電通本社でLGBTに焦点を充てたDiversity Week開催中

content_HID_9894_
電通報より

電通本社でDiversity Week開催中

東京・汐留にある株式会社電通の本社1階エントランスでDiversity Weekが、9月1日~9月9日まで開催中ということで、さっそく見学に行ってきました。

今回のDiversity Weekでは、LGBTに焦点を当て、「ちがうは、ちから ~違うから分かろうとする。そこに力がうまれる。~」をメインコピーにダイバーシティ社会への理解を深める狙いだそう。(電通報よりhttp://dentsu-ho.com/articles/4387

エントランスに虹色の装飾と、写真家レスリー・キー氏が撮った「OUT IN JAPAN」プロジェクトのさまざまな家族や、カップル、個人などの写真が展示されていました。

14199191_1213778915341350_2489942637380781720_n

14237571_1213778888674686_4919891933014124061_n

14237642_1213778835341358_3439510859812280221_n

写真家レスリー・キー氏によるプロジェクト「OUT IN JAPAN」。
東京汐留の電通本社での展示会の後は、愛知、奈良でも開催予定だそうです。

OUT IN JAPAN 全国写真展 キャラバン

第3弾:9月17日(土)~9月25日(日)
@7th cafe(愛知県名古屋市中区栄3-18-1 ナディアパーク内デザインセンタービル7階)
※主催:虹色どまんなかパレード実行委員会 ※#007 の写真を中心に約100枚

第4弾:9月17日(土)~10月2日(日)
@ホ・スセリ(奈良県奈良市東向北町6 さくらバーガー 2F)
@きずなかふぇ(奈良県奈良市東向南町6 奈良県女性センター 1F)
@ギャラリーまつもり(奈良県奈良市橋本町31 もちいどのセンター街)
@きらっ都・奈良(奈良県奈良市橋本町3-1)
@藝育(げいいく)カフェ Sankaku(奈良県奈良市下御門町28-1 2階
@ホテルサンルート・奈良(奈良県奈良市高畑町1110) ※なら国際映画祭との連携(期間内6カ所にて実施) ※#007 を除く、#001〜#009 の写真を中心に約800枚

詳しくはこちら
twitter https://twitter.com/outinjapan
Instagram https://www.instagram.com/outinjapan/
HP http://outinjapan.com/

ちがうは、ちから

今回のテーマでもある「ちがうは、ちから」。
エントランスに飾られているタペストリーのメッセージの中には、電通社内でのLGBTへの理解もまだまだこれから、といった内容も。
こうした定期的な発信が、LGBTダイバーシティを知る、考えるきっかけになりそうですね。
エントランスの見学は自由だそうです。

「Kinky Boots」「プリシラ」ミュージカルで描かれるドラァグクイーンの生き様

img_01
KinkyBoots公式サイトより

近年、ドラァグクイーンたちが活躍するミュージカル作品が数多く日本へ上陸し、話題を集めているのをご存じでしょうか。
ドラァグクイーンの起源は、男性の同性愛者が性的指向の違いを超えるための手段として、ドレスやハイヒールなどの派手な衣裳を身にまとい、厚化粧に大仰な態度をすることで、男性が理想像として求める「女性の性」を過剰に演出したことにあるといわれています。

近年ではパフォーマンスや趣味として異性愛者(ストレート)がドラァグクイーンとなることもあります。しかし、やはりゲイ文化の一環として生まれた異性装の一つであるため、ゲイやバイセクシュアルのドラァグクイーンが圧倒的に多いです。

ドラァグクイーンが登場する作品の中には、セクシュアリティを考えさせられるテーマも多く、LGBTを知る・理解するきっかけにもなります。
では今年日本に初上陸した2作品をご紹介します。

ブロードウェイミュージカルKinky Boots

kinkyboots
KinkyBoots公式サイトより ※日本版

ドラァグクイーン用のブーツを作る物語と一言で言ってしまうことも出来ますが、家族へのカミングアウトやその後の葛藤なども描きながら、明確なメッセージ性を持った作品です。

ドラァグクイーンのローラは、女性に憧れを持ち、自分自身を女性の鏡であると語ります。彼女は、彼女に差別意識を持つ男性に、「ありのままの他人を受け入れろ」というメッセージを残します。彼女の言葉と存在が、周りの人々の認識を変えていきます。
ミュージカルならではの歌とダンスの迫力も満点、フィナーレでは誰もがハッピーになれる作品です。

劇場で配布されるアンケート用紙の性別欄には、劇中のセリフを引用し「どちらか決めかねている貴方」という項目が。
SKMBT_C552D16090211010
ブロードウェイミュージカルKinky Boots アンケート用紙の一部

ブロードウェイミュージカルKinky Boots

日本版
~2016年9月4日(日) 東急シアターオーブ (東京都)
http://www.kinkyboots.jp

来日版
2016年10月5日(水)~2016年10月30日(日) 東急シアターオーブ (東京都)
http://w1.onlineticket.jp/tkt13/main.jsp?prm=U=14:P2=184888:P3=0003:P6=603:P10=10:P1=0005

ミュージカル「PRICILLA」

mainpage
プリシラ公式サイトより

今年の12月に日本での初上演が予定されている作品で、原作は1994年製作のオーストラリア映画です。
この作品の主人公は3人のドラァグクイーン(妻と息子のいたティック、夫を亡くしたばかりのトランスジャンダーのバーナデット、若くて美しいが生意気なアダム)が出会い、1台のバス「プリシラ号」で砂漠を横断する旅に出る物語です。
映画では、行く先々での酷い差別や偏見、家族との再会や新しい恋人などドラァグクイーン達の人生の一部をその美しい姿とともに見ることができます。
この作品のミュージカル版を日本で上演するのは今回が初めてで、美しく力強く生きるドラァグクイーンの姿は、見るものに感動と勇気を与える作品になるに違いありません。

ミュージカル「プリシラ」

2016年12月8日 ~12月29日
日生劇場
http://www.tohostage.com/priscilla/index.html

ミュージカル作品で描かれるドラァグクイーンたちは、パワフルで美しく、そして繊細な心を持ち合わせています。
そんなドラァグクイーンたちの生き様に触れることで、なんだかパワーがもらえるような気がします。
どちらもハッピーで気持ちが上がるミュージカルです♪是非劇場に足を運んでみてはいかがでしょうか(^o^)!?

tommietommie

 

この記事を書いた人

tommieicon
tommie
関西外国語大学卒、LGBTアライ。
nijipi編集長。イベント&エンタメ系担当。趣味はアイドルのおっかけ。

ノージェンダーコスメ「SIX」が、店頭販売へ

six
http://www.sixtokyo.com/より

8月24日、伊勢丹新宿本店メンズ館に新たな商品が登場しました。モノトーンのシックなパッケージが特徴のその商品は、「SIX」と呼ばれるシリーズ化粧品。LGBTメディア「GENXY」が企画開発した、ノージェンダーコスメです。

ノージェンダーとは主にファッション業界で使われる言葉で、「男女の性差を感じさせない」こと。男女両方の性に向けたユニセックスとは違い、最初から性差を意識していないことを指します。
ノージェンダーは、LGBT当事者であるなしに関わらず、ここ最近若者を中心にトレンドともなっています。

そんな中、今年の3月に登場したのが、ノージェンダーコスメ「SIX」です。
もともと、「男性向けの商品は清涼感が強すぎる、もっと刺激のない化粧品を使いたい」や「女性に限定された可愛らしいものではなく、セクシュアリティを感じさせない商品を使いたい」といった要望は多く、その要望が寄せられたLGBTメディア「GENXY」が企画開発しました。

「SIX」と名前を付けられたそのシリーズ、当初はインターネット上での販売でした。しかし口コミで話題となり、8月24日より新宿伊勢丹での店頭販売が開始しました。

現在のラインナップは、美容水(化粧水と美容液をミックスしたもの)と、洗顔フォーム。どちらもすべて国内産の材料で作られた、高級感のある仕上がりになっています。

かつては女性のものというイメージがあったスキンケアや化粧。しかし現在では体の性に関係なく、多くの人が取り入れています。LGBT当事者だけでなく、自分の好きなようにファッションを楽しみたい、自分を表現したいという需要が増えてきているのです。
ノージェンダーコスメは今後も、需要は高まっていくのではないでしょうか。

18卒LGBT学生の就活スタートアップイベントレポート

f9e326d87748b37fa8ea82da1608c568_s

18卒LGBT学生の就活スタートアップイベント開催

こんにちは!nijipi編集長のtommieです!
8月27日(土)に株式会社Nijiリクルーティングが開催した「LGBT就活応援会」に取材に行ってきましたので、レポートします!

当日のプログラムは、「就活スタートアップ講座」と「交流会」の二本立てでした。
今回のイベントに参加したのは、18卒就活生でありLGBT当事者もしくはアライのみなさん。さらに、交流会では希望の企業から内定を獲得した17卒のLGBT学生さんたちも加わりました。

「どんな企業で働きたい?」就活スタートアップ講座

IMG_9863

就活スタートアップ講座は、基本的な就職活動のノウハウを学ぶ内容でした。
「就活の目的は2018年4月から働く会社を探す、見つける、決めること」。そのためにやるべきことは何なのか?を講師がわかりやすく解説。
途中でテーブル毎に「今自分が考えている希望の就職先」についてディスカッションを行いました。

当日使用されたスライド
就活スタートアップ講座

LGBT学生のみなさんにとっては就職先を選ぶ上でセクシュアリティの問題も気になるところ。
今回のイベントでは参加者がLGBT当事者もしくはアライのみということで、みなさん自分のセクシュアリティのことも気兼ねなく話すことができたようです。

「大学で専攻している分野を活かしたい」
「Xジェンダーなので服装が自由な職場がいい」

「就職で東京に出たいと思ってる」

「自分はチームワークよりも一人で集中する仕事の方が向いているかも」

「ダイバーシティを推進している企業がいい」

などなど、みなさん今自分がイメージする働き方を自由に話し合っていました。

ディスカッション中の様子。
IMG_9874

最後に講師から、希望の就職先を探すには①自分の希望や適性を内省し、明確にすること、②どんな会社があるのかを知ること。そしてそのためには、たくさんの情報をインプットすることが大切だという話がありました。

18卒の就活では2017年3月に広報解禁すると経団連が発表しています。しかし、これはあくまで経団連が会員企業1340社に向けて通知しているにすぎません。多くの企業がすでに様々な手法で採用活動を行っており、企業と接触できる機会はたくさんあります。

「今の時期から、たくさんの情報をインプットしましょう!」講師からのそんなメッセージで講座はしめくくられました。

「就活で苦労したことは?」17卒LGBT学生に質問!

IMG_9875

続いて行われた交流会では、アルコールや軽食も出され、和やかな雰囲気でスタート。ここから希望の企業から内定を獲得した17卒のLGBT学生さんも加わりました。

18卒のLGBT学生さんからの質問に、17卒のLGBT学生さんが答えるという場面も。

これまでNijiリクルーティングの就活イベントに参加したり、キャリアアドバイザーに就活相談をしながら無事内定を獲得した17卒LGBT学生のみなさん。
「内定先が決まってほっとしているし、うれしい」
「自分の体験が後輩のみなさんの役に立てれば」
と話していました。

こんな質問が出ていました!

Q.今の時期から就職活動に向けてやっておいた方がいいことってありますか?
A.インターンシップの参加、SPIの勉強、業界・企業研究をしておくといいと思います。自分が就活を経験してみて、早い時期からやっておけばよかったなと思いました。

Q.就活では誰に相談しましたか?

A.就職を経験している友人にアドバイスをもらいました。友人は一度就職したのですが、再度専門学校に通っています。自分のやりたいことをどうやって見つけたのかなど、相談に乗ってもらいました。

Q.セクシュアリティはオープンにしましたか?
A.私はオープンにしました。ですが、いい反応をされない企業もあったので、失敗したなと思うこともありました。カミングアウトするかしないかは自分が必要だと感じればすればいいと思います。カミングアウトする場合は、企業の社風や社員さんの人柄などを見極めた上で、タイミングをはかって行うのがいいと思います。

LGBT学生同士で交流できて楽しかった

当日のアンケートでは、多くの参加者の方が「楽しかった」と回答。

「普段LGBT当事者と交流する機会があまりないので交流できてよかった」という方や、「同じセクシュアリティの人と話したいと思い参加した。実際に出会えて話をすることができてよかった」という方も。

最後には気の合った人同士で連絡先を交換するなど、それぞれが交流会を楽しんだ様子でした!

就活ではいろんな人に話を聞いてみるのも大切ですよね。
今回のイベントでは18卒同士はもちろん、17卒と18卒とも交流ができ、みなさん楽しそうに帰っていきました^^!

tommietommie

 

この記事を書いた人

tommieicon
tommie
関西外国語大学卒、LGBTアライ。
nijipi編集長。イベント&エンタメ系担当。趣味はアイドルのおっかけ。

「LGBTは社会で許容されるべきではない」93%の人がYESと答えるインドネシア

f8fa7074a2576bd26a4487169709d6ab_s

「LGBTは社会で許容されるべきではない」93%の人がYESと答えるインドネシア

アメリカのピュー研究所が2013年に発表した「ホモセクシュアリティーに対しての寛容度調査」内の「ホモセクシュアリティーは社会で許容されるべきか」という質問で、90%以上が「NO」と答えたインドネシア。
なぜインドネシアにはこのような考えを持つ人が多いのでしょうか。

インドネシアはイスラム教徒の人口が世界最大の国であり、国民のほとんどがイスラム教です。イスラム教では同性愛が禁止されていることから、ゲイやレズビアンなど同性愛者に対する世間の目は厳しく、LGBTの存在はまだまだ社会に受け入れられていません。

さらに、2016年からLGBTなどのセクシュアルマイノリティ(性的少数者)に対する非難や攻撃がますます加速していることが問題になっています。

インドネシアで最も強固にLGBTに厳しい態度を取るのはスラム組織を統括する「インドネシア・ウラマ評議会(MUI)」です。彼らはその宗教上の理由から、LGBTを許容することはできないとしています。

彼らを含むLGBT反対派が今、起こしているのが、刑法改正のための裁判です。
「成人の同性間の同意に基づく性行為を犯罪化し、最長5年の禁固刑」という内容を刑法に追加することがその目的。この法律が可決されれば、現在法律レベルでは規制されていないLGBTが正式に国家の規制の対象となってしまいます。

インドネシアのLGBTへの差別は様々な形で行われています。
2016年1月には、イスラム防衛戦線と呼ばれる過激派グループが、インドネシアの大都市であるバドゥンの宿泊施設に、同性カップルを「発見」したとして襲撃をかけました。建物を襲った後、同団体は「レズビアンとゲイは我々の地域に入るな」という趣旨の文言を書いた旗を掲げ、LGBTへの明確な差別を示しました。

暴力的ではない差別も無視することはできません。インドネシアの放送監視官からは「検閲令」が出されました。それによって、LGBTの人々を正常なものであるとする番組の放送が禁止されました。
また、インドネシア通信情報省がLINEのアプリ内で販売されていたLGBTに関するスタンプを削除するよう申請。LINEはこれを受けて削除を行いました。

精神科医の医師会がLGBTを「精神疾患であり、矯正すべきもの」と発言したころから、LGBTは正常ではないという考えがさらに拡大。
若い母親向けに「自分の子供がどうしたらゲイにならないか」というセミナーも開催されています。

インドネシア政府は、こういった事態にどのような対応をしているのでしょうか。
現政府は、LGBTに関して「LGBTの人々は人権を持つインドネシア国民である」という見解を持っています。しかし、決してLGBTについて寛容なわけではありません。
ルフット・パンジャイタン政治・法務・治安担当調整相は「LGBTは染色体の病気であり、治療が必要である」といった発言をしており、政府は反LGBT団体の過激な差別行動には一切の沈黙を保っています。

こあせんせーは先日TEDで「子ども達が成し遂げたバリのレジ袋廃止運動」を観て大変感銘を受けました。そんな素敵な人々がいるインドネシア。
LGBTの人たちも暮らしやすい社会になってほしいな、と心から思いました。

koasenseこあせんせー

 

この記事を書いた人

koasenseicon
こあせんせー
早稲田大学法学部卒のストレートアライ。
時事ネタ、法律関係が得意。趣味は将棋とモノポリー。

上司・同僚・部下がLGBだとしたら?「嫌でない」が65%「嫌だ」が35%

79be75f4e753efa0fe924f1ae05ab278_s

LGBT等のセクシュアルマイノリティ当事者は8%

日本労働組合総合が、LGBTに関する職場の意識調査を行いました。
調査は2016年6月30日~7月4日の5日間、インターネットによって実施され、全国20~59歳の有職男女1000名が回答しました。

自認している性別、性的指向を聞き、回答を分類したところ、LGBT当事者は8.0%という結果が出ました。

graf
LGBTに関する職場の意識調査より http://www.jtuc-rengo.or.jp/news/chousa/data/20160825.pdf

LGBTの認知率は47%。

LGBTの認知状況について「知っていた」が47.1%。世代別にみると若い世代ほど認知率が高い傾向にあり、20代が最も高く54.8%という結果になりました。
また、役職別では管理職の56.1%が最も高い結果となり、役職が上位である程認知率が高い傾向がありました。

上司・同僚・部下がLGBだとしたら?「嫌だ」が35%

上司・同僚・部下がLGBだとしたら?の質問に、「嫌でない」が65.0%、「嫌だ」が35.0%という結果に。
世代別では「嫌でない」との回答は20代が最も多く、71.6%でした。役職別では「嫌でない」との回答は、一般社員・一般職員が64.8%、リーダーの役割が66.1%、管理職が64.9%でした。

また、上司・同僚・部下がトランスジェンダーだとしたら?という質問にでは、「嫌でない」が73.7%、「嫌だ」が26.3%でした。
LGBの当事者に対する抵抗感よりも、Tの当事者に対しての抵抗感が低いことがわかりました。

LGBT関連のハラスメントの原因は「差別や偏見」と考えるが59.5%

職場におけるLGBT関連のハラスメントを受けたり見聞きしたりした人は22.9%となりました。
LGBT関連のハラスメントの原因を聞いた質問に関しては、「差別や偏見」が最も多く59.5%、次いで性別規範意識(「男」はこうあるべき、「女」はこうあるべき等の規範意識)は43.4%、「職場の無理解な雰囲気」18.1%、「上司のハラスメントに対する意識の低さ」16.9%、「会社(組織)全体としての職場の人権に関するポリシーがない」15.7%、「いわゆる「LGBT」に関するハラスメントの啓発不足」15.0%が続きました。

LGBT関連のハラスメントは、差別や偏見が原因と考えている人が多いこと、職場にも原因があると考える人も少なくないことがわかりました。

トランスジェンダーへの配慮は「性自認に基づいた自由な装い」が38.1%

職場におけるLGBT関連の差別に関する質問では「なくすべき」の回答が81.0%となりました。
トランスジェンダーへの配慮が課題になった・課題になったと聞いたことがあるかという質問には、10.1%が「課題になった・聞いた」と回答。
また、今後トランスジェンダーへの配慮としてどのようなことが必要だと思うかという質問には、「性自認に基づいた自由な装い」が38.1%、「性自認に基づいた装いをできるように、話し合いや調整を行う」が36.6%となりました。
一方で「特に配慮は必要ない」は29.0%となっており、役職別では管理職が最も高く43.9%となりました。

管理職では認知度や受容度が高い反面、抵抗感等もやや高い傾向に

今回の調査から、日本労働組合総合連合会は「管理職では認知度や受容度が高い反面、抵抗感等もやや高い傾向」があると発表しています。

職場にLGBT当事者がいることに抵抗がない人が65%である一方で、抵抗がある人も35%存在することが気になるところ。
LGBTに関するハラスメントをなくすべきとの回答は81%ではありましたが、まだまだ職場でのLGBTへの配慮は十分とはいえないようです。
ただ、LGBTフレンドリー宣言を行い積極的に取り組んでいる企業も増えてきています。nijipiではそういった企業の取り組みも紹介していきたいと思います!

koasenseこあせんせー

 

この記事を書いた人

koasenseicon
こあせんせー
早稲田大学法学部卒のストレートアライ。
時事ネタ、法律関係が得意。趣味は将棋とモノポリー。

子供からのカミングアウト90%が「受け入れる」

aca3f4703a399a4dfa61a8dba443f7f2_s

子供からのカミングアウト90%が「受け入れる」

「LGBTマーケティングラボ」が日本全国の子どもがいる男女を対象に、「もし子どもからLGBTのカミングアウトを受けたら?」という調査を行いました。(2016年8月8日〜8月11日のインターネット調査。調査対象は30~59歳の男性 285名、女性281名の計566名)

この結果、全体の90%近くの親が「子供がLGBTであることを受け入れる」と回答。
内訳としては「受け入れたくないが、しょうがないので受け入れる」が 38.9%、「時間をかければ受け入れられる」が27%、「驚くがすぐに受け入れる」が18.4%、「好意的に受け入れる」が4.9%となりました。
一方で、「断固として受け入れられない 」は10.8%となりました。

LGBTの知識がある親は「受け入れる」

「受け入れる」と回答した理由については、「親の意思で変わるわけではないから」が61.2%と最も多く、次いで「ニュースなどで色々なセクシュアリティがあると知っているから」が 42.6%、という結果になりました。

この結果から、受け入れると回答した親の多くが、LGBTの知識があることが伺えます。

「受け入れたくない」と回答した理由で最も多かったのは「この先苦労しそうだから」が50.8%。子供の将来を心配していることが理由でした。

次いで多かったのは、「恥ずべきことだと思うから」29.5%、「気持ち悪いから」26.2%、「病気だと思っているから」21.3%となりました。

この結果から、受け入れたくないと回答する親の約半数はLGBTの知識がなく、偏見を持っていることが伺えます。

これらの結果から、親にカミングアウトした際の反応は、親のLGBTへの知識が左右することがわかりました。

「カミングアウトした相手」は親よりも友人が多い結果に

NHKが2015年に行ったLGBT当事者へのアンケートにおいて「カミングアウトした相手」の質問に対する回答では、「家族」が51.2%であるのに対し、「LGBTではない友人」が82.6%、「LGBTの友人」が78.8%という結果になりました。
この結果から、家族へのカミングアウトはLGBT当事者にとってハードルが高いことがわかりました。

昨今では様々なメディアでLGBTを知る機会があり、LGBTに理解ある人も増えてきました。しかしまだまだ偏見もあります。
LGBTをアイデンティティとして誰もが受け入れる。そんな社会になれば親へのカミングアウトに悩む当事者も少なくなるのではないでしょうか。
やはりそのためにもアライの存在は不可欠ですね。こあせんせーも自分にももっとできることがあるのではないか、改めてそう思いました。

koasenseこあせんせー

 

この記事を書いた人

koasenseicon
こあせんせー
早稲田大学法学部卒のストレートアライ。
時事ネタ、法律関係が得意。趣味は将棋とモノポリー。

「同性婚が特別でなくなることを願う」リオ五輪金メダリストの女性バスケ選手が同性婚を発表

Screenshot_2016-08-26-10-43
Elena Delle Donne Official Instagramより @de11edonne

「同性婚が特別でなくなることを願う」リオ五輪金メダリストの女性バスケ選手が同性婚を発表

過去最多のLGBT表明選手が出場したリオオリンピック。その選手の中の1人、女子バスケットボールアメリカ代表メンバーとして金メダリストになったエレナ・デレ・ダン選手が、アメリカのファッション雑誌である『VOGUE』で同性愛者であり、交際中の女性と婚約状態にあることを語りました。

リオオリンピック開催前に行われたインタビューでデレ・ダン選手は、「この発表はカミングアウトを主目的としたものではない」と発言。同性愛者であるという告白に世間が騒がなくなることが目標だと語っています。
デレ・ダン選手はオリンピックを前にしてこの発表ができたことをとても喜んでいるそうです。
彼女がSNSを通して公開しているパートナーとの写真には全世界から「いいね」の声が届いています。素敵なプロポーズの写真もその中には入っていて、彼女たちがいかに幸せなカップルであるかを知らしめる形となっています。

パートナーの女性と。
Screenshot_2016-08-26-10-43
Elena Delle Donne Official Instagramより @de11edonne

アメリカは2015年に全州で同性婚が認められた

同性婚が世界で初めて合法化されたのはオランダであり、2001年に同性婚の法律が制定されました。
その後、ベルギーやスペイン、カナダがこれに続き、現在では約20か国が同性婚を法制化しています。

アメリカでは2004年にマサチューセッツ州で同性婚の登録が開始しましたが、州によって同性婚に対する考えは様々。賛成・反対の激しい論争が続いていましたが、2013年にアメリカ連邦最高裁判所が婚姻を男女間に限定した連邦法が違憲だとする判断を下しました。しかし、アメリカ合衆国では、連邦制をとっているため、同性婚が認められるには各州での立法が必要です。
2014年の時点では13州が同性婚を認めないとしていたため、これに対し同性カップルが提訴。しかし、オハイオ州、ミシガン州、ケンタッキー州、テネシー州の4つの州を管轄する合衆国高等裁判所が同性婚を認めない判断を示したため、最高裁判所に判断が委ねられることになりました。
その結果、2015年6月に最高裁判所が全州での同性婚を認める判断を示し、大変な話題になりました。

アメリカでの同性婚を巡る歴史的な裁判はドキュメンタリー作品「ジェンダーマリアージュ」として映画化もされ、様々な映画賞を受賞しています。

世界では多くの国が同性婚を認めていますが、まだまだ「同性愛」や「同性婚」は特別な事例としてメディアに取り上げることが多いのが現状です。
デレ・ダン選手は、「女性と結婚しても私の顔が変わるわけではないし、イメージに影響するわけでもない」と話しており、いつか結婚が同性婚だからという理由で騒がれるのではなくなってほしいとも話しています。

とても素敵で幸せそうなカップルですね!
デレ・ダン選手は「何も包み隠すことなくやっていこうと決めました」とインタビューで話しているそうです。
リオ五輪に出場したアメリカ代表のバスケットボールチームにはデレ・ダン選手の他にLGBTであることを公表している選手が3名います。
現在はLGBTというと、どうしても特別なこととして報道されがちです。しかし、著名人のカミングアウトや幸せな報告はLGBT当事者にとって勇気になるはず。今はまだ特別なこととして報道されますが、こうした発表が増えていくことで、いつしかそれが特別ではないこととして世界に浸透していくといいなと思いました!

koasenseこあせんせー

 

この記事を書いた人

koasenseicon
こあせんせー
早稲田大学法学部卒のストレートアライ。
時事ネタ、法律関係が得意。趣味は将棋とモノポリー。

「知ることから始めましょう」岐阜県関市のLGBTフレンドリー宣言

c42db96bc5f9fa8cf5e7f68bfff159dc_s

2016年8月10日、岐阜県関市がLGBTフレンドリー宣言を行いました。
10日に開かれた記者会見では、尾関健治市長が総合福祉会館前の広間で「LGBTフレンドリー宣言」(岐阜県関市HPでの発表 http://www.city.seki.lg.jp/0000010054.html)を行い、空にはLGBTを表すレインボーカラーを模して色とりどりのバルーンが飛ばされました。

LGBTフレンドリーとは?

さて、そもそも「LGBTフレンドリー」とはどのようなものなのでしょうか。
一般的な意味としては、「LGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーなどのセクシュアルマイノリティの人々)に対して温かく、開かれた状態」であることを示します。
具体的な内容としては、差別禁止の明文化、LGBTの理解を促す啓発、同性カップルを異性と同等に対応する制度の導入、LGBT関連イベントの積極的な開催や協賛などが挙げられます。
そして、この状態になるように努力します、という趣旨の宣言を「LGBTフレンドリー宣言」といいます。

岐阜県関市のフレンドリー宣言の内容とは

LGBTへの理解を広め、差別をなくしていく活動
・関市職員、保育士、教職員を対象とした研修の実施
・関市の市民を対象としたセミナーを開催
・広報せきやHP等を活用した情報発信
・LGBTに関の理解を深める子ども向け及び教職員等大人向けのパンフレットやポスターの作成、配布
・中学校等の児童生徒及び保護者が相談できる環境の整備
・LGBTの理解を深める授業づくり
・企業に採用や職場環境整備についてのLGBTを差別しないよう啓発
・パートナーシップ証明を発行した際に、その証明をもって家族と認めサービスが受けられるよう企業や病院等に協力を依頼(病院での連帯保証人、市営住宅や賃貸住宅への入居等)
・LGBTに関するe-ラーニング教材の開発と提供

LGBT当事者が暮らしやすい市にしていくための活動
・パートナーシップ証明書発行
・電話による相談の実施
・公共施設に多目的トイレを設置するなど、だれもが使用しやすい表示に改善
・LGBT当事者である関市職員が働きやすい職場環境の整備
・同性パートナーを配偶者と認め、家族手当の支給・結婚休暇の取得・結婚祝い金の支給が行えるよう制度の見直し

その他、コミュニティスペース(交流会)の開催など、上記のような内容を進めていきたいと宣言しました。

尾関健治市長自身も体験、「知ることが大事」

フレンドリー宣言を行った関市の尾関健治市長がLGBTフレンドリー宣言をするきっかけとなったのは2015年3月に参加したLGBTセミナーだったようです。尾関健治市長は自身のブログにて下記のように述べています。

LGBTの方が抱えている問題やLGBTフレンドリーの自治体や企業の動きを伺って、初めて知ったことも多かったですし、今まで何気ない会話の中で、自分自身も誰かを傷つけていたこともあったんだ、と思いました。

私自身にも先入観というか思い込みのようなものがあったのですが、今日のセミナーでかなり取れた気がします。

企業では優秀な人材確保や売上げアップに結びつけるため、LGBTフレンドリーの取り組みを進めている企業が出ているのですが、関市としても考えていきたい、と思います。

日刊「オゼ☆ケン通信」より http://oze-ken.cocolog-nifty.com/blog/2016/03/9-1ba6.html

また、LGBTフレンドリー宣言を行った当日のブログでは、下記のように書き込みを行っています。

今回の「LGBTフレンドリー宣言」は、まずは市役所内から研修会をはじめ、市内の企業・団体、市民の皆さんに理解が深まるよう、今日から活動をスタートさせる、というものです。

「レズ」や「ゲイ」という言葉を聞くだけで、心に壁を作られる方も少なくない、と思います。私も3月に市川さんの講演を聴くまで、率直に言って同様でしたのでお気持ちは分かります。

まずは、知ることから始めましょう。

日刊「オゼ☆ケン通信」より http://oze-ken.cocolog-nifty.com/blog/2016/08/lgbt-617d.html

尾関健治市長は記者会見で「フレンドリー宣言はキックオフのようなものであり、これから取り組みを進めていきます」とも語っています。
注目度の高いパートナーシップ証明に関しては来年度にも導入したい考えとのこと。今後の取り組みが注目されています。

 

尾崎健治市長自身が「知る」ことで意識が変わり、理解へとつながる体験をしたことがフレンドリー宣言のきっかけにもなったのですね。
こあせんせーもこれまでLGBTに偏見はなかったものの、勉強することで初めて知ったことはたくさんありました。
あらゆる差別の根本には、「知識がないこと」があるように思います。
“まずは知ること”…とても大切なキーワードだと思います。

koasenseこあせんせー

 

この記事を書いた人

koasenseicon
こあせんせー
早稲田大学法学部卒のストレートアライ。
時事ネタ、法律関係が得意。趣味は将棋とモノポリー。

リオ五輪LGBT選手の47%がメダルを獲得!!

熱い戦いが繰り広げられたリオオリンピックがついに閉幕!
リオオリンピックではセクシュアリティをオープンにするLGBT選手が53名とオリンピック史上最多となりました。
さらに53名中、25名がメダルを獲得。うち10名は金メダル獲得と大活躍でした!
今回は金メダルを獲得した10名を紹介します。

金メダルを獲得したLGBTであることをオープンにする選手たち

ニコラ・アダムズ

RIOEC8I1C8ILG_768x432
出典:googleリオオリンピック2016

イギリス/ボクシング女子フライ51㎏級
バイセクシュアルであることをオープンにしています。

ヘレン・リチャードソン・ウォルシュ
ケイト・リチャードソン・ウォルシュ
スザンナ・タウンゼント

MTZSPDEC77XCFNWD_768x432
ヘレン・リチャードソン・ウォルシュ選手 出典:googleリオオリンピック2016

イギリス/女子ホッケー
ヘレン・リチャードソン・ウォルシュ選手とケイト・リチャードソン・ウォルシュ選手は同性カップルであり、チームメイトでもあります。また、スザンナ・タウンゼント選手はガールフレンドがいることをオープンにしています。

ラファエラ・シルバ

RIOEC881IN65I_768x432
出典:googleリオオリンピック2016

ブラジル/柔道女子57kg級
同棲中の彼女がいることをインタビューで語っています。

サイモン・オーガスタス
エレナ・デレ・ダン
ブリトニー・グリナー
エンジェル・マコートリー

MTZSPDEC7U5JT6G0_768x432
サイモン・オーガスタス選手 出典:googleリオオリンピック2016

アメリカ合衆国/バスケットボール
北京オリンピックでも金メダリストとなったオーガスタス選手は現在は同性婚しています。
グリナー選手はレズビアンであることを公言しています。
マコートリー選手はインスタグラムで同性の婚約者とのツーショットを公開し、カミングアウトしました。

キャスター・セメンヤ

RIOEC8L01OVTW_768x432
出典:googleリオオリンピック2016

南アフリカ/女子800m
かつては男性疑惑もあったセメンヤ選手。国際陸上競技連盟(IAAF)の調査により、卵巣がなく精巣があるという両性具有であることがわかりました。2015年には同性婚をしています。

五輪憲章に「性的指向による差別禁止」が盛り込まれることになり、東京オリンピックではさらにセクシュアリティをオープンにする選手が増えるのではないかと言われています。
性的指向による差別をしないオリンピックにするためには、アライの存在が欠かせません。日本もオリンピックを機にLGBTへの知識、理解が深まることが期待されています。

こあせんせーはスポーツが大好きなので2020年の東京オリンピックがとても楽しみです!
今よりもっと、人種・国籍・セクシュアリティ…あらゆる個性を尊重する日本になっていてほしいものです!

koasenseこあせんせー

 

この記事を書いた人

koasenseicon
こあせんせー
早稲田大学法学部卒のストレートアライ。
時事ネタ、法律関係が得意。趣味は将棋とモノポリー。