「同性婚が特別でなくなることを願う」リオ五輪金メダリストの女性バスケ選手が同性婚を発表

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Elena Delle Donne Official Instagramより @de11edonne

「同性婚が特別でなくなることを願う」リオ五輪金メダリストの女性バスケ選手が同性婚を発表

過去最多のLGBT表明選手が出場したリオオリンピック。その選手の中の1人、女子バスケットボールアメリカ代表メンバーとして金メダリストになったエレナ・デレ・ダン選手が、アメリカのファッション雑誌である『VOGUE』で同性愛者であり、交際中の女性と婚約状態にあることを語りました。

リオオリンピック開催前に行われたインタビューでデレ・ダン選手は、「この発表はカミングアウトを主目的としたものではない」と発言。同性愛者であるという告白に世間が騒がなくなることが目標だと語っています。
デレ・ダン選手はオリンピックを前にしてこの発表ができたことをとても喜んでいるそうです。
彼女がSNSを通して公開しているパートナーとの写真には全世界から「いいね」の声が届いています。素敵なプロポーズの写真もその中には入っていて、彼女たちがいかに幸せなカップルであるかを知らしめる形となっています。

パートナーの女性と。
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Elena Delle Donne Official Instagramより @de11edonne

アメリカは2015年に全州で同性婚が認められた

同性婚が世界で初めて合法化されたのはオランダであり、2001年に同性婚の法律が制定されました。
その後、ベルギーやスペイン、カナダがこれに続き、現在では約20か国が同性婚を法制化しています。

アメリカでは2004年にマサチューセッツ州で同性婚の登録が開始しましたが、州によって同性婚に対する考えは様々。賛成・反対の激しい論争が続いていましたが、2013年にアメリカ連邦最高裁判所が婚姻を男女間に限定した連邦法が違憲だとする判断を下しました。しかし、アメリカ合衆国では、連邦制をとっているため、同性婚が認められるには各州での立法が必要です。
2014年の時点では13州が同性婚を認めないとしていたため、これに対し同性カップルが提訴。しかし、オハイオ州、ミシガン州、ケンタッキー州、テネシー州の4つの州を管轄する合衆国高等裁判所が同性婚を認めない判断を示したため、最高裁判所に判断が委ねられることになりました。
その結果、2015年6月に最高裁判所が全州での同性婚を認める判断を示し、大変な話題になりました。

アメリカでの同性婚を巡る歴史的な裁判はドキュメンタリー作品「ジェンダーマリアージュ」として映画化もされ、様々な映画賞を受賞しています。

世界では多くの国が同性婚を認めていますが、まだまだ「同性愛」や「同性婚」は特別な事例としてメディアに取り上げることが多いのが現状です。
デレ・ダン選手は、「女性と結婚しても私の顔が変わるわけではないし、イメージに影響するわけでもない」と話しており、いつか結婚が同性婚だからという理由で騒がれるのではなくなってほしいとも話しています。

とても素敵で幸せそうなカップルですね!
デレ・ダン選手は「何も包み隠すことなくやっていこうと決めました」とインタビューで話しているそうです。
リオ五輪に出場したアメリカ代表のバスケットボールチームにはデレ・ダン選手の他にLGBTであることを公表している選手が3名います。
現在はLGBTというと、どうしても特別なこととして報道されがちです。しかし、著名人のカミングアウトや幸せな報告はLGBT当事者にとって勇気になるはず。今はまだ特別なこととして報道されますが、こうした発表が増えていくことで、いつしかそれが特別ではないこととして世界に浸透していくといいなと思いました!

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こあせんせー
早稲田大学法学部卒のストレートアライ。
時事ネタ、法律関係が得意。趣味は将棋とモノポリー。