~15:30
12月6日(火)10:30~12:00
12月6日(火)14:00~15:30
12月7日(水)10:30~12:00

会場

Nijiリクルーティングセミナールーム
東京都港区東新橋2-4-1サンマリーノ汐留6階

JR・メトロ新橋駅烏森口から徒歩7分
大江戸線汐留駅8番出口から徒歩3分

服装 自由
持ち物 筆記用具
参加費 無料

お申し込みはこちら

下記フォームに必要事項を入力し、お申込みお願いいたします。

LGBTフレンドリー企業の探し方、4つのポイント

LGBT当事者もしくはアライによるレポートシリーズ。今回はLGBTフレンドリー企業の選び方についてです。

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今、日本ではLGBTの方々が就職の際にさまざまな困難を抱えています。そういった方々への対応を進めている「LGBTフレンドリー企業」という会社がいくつも存在します。

当事者が働きやすいような企業に就職するには、こういった企業に就職する方がいいと思います。しかし、どうやって選べばいいのか分からない人がたくさんいると思います。

そもそもLGBTフレンドリー企業はどのような企業でしょうか?

1.社内のLGBT 対応
社内でLGBTが働きやすい社内にするために、何か具体的な対策を行っている企業。
例えば、トランスジェンダーの方のために男女別でなく誰でも使えるトイレを設置しているなど。

2.LGBTコミュニティの支援
パレードや映画祭などLGBT関連イベントの協賛、LGBTサポートの対外的な表明がなされている企業。

などです。

LGBTフレンドリーな企業の探し方

1.LGBT就活フレンドリー宣言に賛同している企業を確認する

https://nijipi.lgbt/lgbtfriendlybeta
多様性を尊重し、セクシュアリティを理由に採用において差別しないことを宣言している企業です。

2.東洋経済の『CSR企業総覧』でLGBT対応企業リストを確認

年々LGBTの取り組みを行う企業数が増加しており、以下の社名リストは大手企業がLGBT対応をしているか知りたいときのガイドラインとして有効です。
http://www.toyokeizai.net/csr/ranking/2016/20160104Data.html

3.履歴書やESなどの「性別欄」を確認

最近では履歴書やESの性別欄をなくす、「その他」という選択肢を設けるといった企業も増えているので、チェックしておくといいと思います。

4.パレードや映画祭などLGBT関連イベントの協賛企業を確認

LGBTコミュニティ支援がわかりやすい形で見えるのが、全国各地で開催されているLGBT関連イベントへの協賛企業表示です。協賛企業表示を普段から確認しておくと良いかもしれません。

まとめ

自分のセクシュアリティを理由に、就職を諦めるのではなく、自分に合った企業を探し求めてみると働きやすい環境が見つかるのでは、と思います。

そのためにも、まずはLGBTフレンドリー企業を知ることが大切です。
企業によって取り組む内容や状況は異なるので、実際にLGBTフレンドリー企業に就職した方や、企業の説明会に行って社員の話を聞くなどをしてみるといいアドバイスがもらえるのではないのでしょうか。

以前に比べてもLGBTに対して配慮をしたり、理解を深めようとしている企業はたくさんあります。その中で、自分の個性や才能・能力などを、存分に発揮できるような会社に皆さんが入社できるといいですね。

LGBTのシンボル「レインボーフラッグ」が6色になった理由

LGBT当事者もしくはアライによるレポートシリーズ。今回は「レインボーフラッグ」についてです。

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毎年代々木公園で開催されるTokyo Rainbow Prideでも見られるように、今やLGBTのシンボルとしてレインボーフラッグは一般的に認知されるようになっています。しかしこれがLGBTのシンボルとして認識されるまでには歴史がありました。

何色の虹が正しいの?

日本では虹色は一般的に7色とされています。
しかし元々のレインボーフラッグは赤、橙、 黄、 緑、 ターコイズ、藍、紫の8色で、現在ではそこからターコイズ、ピンクを除いた6色が正式なようです。

初のレインボーフラッグ

LGBTのアイコンとして初めて用いられたレインボーフラッグは1970年代のアメリカ、サンフランシスコであるといわれています。
芸術家であるギルバート・ベイカーがゲイパレード用にデザインしたものでしたが、当時は8色でした。しかし旗を大量に生産する際の調達の関係で、現在の6色になったといわれています。

当時はゲイつまり男性同性愛者の権利擁護の目的として使われました。レインボーフラッグが用いられた歴史が50年ほどあるというのは私も少し驚きました。

今のレインボーフラッグが持つ意味

上記に述べたように当初はゲイに関してのみでしたが、現在では広くLGBTを象徴するものとして使われていますよね。
現在では「虹のように一人ひとりのセクシュアリティはグラデーション、みんな違ってみんな素敵である」というような解釈がされているように私は感じます。LGBTと4文字で一般的には表されるセクシュアル・マイノリティですが、実際にはその中、それ以外にもたくさんのセクシュアリティがあって、人それぞれ異なっていますよね。

その他のLGBTを象徴するマーク

レインボーフラッグは現在LGBTの象徴として浸透してきていますが、以前にも特定のLGBTを表すものは存在していました。
中でもナチ時代に男性同性愛者に装着が義務付けられていたピンクトライアングル(逆三角形)は有名かもしれません。
ちなみに女性同性愛者はブラックトライアングルを装着させられていました。これらは強制収容をされた際に装着を義務付けられた背景があるためか、レインボーフラッグとは違い現在では当事者自身が掲げるのはあまり目にしません。

最後に

目に見える形で象徴を掲げるのは、何か運動をする際にわかりやすいですよね。冒頭でも述べた代々木公園のTokyo Rainbow Prideでは公園全体が虹色に染まります。この虹色が年々大きくなっていっているように感じて私たちはうれしいです。

LGBT当事者が暮らしやすい国とは?

LGBT当事者もしくはアライによるレポートシリーズ。今回はLGBT当事者が暮らしやすいとされるカナダについてです。

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LGBTフレンドリーな国、カナダ

カナダの北東部に位置するオンタリオ州は、カナダ全州が同性愛を合法とする2005年よりさらに2年前、2003年にはすでに同性愛を認めていたLGBTフレンドリー地域です。
そのオンタリオ州の中にあるトロントで行われる「プライドパレード」に今大きな注目が集まっています。

トロントでは、トロントプライドパレードに向かう1ヶ月間を“Pride Tronto”月間としています。その期間にはLGBT著名人のスピーチや、LGBT関連映画の上映会、バーでのイベントなどが行われ、人々の交流の場となります。
パレードが行われる当日には道路は人でごった返し、さまざまな人種、職業、セクシャリティの人がみんなでフロートを掲げてゴールまで町を練り歩きました。

このような大規模なLGBTイベントの存在は、街の雰囲気をそのまま表しています。人々の偏見が少ないからこそこれらのイベントが成立し、イベントが行われることで住民の理解が深まるという相乗効果をもたらしているのです。

カナダは同性カップルも暮らしやすい

カナダには「コモンロー」というカップルが存在します。

事実婚に近い関係で、婚姻関係はないものの、夫婦同然に暮らすカップルのことです。
同性間、異性間に関わらず、一緒に1年以上暮らしていることでコモンローカップルとして申請することができます。

また、カナダは移民の国と呼ばれる程、多様性のある国です。
セクシュアリティも含めて多様性を受け入れる風土があることや、コモンローカップルなど、様々な面でLGBT当事者が暮らしやすい国と言われています。

LGBTへのセクシャルハラスメント

LGBT当事者もくしは、アライによるレポートシリーズ。今回はLGBTへのセクシャルハラスメントです。

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2016年の5月に、厚生労働省は男女雇用機会均等法において「性的少数者(LGBT)への差別的発言」がセクシャルハラスメントに該当することを明文化する方針を発表しました。

元々、LGBTへの差別的発言はセクシャルハラスメントであるという方針は存在しました。しかし、法律として文書化されていないことで、訴え出ることができずに泣き寝入りを余儀なくされるケースが多かったのです。
それを今回はっきりと法律として明記することで、LGBTへのセクハラを根絶していこうという取り組みとしました。施行は、来年の1月とされています。

どのようなことがセクハラに当たるのか

職場で起こるLGBTへのセクハラには、以下のようなものが挙げられます。

・「あいつはホモだ」「オカマだ」などと陰で言われている。
・身体の性別と、口調や仕草の性別が合っていないことを執拗に注意される。
・カミングアウトした後、周囲の態度がよそよそしくなったり、嫌がらせをされるようになったりした。
・性別適合手術を受け、今後も働き続けたいと会社に打診したところ、拒否される。
・性自認のトイレや、更衣室の使用を拒否される。

まとめ

LGBTへのセクハラは、LGBTについての理解不足によって起こっていることも少なくありません。
職場でのセクハラをなくすためには、社内の理解が必要になってきます。

また、セクハラはあくまで「された本人が不快に感じる」ことです。

「これくらいで騒いではいけないのではないか」と考え、誰にも悩みを打ち明けられないという方も多くいらっしゃるのでしゃないでしょうか。
セクシュアリティに関わるハラスメントの場合、社内の人に相談しにくいということもあるはずです。
その場合は、外部の相談窓口や法テラスを利用するのもひとつの手段だと思います。

ジェンダーレスな服が買えるショップ

LGBT当事者もしくは、アライによるレポートシリーズ。今回はジェンダーレスな服が買えるショップの紹介です。

LGBT当事者の中でも悩んでいる方が特に多いのが服装の問題。今回はそんな悩みを解決するオンラインショップを紹介します。

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http://www.malefemale.jp/
LGBT、ジェンダーレス、アンドロジナスのためのオンラインショップで、今年オープンしました。
カテゴリーをレディース、メンズで分けず、サイズ表記も独自のものを用いて男女の区別をなくしています。

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MALE FE MALE という名前は、Male(メール)男性 とFemale(フィメール)女性 を組み合わせ、Female のFe を中央に配置することで性差がなくなるという意味を込めました。「男女の性差がない世界へ」という願いを込めて創った造語です。
(中略)
MALE FE MALE は自分らしさを隠さずに表現できる、本来の自分に出会える空間になることを目指しています。

株式会社リブリッチ プレスリリースより
http://pressrelease-zero.jp/archives/100191

ACROSS THE VINTAGE

http://acrossthevintage.jp/
メンズ、レディース、キッズに捉われないサイズ展開をしています。
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ZARA

http://www.zara.com/jp/
ファストブランドZARAも、ジェンダーレスライン「ungenderd」を展開しています。
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LGBTが直面する服装の問題

服装に関して悩みを持っていることが多いのがLGBTの中でもT、トランスジェンダーの方です。性別適合手術を完了したトランスの方でも、身長や肩幅などの問題で着たい服が着られないことがまだまだあります。

就職活動で悩むことが多いのがスーツの問題。
ネクタイをしてパンツに革靴である男性用スーツと、基本的にはスカートでパンプス、ネクタイはしない女性用スーツ。私服以上に男女が明確に分かれているように感じます。服装以外でも髪型やメイク、バッグなど、就活生が避けて通れないことはたくさんありますよね。

私自身は、男女問わず気に入った服を着ていますが、やはり異性のショップに一人で入る勇気はなかなかありません。
特にアクセサリーや小物を見ていると、「彼女さんへのプレゼントですか?」なんてきかれることもめずらしくありません。
食品や書籍など男女共通して購入するものに比べ、ジェンダーを強くあてはめられてしまうのが衣服ではないでしょうか。

今後服装問題はどうなっていくか

最近では芸能人でもメンズ、レディースにこだわらずに服を選んでいる人が増えているように感じます。異性の服を着こなすことがある意味おしゃれと捉えられていますよね。

一点異性のアイテムを取り入れるおしゃれも素敵だと思いますが、男女区別なく気に入った服を選ぶことができるのが理想です。
需要の増加とともに、このようなショップは今後増えていくのではないでしょうか。

マイリー・サイラスがパンセクシュアルであることをカミングアウト

LGBT当事者、アライによるレポートシリーズ。今回は人気歌手のカミングアウトについてです。

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参照http://aleexart.deviantart.com/art/Miley-Cyrus-mileycyrus-com-396501353

2015年に、人気歌手のマイリー・サイラスさんは自分が「パンセクシュアル」だと公表しました。

パンセクシュアルとは全性愛を意味します。男性・女性の性の分類に適合しない人々も含め、あらゆる人々に恋をしたり、性的願望を抱いたりする人を指します。また、パンセクシュアルの「パン」とは、ギリシア語に由来し、「全て」を意味します。

サイラスはVariety誌の最新インタビューで、自分のジェンダーについてさらに詳しく語りました。

サイラスは、自分自身の性について意識するようになったのは5年生か6年生くらいの時で、最初の恋人は女の子だったと明らかにしました。男の子か女の子、どちらかの性になりたいと考えたことはなかったといいます。

また、自分をパンセクシュアルだと感じるようになったのはいつか、というサイラスは質問にこう答えています。

「ロサンゼルスにあるLGBTQセンターに行って、色んな人の話を聞いた時、ある人が『自分を男性でもないし女性でもない』と言っていました。

センターで会った人たちは、美しく、セクシーでたくましかった。だけど脆くもあり、女性らしく男性らしくもあった。そして私は『自分を男性でもないし女性でもない』と言った人に、これまで出会った誰より、自分と同じものを感じました。

私は人と違って見えるかもしれない。
だけど私を『ジェンダーニュートラル(性的な区別がない)』と見る人はあまりいないんじゃないかな。それでも私は、自分がとてもジェンダーニュートラルだと感じています。

多分、その人は私が初めてあったジェンダーニュートラルな人だと思います。
私は男性でも女性でもないということがわかって、自分の性をもっと理解するようになりました。
『だから、自分がストレートでも同性愛でもないと感じていたのね。だってそうじゃないから』って」

サイラスは「LGBTQ」という言葉はこれからも使われ続けるだろうが、そこにパンセクシュアルのPも加えるべきだ、という考えを伝えました。

まとめ

彼女のカミングアウトにより、勇気づけられた人はきっと多くいると思いました。
このように芸能人が公に自分のセクシュアリティを明かすと、かなり大きな影響力を及ぼすと思います。自分がセクシュアルマイノリティであることを、隠さずにポジティブに捉えているサイラスに感動しました。誰もが自分がどのようなセクシュアリティであっても前向きに生きられると良いですね。

参照
http://www.huffingtonpost.jp/2016/10/13/miley-cyrus-opens-up-pansexual-gender-neutral_n_12481506.html?utm_hp_ref=japan-lgbt

「LGBTが就活・転職で困る10のこと」イベントレポート!

10月28日に、株式会社LGBT総合研究所さん主催のLGBT関連イベントが開催されましたので、取材に伺いました!

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【開催概要】
開催日 2016年10月28日(金)
日時 19:00 〜 20:30
主催 株式会社LGBT総合研究所
協力 ザ・ハフィントン・ポスト・ジャパン株式会社
場所 トムソン・ロイター会議室(〒107-6330 東京都港区赤坂 5-3-1 赤坂 Biz タワー30階
http://www.huffingtonpost.jp/2016/10/11/lgbt-work-event_n_12436390.html
プログラム
●LGBTの基礎知識
LGBT総合研究所社長の森永貴彦さんより

●基調講演
JPモルガン証券株式会社人事部ヴァイスプレジデントの藤谷ひとみさんより

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●グループディスカッション
ハフィントンポスト日本版編集長の竹下隆一郎さんがモデレータとなって、「LGBTの人たちが就活・転職で困る10のこと」についてのディスカッションが行われました。

 

イベント中、特に盛り上がっていたのが、グループ毎のディスカッションです。
参加者をグループにわけ、「LGBTの人たちが就活・転職で困る10のこと」をテーマに、自分たちが企業のダイバーシティ推進担当だと仮定し、解決策を考えるワークが行われました。

各グループの参加者は、企業でダイバーシティ推進を担当する方、一般参加のLGBT当事者の方、アライの方など様々で、一般参加の方の中には学生さんの姿も。

それでは各グループのテーマと解決策案をピックアップしてご紹介します。
みなさんも、自分が企業のダイバーシティ推進担当だったらどうするかな?と考えながら読んでみてくださいね!

 

面接に心の性に合わせたリクルート姿で行っていいの?

・採用情報サイトに、「服装自由」もしくは「自分らしく働いている姿で来てください」と明記する
・どんな服装がOKなのかわかるように、社員の服装の写真を採用情報サイトに掲載する

「服装自由と書いてあるのに、行ってみたらスーツばかりだったということがあった。採用情報サイトに写真があれば目安になると思う」という意見を出していたのは、就活を経験した大学生の方でした。
確かに、服装自由と書かれていても不安なので、スーツで行くという学生さんは多いですよね。サンプル写真の掲載はいいアイデアだなと思いました!

セクシュアリティは合否のポイントになる?

・就職サイトにLGBTフレンドリーのロゴマークを入れる
・面接官向けにLGBTに関する研修を行う

「セクシュアリティが合否のポイントになる会社は応募しない!」という意見も。
確かにそうですよね!セクシュアリティが合否のポイントにならないのであれば、それがわかるようにしてほしいという意見が出ていました。

社員証、メールアドレス、名刺を通称名にしたい

・受付に虹色のものを置くなど、LGBTフレンドリーであることを社内外に表明する

このテーマでは通称名を使えるようにすることを前提に、通称名を使いたいと考えている方が安心して応募できるように、LGBTフレンドリーであることを社内外に表明してはという意見が出ていました。

相談窓口があれば相談しやすいのに設置されていない

・周りが自然な形でセクシュアルマイノリティを受け入れる社風にする
・目安箱を設置する

セクシュアリティに関わる悩みは、上司には相談しにくいという意見がありました。
また、LGBTダイバーシティについては、経営者が経営課題だと認識することが重要だという意見も。そのために目安箱を設置し、社員の声を経営者に届けたいということでした。

プライベートの話をしたくないので、会社の飲み会に参加したくない

・ニュートラルな表現(彼氏・彼女ではなくパートナーというなど)を使う
・単なる飲み会ではなく、ライブに行く、○○を食べに行くなど、会ごとにテーマを設定する(テーマを設定すればプライベートの話になりすぎないのでは?とのこと)

「飲み会に行かないという選択も意思の表れ。行きたくないけれどそれを言えない状況が問題だと思う」という意見から、ニュートラルな表現を使うようにしては、というお話でした。
テーマを設定するという意見も、なかなかおもしろいですよね!

まとめ

今回のイベントには、セクシュアリティも年齢層もバックグラウンドも様々な方が参加されていました。そのため、様々な立場からの意見が出ており、ディスカッションはとても盛り上がっていました。
企業の方からは、LGBT当事者の方や、学生さんの意見がとても参考になったという意見もありました。

LGBT当事者の方が働きやすい環境を整えるためには、アライの存在が大きいのではないでしょうか。
LGBT当事者と非当事者が交流できるこのようなイベントは、とても意味があるものだと感じました。