MtFの就活体験記「大手企業から内々定を得るまで」

LGBT当事者もしくはアライによるレポートシリーズ。今回はMTFの方の就活体験レポートです。

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私が「女子大生」になるまで

私は現在大学4年生です。
先日誕生日を迎え、ついに25歳になりました。四捨五入すると30歳です。

なぜ私が25歳で「女子大生」をしているかというと、私の生い立ち、セクシュアルマイノリティという事柄に深く関わってきます……。

私のセクシュアリティは、ざっくり言うと「トランスジェンダー」らしいです。
私の場合は、男として生まれ現在は女として生活している、通称「MtF」に区分けされています。

私は幼いころから性別の違和感が拭えなかった典型的なパターンでした。
高校卒業後は親元を離れて上京し、女性として生きるためにホルモン療法を開始して性別をシフトチェンジしていきました。

働きながらトランスをしていき、女性として認知されるようになった20歳の時に大学に入学しました。

ジャストのタイミングで性別適合手術の費用も貯まったので、大学の長期休暇を使い、タイで全てをモデルチェンジしました。

その年には戸籍上の性別も変更し、はれてフツーの「女子大生」に進化(?)することができました。

就活せねば!と一念発起

大学3年生になった2016年3月。
翌年の3月には大学を卒業するつもりでいたので、「就活せねば!」と一念発起しようとしました。
しかし、何から始めたらよいか分からなくて、路頭に迷っていた時にNijiリクルーティングの存在を知りました。

「とりあえず、私もセクマイの端くれなので登録しておこう」という軽い気持ちで就活イベントに行きました。

Nijiリクルーティングのキャリアアドバイザーの方は、セクマイに関わること以外にも就職活動のアドバイスなどをしてくださいました。

私はコミュ障なのも相まって、初めから就職活動は苦戦するだろうと踏んでいました。

しかし、Nijiリクルーティングからのアドバイスなどのおかげで、多少苦戦はしましたが、七夕(7月7日)に化粧品業界の大手企業に内々定を頂きました。

就活でMtFであることは
話さなかった

私は自分がMtFであることを公表して就職活動は行いませんでした。

セクシュアルマイノリティであることを公表して企業面接を受けたこともあります。

しかし、セクシュアリティのことを聞かれたれることもあり、戸籍の性別も変えている以上、わざわざ腫物に触るような扱いを受けるようなことを言わないでもいいのではないかと思うようになりました。

変に気を使われて打ち解けられない雰囲気になるのであれば、男女の分けられた世界で女性として埋没している方が私は気が楽でした。

なので、カミングアウトをしないまま就職活動をすることを選びました。

私がこの就職活動を通して感じたのが、必ずしもカミングアウトすることが全てではないということです。

nijipi編集部より

人によって事情は様々なので、就活をする上でカミングアウトするかどうかもそれぞれの意思によるものだと思います。
彼女の場合はカミングアウトすることがすべてではないと感じたようです。

カミングアウトせずに働く人はたくさんいます。カミングアウトできる環境ではないという人もいれば、LGBTフレンドリー企業に勤めながらもあえてカミングアウトしないことを選択している人もたくさんいます。

Xジェンダーと就活、企業選びの軸とは?当事者による「セクシュアリティ」に関するレポートシリーズ。

LGBT当事者もしくはアライによる「セクシュアリティ」に関するレポートを紹介するシリーズ。
今回のテーマは「Xジェンダーと就活」です。

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はじめに

私自身、LGBT当事者として就職活動を終えた身です。今回は自分の体験を基にLGBTの就職活動をお話しします。

私はLGBTのTの中のXジェンダーを自認しています。
男女で分けられたものに苦しさを覚えるため、スーツを着ることに抵抗があります。もちろん男女別のキャリアパスがあることも嫌なため、その点を見ながら就職活動をしていました。

マーケットという事実

就職活動を始めたとき、私はLGBTであることを武器にLGBT向けのサービスや商品を作りたいという軸で就活をしていました。しかし前回の記事(Xジェンダーという個性は就活でどうみられるか?)でも述べた通り、これが就活における武器にはなりません。

アパレルメーカーを受けている際に言われたのが、「男女に捉われないブランドは面白いとは思うが、市場規模を考えたときにビジネスとするのは難しい」ということでした。

13人に1人と言われるLGBTといっても服装に関する悩みを持つのはその中のさらに一部、そこにターゲットをしぼってビジネスをするのが難しいことは明白でした。

フレンドリー企業を探す

何社もの企業の説明会に参加していくうちに、企業の選び方が変わってきました。

ある企業の説明会で会った人事は、中性的な雰囲気の男性新入社員をホモネタで終始いじっていました。
学生の前でユーモアのあるおじさんを演出したかったのだろうと思いますが、その場にいた私はとても耐えられませんでした。

そのような経験を経ていくうちに、私は企業を探す際にLGBTフレンドリーを謳っているということを最優先にしていくようになりました。
選ぶ範囲はぐっとせばまりましたが、就職してから嫌な思いをするかもしれないなら、行かない方がいいと思ったのです。

LGBTフレンドリー企業とは?

数として決して多いとは言えませんが、LGBTフレンドリーを掲げる企業は増えてきています。

しかしLGBTに理解があると掲げることで求人数が増える事実があります。そのため実際に社員全員に正しい知識があるかはわからないのが正直なところです。
ですがフレンドリーを謳っている以上、自分自身のカムアウトを選考でした際に不利になったり嫌な思いをすることはないはずなので、直接社員の方に社内環境など気になることを質問をするのが一番だと思います。

結果

就職活動は他の人に比べ長期にわたりましたが、実現したいビジョンをしっかり持っていたため、最終的に納得のいく形で終えることができました。
前回の記事でも書きましたが、LGBTであるかどうかに関わらず、仕事の先のビジョンを明確化することが大切です。

当事者からして企業側に受け入れてもらえるかは気になる点ですよね。
本当の意味でのLGBTフレンドリーな会社が増えていってほしいと思います。

 

 

LGBT当事者が働きやすい環境とは?日本の企業の取り組み事例

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東京都の渋谷区や世田谷区などでスタートした同性パートナーシップ制度。
これを機に、LGBTという言葉の認知度は高まり、LGBTに関する取り組みをする企業も増えてきています。

今回は企業がどのような取り組みをしているのかを紹介します。

1.LGBTに関する文言を明文化

社内規定や採用情報などで、「セクシュアリティで差別をしない」といった文言を明記する企業が増えてきました。

これによって、LGBT当事者が安心して採用に応募できたり、働けることができます。
LGBT非当事者にとっても、会社は社員を大切にしているということを認識することができ、自社に対する誇りを持てるというメリットがあります。

また、社外に対しても、LGBTを含むダイバーシティを推進している会社としてポジティブなイメージを持たれやすくなります。

2.アライを増やす取り組み

LGBT当事者が働きやすい環境を整えるためには、アライの存在が欠かせません。

アライを増やすためには、LGBT非当当事者がLGBTについて「知る」ことが重要です。

その手段として、講習会やセミナーの開催する企業も増えています。

3.制度の導入や施設の整備

・同性パートナーも配偶者として認め、福利厚生を適用できるよう制度を改定する
・「誰でもトイレ」を設置する
・性自認の服装や通称名を認める etc…

以上のような取り組みをする企業も増えてきました。

また、同性愛が禁止されており、命の危険がある国もあることから、そういった国への出張を考慮するといった取り組みを行う企業もあります。

 

LGBT当事者の働きやすさを整えようとする企業は徐々に増えています。
このような企業の特徴は、LGBT当事者を特別視しないということです。

LGBTであることを個性と捉えており、ダイバーシティの一環としてLGBT当事者の働きやすさも整えようとしています。
今後発展する企業の要素のひとつは、「多様な人材がそれぞれのパフォーマンスを最大限発揮できる環境を整えること」と認識しているからです。

LGBTフレンドリー企業は、nijipiでも紹介しています。

LGBTフレンドリー企業はこちら

「LGBTフレンドリーだから志望しました!」ではアピール不足?LGBT当事者による就活体験レポート

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LGBT当事者もしくはアライによる「セクシュアリティ」に関するレポートを紹介するシリーズ。
今回はLGBT当事者による、就活レポートです。

LGBTということを就職活動でどう扱うか

LGBTの学生は就職活動を行う上で、自分自身のセクシャリティについて考える場合が少なからずあると思います。LGBTフレンドリーを謳う企業が増えてきたといえど、まだまだ多いとは言えない今、どのように就職活動を進めていけばいいのか。私の経験を元にレポートします。

「LGBTフレンドリーだから志望する」ということ

企業を探す中で、LGBTフレンドリーを謳っているし、働きたいように働けそう、という理由で志望をすることは、多かれ少なかれあるかもしれません。
しかし気を付けてほしいのは、それだけでは志望動機として弱いということです。それはなぜか、企業側の視点から見ていきましょう。

企業の謳うLGBTフレンドリーとは?

企業の謳うLGBTフレンドリーは、「セクシュアリティを採用するかどうかに影響させない」という意味であり、「ストレートの学生よりもLGBT当事者の学生を優先して採ります」という意味では決してありません。

LGBT向けサービスの開発や販売など、LGBT当事者であることを活かせる職種を除き、多くの場合はLGBTに関する職種ではないと思います。

面接官の立場になって考えてみましょう。

Aさん
「私はLGBT当事者であり、御社はLGBTフレンドリーを謳っているので志望をしました」

Bさん
「御社の業務内容、理念に共感しました。また、私はLGBT当事者でもあるので、御社がLGBTフレンドリーであることも志望の理由ひとつです」

AさんとBさんを比較した場合、Bさんの方が会社の理解が深く、入社後のマッチングも高いと捉えられます。
LGBTフレンドリー企業は、LGBTであるかどうかに関わらず公平に選考をするというだけで、LGBTであるということが他の学生より有利に働くという訳ではありません。

うまく自己PRしていこう

志望動機の中に「LGBTフレンドリーであるから」では弱いと書いてきましたが、面接やESでは自分自身のセクシュアリティについて積極的に話していきましょう。
LGBTフレンドリーを謳う企業の面接官であれば、理解して話をきいてもらえるはずです。

LGBT当事者の方はセクシュアルマイノリティについて、深く考えた経験が多いと思います。
どんな困難や悩みがあり、それをどうやって乗り越えてきたのか、きちんと整理して話をすることができれば、あなたの個性がきっと企業側に伝わると思います。

最後に

私自身、LGBTフレンドリーという部分に注目しすぎて会社自体の理解が不充分なまま選考に進み失敗をした経験がありました。

同じく、LGBTフレンドリーという部分で志望及び入社をしたが、実際の事業内容が自分には合わなかったという理由で辞めていく当事者が多くいる、という話をとある企業の人事の方からきいたこともあります。

就職活動においてはセクシュアリティ等も含めた自己分析と、入社以後の具体的なキャリアを想像するための業界、企業分析の両方が充分でないといけません。
そのバランスがうまくとれていないと、上記の例のようなミスマッチが起こってしまうということです。


LGBTであるというのは大切な個性の一つです。就職活動を通して自身の理解をさらに深め、それを企業側にしっかりと伝えることで自分に合った企業が必ず見つかるはずです。

 

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アメリカの企業がLGBTダイバーシティを積極的に進める理由とは?

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LGBTダイバーシティを積極的に進める理由

アメリカでは、LGBTを含めたダイバーシティに積極的な企業が、日本と比較すると多い傾向にあります。

例えば、2013年2月には同性婚を国レベルで認めてもらえるようにアメリカ全土で200社以上もの大企業が申請しました。

アメリカの婚姻制度は州法によって異なるため、2015年までは同性婚が認められていない州もありました。
そのためアメリカ全体でビジネスをする企業は、州によって社員の福利厚生制度等を変更する必要がでてきます。
アメリカ全土で同性婚が認められれば、業務の効率化にもなるという考えから、多くの企業がアメリカ全土での同性婚合法化を支持しました。

企業がLGBTダイバーシティを推進する理由は、その他にも様々あります。

・企業イメージのup
LGBTダイバーシティに積極的であることは、消費者、投資家などに好印象を与えます。
LGBTに対応しているかどうかを、取引や企業を評価する際の基準にする企業も増えています。

・優秀な人材の獲得、企業ロイヤリティの向上
LGBTの対応に積極的な企業には、優秀なLGBT当事者はもちろん、LGBT非当事者も集まりやすくなります。
LGBTに対応しているということは、ダイバーシティが進んでおり、誰もが働きやすい企業であるというひとつの指標になるからです。

また、既存の社員の企業ロイヤリティの向上にもつながり、離職防止になります。

LGBTに関する企業の役割

アメリカでは、企業がLGBTダイバーシティを積極的に推進することで、LGBTの認知、理解を広めることに貢献しました。

現在のアメリカでは、すでにその段階は過ぎ、他社と比較しどれだけのことが出来るか、という企業間競争の時代になっています。
それは人権のためでもあり、ビジネスのためでもあります。アメリカは、LGBTを二つの側面から生かしているのです。

現在の日本でもLGBTダイバーシティを推進する企業が徐々に増えてきました。
LGBTダイバーシティを推進することが、企業の成長にも好影響を及ぼすという理解が広まっているのです。

日本でも誰もが働きやすい社会に向けて、少しずつ変化しています。

日本のLGBTフレンドリー企業一覧はこちら

Xジェンダーという個性は就活でどうみられるか?LGBT当事者orLGBTアライによるレポート

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LGBT当事者もしくはアライによる「セクシュアリティ」に関するレポートを紹介するシリーズ。
今回は就活の体験記です。

男女に捉われない考えを活かしたい

私はMTXを自認しており、ネクタイなど男性らしい服装などを心ぐるしく思います。

私は就活においてXジェンダーであることはオープンにしていました。私はトイレや更衣室の問題があるわけでもなく、またこれがひとつの個性だと思ったからです。
なので隠すよりもむしろ、「男らしい、女らしいというのが嫌いです」と積極的に伝えていました。

3月に就職活動を始めたとき、主にアパレル業界をみていました。
セクシュアリティがXジェンダーであることから「男女に捉われない」という考えが活かせると思ったこと、そしてもともと服が好きだったからです。

しかしなかなか思うように進まず、内定まで至りませんでした。
「男女に捉われないブランドやショップ」というのはおもしろいと言ってはもらえましたが、ビジネスとして成り立たせるのは難しいとのことでした。

就職活動を始めて数か月、内定がなく若干焦り初めていた頃、周りの人との相談も含め、視野を広げました。そこで気づいたことがありました。
Xジェンダーというだけで内定とはならないということを。

Xジェンダーという個性だけでは内定はとれない

Xジェンダーが自分のひとつの個性であるという考えは今も変わっていません。
しかしそれが企業側からみて面接を通過させ、内定を出し、ビジネスを任せる理由までにはならないのです。

メンズレディース以外の服の需要は一定数ありますが、マーケットとして大きくはありません。

自分自身の経験を活かし何ができるのかもう一度考えなおし、ありのまま生きられる人を増やしたい(もちろん自分も含め)という思いに気づきました。

それを過去や会社のビジョンに結びつけて話し始めたとき、内定をもらうことができました。

上記の思いに合致する会社、内定先はいくつかありましたが、最終的に人材業界に決めました。自分自身のセクシュアリティと向き合っていなければ知らなかった会社です。

就活でセクシュアリティをオープンにするかどうかは人それぞれ

就活においてセクシュアリティをオープンにするかどうかは人それぞれでいいと思います。私もXジェンダーであることを隠していればもらえた内定があったかもしれません。

しかし一番理想なのは、カムアウトする必要のない世の中です。
ありのままにいられる人を増やすために、内定先で勤めていこうと思います。

トランスジェンダーの認知、理解を広めたい。LGBT当事者orLGBTアライによるレポート

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LGBT当事者もしくはアライによる「セクシュアリティ」に関するレポートを紹介するシリーズ。
今回はトランスジェンダーについて多くの人に認知、理解してほしいと考える方のレポートです。

トランスジェンダーを認知・理解を広めたい

私はLGBT(主にトランスジェンダー)について多くの人に認知・理解してほしいと考え、自分の治療に関してブログを通じて発信しています。また、SNSでは当事者同士の情報提供や呼びかけも行っています。

トランスジェンダーであれば治療について気になることは多く、今後自分が治療を始めるときのために役立つ情報がほしいと思います。
私自身、治療を行う前はたくさん検索をし、治療・手術などについて把握しようと心がけていました。その情報を活かし、現在は治療のリスクを訴えかけたり、治療の流れや詳細について発信し、当事者の理解に役立つよう奮闘しています。

また、LGBTを理解する人が増えれば、偏見や差別が減っていくと考え、LGBT非当事者にLGBTを知ってもらうきっかけになればと、SNSで自分の治療やLGBTに関することを発信しています。

私がなぜこのような活動をしているのかは、自分の実体験にあります。

学校生活には嫌だと思うことがたくさんあった

私は幼少期から自分の性に違和感を持ち、苦しいことや悔しいことがたくさんありました。
例えばランドセルの色や制服のスカート、トイレの利用、性によって「さん」か「君」を区別すること。
挙げればきりがありません。学校生活には嫌だと思うことがたくさんありました。

しかし、誰にも言えずに我慢することの連続でした。家族や担任の先生、友達にも言えずないことが、時には孤独感や疎外感を生みました。

セクシュアルマイノリティに理解ある社会になってほしい

このような問題が起きるのは、カミングアウトを容易にできない現在の社会環境にあるのではないかと考えています。LGBTに関して知っている人がどれほどいるのでしょうか。
また、理解をし、支援・援助をしてくれる機関はどれほどあるのでしょうか。
現在の日本の社会では非常に少なく、セクシュアルマイノリティの人たちは、なかなか正直に生きていけないと感じています。

私も就職活動を行う中で、性別の記載や服装に悩まされることが多々あります。
偏見や差別は非常に恐ろしいものです。
時には人の命をも奪ってしまいます。
日本がセクシュアルマイノリティを個性として受け入れる社会になることで、どれだけの人が救われるでしょう。そんな社会になれば、私のように苦しい体験をする子供もいなくなるはずです。

私はセクシュアルマイノリティに理解ある社会になることに、少しでも貢献したいと考え、日々ブログやSNSを通して発信しています。
自分の個性を隠し、悩みを抱えこむのではなく、挑んで前へ進んでいくことを人生の目標としています。

Xジェンダーと就職

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LGBTはセクシュアルマイノリティの
一部にすぎない

LGBTという言葉の認知度は高まってきています。
LGBTとは、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの頭文字を取ったものです。
しかし、LGBTはセクシュアルマイノリティの一部にすぎず、その他にも多様なセクシュアリティがあります。

その中でも今回は、「Xジェンダー」に着目して、Xジェンダーと就職について考えてみようと思います。

そもそもXジェンダーとは?

LGBTは知っていてもXジェンダーという言葉は聞いたことはないという人も少なくありません。

Xジェンダー(X-gender)とは、出生時に割り当てられた女性・男性の性別のいずれでもないという性別の立場をとる人々を指す。

女性・男性の性別のいずれでもない性別を区分するかぎりでは、中性というあり方、無性というあり方、両性というあり方、性別という枠組みから脱するというあり方、女性か男性か定まりきらない流動的であるというあり方など人により様々である。

Wikipediaより
https://ja.wikipedia.org/wiki/X%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BC

上記のように、Xジェンダーの中にも様々なアイデンティティがあります。
また、これは性自認の問題であるので、性的指向は人によって異なります。

Xジェンダーが
就職で気になるのは服装

制服が男女に分かれている、制服はなくても男性はスーツにネクタイ、女性はスカートにパンプスなど身体の性によって服装に規定があるという会社も少なくありません。

しかし、Xジェンダーは性自認が男性か女性かのどちらかはっきりしているわけではないため、そういった会社で働くことに抵抗を感じる人も多いです。
そのため、就職先を選ぶ際に自由な服装で働けるかどうかを優先する人も多くいます。

服装自由な職場の探し方

近年では服装が自由な会社も増えてきました。制服はあるけれど男女共通という会社もあります。

服装自由な会社は、ナビサイトでも検索することができます。
例えば就職や転職のナビサイトには検索条件に「服装自由」の項目にを入れているところもあります。

また、検索キーワードで「服装自由」を入力して検索しても多数の企業が出てきます。

パッションナビ
ベンチャー企業に特化した就職ナビ
https://www.passion-navi.com/

企業検索画面の「企業の特徴」に「私服通勤OK」がある。

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リクナビNEXT
大手転職サイト

http://next.rikunabi.com/

検索画面の「こだわり条件」に「服装自由」がある。

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入社後後悔しないために

服装以外にも、Xジェンダーが気をつけたいのは、仕事内容やキャリアパスです。

男女によって仕事内容やキャリアパスが違うという会社もあります。
入社後に後悔しないためにも、選考の段階で、自分の希望する仕事内容やキャリアパスを選択することは可能なのかを確認することも大切です。

FTMの働き方。自衛隊での体験。

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LGBT当事者もしくはアライによる「セクシュアリティ」に関するレポートを紹介するシリーズ。
今回はFTM当事者であり、陸上自衛隊に入隊した方のレポートです。

自分らしく仕事ができると期待したが…

私はFTM当事者です。高校を卒業し私が選んだ道は、男性主体で尚かつ公務員である陸上自衛隊に入るという選択でした。
入隊試験を経て、無事合格。入隊式を終え、自衛隊こそ自分らしく仕事に専念できる環境であると信じて期待していました。

しかし、いざ自衛隊員としての生活が始まってみると、想像とはまるで違いました。
完全なる男女別での行動。女性自衛官として特化した教育。
同じ自衛官であるにもかかわらず通称(女性陸自隊員をワックという)まで違い、この職場環境に私は愕然としてしまいました。

公務員という職業は、国という大きな組織の下にあり、決して我々性的少数者(セクシュアルマイノリティ)が生きやすい職場ではないということに、私はそこでやっと気が付いたのでした。

上司に相談しても、「前例が無いから」「正直よくわからないから」「そういう面倒なことは隠しておいた方が良い」などと全く相手にはされず、寧ろ煙たがられているのがハッキリっと感じられました。
しかし自分が選んだ職業をそう簡単に投げ出すわけにもいかず、悶々とした日々を送っていました。

お前はお前らしく堂々と胸張って仕事すればいい

そんなとき、一人の先輩が「お前はお前らしく堂々と胸張って仕事すれば良い」と声をかけてくれました。
そこで私は、前例が無いのなら自分が初めての例になって微力ながらもこの組織に何らかの風穴を開けてやろうと決意したのでした。

私が思うに、日本人ならではの特徴がLGBTを受け入れる体制作りを阻んでいるのだと思います。
郷に入れば郷に従え。
人権の尊重といいながらも、「出る杭は打たれる」という全くもって個性を殺してしまう固定観念の色眼鏡。男性は雄々しく女性は淑やかに。女らしさ男らしさという考え方。このように数えればキリがないほどの固定観念で固められた人々の頭は非常に固く、日々自分の性認識について説明し続ける日々でありました。

しかしながら個人が説明をするのではなく、組織として現状を受け入れ、人権などの教育にLGBTのことに関しても含めるべきだと強く感じました。
そして集団生活の中にも、こうした性的少数者(セクシュアルマイノリティ)への配慮として、多目的トイレの設置や個別のシャワー室の利用ができるようにする等、できることは山ほどあるように思います。

その中でも最も重要であると思うのは、1人1人の理解の広がり、偏見の払拭だと思うのです。
国の傘下にある公務員こそ、積極的にこの問題に取り組むべきであり、国全体として理解ある社会づくりの代表的な組織であってほしいと思うのです。

この国の全ての企業や組織におけるLGBTへの理解と知識を深める機会を増やすことが非常に重要であり、この国が一歩前進できる素晴らしいきっかけとなってくれることを切に願います。

編集部より

今回は自衛隊で働くことを経験したFTM当事者の方のレポートでした。
まだまだLGBT当事者にとって、働きやすさが整っていない環境があるのも事実…。しかし、この方のように理解ある先輩と巡り合い、自分らしい働き方を目指している方の言葉は、LGBT当事者にとっては勇気になるのではないでしょうか。

18卒LGBT学生の就活スタートアップイベントレポート

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18卒LGBT学生の就活スタートアップイベント開催

こんにちは!nijipi編集長のtommieです!
8月27日(土)に株式会社Nijiリクルーティングが開催した「LGBT就活応援会」に取材に行ってきましたので、レポートします!

当日のプログラムは、「就活スタートアップ講座」と「交流会」の二本立てでした。
今回のイベントに参加したのは、18卒就活生でありLGBT当事者もしくはアライのみなさん。さらに、交流会では希望の企業から内定を獲得した17卒のLGBT学生さんたちも加わりました。

「どんな企業で働きたい?」就活スタートアップ講座

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就活スタートアップ講座は、基本的な就職活動のノウハウを学ぶ内容でした。
「就活の目的は2018年4月から働く会社を探す、見つける、決めること」。そのためにやるべきことは何なのか?を講師がわかりやすく解説。
途中でテーブル毎に「今自分が考えている希望の就職先」についてディスカッションを行いました。

当日使用されたスライド
就活スタートアップ講座

LGBT学生のみなさんにとっては就職先を選ぶ上でセクシュアリティの問題も気になるところ。
今回のイベントでは参加者がLGBT当事者もしくはアライのみということで、みなさん自分のセクシュアリティのことも気兼ねなく話すことができたようです。

「大学で専攻している分野を活かしたい」
「Xジェンダーなので服装が自由な職場がいい」

「就職で東京に出たいと思ってる」

「自分はチームワークよりも一人で集中する仕事の方が向いているかも」

「ダイバーシティを推進している企業がいい」

などなど、みなさん今自分がイメージする働き方を自由に話し合っていました。

ディスカッション中の様子。
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最後に講師から、希望の就職先を探すには①自分の希望や適性を内省し、明確にすること、②どんな会社があるのかを知ること。そしてそのためには、たくさんの情報をインプットすることが大切だという話がありました。

18卒の就活では2017年3月に広報解禁すると経団連が発表しています。しかし、これはあくまで経団連が会員企業1340社に向けて通知しているにすぎません。多くの企業がすでに様々な手法で採用活動を行っており、企業と接触できる機会はたくさんあります。

「今の時期から、たくさんの情報をインプットしましょう!」講師からのそんなメッセージで講座はしめくくられました。

「就活で苦労したことは?」17卒LGBT学生に質問!

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続いて行われた交流会では、アルコールや軽食も出され、和やかな雰囲気でスタート。ここから希望の企業から内定を獲得した17卒のLGBT学生さんも加わりました。

18卒のLGBT学生さんからの質問に、17卒のLGBT学生さんが答えるという場面も。

これまでNijiリクルーティングの就活イベントに参加したり、キャリアアドバイザーに就活相談をしながら無事内定を獲得した17卒LGBT学生のみなさん。
「内定先が決まってほっとしているし、うれしい」
「自分の体験が後輩のみなさんの役に立てれば」
と話していました。

こんな質問が出ていました!

Q.今の時期から就職活動に向けてやっておいた方がいいことってありますか?
A.インターンシップの参加、SPIの勉強、業界・企業研究をしておくといいと思います。自分が就活を経験してみて、早い時期からやっておけばよかったなと思いました。

Q.就活では誰に相談しましたか?

A.就職を経験している友人にアドバイスをもらいました。友人は一度就職したのですが、再度専門学校に通っています。自分のやりたいことをどうやって見つけたのかなど、相談に乗ってもらいました。

Q.セクシュアリティはオープンにしましたか?
A.私はオープンにしました。ですが、いい反応をされない企業もあったので、失敗したなと思うこともありました。カミングアウトするかしないかは自分が必要だと感じればすればいいと思います。カミングアウトする場合は、企業の社風や社員さんの人柄などを見極めた上で、タイミングをはかって行うのがいいと思います。

LGBT学生同士で交流できて楽しかった

当日のアンケートでは、多くの参加者の方が「楽しかった」と回答。

「普段LGBT当事者と交流する機会があまりないので交流できてよかった」という方や、「同じセクシュアリティの人と話したいと思い参加した。実際に出会えて話をすることができてよかった」という方も。

最後には気の合った人同士で連絡先を交換するなど、それぞれが交流会を楽しんだ様子でした!

就活ではいろんな人に話を聞いてみるのも大切ですよね。
今回のイベントでは18卒同士はもちろん、17卒と18卒とも交流ができ、みなさん楽しそうに帰っていきました^^!

tommietommie

 

この記事を書いた人

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tommie
関西外国語大学卒、LGBTアライ。
nijipi編集長。イベント&エンタメ系担当。趣味はアイドルのおっかけ。