職場でカミングアウトしている人は4.3%

LGBT就活生のみなさんは、職場でカミングアウトをしたいと考えていますか?

今回はLGBT総合研究所が発表した「LGBTに関する意識行動調査2016」をもとに、LGBT当事者の働く環境についてです。

LGBT当事者と非当事者で認識にギャップがある

「職場や学校で、性的マイノリティに関する差別的な言動や行動を見聞きしたことがある」に対し、「はい」と回答した結果には、LGBT当事者と非当事者ではギャップがありました。

LGBT当事者 27.1%
LGBT非当事者 11.1%

この結果から、LGBT非当事者にはまだまだ認識していないところで、LGBT当事者は差別的な発言を感じていることがわかります。

カミングアウトしたい人は41.5%

LGBT当事者に聞いた「仕事や生活に支障がなければカミングアウトしたいか」に対し、41.5%が「はい」と回答しています。
その一方で、「職場でカミングアウトしている」と回答する当事者は4.3%にとどまりました。
現状では、カミングアウトをしたくても、できないと考えている人は多いことがわかりました。

LGBTに理解や配慮を望む人は51.6%

「職場や学校での理解や配慮を望む」と回答するLGBT当事者は51.6%という結果も出ています。

また、LGBT当事者に聞いたLGBT向け施策の実態について「今後(も)あったらいいと思う施策」という質問に対しては以下のような回答となっています。

1位 33.3%
福利厚生での同性パートナーの配偶者扱い

2位 30.4%
性同一性障がいを含むトランスジェンダーの従業員などへの配慮

3位 38.1%
差別の禁止の明文化、経営層などの支援宣言

まとめ

LGBT当事者と非当事者で認識にギャップがあること、カミングアウトしたいけれどできないというLGBT当事者が多いことがわかりました。
日本でも、LGBTに理解と配慮をしようとするLGBTフレンドリー企業は徐々にですが、増えてきています。
このようなデータが、LGBTフレンドリー企業がさらに増えるきっかけになれば、と思います。

参照元
LGBT総合研究所「LGBTに関する意識行動調査2016」

LGBTを理解しようという姿勢があるなら誰でも「アライ」になれる

LGBT当事者orアライによるレポートです。今回は「アライ」について。

LGBTという言葉の認知度が日々上がっているのを感じていますが、ally(アライ)という語はまだまだ知られていないように思います。LGBTの問題を考える際にはLGBT当事者以上にアライの存在が大切だと私は考えています。

しかしアライであるかどうかは、見た目ではわかりません。今回はどうアライであることを表明するかについて書きたいと思います。

ally(アライ)とは

allyは協力者、支持者などの意味を持つ英単語です。LGBTに関して言えば、LGBTを差別や偏見がなく、理解している人のことを指します。

LGBTの認知度が高まるにつれて、抵抗を持つ人が増えるのもあるかもしれませんが、正しい知識が広まることでアライが増えているのではないかと私は思います。
本当に失礼ですが、かつては私もテレビなどの影響で「オカマ=気持ち悪い人」と思っていた時代があります。
そのような誤解が減っていくことでアライは増えていくのではないでしょうか。

アライも完全に理解しているわけではない

しかし気を付けてほしいのは、アライの中にもLGBTについて完全に理解しているわけでない人もたくさんいることです。LGBT当事者でさえ、自身のセクシュアリティを含め完全に理解している人はいません。

そこで知識が足りない、誤解しているからと言って批判してしまうのではなく、理解、支援しようとしてくれている態度に感謝し正しい知識を提供することが必要です。
気付かないうちに偏見を持っていることも多くあります。そこに気付くことを、多くのアライは望んでいるのではないかと思います。

どうアライであることを表現するか

最後に本題ですが、アライであってもそれを周りに言わなければ気付かれることはありません。LGBT当事者からすれば、アライか分からない人にセクシュアリティの話をするのはすごく怖いことです。
アライであることを知ってもらう方法はいくつかあると思うので最後に簡単に箇条書きで紹介します。

レインボーグッズを使う
6色の虹は現在LGBTを表すシンボルとなっています。様々なLGBT関連団体が、レインボーグッズを販売しています。文字なしのさりげないものから、allyという語の入ったものまであるので、探してみてはどうでしょうか

会話の中でアライであることを言う
恋愛の話やテレビのタレントの話の中で、LGBTに関する話題になることはあるかもしれません。「私はアライです」と突然言ってもぽかーんとされるだけかもしれませんが、偏見がないことを言うだけでも当事者が聞けばすごく勇気になります。
また他の人の差別的な発言を否定してあげることもとても有意義です。

ウェブ上などでLGBTに関する活動を広める
FacebookアカウントなどでLGBTに関する活動に関する投稿をするだけでも、周りからはアライであることを分かってもらえます。何か活動に参加しているのであればその活動の告知、そうでなくてもウェブ上で発信するだけでも気づいてもらえますね。

GENKING、MtFであることを公表で感じること

LGBT当事者orアライによるレポートです。

タレントで美容家のGENKINGさんが今年1月、自身のinstagramアカウントに性同一性障害の診断書をアップしました。診断書の日付には平成28年10月28日と書かれています。

GENKINGさんは、instagramから人気に火のついた日本のタレントで、その個性的なファッションや美容法が支持されています。またパーソナリティとして情報番組にも出演されています。

綺麗な金髪のロングヘアやメイク、ファッションから周りからはオネエ系タレントなどと言われることの多かったGENKINGさんですが、セクシュアリティについては自身ではあまり明言されていなかったように思います。
美男子、ジェンダーレス男子、オカマなどとメディアやネット上では様々な呼び方をされています。

以前からオカマっぽいなどという理由で小さいころから辛い経験をしてきたことをinstagramなどで明らかにされてきたGENKINGさんでしたが、今回の投稿でははっきりと、MtFであることを証明する診断書を、長文のコメントと共にアップしています。

彼(よりも彼女と呼んだ方が適切でしょうか)は診断書を貰った日、とても嬉しく、気持ちが楽になったと言っています。
単純にファッションが好きで、GENKINGさんのインスタは拝見していましたが、現在に至るまでに多くの葛藤や苦悩があったことが伝わる文章でした。
また、最後には孫を見せてあげられないこと、こんな投稿で家族を悲しませてしまうと書いています。

最近ではメイクをしている男性も増え、いわゆる“オネエ系”と一般的な男性との境目が段々と曖昧になっていっているように感じます。

GENKINGさんは診断書で、女性であることを認められましたが、生まれながらの女性として生きることはできません。まだ時間は必要ですが、生まれたときの性別や自認している性別に関係なく、生きやすい社会になってほしいと思います。

リリー・ローズ「セクシュアリティ」を決めつけないでほしい

LGBT当事者orアライによるレポートシリーズ。今回は著名人によるセクシュアリティに関する発言です。

昨年八月に女優のリリー・ローズさん(16)は「私は100%ストレートではない」「セクシュアリティを限定しない」とカミングアウトして話題になりました。

LGBTQIの10代の男女を支援する「Self Evident Project」に参加して、自分は100%ストレートではないと発言しました。
世間からは“カミングアウト”したと騒がれましたが彼女はこれを否定しました。

米ナイロン誌のインタビューに彼女はこう答えました。

「私は完全に誤解されてるわ。私がなぜあのプロジェクトに参加したかというと『自分はゲイであるとかストレートであるとか決めつける必要ない』ってことを言いたかったのよ」
「好きになる物は常に変わるわ。それはセクシュアリティも一緒だと思うの。好きな物って流動的なのよ。あえて自分がどんなセクシュアリティなのかに当てはめて『これが本当の私』なんて言うのはプレッシャーだと思うの」

本人は全くカミングアウトしたつもりは無いのだと言いました。

リリー・ローズさんは俳優のジョニー・デップさんの娘でもあります。
ジョニー・デップさんはデイリー・メール誌にこう語りました。

「彼女はSNS上に何千人ものフォロワーがいるんだ。みんな驚いただろうね。でも僕にとっては全く驚きではなかった。彼女は何でも話してくれるから、すでに知っていたよ。僕らはとても仲が良く、彼女はどんなことでも話してくれる。この関係をとても誇りに思っているんだ。」

「リリーは本当に知的で鋭くて、僕が知る最も賢い人間のうちの一人なんだ。彼女が何をしていようと、常に彼女の味方さ。子供は成長し、自分で物事を決定するようになる。親はそのサポートをするくらいだし、それが僕の役目と思っているからね。」と語りました。

まとめ

リリーさんの「好きな物は流動的である」という発言が強く印象に残りました。
確かに、自分の姿や好きな物などを限定する必要はどこにもないのだと思いました。彼女は、セクシュアリティをあえて限定しないことで自由に生きられるのだと思います。もし、自分のセクシュアリティがどれに属するのか分からなくて不安に感じていたら、一度自分が何に属するのか考えることをやめて自然体でいることも楽なのかもしれません。

息子のメイクを非難された父親のメッセージ

LGBT当事者orアライによるレポート。今回は息子のメイクを非難された父親のメッセージです。

コスメブランドの「メイベリン」は今年1月に、人気インスタグラマーのマニー・グティエレスさんを、初の男性アンバサダーに選出すると発表しました。

元医学部生で約300万人ものフォロワーがいるグティエレスさんは、同ブランドのマスカラを付けてメイクアップした画像をツイッター上に投稿しました。

男性がメイクを施したり、一般的に女性がする服装をすることに批判的な意見を持つ人もいるでしょう。
中でも、保守系ニュースサイトに寄稿するマット・ウォルシュは、グティエレスを非難する、こんな投稿をしました。

「お父さんたち、これを見てくれ。こんなことになってしまうから、父親もちゃんと子育てをしなきゃいけないんだ」

それに対して、彼は「お父さんは僕のために仕事を手伝ってくれているよ。それに、僕を誇りに思ってくれているよ。残念だけどね。」とコメントを返しました。さらに付け加えて彼は「男らしいというのは「強く」「たくましく」あるということではなく、愛する人たちを大切にするということだ。」と男らしさについても発言しました。

息子を批判されたグティエレスの父親も、息子を通じてウォルスに対してこのようなメッセージを送ります。

「ウォルシュさん
マニーの父です。まず最初に、私はこれまでずっと息子の味方であり、いつでも息子のそばにいるということをあなたに伝えたい。息子がこれまで成し遂げてきたことを自慢にしているだけではありません。彼が素晴らしい人間に育ったことを、心から誇りに思っています。

あなたはきっとLGBTコミュニティに知り合いがいないのでしょう。だからあんな発言をしたのだと思います。もし知り合いがいたら、彼らが世界中で最も誠実で親切なグループの一つであると、すぐにわかるでしょう。今後、あなたの発言や行動を、注意深く観察させてもらいます。あなたが、自分の家族を守るために何でもするのと同じように、私も私の家族を守るために何だってします」

まとめ

お父さんの息子を思う気持ちに胸が熱くなりました。
ここまで、誇りに思っていて愛情を注いでいることを言葉で表現されたら、きっと息子のマニーさんも幸せな気持ちになっただろうと思います。

三ツ矢雄二さんがゲイであることをカミングアウトした話

LGBT当事者orアライによるレポート。今回は三ツ矢雄二さんがゲイであることをカミングアウトした話です。

声優の三ツ矢雄二さんが、1月12日深夜放送のテレビ東京系『じっくり聞いタロウ~スター近況(秘)報告 ~』にて初のゲイ告白をしたことが話題になりました。

三ツ矢さんは声優としておなじみですよね。
なかでも、「キテレツ大百科」のトンガリ、「タッチ」では上杉達也役を担当されていました。これまで、三ツ矢さんは自身のセクシュアリティに関して「グレーゾーン」と返答してごまかしてきました。
それは、お兄さんが会社でいろいろ言われないかを心配して退職するまでは、カミングアウトをしないと決めていたんだそうです。

ゲイを告白した三ツ矢さんですが、ファンの多くは「察してた」「やっぱり」といった声が多く挙がっているそうです。
「グレーゾーン」という表現をすることで、なんとなく想像させるようにしていたのかもしれません。しかし、それに対して批判することなく周囲は受け入れていました。

そうはいっても、お兄さんが会社で悪い影響を受けないようにと、明確な表現は避けてきた三ツ矢さん。
そこには、やはり差別や偏見が怖かったからなのではないのでしょうか。セクシュアリティは本来仕事には関係ありません。しかし、職場内での性的指向や性自認に関して差別する人がいるのも現状です。

芸能人のセクシュアリティやカミングアウトはマスコミもかなり敏感に反応し、大きく取り上げようとします。
メディアの報じ方によっても、事実と異なっていたり隠されていたりします。大勢の前で堂々とカミングアウトできる人もいれば、そうでない人ももちろんいます。

そのことを周囲の人もわかってあげて、カミングアウトの必要が無いような環境になっていくと誰もが窮屈に感じないと思います。
いちいち、メディアの前で公言しなくてもいいような世の中になればいいと願いますが、普段から自分のセクシュアリティを悟ってもらうようにすることは難しいです。
まだまだ、セクシュアリティの多様性に関して理解を深めていくことが重要ですね。

性同一性障害(GID)を自覚したとき

LGBT当事者orアライによるレポート。今回は性同一性障害(GID)を自覚したときです。

私が性別に違和感を覚えたのは小学校高学年の頃でした。
といっても、幼少期からずっと何の戸惑いもなく自分は男であると思って過ごしてきたのですが、そういった意味では女の子として振る舞った時期というのは無かったと思います。
服装も、遊びも言葉遣いも全てが男でした。海で遊ぶ時も、BBQなどで花火をする時にも上半身は裸で過ごしていました。

まだ幼かったからか、周りの大人たちも何も言わなかった記憶があります。しかし、成長するにつれて段々と「スカートを穿いたら?」「髪を伸ばしてみたら?」などと、友達や先生から言われ始め、身体的にも女性としての特徴が出始めた頃、自分はみんなと違うのかもしれない。と思うようになっていきました。

そして自分が女性であると決定的に気づかされたのは、初潮を迎えた事が大きなきっかけでした。初めは何が起こっているのか意味が分からず、
何かの病気ではないか、ケガをしてしまったのかと戸惑いながら、母親に相談するとそれが女性に起こる生理であることを説明され、頭がパニックになったのを覚えています。

NEXT 男女で分けられる制服に抵抗感を感じた

セクシュアリティについて考える。LGBTアライによるレポート。

LGBT当事者orアライによるレポート。今回はセクシュアリティについて考えるです。

今まで「性」について幼いころからあまり意識したり考えたりせずに生活してきました。
私は、小さいころから体にいくつものコンプレックスを抱えて悩んでいても誰にも打ち明けられずにいました。実際に友達にからかわれて泣いたり暗くなったりしたこともありました。その時に言われた言葉の中に「お前は女なのになんで胸が小さいんだ」とか自分のもともとの身体を否定されて馬鹿にされてむなしくなりました。

大学に入学して初めて声をかけられ仲良くなった友達に、間もなくして「あなたのコンプレックスって何?」と聞かれたのです。私は衝撃を受けました。
そして、今まで誰にも打ち明けてこなかった悩みを初めて人に打ち明けることができたのです。その友達は「性」についても深く考えていて興味を持ったのがきっかけで自分も考えてみようと思えました。

もしかしたら、自分が「女なのに…」と言われ続けてきたことは、そもそも女はこうあるべきだとか男はこうあるべきだとかいった固定観念があるからなのではないかと考えるようになりました。
だから男女だけの枠にはまり物事を考えて、人に悪口を言ったりしてしまうのではないかと思いました。
今まで、自分のことをからかってきたり悪口を言う人は冷たい人で意地悪だからそういう発言をすると思っていました。だから、言ってきた人とは関わらないようにしてその人だけを自分から遠ざけていました。

しかし、単純にそうではなくどこにいても「女らしさ」「男らしさ」を意識した服装・発言・振る舞いなどが常に求められているせいなのだとわかりました。それ以来は自分を嫌うこともやめました。

私は学校にいて閉じ込められた空間の中で経験しましたが、日本全体でも同じように「男」「女」の区別をはっきりさせられて、そうらしく生きることが当たり前な風潮があると思います。
そして、そのように生きていない人は差別される。私は早くこの状況を変えるべきだと思います。「性」についての問題をそれだけとして考えてはいけないと思います。さまざまな社会の問題と密接にかかわっているからです。日本では「性」について語りあうことがタブーとされているように感じます。
だから、多様な恋愛の形やセクシュアリティも受け入れられない世の中になっているような気がします。
受け入れられるようになるにはさまざまな解決方法があるとは思いますが、もっと日本が多様性を受け入れてどんな人でも自分らしく生きられるような国になってほしいと心から思います。

LGBTであることをカミングアウトされた時の対応(職場編)

LGBT当事者orアライによるレポート。今回はLGBTであることをカミングアウトされた時の対応(職場編)です。

今後どの範囲にカミングアウトするのかを聞く

これは友人にカミングアウトされた際と共通です。例えば、仕事における悩みを打ち明けられる人事部の一部のみに相談し、今後社内では隠し続ける場合もありますし、まずは部署内でカミングアウトし、いずれは社内全体に伝えるつもりかもしれません。
これはカミングアウトをされた立場として、把握しておかなければならない点です。

特別扱いしない

カミングアウトをする前と後で、態度を変えてはいけません。相手は以前と変わらない社員です。上司や役員として、冷遇することも優遇することもする必要はありません。カミングアウトをした側は、何か特別扱いをしてほしくてしたわけではないと思います。
以下で述べますが何か配慮が必要な場合は別として、今まで通り接することが必要でしょう。

会社、社員としてできることを聞く、考える

カミングアウトをした際に、何か特別な配慮を望んでいる場合とそうでない場合があるかと思います。また、カミングアウトをされた場合の役職によっても、相手のためにできることは変わってくるかと思います。
LGBTに対する配慮としては、以下のようなものがあげられるかと思います。

・結婚や恋愛など、異性愛を前提としない(配偶者手当などの制度の見直し)
・トランスジェンダーの場合、ジェンダーフリートイレや更衣室の設置
・男女によって異なる制服や業務内容がある場合は、見直し

もちろんすべてをすぐに実行できる訳ではありません。当事者と話し合いつつ進めていくのが理想だと思います。
設備や制度ではなく意識の問題を変えていくことは、すぐに始められることです。
また当事者から要望があってから見直すだけではなく、非当事者も常に何か問題はないかを考えていくことが必要だと思います。

最後に

職場でのカミングアウトについては、する必要がないと割り切っている人も多くいます。
それでも、その人がカミングアウトをしてきた意味はなんでしょうか?人それぞれではあるかと思いますが、何か望んでいることがあるからだと思います。
仕事とプライベートは分けるという考え方はありますが、会社でも人と人とのコミュニケーションは不可欠です。
カミングアウトされたら、それを機にさらに良好な関係が築けるといいですね。

LGBTであることをカミングアウトされた時の対応(友人編)

LGBT当事者orアライによるレポート。今回はLGBTであることをカミングアウトされた時の対応(友人編)です。

LGBTのことを考えていると、常に当事者目線になってしまい、ある意味自己中心的になってしまいがちです。非当事者の理解を促し、アライ(LGBTの理解者)を増やすというには、非当事者の目線に立って考えることが必要です。

今回は、友達など周りの親しい人にカミングアウトされた時の対応について時系列で説明していきます。
なお、この記事では1対1で普段はLGBTであることを隠している人から、カミングアウトされた場合を想定しています。

カミングアウトしてくれたことにお礼をする

普段LGBTであることを隠している人にとっては、カミングアウトすることはすごく勇気のいることです。
それは、隠している相手にもLGBTであることを知られてしまうことへの恐れ(アウティングへの恐怖)や、カミングアウトした相手が差別的で、今後の関係が悪くなってしまうことへの恐れから来るものです。
そのような人がカミングアウトをするということは、あなたのことを信頼して打ち明けてくれています。
まずは、そのようなリスクを抱えながらも勇気を出してカミングアウトしてくれた相手に対して、「ありがとう」の気持ちを伝えることをおすすめします。

正直にカミングアウトされた印象を伝える

カミングアウトをした相手によりますが、多くの場合は思ってもいなかったカミングアウトにびっくりするでしょう。
変に気を使って、「そうだと思っていた」や逆に「全然気づかなかったよ」と嘘をつく必要はないかと思います。
驚いたなら驚いたと正直な反応をした方が、気を遣わせていないと分かり、相手側も話しやすくなるでしょう。

相手のことを知ろうという態度を持つ

あなたがもし何か秘密を友人に打ち明けたとしましょう。決心して伝えた後の相手の反応が「ふ~ん」だけで終わりだったならどうでしょう?「えっそれだけ?」と思いませんか?
LGBTに関しても同じです。LGBTであることは相手の個性の1つです。自身で調べたり、知らないことを相手に質問などをして知ろうとする姿勢を持つことが大切です。
またLGBT当事者に対しては「こんなこと聞いてもいいのかな」という質問が多くあるかと思います。カミングアウトをしてくれた相手なら、ある程度質問をされる覚悟もしているかと思うので、きいて構わないかと思います。
それでも答えにくそうな質問であれば正直に「これは聞いていいことなのか分からないんだけど…」「答えたくなかったら大丈夫なんだけど…」などとつけることをおすすめします。

カミングアウトをしている範囲を確認する

最後に、カミングアウトをしてくれた相手に対して、自分以外のどの範囲までカミングアウトをしているかを確認しておくことが必要です。
共通の友人にも既にカミングアウトしていると思い込んでしまうと、本人の望まないカミングアウト、つまりアウティングにあたります。
わざわざカミングアウトをするということは、隠している相手もいるということ。
LGBT以外の秘密でも共通するかと思います。第3者の誰にも話さないのが間違いはありませんが、これは確認しておく必要があるでしょう。

最後に

カミングアウトされた際の対応を紹介しました。
最後に、カミングアウトされた際にしてはいけないことを書いておきます。

・自分や相手を責めてしまう
・色眼鏡で見てしまう

相手はタイミングを見てカミングアウトをしています。「なんで今までずっと隠していたの」「自分は今まで信頼されていなかったのか」などと自分を責めても何も変わりません。
また、以降変に相手への見方を変えて、「彼はゲイだからやっぱり」などと偏見を持ってしまうことはしてはいけません。
カミングアウトする前も後もその人は変わりません。変に気を使いすぎず今まで通りの関係でいることがいいですね。