アメリカの企業がLGBTダイバーシティを積極的に進める理由とは?

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LGBTダイバーシティを積極的に進める理由

アメリカでは、LGBTを含めたダイバーシティに積極的な企業が、日本と比較すると多い傾向にあります。

例えば、2013年2月には同性婚を国レベルで認めてもらえるようにアメリカ全土で200社以上もの大企業が申請しました。

アメリカの婚姻制度は州法によって異なるため、2015年までは同性婚が認められていない州もありました。
そのためアメリカ全体でビジネスをする企業は、州によって社員の福利厚生制度等を変更する必要がでてきます。
アメリカ全土で同性婚が認められれば、業務の効率化にもなるという考えから、多くの企業がアメリカ全土での同性婚合法化を支持しました。

企業がLGBTダイバーシティを推進する理由は、その他にも様々あります。

・企業イメージのup
LGBTダイバーシティに積極的であることは、消費者、投資家などに好印象を与えます。
LGBTに対応しているかどうかを、取引や企業を評価する際の基準にする企業も増えています。

・優秀な人材の獲得、企業ロイヤリティの向上
LGBTの対応に積極的な企業には、優秀なLGBT当事者はもちろん、LGBT非当事者も集まりやすくなります。
LGBTに対応しているということは、ダイバーシティが進んでおり、誰もが働きやすい企業であるというひとつの指標になるからです。

また、既存の社員の企業ロイヤリティの向上にもつながり、離職防止になります。

LGBTに関する企業の役割

アメリカでは、企業がLGBTダイバーシティを積極的に推進することで、LGBTの認知、理解を広めることに貢献しました。

現在のアメリカでは、すでにその段階は過ぎ、他社と比較しどれだけのことが出来るか、という企業間競争の時代になっています。
それは人権のためでもあり、ビジネスのためでもあります。アメリカは、LGBTを二つの側面から生かしているのです。

現在の日本でもLGBTダイバーシティを推進する企業が徐々に増えてきました。
LGBTダイバーシティを推進することが、企業の成長にも好影響を及ぼすという理解が広まっているのです。

日本でも誰もが働きやすい社会に向けて、少しずつ変化しています。

日本のLGBTフレンドリー企業一覧はこちら

Xジェンダーという個性は就活でどうみられるか?LGBT当事者orLGBTアライによるレポート

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LGBT当事者もしくはアライによる「セクシュアリティ」に関するレポートを紹介するシリーズ。
今回は就活の体験記です。

男女に捉われない考えを活かしたい

私はMTXを自認しており、ネクタイなど男性らしい服装などを心ぐるしく思います。

私は就活においてXジェンダーであることはオープンにしていました。私はトイレや更衣室の問題があるわけでもなく、またこれがひとつの個性だと思ったからです。
なので隠すよりもむしろ、「男らしい、女らしいというのが嫌いです」と積極的に伝えていました。

3月に就職活動を始めたとき、主にアパレル業界をみていました。
セクシュアリティがXジェンダーであることから「男女に捉われない」という考えが活かせると思ったこと、そしてもともと服が好きだったからです。

しかしなかなか思うように進まず、内定まで至りませんでした。
「男女に捉われないブランドやショップ」というのはおもしろいと言ってはもらえましたが、ビジネスとして成り立たせるのは難しいとのことでした。

就職活動を始めて数か月、内定がなく若干焦り初めていた頃、周りの人との相談も含め、視野を広げました。そこで気づいたことがありました。
Xジェンダーというだけで内定とはならないということを。

Xジェンダーという個性だけでは内定はとれない

Xジェンダーが自分のひとつの個性であるという考えは今も変わっていません。
しかしそれが企業側からみて面接を通過させ、内定を出し、ビジネスを任せる理由までにはならないのです。

メンズレディース以外の服の需要は一定数ありますが、マーケットとして大きくはありません。

自分自身の経験を活かし何ができるのかもう一度考えなおし、ありのまま生きられる人を増やしたい(もちろん自分も含め)という思いに気づきました。

それを過去や会社のビジョンに結びつけて話し始めたとき、内定をもらうことができました。

上記の思いに合致する会社、内定先はいくつかありましたが、最終的に人材業界に決めました。自分自身のセクシュアリティと向き合っていなければ知らなかった会社です。

就活でセクシュアリティをオープンにするかどうかは人それぞれ

就活においてセクシュアリティをオープンにするかどうかは人それぞれでいいと思います。私もXジェンダーであることを隠していればもらえた内定があったかもしれません。

しかし一番理想なのは、カムアウトする必要のない世の中です。
ありのままにいられる人を増やすために、内定先で勤めていこうと思います。

Xジェンダーと就職

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LGBTはセクシュアルマイノリティの
一部にすぎない

LGBTという言葉の認知度は高まってきています。
LGBTとは、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの頭文字を取ったものです。
しかし、LGBTはセクシュアルマイノリティの一部にすぎず、その他にも多様なセクシュアリティがあります。

その中でも今回は、「Xジェンダー」に着目して、Xジェンダーと就職について考えてみようと思います。

そもそもXジェンダーとは?

LGBTは知っていてもXジェンダーという言葉は聞いたことはないという人も少なくありません。

Xジェンダー(X-gender)とは、出生時に割り当てられた女性・男性の性別のいずれでもないという性別の立場をとる人々を指す。

女性・男性の性別のいずれでもない性別を区分するかぎりでは、中性というあり方、無性というあり方、両性というあり方、性別という枠組みから脱するというあり方、女性か男性か定まりきらない流動的であるというあり方など人により様々である。

Wikipediaより
https://ja.wikipedia.org/wiki/X%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BC

上記のように、Xジェンダーの中にも様々なアイデンティティがあります。
また、これは性自認の問題であるので、性的指向は人によって異なります。

Xジェンダーが
就職で気になるのは服装

制服が男女に分かれている、制服はなくても男性はスーツにネクタイ、女性はスカートにパンプスなど身体の性によって服装に規定があるという会社も少なくありません。

しかし、Xジェンダーは性自認が男性か女性かのどちらかはっきりしているわけではないため、そういった会社で働くことに抵抗を感じる人も多いです。
そのため、就職先を選ぶ際に自由な服装で働けるかどうかを優先する人も多くいます。

服装自由な職場の探し方

近年では服装が自由な会社も増えてきました。制服はあるけれど男女共通という会社もあります。

服装自由な会社は、ナビサイトでも検索することができます。
例えば就職や転職のナビサイトには検索条件に「服装自由」の項目にを入れているところもあります。

また、検索キーワードで「服装自由」を入力して検索しても多数の企業が出てきます。

パッションナビ
ベンチャー企業に特化した就職ナビ
https://www.passion-navi.com/

企業検索画面の「企業の特徴」に「私服通勤OK」がある。

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リクナビNEXT
大手転職サイト

http://next.rikunabi.com/

検索画面の「こだわり条件」に「服装自由」がある。

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入社後後悔しないために

服装以外にも、Xジェンダーが気をつけたいのは、仕事内容やキャリアパスです。

男女によって仕事内容やキャリアパスが違うという会社もあります。
入社後に後悔しないためにも、選考の段階で、自分の希望する仕事内容やキャリアパスを選択することは可能なのかを確認することも大切です。

FTMの働き方。自衛隊での体験。

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LGBT当事者もしくはアライによる「セクシュアリティ」に関するレポートを紹介するシリーズ。
今回はFTM当事者であり、陸上自衛隊に入隊した方のレポートです。

自分らしく仕事ができると期待したが…

私はFTM当事者です。高校を卒業し私が選んだ道は、男性主体で尚かつ公務員である陸上自衛隊に入るという選択でした。
入隊試験を経て、無事合格。入隊式を終え、自衛隊こそ自分らしく仕事に専念できる環境であると信じて期待していました。

しかし、いざ自衛隊員としての生活が始まってみると、想像とはまるで違いました。
完全なる男女別での行動。女性自衛官として特化した教育。
同じ自衛官であるにもかかわらず通称(女性陸自隊員をワックという)まで違い、この職場環境に私は愕然としてしまいました。

公務員という職業は、国という大きな組織の下にあり、決して我々性的少数者(セクシュアルマイノリティ)が生きやすい職場ではないということに、私はそこでやっと気が付いたのでした。

上司に相談しても、「前例が無いから」「正直よくわからないから」「そういう面倒なことは隠しておいた方が良い」などと全く相手にはされず、寧ろ煙たがられているのがハッキリっと感じられました。
しかし自分が選んだ職業をそう簡単に投げ出すわけにもいかず、悶々とした日々を送っていました。

お前はお前らしく堂々と胸張って仕事すればいい

そんなとき、一人の先輩が「お前はお前らしく堂々と胸張って仕事すれば良い」と声をかけてくれました。
そこで私は、前例が無いのなら自分が初めての例になって微力ながらもこの組織に何らかの風穴を開けてやろうと決意したのでした。

私が思うに、日本人ならではの特徴がLGBTを受け入れる体制作りを阻んでいるのだと思います。
郷に入れば郷に従え。
人権の尊重といいながらも、「出る杭は打たれる」という全くもって個性を殺してしまう固定観念の色眼鏡。男性は雄々しく女性は淑やかに。女らしさ男らしさという考え方。このように数えればキリがないほどの固定観念で固められた人々の頭は非常に固く、日々自分の性認識について説明し続ける日々でありました。

しかしながら個人が説明をするのではなく、組織として現状を受け入れ、人権などの教育にLGBTのことに関しても含めるべきだと強く感じました。
そして集団生活の中にも、こうした性的少数者(セクシュアルマイノリティ)への配慮として、多目的トイレの設置や個別のシャワー室の利用ができるようにする等、できることは山ほどあるように思います。

その中でも最も重要であると思うのは、1人1人の理解の広がり、偏見の払拭だと思うのです。
国の傘下にある公務員こそ、積極的にこの問題に取り組むべきであり、国全体として理解ある社会づくりの代表的な組織であってほしいと思うのです。

この国の全ての企業や組織におけるLGBTへの理解と知識を深める機会を増やすことが非常に重要であり、この国が一歩前進できる素晴らしいきっかけとなってくれることを切に願います。

編集部より

今回は自衛隊で働くことを経験したFTM当事者の方のレポートでした。
まだまだLGBT当事者にとって、働きやすさが整っていない環境があるのも事実…。しかし、この方のように理解ある先輩と巡り合い、自分らしい働き方を目指している方の言葉は、LGBT当事者にとっては勇気になるのではないでしょうか。

18卒LGBT学生の就活スタートアップイベントレポート

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18卒LGBT学生の就活スタートアップイベント開催

こんにちは!nijipi編集長のtommieです!
8月27日(土)に株式会社Nijiリクルーティングが開催した「LGBT就活応援会」に取材に行ってきましたので、レポートします!

当日のプログラムは、「就活スタートアップ講座」と「交流会」の二本立てでした。
今回のイベントに参加したのは、18卒就活生でありLGBT当事者もしくはアライのみなさん。さらに、交流会では希望の企業から内定を獲得した17卒のLGBT学生さんたちも加わりました。

「どんな企業で働きたい?」就活スタートアップ講座

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就活スタートアップ講座は、基本的な就職活動のノウハウを学ぶ内容でした。
「就活の目的は2018年4月から働く会社を探す、見つける、決めること」。そのためにやるべきことは何なのか?を講師がわかりやすく解説。
途中でテーブル毎に「今自分が考えている希望の就職先」についてディスカッションを行いました。

当日使用されたスライド
就活スタートアップ講座

LGBT学生のみなさんにとっては就職先を選ぶ上でセクシュアリティの問題も気になるところ。
今回のイベントでは参加者がLGBT当事者もしくはアライのみということで、みなさん自分のセクシュアリティのことも気兼ねなく話すことができたようです。

「大学で専攻している分野を活かしたい」
「Xジェンダーなので服装が自由な職場がいい」

「就職で東京に出たいと思ってる」

「自分はチームワークよりも一人で集中する仕事の方が向いているかも」

「ダイバーシティを推進している企業がいい」

などなど、みなさん今自分がイメージする働き方を自由に話し合っていました。

ディスカッション中の様子。
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最後に講師から、希望の就職先を探すには①自分の希望や適性を内省し、明確にすること、②どんな会社があるのかを知ること。そしてそのためには、たくさんの情報をインプットすることが大切だという話がありました。

18卒の就活では2017年3月に広報解禁すると経団連が発表しています。しかし、これはあくまで経団連が会員企業1340社に向けて通知しているにすぎません。多くの企業がすでに様々な手法で採用活動を行っており、企業と接触できる機会はたくさんあります。

「今の時期から、たくさんの情報をインプットしましょう!」講師からのそんなメッセージで講座はしめくくられました。

「就活で苦労したことは?」17卒LGBT学生に質問!

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続いて行われた交流会では、アルコールや軽食も出され、和やかな雰囲気でスタート。ここから希望の企業から内定を獲得した17卒のLGBT学生さんも加わりました。

18卒のLGBT学生さんからの質問に、17卒のLGBT学生さんが答えるという場面も。

これまでNijiリクルーティングの就活イベントに参加したり、キャリアアドバイザーに就活相談をしながら無事内定を獲得した17卒LGBT学生のみなさん。
「内定先が決まってほっとしているし、うれしい」
「自分の体験が後輩のみなさんの役に立てれば」
と話していました。

こんな質問が出ていました!

Q.今の時期から就職活動に向けてやっておいた方がいいことってありますか?
A.インターンシップの参加、SPIの勉強、業界・企業研究をしておくといいと思います。自分が就活を経験してみて、早い時期からやっておけばよかったなと思いました。

Q.就活では誰に相談しましたか?

A.就職を経験している友人にアドバイスをもらいました。友人は一度就職したのですが、再度専門学校に通っています。自分のやりたいことをどうやって見つけたのかなど、相談に乗ってもらいました。

Q.セクシュアリティはオープンにしましたか?
A.私はオープンにしました。ですが、いい反応をされない企業もあったので、失敗したなと思うこともありました。カミングアウトするかしないかは自分が必要だと感じればすればいいと思います。カミングアウトする場合は、企業の社風や社員さんの人柄などを見極めた上で、タイミングをはかって行うのがいいと思います。

LGBT学生同士で交流できて楽しかった

当日のアンケートでは、多くの参加者の方が「楽しかった」と回答。

「普段LGBT当事者と交流する機会があまりないので交流できてよかった」という方や、「同じセクシュアリティの人と話したいと思い参加した。実際に出会えて話をすることができてよかった」という方も。

最後には気の合った人同士で連絡先を交換するなど、それぞれが交流会を楽しんだ様子でした!

就活ではいろんな人に話を聞いてみるのも大切ですよね。
今回のイベントでは18卒同士はもちろん、17卒と18卒とも交流ができ、みなさん楽しそうに帰っていきました^^!

tommietommie

 

この記事を書いた人

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tommie
関西外国語大学卒、LGBTアライ。
nijipi編集長。イベント&エンタメ系担当。趣味はアイドルのおっかけ。

レズビアンのキャリアの難しさ

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LGBT当事者もしくはアライによる「セクシュアリティ」に関するレポートを紹介するシリーズ。
今回はレズビアンであるLGBT当事者による就職体験レポートです。
LGBT当事者は働く上での様々な困難を感じることが多いのではないでしょうか。

LGBTが置かれている現状

1日の大半を占める仕事。何の仕事をどこでするか、誰とするのかはLGBTの人々にとっても重要なことです。近頃は、ニュースでもLGBT関連の話題が発信されているので都会の外資系企業や、ベンチャー企業ではLGBTフレンドリーな企業も増えてきたと聞きます。しかし、地方などではまだLGBTの存在自体よく知られていない現状です。

レズビアンのキャリアの難しさ

特に結婚・出産をしないレズビアンの場合、企業選びは慎重になります。ストレート女性の場合は、結婚すれば法律で夫の扶養になれますが私たちはそうもいきません。パートナーがいたとしても経済的に自立していることは大事です。

働くレズビアンのロールモデルは少ない

さらに、働くレズビアンのロールモデルの少なさもあります。レズビアンとカミングアウトして働いている女性は、今のところ芸能人ばかりが目立ちます。彼女たちのキャリアは、一般社会の人とはまた別物だと考えています。だから、私たちは自分自身で見たり聞いたりしたもの、恋人、LGBTの友人たちから聞いた情報を頼りに手探りで就活をしています。

20代後半ならではの就活の難しさ

最近はアラサーレズビアン特有の悩みも出てきました。面接で「結婚のご予定はありますか?」という質問をよく聞かれます。社会人経験がある20代後半女性は転職市場では需要があります。しかし、結婚・出産をきっかけに働き方を変える人も多い時期です。だから採用担当者としては、結婚の予定を聞くのでしょう。レズビアンはその流れには乗らないので、長く勤められます。でも、そのことを伝えるにはカミングアウトしなければならないので難しいのです。

LGBTだと伝えたときの企業の反応

以前勇気を持って「パートナーが女性なので、結婚・出産はないです…」と答えました。その時の、面接担当者の引きつった表情を今でも忘れることができません。挙げ句の果てに「自分でお仕事された方が…」と言われてしまいました。それ以来、自分らしい働き方とは何なのかを自問自答しています。

LGBTだと伝えずに働く

今は、LGBTライターとして情報発信を続けています。そして空いた時間に掛け持ちで複数の企業で働いていますが、ライター活動の時以外はLGBTである事は伏せています。その方が、スムーズなのでそうしているだけです。自分は、どこの企業でなら、ありのまま受け入れてもらえるのか未だにわかりません。本当は、カミングアウトして1つの企業で長くキャリアを重ねていきたいです。しかし、その普通が難しいです。

LGBTフレンドリー企業ってどんな企業ですか?

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現状の日本社会においては、LGBTの当事者が働きにくい職場環境がたくさんあるというのは残念ながら事実です。
ただ一方で、LGBTも含めたダイバーシティを推進して、すべての人が働きやすい職場環境を実現している、あるいはそれに向けて取り組んでいる企業もたくさんあります。

LGBTフレンドリー企業の定義は明確にないので、人や企業によって捉え方は違います。基本的にはLGBT当事者の方でも特に差別をすることなく働きやすい環境をつくろうとしている企業と考えられます。

まずはLGBT当事者にとって働きやすい環境をつくろうとすること。次にそのための制度を整備すること。さらに実際の職場までその意識を浸透させることといくつかのステップがあります。

LGBTフレンドリー企業って具体的にはどこなのか?というのはなかなか分かりにくいですが、参考として東洋経済社が毎年発行している、「CSR企業総覧」という書籍には「LGBTに対する基本方針(権利の尊重や差別の禁止など)「あり」」の企業」が掲載されています。

この「LGBTに関する何らかの取り組みを行っている企業」の社数は2014年版では116社、2015年版では146社、2016年版では173社と増えてきています。
これはLGBTフレンドリー企業のうち大手企業のリストになります。これらの企業の中でもダイバーシティへの取り組み度合いは異なるので、実際にどのような取り組みがされているかや、職場環境の実態は直接聞いてみないとわからないこともあります。

また大手企業以外の中小ベンチャー企業でもフレンドリー企業はたくさんあります。一般的に大手企業は制度が整っていることが多いですが、働きやすい職場環境というのは制度だけでなく、社風にも大きく影響を受けるので、従業員数の少ない中小ベンチャー企業のほうが、働きやすい職場環境を実現できているケースもたくさんあります。

18卒LGBT学生の就活スタートアップイベント開催

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株式会社Nijiリクルーティングが、8月27日(土)に都内にて「LGBT就活応援会」を開催します。

LGBT就活応援会は18卒のLGBT学生を対象としており、就活の基本的な進め方や、LGBT当事者が不安に感じる点をLGBTに精通する就活アドバイザーが伝えます。
また、当日はゲストスピーカーとして希望の企業から内定を獲得した17卒のLGBT学生が登場。LGBT学生ならではの就活の悩みや不安をどう乗り越えたのか、体験談を話します。

詳しくはこちら※スマホ専用サイトです。
http://lp.niji-recruiting.com/lgbt180827/

LGBT就活応援会開催

イベント概要

日程 8月27日(土)
時間 17:00~20:00※受付時間16:45~17:00
対象 18卒就活生の方
参加費 無料※軽食をご用意しております
持ち物 筆記用具のみ
服装 自由※自分のしたいと思う服装や髪形でご参加ください
場所 東京都港区東新橋2-4-1サンマリーノ汐留6階
新橋駅より徒歩7分、汐留駅より徒歩5分

プログラム

1.就活スタートアップセミナー
これまで約500名のセクシュアルマイノリティの方の就活サポートを行ってきた株式会社Nijiリクルーティングの小浅英明氏による就職活動を成功に導くためのスタートアップセミナー。
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2.交流会
ゲストスピーカーとして、就活を見事に“大成功”したセクシュアルマイノリティの先輩学生が登場します。
お酒やソフトドリンク、軽食を交えながら行うので、気軽に質問することもできます。
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Q&A

Q.一人参加でも大丈夫でしょうか?
A.はい、ほとんどの方がお一人で参加されますので、ご安心ください。

Q.服装は性自認に近いものでも大丈夫でしょうか?
A.自由です!お好きな服装でお越しください。

Q.アウティングはされませんか?
A.注意事項として対応ガイドを設けています。ご安心してお越しください。

Qセクシュアルマイノリティか明確にはわからないのですが参加できますか?
A.18卒の方であれば、性別も国籍も問わず、どなたでもご参加いただけます。

エントリー

詳しい情報、エントリーは下記ページをご覧ください。
http://lp.niji-recruiting.com/lgbt180827/

運営元

株式会社Nijiリクルーティング
東京都港区東新橋2-4-1 サンマリーノ汐留6階
TEL:03-6452-8822
MAIL:mail@niji-recruiting.com
URL:http://niji-recruiting.com/

18卒の就職活動は始まっています

経団連は18卒採用のスケジュールは17卒と変わらず、2017年3月広報解禁、2017年6月選考解禁と発表しました。
これに伴い、リクナビやマイナビなどの大手ナビサイトも2017年3月1日にオープンとなります。

しかし経団連の方針に順守の義務はないため、ほとんどの企業は2017年3月より以前に採用活動を開始することが予想されます。
学生にとっても、2017年3月までにどう動くかが就職活動のポイント。

すでに夏期のインターンシップなどを行っている企業も多いですが、この時期に企業研究や就活ノウハウを学んでおいて損はありません。
まずは気軽に参加できるこのような1DAYイベントに足を運んでみるのはいかがでしょうか。

LGBTは就活に不利!?

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LGBTであることは就活に不利と考える方も少なくありません。
しかし、最初にお伝えすると、一概に不利とも言い切れません。
現在世の中のLGBTに対する注目度は高まっているからです。

LGBTを新たな市場としてビジネスチャンスと考える企業、
LGBT当事者が働きやすい環境を整えようとするLGBTフレンドリー企業などが増えています。
つまり、働きやすさだけでなく、LGBTであることが就活で有利になることも増えてきているのです。

ただ、やはり職場によってLGBTに対する考え方は様々です。
では具体的にLGBT当事者が不利だと感じたという事例を紹介していきます。

LGBTに対して偏見のある企業

「面接でカミングアウトしたら、そのことばかり聞かれた」
LGBTであることを伝えるかどうかは個人の自由ですが、伝える場合は、どの場面で伝えるのかも悩みどころです。

伝えた後にLGBTであることを理由に落とされないためには、できるだけLGBTに偏見のない企業に入社したいものです。

偏見のない企業を見つける目安のひとつとしては、
・東洋経済の『CSR企業総覧』で「LGBTに対する基本方針(権利の尊重や差別の禁止など)がある」と回答している企業
・LGBTは明記していなかったとしても、ダイバーシティを推進している企業
など大企業だけではなく、中小企業やベンチャー企業も挙げられます。

制服がある職種

「女性の制服で働きたいと伝えたが、断られた」
これは主にトランスジェンダーの方にとって悩むポイントとなります。
男女で制服が分かれている場合は望む性の制服を選べるのかは企業によって対応が異なります。

特に、BtoCといわれる顧客と接することのある職種では、望む性の制服を選べるかどうかは難しい場合があります。

実際に、「LGBTフレンドリー企業で店舗スタッフとして働いているが、パス度の関係で望む性の服装は認められなかった」という人もいます。

また、教育関係の企業にインターンシップに行ったLGBT学生が、「名前と見た目の性が異なるので、生徒や生徒の親にも説明が必要になる。インターンシップ中だけは我慢してほしい」と言われたということがありました。

以上のように、不利だと感じる場面もあるかもしれません。
面接で不合格になると落ち込んだり、自分がLGBTだからかな?と悩んだら、一人で抱えこまず、友人や先輩に相談するのもよいのではないでしょうか。

既婚者はキャリアアップ転職に有利ってホント?

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30~40代の転職において、既婚者のほうが有利という考え方があります。

「既婚者は家族がいるから簡単には辞めずに真面目に働きそう」
「結婚していない人は、まだ一人前には思えない」
「会社としては、責任のある行動ができるかどうかの判断材料の一つとする」

特に企業の経営者や人事責任者がこのような考えをもっているとすれば、その企業への転職であったり、その企業の中でのキャリアアップというのは難しくなります。

一方で既婚者より独身者のほうが有利という考え方もあります。

「独身者のほうが転勤なども含めて、柔軟な対応ができる」
「仕事に集中できる」
「今まで仕事が好きで頑張ってきたからこそ、独身のままという人もいる」

さらにセクシュアリティによっても違うという意見もあります。

女性の場合であれば、結婚や出産を機に仕事をやめてしまうのではないかと考える企業があることも事実です。
そのため採用面接の際に、結婚の予定を聞かれるケースもあります。

しかし、結婚の予定を聞かれるのはネガティブな理由だけではありません。

結婚や出産をしても働ける職場環境づくりをしている企業では、結婚の予定を聞いた上で、そのときに備えて会社としてどういうことができるかなどを相談したいという理由から、聞くというケースもあります。

そもそも、最近は初婚の平均年齢は高齢化(晩婚化)しており、また離婚率も高くなってきています。
それだけライフスタイルが多様化してきているといえます。
かつては多くの企業で見られた家族手当なども廃止する企業が増えてきているのは、企業として従業員の結婚や離婚といったプライベートにはあまり踏み込まなくなっている証ともいえます。

既婚者のほうが転職にどの程度有利か不利かは企業によって差はありますが、このような傾向はなくなってきているといえるでしょう。

現在の日本では、同性パートナーとは結婚(婚姻)することはできません。
そのため、LGBT当事者の中には結婚しないことがキャリアに影響するのではと不安に感じる人も少なくありません。

しかし本来、キャリアには結婚の有無は関係ありません。
キャリアアップ転職する際には、仕事でどれだけの成果が出せるかがはるかに大切なのです。