同性婚をめぐる演劇が下北沢で上演

セクシュアルマイノリティ/アライによるレポートシリーズ。今回は、演劇についてです。

LGBTをテーマにした映画、演劇などは数多く存在しますが、今回はLGBT当事者による劇団をご紹介します。

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ゲイの劇団、「フライングステージ」

「ゲイの劇団」とカミングアウトしている劇団、「劇団フライングステージ」はゲイであることにこだわった芝居作りを続けています。

そんな劇団フライングステージが2016年11月に上演する作品は、同性婚をめぐる物語です。

劇団フライングステージ第42回公演
「Family,Familiar 家族、かぞく」×「Friend,Friends 友達、友達」
アメリカで同性婚が認められるようになり、日本でも各地でパートナーシップ制度が認められるようになった2015年。
 2016年の今、同性婚をめぐる問題はどう変化したのか。パートナーとは、家族とは何か?
私たちの今を見つめ直す新作「Family,Familiar 家族、かぞく」と、昨年初演の「Friend,Friends 友達、友達」を同時上演します。

日程 11月2日から11月6日
会場 下北沢 OFFOFFシアター

チケットは、学生割引やペア割引もあり、その注意事項には「性別、セクシュアリテイ等、不問」の文言が。
同時上演なので、1日で新作と再演を観ることができる日もあります。

http://flyingstage.cocolog-nifty.com/blog/2016/09/42familyfamilia.html

LGBT劇団演劇集団LGBTI東京

LGBTI東京は、当事者で構成された劇団です。

「演劇集団LGBTI東京」は、セクシャルマイノリティの表現者と、理解者を含むスタッフのみで構成された劇団です。客演にはストレートアライの方が含まれることもあります。舞台芸術をはじめとし、様々な表現で今までと違う本来の自分を表現していきます

http://lgbti-t.jimdo.com/?mobile=1

前回の本公演は東京レインボープライドに協力しており、セクシュアルマイノリティに関する直接的な表現するのではなく、日常生活の中のセクマイのリアルを表現する脚本を得意としています。

当事者だからこそ作ることのできる物語を体感しに行ってみてはいかがでしょうか。
また、この劇団では劇団員・ボランティアスタッフの募集も行っています。
伝えたい想いがあるなら、演劇という形で表現してみるのも良いかもしれません。

トランスジェンダーの20%が「健康診断を受けない」

LGBT当事者もしくはアライによる「セクシュアリティ」に関するレポートを紹介するシリーズ。
今回は健康診断です。

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企業が従業員に健康診断を受けさせるのは義務

会社に入ると、年に1回程度健康診断を受ける機会があります。
これは、労働安全衛生法で従業員に年1回以上健康診断を受けさせることが義務づけられているからです。
また、健康診断の費用は会社負担となります。

トランスジェンダーは健康診断どうするの?

健康診断は、病気の早期発見にもつながり、健康的な生活をしていくためには必要です。

しかし、トランスジェンダー当事者にとっては、健康診断は悩みのひとつにもなります。

SNSで行ったアンケートでは、21%のトランスジェンダー当事者が「健康診断を受けない」と答えました。

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健康診断を受けた人に聞いてみた

せっかくの機会なので、健康診断を受けておきたいもの。
そこで、健康診断を受けた人に話を聞いてみました。

会社指定の病院で健康診断を受けた
会社もトランスジェンダーだということを知っているので相談したところ、会社から病院側に事前に伝えてくれました。
当日は希望の更衣室を使わせてもらい、特にトランスジェンダーについて触れられることはなかったです。

自分で病院を探して健康診断を受けた
会社に説明するのもいやだったので、自分で病院を探して受診しました。費用は自己負担になるので、1万円くらいかかりました…。ただ、同僚と出くわすこともないですし、気をつかわずに受診できました。

 

まとめ

人によってどうしたいかは異なりますし、会社がどう対応してくれるかも違いますが、できることなら年に1回は健康診断を受けておきたいものです。
会社に相談するのはちょっと…という場合は、かかりつけの病院に相談をしてみるのもひとつの方法かと思います。

ちなみに会社員でない場合は、自治体の健康診断を利用することができます。無料~2000円程度で受けられることが多いので、検討してみてもよいのではないでしょうか。

12歳のトランスジェンダーの児童によるスピーチ

アメリカ・ペンシルバニア州に住む12歳のトランスジェンダーの児童が学校内での性的マイノリティに対する平等を求めるスピーチを職員にしました。

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Ari, my amazing boy, stood before the school board and spoke up for transgender rights. His speech came mere weeks after a student told the school board that she'd rather fail gym class than change with transgender students in the locker room. After Ari's remarks, there was a standing ovation and the school district superintendent stood, walked over to him and shook his hand. Beautiful moment, beautiful night. Love wins.

Alisa Bowmanさんの投稿 2016年9月13日(火)

12歳のアリ・ボーマンは体の性は女性ですが、心の性は男性として生まれました。

彼の学校では身体の性(生物学上の性)に基づいて着替えの部屋を区分していたのですが、一人の女生徒が「私は女性だから、男性の見た目をした人の前では着替えられない。トランスジェンダーの人は私たちと同じ部屋で着替えてほしくない」と主張しました。それに伴って、アリ・ボーマンは学校の職員に対して印象的なスピーチを行いました。

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アリ・ボーマンが伝えたいこととは?

LGBTフレンドリーなシェアハウス

LGBTフレンドリーなシェアハウスがあるのをご存じでしょうか?

今回は、日本初のLGBTフレンドリーなシェアハウスとして誕生した、東京都阿佐ヶ谷にある『カラフルハウス』を紹介します。

カラフルハウスは、LGBTが素敵に歳を重ねられる社会を応援するグッド・エイジング・エールズと、オシャレで個性的なシェアハウスを手掛ける株式会社シェア・デザインのコラボプロジェクトとして、2013年に誕生しました。

シェアハウスに住んでみたいけれど、自分のセクシュアリティを隠して共同生活をするのはなんだか気が引けるというLGBT当事者は少なくありません。
「プライベートを大切にしながら、仲間と楽しく暮らせる場所をつくりたい」というのが、カラフルハウスオープンのきっかけなのだそう。

2016年10月現在は満室となっていますが、内装もオシャレで立地もよい物件です。

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出典 http://www.sharedesign.co.jp/article.php?articleid=4

ユニリーバ・ジャパンがLGBT支援プログラム開始

ユニリーバ・ジャパンが2016年9月から、LGBT等性的マイノリティを支援するプログラム「ユニリーバ・プライド・ジャパン」を開始しました。

従来のブルーのロゴを、レインボーカラーにしたロゴも発表されています。

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ユニリーバ・ジャパンってどんな会社?

ユニリーバ・ジャパンは世界最大級の消費財メーカーです。
Dove、LUX、modshairなど、シャンプーやボディーソープ製品の他、紅茶ブランドLiptonや、プレミアムアイスクリームBEN&JERRY’Sなど幅広く展開しています。

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そんなユニリーバ・ジャパンですが、従来からダイバーシティ&インクルージョンの取り組みを積極的に行っています。
課長職以上に占める女性比率は32%(2016年9月自)になっているほか、2016年7月には「WAA制度」が導入されました。

WAAとは、Work from Anywhere and Anytimeの略。社員が働く場所や時間を選べる勤務制度です。

多様性を尊重する組織文化であるため、以前よりLGBT当事者も自然に受け入れられていたと言います。
制度としてなかったものの、LGBTの社員の職場環境や休暇なども、個別に対応されていました。

LGBT支援プログラム「ユニリーバ・プライド・ジャパン」を開始した目的としては、昨今の社会的な動きを受け、LGBTの社員のための制度を明文化し、LGBT支援活動を強化するためとのことです。

ユニリーバ・プライド・ジャパンとは?

ワークフォース(人材)、ワークプレイス(職場)、マーケットプレイス(パートナーとの協働)、コミュニティ(社会活動)の4つの枠組みの下、活動が行われています。

ワークフォース・・・LGBT人材の採用・活躍を推進します。
2016年10月に開催される、企業とLGBTがともに“自分らしくはたらく”を考えるイベント「RAINBOW CROSSING TOKYO」に協賛・出展します。

ワークプレイス・・・人事制度の改定や職場環境づくりを行います
・2016年9月から、企業行動原則に性自認や性的指向による差別禁止を明記しました。また、セクハラやパワハラに
関する匿名の社内相談窓口では、LGBTに関する相談受付も受け付けています。
・2016年9月から、アライ(支援者)を社内募集し、コミュニティを設置しました。 LGBTアライ・コミュニティには、LGBT
当事者を含め LGBTを応援する社員が参加でき、社内外でLGBTに対する理解促進のための活動を行う予定です。
・2016年10月1日から、同性パートナーを持つ社員に対して結婚・忌日休暇、結婚祝い金・弔慰金の制度を適用しました。
今後、段階的に同性パートナーの父母や子女にも制度を適用していく予定です。
・今後、 LGBTへの理解を深め、チームマネジメントに活かす社内トレーニングを実施する予定です。

マーケットプレイス・・・他の企業やNPO法人、行政団体などのパートナーと協働を通じて、LGBTを支援します。
・NPO法人ReBitと協働し、社内外でのLGBTへの理解促進を図ります。

コミュニティ・・・LGBTフレンドリーな社会の実現を目指す社会活動に協賛します。
・従来から引き続き、LGBTをサポートする外部イベントに、会社やブランド(ベン&ジェリーズ)として協賛する予定です。

出典 https://www.unilever.co.jp/news/press-releases/2016/pride-japan.html

 

性差って何だろう?後編 LGBT当事者による「セクシュアリティ」に関するレポートシリーズ。

LGBT当事者もしくはアライによる「セクシュアリティ」に関するレポートを紹介するシリーズ。
今回のテーマは「性差」についての後編です。

前編はこちら

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性差は性別役割分業の根拠になるの?

ここで断っておかなければならないのは、このような性差の存在を唱える生物学者が性別役割分業を支持する性差別主義者であるわけではないということです。

そのことは著名なサイエンス・ライターであるマット・リドレーの著書『徳の起源―他人を思いやる遺伝子』の中の次の文章に感じ取ることができるでしょう。

「男女の分業は単に生物学的構造の反映にすぎず、女性は出産し幼子の世話をしなければならないため、安全でゆっくりとした、そしてあまり遠くへ行く必要のない活動を受け持つようになったのだという主張もあるが、説得力を欠く。

…偶然にもステレオタイプ化が好きな人にはまことに好都合な材料がここにはふんだんにある。
しかし、女性の居場所は家庭であるということを証明するようなものはなにもない」
(pp.134-136)

性差なんて怖くない!

このように性差を性別役割分業の基盤として考えることは生物学者も支持するところではありませんが、ただ重要なのは性差があるかないかではなく、たとえあったとしても問題ないということです。

重要なのは典型的な「男性らしさ」/「女性らしさ」をすべての男性/女性に押し付けようとしないように社会の1人1人が心がけることです。

「性差」とは統計学的に男女両集団における平均値を比較したときに観察される差異のことでした。

ですから、そうして見いだされた「男らしさ」や「女らしさ」に当てはまらない男性や女性は当然存在します。
これは身長の性差を考えれば容易に理解できることです。

たとえば一般的には男性の方が女性よりも身長が高いですが、しかし言うまでもなく身長が低い男性はいますし、逆に身長が高い女性もいます。

しかし私たちは身長が低い男性に対して身長を伸ばすように求めることはありませんし、身長が高い女性に身長を低くするように求めることはありません。

ところが他の「性差」の話となると途端にこの常識が忘れ去られてしまいます。

女性はおしとやかで上品であるように求められますし、男性は仕事をこなし女性を引っ張るような姿勢を期待されます。
そしてこうして期待される「男らしさ」や「女らしさ」に当てはまらない男性や女性は「男らしくしろ」「女らしくしなさい」と周りの人から機会のあるごとに注意されるわけです。

しかし、そのような「男らしさ」や「女らしさ」が男/女の本性として存在するのならば、そもそもそのような言葉が世の中にあふれていることはないはずです。

なぜなら、「男らしさ」や「女らしさ」はすべての男/女に本性として備わっているのであり、それから外れる人などいるはずがないからです。

個人を個人として他者を他者として受け止めること

従来はこうした「男らしさ」/「女らしさ」がすべての男/女に強いられてきました。

しかし本当に大切なことは個人を個人として受け止めることではないでしょうか。
個人のありのままをありのままに受け止める。
ある人を理解するのに世間の「男らしさ」や「女らしさ」の枠に当てはめて捉えようとするなんて、真剣にその人に向き合おうとしているとは言えないと思いませんか。

しかし今までは実際そうやって個人を捉え個人々々の独自性よりも,平均値の差にすぎない性の枠組みを優先させていたのです。他者を他者としてあるがままに受け止めること。それが今,求められているのではないでしょうか。

性差って何だろう?前編 LGBT当事者による「セクシュアリティ」に関するレポートシリーズ。

LGBT当事者もしくはアライによる「セクシュアリティ」に関するレポートを紹介するシリーズ。
今回のテーマは「性差」についてです。

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最近はダイバーシティという言葉をよく耳にするようになりました。

ひとりひとりが自分らしく生きることができる社会に。そのような考え方が昨今強まっています。
みなさんは2015年12月に出版された『ジェンダーレス男子』(双葉社)というフォトブックをご存知ですか。
男子だけどファッションもスタイルも中性的。そんなイマドキ男子の生態に迫るフォトブックです。

この本に象徴されるように昨今は旧来の固定観念に基づく「男らしさ」/「女らしさ」の枠組みにとらわれないライフスタイルを選ぶ若者が少なくありません。

そういうわけで、今回は「男らしさ」/「女らしさ」について「性差」という観点から考えてみましょう。

「性差」って何だろう

性差という言葉はよく耳にしますね。

たとえば、「男は仕事、女は家事」といったことを今どき大真面目に主張する人は多くはないかもしれませんが、そうした固定観念にもとづく性別役割分業を支持する人は、ときおり性差に言及します。

たとえば男性は女性よりも力が強い。
だからかつてヒトの祖先が狩猟採集生活をしていたときには男性が狩りをしていた。
だから外に出て働くのは男性であるべきで、女性は家庭に留まり家事を担うべきだ!といった具合に。

なるほど何だかもっともらしく聞こえますね。

いやいや、先を急いではいけません。
まずは「性差」とは何か改めてじっくり考えてみましょう。

性差とは何でしょうか?男女の違い?確かにそうですね。

しかしそれでは少し正確さに欠けるし曖昧です。

社会学者の加藤秀一氏によると、性差(ジェンダー差)とは、男性の集団の性質と女性の集団の性質とを比較したときに観察される「~である」という言い方で表すことのできる差異のことです。

さらに厳密に言えば、ある形質について性差があるというためには統計学的手法によって男女両集団の平均値を比較して両者に有意な差があるときのみ、その特徴について「性差がある」と言うことができます。
(『ジェンダー入門―知らないと恥ずかしい』(朝日出版社))

生物学における性差の議論

そしてこうした厳密な立場に立った上でもなお「性差がある」と主張されている男女の特徴は実際に存在します。

たとえば身長は容易に性差があることを直感でも理解することができると思いますが、それを超えた水準でも多くの主張が展開されています。

たとえばケンブリッジ大学の心理学・精神医学教授のサイモン・バロン=コーエン氏は、その著書『共感する女脳、システム化する男脳』の中で、「女性型の脳は共感する傾向が優位」で、「男性型の脳はシステムを理解し、構築する傾向が優位」であると主張しています。

それを男の子と女の子が好むおもちゃの違いや、狩猟採集生活時代の男女の分業の説明につなげています。

進化心理学者のデイヴィッド・バスは、嫉妬の性差を進化の過程の繁殖戦略の違いに求めています。

あるいは認知言語学者のスティーヴン・ピンカーは、ジェンダーをめぐる旧来の固定観念の中には、進化的基盤を有する妥当なものもあると主張し「男女の差異は生物学的要素とは無関係で、すべて社会的に構築されたものである」と主張するジェンダー・フェミニズムに批判を向けています。

そのほか進化心理学者のスーザン・ピンカーによる著書『なぜ女は昇進を拒むのか―進化心理学が解く性差のパラドクス』でも男女間の本質的な差の存在を示唆する類似した立場の議論が展開されています。(この点に関しては意見の対立が根強く存在していますが,ここでは言及しません。)

 

-後編につづく-

 

 

バイセクシュアルとパンセクシュアル、混同しやすいけれど、どう違うの?

LGBT当事者もしくはアライによる「セクシュアリティ」に関するレポートを紹介するシリーズ。
今回のテーマは、「バイセクシュアル」と「パンセクシュアル」です。

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LGBTやセクシュアル・マイノリティと言っても、その中にも様々なセクシュアリティがあります。
自分自身のセクシュアリティ以外はよく知らない、という方はLGBT当事者の中でも多いのではないでしょうか。

今回はその中でも話題になりにくい「バイセクシュアル」と「パンセクシュアル」に注目してみようと思います。

性自認と性指向

今回取り上げる2つのセクシュアリティはどちらも、性指向に関するものです。

好きになる性、という言い方もよくされますね。なので今回、身体の性や心の性は関係ありません。

男女またはどちらでもない人の中に必ず、一定数いるのがバイセクシュアルとパンセクシュアルです。

混同されて理解されることが多いですが、本質的には異なっています。

バイセクシュアルとは?

バイセクシュアルとは、異性愛者でもあり同性愛者でもあることで、両性愛者とも言われます。

好きになる割合が同性と異性で5分5分の人もいれば、、どちらかに偏っている人もおり、人によって様々です。

人を「男性」「女性」として、両性を好きになるということです。

パンセクシュアルとは?

それに対しパンセクシュアル(オムニセクシュアルとも言われます)は、全性愛と訳され、男女の枠に拘らずに人を好きになるセクシュアリティです。

異性、同性だけでなく、どちらの性でもないXジェンダーやインターセックスも含め、すべての人を好きになる、という点がバイセクシュアルとの違いといえます。

昔からいたの?

パンセクシュアルという言葉自体、最近聞くことが増えたように感じます。
最近出てきた言葉だと、昔はいなかったの?という疑問が生まれます。しかし、昔から一定の割合で存在していたとは思いますが、それを表す言葉がなかったために認識されてなかったのではないでしょうか。

また、バイセクシュアルに関しても、昔から存在していました。

「古代ギリシャの時代から男性同士の恋愛はあったし、バイセクシュアルはいたのではないか」という意見もあります。
ただ、注意したいのは、古代ギリシャの場合、男性同士の性行為が行われていたことは事実ですが、それが必ずしも恋愛ではなかったという点です。

バイセクシュアルやパンセクシュアルの話に戻しても、性行為と恋愛は分けて考える必要があります。

まとめ

私は今まで、身体の性と反対の性の方としか交際経験がないため、あまり深く意識はしていませんでしたが、パンセクシュアルについて知ったとき、自分も当てはまるのでは?と考えました。

自分の自認していない性に関して勉強すると、改めて自分自身について考え直す機会になると感じました。

 

「那覇市の同性パートナーシップ制度」どうやって申請する?どんな効果があるの??

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渋谷区、世田谷区、兵庫県宝塚市、三重県伊賀市に続き、沖縄県那覇市でも2016年7月8日にパートナーシップ制度が導入されました。

那覇市では「那覇市パートナーシップ登録の取扱いに関する要綱」を制定し、申請があった場合に登録証明書を発行することになりました。

パートナー申請第1号となった男性カップルは、2016年7月17日に開催した「ピンクドット沖縄」というイベントで、人前結婚式を挙げ、那覇市長から証明書が手渡されました。

那覇市の「那覇市パートナーシップ登録の取扱いに関する要綱」制定の目的

今回のパートナーシップ制度の導入は、当事者の方々から「存在が社会的に容認されると感じられ、精神的な支えになる」との早期導入を求める声に応えるものでございます。

(中略)


本制度は、法的な効力を有するものではございませんが、本市では市営住宅の入居申し込みや医療機関での手続き等での活用について、関係機関と調整を進めてまいります。


また、いくつかの民間企業では、行政機関発行のパートナーシップに関する証明書等の提示があれば、受けられるサービスの提供をスタートさせております。

那覇市は上記のように発表しており、法的な効力はないものの、多様な性が尊重される市になることを目指すとしています。

発行される書類

パートナーシップ制度を“要綱”としている点では、世田谷区、宝塚市、伊賀市と同様ですが、発行される書類は那覇市のみ「登録証明書」となっています。

申請の手順

電話予約

申請の日時と場所について、打合せをします

申請

申請書類の提出に加えて、本人確認されます

登録

「那覇市パートナーシップ登録証明書」が交付されます

申請に必要な書類

渋谷区では公正証書が必要ですが、那覇市の場合は不要です。
そのため、費用面での負担がほとんどありません。

・那覇市パートナーシップ登録申請書
・住民票抄本
・戸籍抄本
・本人確認ができるもの(写真付きは1点、写真がないものは2点確認します)

対象となる人

以下をすべて満たしている場合に、申請が可能です。

(1)互いを人生のパートナーとし、継続的に共同生活をしている、又は継続的に共同
生活をすることを約していること。

(2)戸籍上の性別が同一であること。


(3)20 歳以上であること。


(4)2人とも那覇市民であるか、那覇市民になることを予定していること。

ア 2人とも、那覇市民であること。
イ 1人が那覇市民であり、もう1人が市内への転入を予定していること。
ウ 2人とも、市内への転入を予定していること。

(5)一対一の関係にあること。
ア 結婚していないこと。
イ 申請の相手方以外の人と、パートナーシップの関係がないこと。

全国で5例目となる那覇市。LGBT当事者を含むすべての人が、差別や偏見なく暮らしていけるようにしていきたいと発表しています。

詳しくはこちら
http://www.city.naha.okinawa.jp/kakuka/heiwadanjyo/osirase/partnership78.html

「トランスジェンダーとして生きる」トランスジェンダー当事者によるレポート

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LGBT当事者もしくはアライによる「セクシュアリティ」に関するレポートを紹介するシリーズ。
今回のテーマは、トランスジェンダーです。

 

私は、トランスジェンダーです。
カウンセリングも受けておらず、未治癒ですが、自分自身ではトランスジェンダーだと確信しています。

小学校時代から自分の性別に違和感を覚え、スカートなどの女性らしい服装がとても嫌いでした。
兄や弟のように男の子の服装を好み、一人称も「俺」、髪も短く、祖母からは「もっと女らしくしなさい」と言われ続けました。

中学に入学すると女子の制服を着なければならず、どうして自分の望む格好をしてはいけないんだろうと、とても疑問に思いました。
また、自分の身体に第二次性徴が訪れ、胸が大きくなることや生理が来ることに苦痛を覚えました。
どうして自分は女なんだろう、男に生まれたかったと何度も思いました。

高校に入学すると、好きな人ができました。
同じ部活の女の子でした。意を決して告白すると、「同性で付き合うなんておかしい。無理だ」と言われました。

今までは、自分は少し人と違うだけで別におかしくないと思っていたのですが、その一言で「自分はおかしいんだ」「変なんだ」と自覚しました。
それ以来は、自分が女性を好きなこと、男性として生活したいことを隠して生きていこうと思いました。
自分を偽り、友達や家族に嘘をつき続ける事は苦痛でした。

大学に入学し、1年目は大学の寮で生活することになりました。
初めての共同生活に加え、周りは全員女性。お風呂も共同で、不安でいっぱいでした。

しかし、一緒に生活する中で友人ができ、私の話を親身になって聞いてくれる友人にカミングアウトしたいと思うようになりました。
私が男として生きたいこと、恋愛対象が女性で、彼女がいることをカミングアウトしました。

友人は驚いていましたが、受け入れてくれました。
友人の「あなたはそのままでいいんだよ」という言葉に励まされ、とても気持ちが楽になりました。

今まで、自分の性に対し違和感を覚え、自分を偽ることに苦しんできました。しかし、受け入れてくれる人、応援してくれている人もたくさんいることが分かり、自分らしく生きてもいいんだと思えるようになりました。
受け入れてくれて、そのままでいいと言ってくれた友人には感謝しています。

20歳の誕生日を機に両親にカミングアウトすることを決心し、
「俺は女性として生きていくことはできない。男として生きたい。だから成人式もスーツで出たい」
と、成人式1か月前に両親にカミングアウトしました。

両親は驚いていたものの、「自分の好きなように生きなさい」と受け入れてくれました。

まだまだ、自分の身体への違和感、周りからの差別や理解が得られないなど問題は多くありますが、たった1人の声でもLGBT当事者は救われると思います。

現在、私はより多くの人にLGBTについて知ってもらいたいと思い、大学のセクシュアルマイノリティサークルで活動をしています。
偏見は無知から始まるという考えから、LGBTとは何かを知ってもらえるよう文化祭での展示やワークショップを行っています。

いつか、LGBTという言葉が世界からなくなり、セクシュアリティに関わらず1人1人が尊重される世の中になればと心から願っています。

私自身もトランスジェンダーであることに引け目を感じず、胸を張って生きていきたいと思っています。