LGBTに優しいベルギーが大切にしていること

LGBT当事者もしくはアライによるレポート。今回は、LGBTフレンドリーな国、ベルギーについてです。

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LGBTに優しい国、ベルギーの約20年間の歩みと、首都ブリュッセルのLGBTの祭典「プライド」が大切にする「少数派に優しい社会」について、ブリュッセル在住のフリーライター・栗田路子さんのレポートを紹介します。

世界で2番目に同性結婚を合法化したベルギー

2016年で21回目を迎えるブリュッセルのプライド・パレードが始まったのは、1996年のことでした。
当時のブリュッセル市長に猛反対されながら、たった2500人で市内を歩いたのが始まりでした。でも、毎年仲間が少しずつ増えて2000年代初めに、2万人を超えたころから市民権を得て弾みがついたそうです。

その頃、『同性結婚の合法化』を公約に掲げていたエコ政党や社会党がプライド・パレードをともに歩いて大勝利し、新政権下の2003年6月、際立った反対もなく同性結婚は公約通りに成立しました。

ベルギーはこうして、オランダに次いで世界で2番目に同性結婚を合法化し、翌年の2004年にはカップルの片方がベルギー在住であれば、外国籍であってもベルギー内で合法的に結婚が成立するようになりました。
以来、人口1000万人のこの国で年間1000組を上回る同性カップルが、合法的に家庭を築いています。アフリカや中東を中心に、同性愛による迫害を理由に、ベルギーに難民として庇護申請する者も毎年1000件を超えているのです。

多様なセクシュアリティが自然に受け入れられている

ベルギーでは、身近な人同士でも自分のセクシュアリティを受け入れて暮らしているようです。

例えば友達がゲイであることをカミングアウトしたら、周囲の友達がお祝いのパーティを開くなど、とても寛容であることが分かります。カミングアウトもそれを受け入れることもごく自然なことのように見受けられます。

また、政治家にもカミングアウトしているLGBTが少なくありません。前首相エリオ・ディルポ氏は、社会党党首時代に、ゲイであることを公表しました。ブリュッセル首都圏政府の内務長官を務めたブルノー・ドゥ・リル氏(ブリュッセル議会議員、緑の党)は、同性結婚をして養子を迎えています。

もちろん、政治家ばかりではなくデザイナーやアーティストなどのクリエイティブな世界では、ゲイでないと肩身が狭いとまで囁かれています。今日のベルギー社会では、身近にLGBTとして普通に生きている人が多いのです。

まとめ

ベルギーは多様性を受け入れていて誰もが暮らしやすい国だと思いました。このように自分を隠すことなくオープンにしていて、なおかつ相手もそれを受け入れている社会だと幸せに感じる人も多いのかなと思いました。

日本は、ベルギーに比べるとまだまだ劣っていると思います。これから日本も、すべての人が暮らしやすい国になる日が待ち遠しいですね。

 

 

記事参照
http://www.huffingtonpost.jp/2016/05/05/belgium-lgbt-pride_n_9853762.html

写真拠出
http://dlift.jp/photo/photoDisplayCountry72

性別に違和感を覚えたのは小学校高学年の頃だった。

LGBT当事者もしくはアライによるレポートシリーズ。今回は性同一性障害についてです。

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私が性別に違和感を覚えたのは小学校高学年の頃でした。
といっても、幼少期からずっと何の戸惑いもなく自分は男であると思って過ごしてきたのですが、そういった意味では女の子として振る舞った時期というのは無かったと思います。

服装も、遊びも言葉遣いも全てが男でした。海で遊ぶ時も、BBQなどで花火をする時にも上半身は裸で過ごしていました。
まだ幼かったからか、周りの大人たちも何も言わなかった記憶があります。

しかし、成長するにつれて段々と「スカートを穿いたら?」「髪を伸ばしてみたら?」などと、友達や先生から言われ始め、身体的にも女性としての特徴が出始めた頃、自分はみんなと違うのかもしれない。と思うようになっていきました。

そして自分が女性であると決定的に気づかされたのは、初潮を迎えた事が大きなきっかけでした。

初めは何が起こっているのか意味が分からず、何かの病気ではないか、ケガをしてしまったのかと戸惑いながら、母親に相談するとそれが女性に起こる生理であることを説明され、頭がパニックになったのを覚えています。

そうしているうちに中学校入学を迎え、制服という男女の違い、男らしさ女らしさという周りの大人たちの教育に物凄く嫌悪感を抱くようになっていったのです。

そして周囲の友達が恋愛の話をしている中、自分自身の恋愛の対象が女性である事を心に秘め、やはり自分は頭が変なのか、病気なのか、なぜみんなと違う感覚であるのかということに日々葛藤していました。

高校はブレザーの制服で、女子のズボン着用が認められており、服装での精神的苦痛からは逃れることができましたが、未だ自分の性別について何がどうなっているのか分からずにいました。

ちょうどその時期にテレビで目にした「性同一性障害」という人々の映像を観て、全てが自分自身の事の様に当てはまり、ネットで詳しく調べ始めたのです。

初めは“障害”という文字に戸惑いましたが、それが悪い事ではないという事や同じ苦しみを持つ人々がいるという現実を知り、とても心が楽になったのを覚えています。

しかしながら周りの大人たちをはじめ、親や友達にはそのことを打ち明ける事は出来ませんでした。
高校を卒業後、就職し実家を出ることになった時、初めて母親に自分の悩みを打ち明けました。勘当されはしなかったものの、母親が泣いている姿を見たとき改めてショックを受けました。

それから成人し、精神科医2名の診断を経て正式に「性同一性障害」という診断名がついたのでした。

MtFの就活体験記「大手企業から内々定を得るまで」

LGBT当事者もしくはアライによるレポートシリーズ。今回はMTFの方の就活体験レポートです。

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私が「女子大生」になるまで

私は現在大学4年生です。
先日誕生日を迎え、ついに25歳になりました。四捨五入すると30歳です。

なぜ私が25歳で「女子大生」をしているかというと、私の生い立ち、セクシュアルマイノリティという事柄に深く関わってきます……。

私のセクシュアリティは、ざっくり言うと「トランスジェンダー」らしいです。
私の場合は、男として生まれ現在は女として生活している、通称「MtF」に区分けされています。

私は幼いころから性別の違和感が拭えなかった典型的なパターンでした。
高校卒業後は親元を離れて上京し、女性として生きるためにホルモン療法を開始して性別をシフトチェンジしていきました。

働きながらトランスをしていき、女性として認知されるようになった20歳の時に大学に入学しました。

ジャストのタイミングで性別適合手術の費用も貯まったので、大学の長期休暇を使い、タイで全てをモデルチェンジしました。

その年には戸籍上の性別も変更し、はれてフツーの「女子大生」に進化(?)することができました。

就活せねば!と一念発起

大学3年生になった2016年3月。
翌年の3月には大学を卒業するつもりでいたので、「就活せねば!」と一念発起しようとしました。
しかし、何から始めたらよいか分からなくて、路頭に迷っていた時にNijiリクルーティングの存在を知りました。

「とりあえず、私もセクマイの端くれなので登録しておこう」という軽い気持ちで就活イベントに行きました。

Nijiリクルーティングのキャリアアドバイザーの方は、セクマイに関わること以外にも就職活動のアドバイスなどをしてくださいました。

私はコミュ障なのも相まって、初めから就職活動は苦戦するだろうと踏んでいました。

しかし、Nijiリクルーティングからのアドバイスなどのおかげで、多少苦戦はしましたが、七夕(7月7日)に化粧品業界の大手企業に内々定を頂きました。

就活でMtFであることは
話さなかった

私は自分がMtFであることを公表して就職活動は行いませんでした。

セクシュアルマイノリティであることを公表して企業面接を受けたこともあります。

しかし、セクシュアリティのことを聞かれたれることもあり、戸籍の性別も変えている以上、わざわざ腫物に触るような扱いを受けるようなことを言わないでもいいのではないかと思うようになりました。

変に気を使われて打ち解けられない雰囲気になるのであれば、男女の分けられた世界で女性として埋没している方が私は気が楽でした。

なので、カミングアウトをしないまま就職活動をすることを選びました。

私がこの就職活動を通して感じたのが、必ずしもカミングアウトすることが全てではないということです。

nijipi編集部より

人によって事情は様々なので、就活をする上でカミングアウトするかどうかもそれぞれの意思によるものだと思います。
彼女の場合はカミングアウトすることがすべてではないと感じたようです。

カミングアウトせずに働く人はたくさんいます。カミングアウトできる環境ではないという人もいれば、LGBTフレンドリー企業に勤めながらもあえてカミングアウトしないことを選択している人もたくさんいます。

レズビアンカップルに育てられた男性のスピーチ

LGBT当事者もしくはアライによるレポートシリーズ。今回はレズビアンカップルに育てられた男性のお話です。

ご存知の通り、アメリカでは全土で同性婚が合法化されています。今回取り上げる動画は、まだ同性婚が認められていなかった時代のアイオワ州での、ある大学生のスピーチです。

動画の概要

スピーチをしているザックはアイオワ大学に通う学生の1人です。
アイオワ州では当時同性パートナーシップ法を廃止する案があり、それに対する主張としてスピーチをしています。

レズビアンカップルに育てられたザックは、両親が男女でなく女性2人であることで、他のアイオワ州の家族と異なっていることは何もないと主張しています。

彼自身とても堂々としており、「アイオワ大学で優秀な成績をおさめ、ボーイスカウトをし、小さなビジネスもしている。こんな私がもしあなた方の息子であれば、あなた方は私を誇りに思うだろう」と発言しています。

また締めの言葉として、両親の性的指向は、子供の性格になんら影響はしないと言っています。

優劣という言葉を使わない

彼は3分のスピーチの中で、私の両親は2人とも女性であるから男女の両親よりこんないいことがある、悪いことがあると言った言い方を決してしていません。

主張はあくまで「違っているけど同性パートナーシップも認めてほしい」ではなく、「他の家族と何も変わりはない」です。

自らの家庭を特別視することもなく、また卑下することもない彼の一貫した姿勢にとても感動させられました。

中盤で自分自身のことは、成績が優秀でビジネスなどもしている、と表現していますが、女性2人に育てられたから優秀になったとは言っていません。

まとめ

彼はスピーチの最初から最後まで堂々としていて、自信に満ち溢れています。
誰かにメッセージを投げかける際に自信をもっているだけで印象が全然違いますよね。

マイノリティの権利向上を訴える際に、辛い歴史や体験を交えて同情を誘う話し方もあります。どちらが正しいというのは言えませんが、私はザックのスピーチをきいて勇気づけられました。

LGBT当事者本人や当事者のパートナー、友達がスピーチをしているものは見かけることがありますが、当事者の子ども目線でのスピーチははじめて見ました。様々な目線からLGBTについての考えに触れることで、自身も成長できているように感じます。

「バイセクシャルとは?」LGBT当事者レポートより

LGBT当事者もしくはアライによるレポートシリーズ。今回は、バイセクシュアルについてです。

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私は、自分はバイセクシャルなのではないかと思っています。それを意識し始めたのは大学に入ってからです。しかし、振り返ってみるともしかすると物心ついた頃から、男性も女性も好きになっていたように思います。

私は自分がバイセクシャルだと気づいてから、LGBTのオフ会やイベントに行くようになりました。そこでは当事者や理解者、様々な人の体験談を聞くことができました。

私は大学3年生の初夏に年下の女性とお付き合いしていました。約1か月で別れてしまいましたが、その方ももしかして同性が好きなのかもしれないと思っていたそうです。

その後も私はセクシュアルマイノリティ人たちと会って話をすることを続けていました。その中で、私はレズビアンであることを公言する女性と出会いました。

彼女は作詞作曲をしており、時々学外でライブをしています。さらに、LGBT向けのブランドも立ち上げており、ライブグッズとしても売っていきたいと考えています。

そんな彼女から、私は一緒にLGBTを知ってもらう活動をしないかと誘われました。私自身も当事者として、今の日本ではLGBTに対する理解が遅れていると感じています。
私にできることがあるなら是非やってみたいと思い、彼女と一緒に活動することを決意しました。

主な活動内容はライブ活動で、LGBTをテーマにした曲をライブハウスやイベント会場で披露しています。現在のメンバーは私を含め3名。結成してまだ間もないですが、ライブ活動を通じてより多くのLGBT当事者・理解者、LGBTを知らない人にもメッセージを伝えていきたいと考えています。

LGBT学生に大学ができる支援とは?一橋大学でのセミナーレポート

一橋大学にて行われた「大学・教育とセクシュアリティマイノリティ(LGBT)~大学でできる支援について考えよう~」に取材に伺いました。

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http://www.hit-u.ac.jp/

大学・教育とセクシュアリティマイノリティ(LGBT)
~大学でできる支援について考えよう~
日程 2016年11月18日(金)16:30~18:30
会場 一橋大学
http://www.hit-u.ac.jp/kenkyu/hit_seminar/domestic.html

今回のセミナーは、学外からの参加者も多く、大学関係者の方や、他大学の学生さんなどが参加されていました。

一橋大学にはジェンダー社会科学研究センター(CGraSS)があり、セクシュアルマイノリティについての研究も進められています。
また、「ハラスメント防止等に関する規則」が制定されており、セクシュアルマイノリティに関するハラスメントについても記載されています。

しかし、昨年、一橋大学のロースクールの学生が、アウティングがきっかけで学内の建物から転落死するということが起こりました。
大学側は対応に問題はなかったと話していますが、本当に大学としてできることはなかったのか…。CGraSSでは、この問題についても話し合いを進めているそうです。

そんな中で開催されて今回のセミナーでは、LGBT当事者の活動家である、遠藤まめたさん(やっぱ愛ダホ!idaho-net・代表)、松岡宗嗣さん(明治大学MEIJI ALLY WEEK・代表)を招いての講演、そして参加者とのディスカッションが行われました。

遠藤まめたさん
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松岡宗嗣さん
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LGBT学生が大学生活で困ること

LGBT学生が大学生活において困ることは様々ありますが、遠藤さん、松岡さんの講演よりいくつかピックアップして紹介します。

通称名について

通称名使用に関しては大学によって対応が異なります。また、通称名が使えたとしても学生名簿は本名であったり、身体の性の性別が記載されていることで、アウティングにつながる可能性もあります。
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体育の授業が男女で分かれている
英語などの授業で教授がMr.、Ms.で呼ぶ

トイレや更衣室の使用

「多目的トイレが、男女のトイレの中にある場合もあり、使いづらい」という意見も。

健康診断

説明することに抵抗があり、受診しないという人も多い。

キャリアセンターでの相談

自分のセクシュアリティが選考に影響するのか、LGBT学生が働きたい企業はどこかなど、相談したいことはあるが、理解されないのではないかと不安で利用しづらい。

差別発言

教授が差別発言をする、サークルなどの飲み会で「ホモネタ」で盛り上がるなど、差別発言を耳にする機会がある。

大学側はどんなことができるか?

今回のセミナーでは、遠藤さん、松岡さんより、学生がどんなことに困っていて、大学側はどんなことができるのかといったお話がありました。

大学側ができることとしては、大きく分けると、制度・設備の整備と理解の促進なのではないでしょうか。

制度・設備の整備

国際基督教大学では、「LGBT学生生活ガイド in ICUトランスジェンダー/GID編」にて制度・設備についても詳しく紹介しています。

・学籍簿の氏名・性別記載の変更
・大学の発行する証書の性別記載
・体育実技の履修、更衣室
・学生定期健康診断の個別受診
・だれでもトイレ(多目的トイレ)の設置…設置場所もガイドに明記されています。
・ジェンダー・セクシュアリティ特別相談窓口
etc

参照:http://web.icu.ac.jp/cgs/docs/20151021_TSGuide_v8.pdf

理解の促進

理解の促進については、「アライを増やす」ということが一例として挙げられます。

松岡宗嗣さんはアライを増やす活動として、「MEIJI ALLY WEEK」を主催しています。
イベント中は、自分らしさを表現するファッションショーの開催、白色の服装をして写真を撮りSNSで「Allyになりたい!」というメッセージと共に発信する「Ally in White」が開催されました。
多くの方が参加され、LGBTについて知る機会、Allyになる機会となったそうです。

「ALLY WEEK」は他大学にも広がっており、全国の大学で開催されています。

まとめ

LGBT学生にとって、まだまだ学生生活は困ることや悩むことも多いのが現状です。しかし、大学として、学生として、それぞれの立場でどんなことができるかを考え活動している人の数は増えているのではないか、と感じています。

今後も一橋大学CGraSSさんでは、セクシュアルマイノリティについて考える会を開催していくとのことです。

LGBTに対する取り組みをする保険会社

生命保険の受取人を同性のパートナーにしたいと望むLGBT当事者は多いですが、生命保険の受取人に指定できるのは、戸籍上の配偶者または2親等内の血族が基本です。そのため、同性パートナーを指定することは難しいのが現状でした。

しかし、渋谷区や世田谷区のパートナーシップ制度が始まったことや、LGBT当事者からの要望を受け、2015年にライフネット生命が同性パートナーを受取人に指定できると発表しました。その後、多くの保険会社が同様の発表を出しています。

保険会社によって手続きに必要な書類はやや異なります。
現在同性パートナーを受取人に指定できると発表している保険会社及び、必要な書類を紹介します。

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渋谷区の「パートナーシップ証明書」で手続き可

渋谷区の「パートナーシップ証明書」を提出することで、手続きがスムーズになるといった表現で発表をしています。

第一生命

渋谷区の「パートナーシップ証明書」でスムーズになる

日本生命

渋谷区の「パートナーシップ証明書」でスムーズになる

オリックス生命

渋谷区の「パートナーシップ証明書」で手続きが可能

渋谷区の「パートナーシップ証明書」以外の書類でも手続き可

ライフネット生命

・住民票(同居の事実を確認するため)
・パートナー関係に関する確認書(ライフネット生命所定の書類)
以上があれば手続きが可能。

プルデンシャル生命

住民票のみで手続き可。
渋谷区の「パートナーシップ証明書」があれば住民票は不要となる。

ジブラルタ生命

自治体が発行するパートナーシップ証明書等の書類を提出すれば手続き可能

アスモ少額短期保険株式会社

自治体が発行するパートナーシップ証明書等の書類を提出すれば手続き可能
証明書がない場合は、アスモ少額短期保険所定の「死亡保険金受取人の指定に関する確認書」の提出で手続きが可能。

メットライフ生命

・自治体が発行する「パートナーシップの証明書類」の写し
・「任意後見契約の公正証書」(正本または謄本)または「生活、療養看護および財産の管理に関する事務を援助する旨の合意契約の公正証書」(正本または謄本)

※渋谷区が発行する「パートナーシップ証明書」または「渋谷区パートナーシップ証明書交付済証明書」の写しがあれば、その他の書類は不要

まとめ

今回紹介した以外にもLGBTに対応する保険会社は増えてきています。
この流れは今後も進んでいくと思われます。

世界と日本の同性婚事情

日本ではまだ法的には認められていませんが、2000年以降同性カップルの結婚が法的に認められている国や地域は増えてきました。

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同性婚が合法化されている国

結婚に関する法律を改正し、これまで異性間でのみ可能であった結婚を同性間でも可能としています。
同性婚が初めて合法化されたのは、オランダで、2000年のことでした。

オランダ、ベルギー、スペイン、ノルウェー、スウェーデン、ポルトガル、アイスランド、デンマーク、フランス、南アフリカ、アルゼンチン、カナダ、ニュージーランド、ウルグアイ、イギリス、ブラジル、米国、メキシコ、ルクセンブルク、アイルランド、グリーンランド(デンマーク自治領)、エストニア、コロンビア、ベトナムなど

LGBTフレンドリーと言われる台湾では、同性婚が合法化されるのも近いのではないかと言われています。
台湾で同性婚が合法化されれば、アジア初となります。

同性間の婚姻と同等の制度がある国

異性カップルにのみ認められている結婚の法律はそのままに、同性カップルに向けた新しい婚姻制度が作られています。補償内容は結婚とほぼ同等です。

デンマークなど北欧諸国の「登録パートナーシップ」
ドイツの「生活パートナー関係法」
イギリス「シビル・パートナーシップ法」

異性間、同性間どちらも利用できる、結婚に準ずる制度がある国

2と同じく、それまでの結婚の法律はそのままに、新たに結婚に準ずる制度が作られています。
フランスのパックス(パクス/民事連帯契約)が代表的です。ただ、現在では異性カップルの利用がほとんどのようです。

日本の同性婚事情

日本では同性婚は合法化されていませんが、結婚に相当するものとして、渋谷区、世田谷区などでパートナーシップ制度が導入されました。

パートナーシップ制度はまだ導入されてはいないものの、LGBTに関する勉強会を開催するなど、LGBTフレンドリーになるための準備を進めている自治体も増えています。

まとめ

日本での同性婚合法化はまだこれから、というところですが、自治体でのパートナーシップ制度の他、企業によるダイバーシティ推進は急速に進んできています。

「制度はあっても職場の理解はないのではないか」という意見もありますが、最初から完璧に誰もが理解している環境をつくるのは非常に難しいです。制度の整備や、研修の実施など、少しずつ進めていくことで、徐々に理解が広まっていくのではないでしょうか。

「LGBTは自分には関係ない」という人

LGBT当事者もしくはアライによるレポート。本日はLGBT非当事者にLGBTについて話すときについてのレポートです。

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自分自身がLGBTに関することをしていくうちに、周りの知り合いに「LGBTに関する仕事や活動をしている」と伝える機会も増えました。
その際に、「面白い」「素晴らしい」など言ってもらえることも多いのですが、そういってもらえる反面、「自分には分からない、関係のない分野だ」という態度を示されることがあります。
しかし、LGBTについて知っておくことは、全ての人に必要なことだと思います。なぜなら全ての人に関係のあることであるからです。

「私には関係ない」という人

まず、なぜ「関係ない」と思ってしまうのか。理由を聞くと、大方以下の答えが返ってきます。

「今までそういう人(LGBT)に会ったことがないから」

しかし、日本におけるLGBTの割合は2015年の調査の段階で7.6%、約13人に1人の割合で存在しています。

日本で多い苗字ベスト6の佐藤、鈴木、高橋、田中、伊藤、渡辺を合計しても全人口の7%程度だそうです。そう考えると「LGBTの人と会ったことがない」のはこれらの苗字の方と会ったことがない、ということよりも確率が低いことになりますね。

私は今まで会ったことがない、私の周りにはいないから、といった返答をされたときは必ず「いないのではなくて、いるけど気づいていないだけ」と答えています。

私は当事者であることを全員にオープンにしているわけではないので、「あなたの目の前にいるよ!今会っているよ!」なんて思いながらこのような会話をしていることもあります(笑)。

学校で、「人種差別や障がい者差別をしてはいけません」「お年寄りは大切にしましょうね」と習うので、それに気を付けている人は多いと思います。

しかしLGBTは目に見えることが多くないため、知らぬ間に傷つけてしまっている危険性があります。だからこそ尚更、LGBTについて知って配慮をしていくことが大切になります。

どうやって知ればいいのか

周りにいるかもしれないのは分かっても、どこにいるかも分からないし、自分には知識も何もない…という人も多いと思います。
最初は何も知らなくて当たり前です。今はネットで調べると多くのLGBT関連のサイトも出てきますし、近年LGBTとは何かを基礎から説明するような本も増えてきています。

当事者と実際に接することは、理解するうえで一番有益だと思います。文字で「同性愛者はこういった人である」といくら読んでも、完全な理解はできません。

また、多くの当事者と接するうちに、LGBTだから何か特別であるわけではない、一人ひとり個性を持っている普通の人間である、と感じることができるでしょう。
今はストレートの人も参加可能なLGBTに関する交流会などを開いている団体も増えてきているので、実際に知り合うことはずっと簡単になりました。

まとめ

LGBTの方の多くが抱える悩みとして、「本当の自分を隠して周りと接するのが辛い」があります。仲のいい友達に自分のことをすべて打ち明けたいというのは誰でも同じですよね。

関係ないと思っていたストレートの方がアライ(LGBTの理解者、支援者)になることでその周りの当事者がカムアウトして楽になれる、より深い関係になれるかもしれません。

実際に私もLGBTについて知ったことで仲良くなれた友達が多くいます。
全員が自分に関係のあること、という意識で社会全体のLGBT理解を深めていけるのが理想ですね。

LGBTのシンボル「レインボーフラッグ」が6色になった理由

LGBT当事者もしくはアライによるレポートシリーズ。今回は「レインボーフラッグ」についてです。

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毎年代々木公園で開催されるTokyo Rainbow Prideでも見られるように、今やLGBTのシンボルとしてレインボーフラッグは一般的に認知されるようになっています。しかしこれがLGBTのシンボルとして認識されるまでには歴史がありました。

何色の虹が正しいの?

日本では虹色は一般的に7色とされています。
しかし元々のレインボーフラッグは赤、橙、 黄、 緑、 ターコイズ、藍、紫の8色で、現在ではそこからターコイズ、ピンクを除いた6色が正式なようです。

初のレインボーフラッグ

LGBTのアイコンとして初めて用いられたレインボーフラッグは1970年代のアメリカ、サンフランシスコであるといわれています。
芸術家であるギルバート・ベイカーがゲイパレード用にデザインしたものでしたが、当時は8色でした。しかし旗を大量に生産する際の調達の関係で、現在の6色になったといわれています。

当時はゲイつまり男性同性愛者の権利擁護の目的として使われました。レインボーフラッグが用いられた歴史が50年ほどあるというのは私も少し驚きました。

今のレインボーフラッグが持つ意味

上記に述べたように当初はゲイに関してのみでしたが、現在では広くLGBTを象徴するものとして使われていますよね。
現在では「虹のように一人ひとりのセクシュアリティはグラデーション、みんな違ってみんな素敵である」というような解釈がされているように私は感じます。LGBTと4文字で一般的には表されるセクシュアル・マイノリティですが、実際にはその中、それ以外にもたくさんのセクシュアリティがあって、人それぞれ異なっていますよね。

その他のLGBTを象徴するマーク

レインボーフラッグは現在LGBTの象徴として浸透してきていますが、以前にも特定のLGBTを表すものは存在していました。
中でもナチ時代に男性同性愛者に装着が義務付けられていたピンクトライアングル(逆三角形)は有名かもしれません。
ちなみに女性同性愛者はブラックトライアングルを装着させられていました。これらは強制収容をされた際に装着を義務付けられた背景があるためか、レインボーフラッグとは違い現在では当事者自身が掲げるのはあまり目にしません。

最後に

目に見える形で象徴を掲げるのは、何か運動をする際にわかりやすいですよね。冒頭でも述べた代々木公園のTokyo Rainbow Prideでは公園全体が虹色に染まります。この虹色が年々大きくなっていっているように感じて私たちはうれしいです。