クローゼットで働くゲイの体験談

LGBT当事者orアライによるレポート。今回は「クローゼットで働くゲイの体験談」です。
※クローゼットとは、周囲にセクシュアリティを明かしていない=カミングアウトしていないことです。

私は現在、都内で社会人2年目として働く男性です。
セクシュアリティはゲイで、現在地元の友人以外にはカムアウトせずに過ごしています。クローゼットのゲイとして1年社会人として過ごしたうえでの経験を、皆さんに共有したいと思います。

生い立ち

はじめに軽く私の自己紹介をします。私は、姉と両親の4人家族の中で育ちました。小さいころから姉と仲の良かった私は、姉の影響なのか戦隊ものよりもプリンセスに惹かれるような子供でした。

はじめて自分がゲイだと気付いたのは中学生のときでした。好きになったのは同じ部活の先輩でした。しかし周りが異性との恋愛をする中で自分は異常だと思い、誰にもこの思いを言うことなく先輩は卒業していきました。
大学では理系だったこともあり、学生は男子ばかりで、ほとんど恋愛の話をすることなく、楽しく4年間を過ごしました。

就職してから

就活における苦労は特にありませんでした。女性ではないからか面接で結婚についてきかれることもなかったですし、特にゲイであることは就活に影響しなかったと思います。

就職は都内のメーカーにしました。もともと興味のあったことに関わる仕事をさせてもらっているので、仕事はすごく楽しいと思っています。
ただ、ゲイであることの苦労は、実際あります。

一番感じるのは会社でのイベントごとの際の飲み会です。
結婚されている方は奥さんや旦那さんについて、していないひとも最近の恋愛事情などを話すのが恒例になっていると言って過言ではありません。

特に私のような若い社員は「そんなに若いのに一切何もないなんてありえない」と根掘り葉掘りきかれます。
会社では誰にもゲイであることを言っていないため、毎回ごまかしていますが、だんだんと怪しまれていないか心配です。いずれは結婚について突っ込まれることを考えると、今からどうかわそうかと悩みます。

仕事に関しては楽しいので現在転職は考えていませんし、お酒を飲むことも好きなのですが、飲み会に関してはだんだんと足が重くなっています。
また、まったく意識していない部分で、よく「もっと男らしくしろ」と指摘されることがあります。これは昔から言われてきたことなので慣れっこといえば慣れっこですが、いまさら意識してなおすこともできず、これからも注意されつづけるのではないかと思います。

最後に

働いてみて、まだまだ日本社会は男性中心なんだと実感しています。
それも男らしい、ゲイでない男性です。うちの会社も含めて、LGBTへの理解が会社全体でどんどん広がっていってほしいと思っています。

今週の記事まとめ~企業のLGBTの取り組みや漫画の紹介~

本日は今週公開した記事をまとめて紹介します。
ドン・キホーテのALL GENDERトイレ設置のニュースや、同性カップルが主役の漫画の紹介など様々な記事を公開しました!

ドンキ「LGBT用トイレ」に様々な意見

ディスカウント店大手のドン・キホーテが旗艦店である「MEGA(メガ)ドン・キホーテ渋谷本店」に「LGBT用トイレ」を設置すると報道されました。

ドンキ「LGBT用トイレ」に様々な意見

「LGBT対応 大手企業の4割」その取り組み内容とは?

経団連が会員企業にLGBTに関する取り組みについて調査を行ったところ、4割の企業が何らかの取り組みを行っていると発表したことが報道されました。

「LGBT対応 大手企業の4割」その取り組み内容とは?

LGBTへのハラスメント「SOGIハラ」とは?

LGBT当事者へのハラスメントを「SOGI(ソジ)ハラ」と呼び、防止する活動が行われています。

LGBTへのハラスメント「SOGIハラ」とは?

男性カップルの養育里親認定で注目された「同性カップルを描いた漫画」

先月、大阪市が男性同士の同性カップルを、虐待などで親元で育てられない子どもの「養育里親」として認定したことがわかりました。
様々な意見があがる中で、1995年に連載された漫画「ニューヨーク・ニューヨーク」の一番面がSNSで取り上げられ注目されました。

男性カップルの養育里親認定で注目された「同性カップルを描いた漫画」

LGBTに配慮、AP通信が三人称単数で「they」を使用

アメリカのAP通信が、配信記事の英文表記のルールに「heともsheとも呼ばれたくないLGBTに配慮し、三人称単数としてtheyを使ってもよい」と加えました。

LGBTに配慮、AP通信が三人称単数で「they」を使用

LGBTに配慮、AP通信が三人称単数で「they」を使用

アメリカのAP通信が、配信記事の英文表記のルールに「heともsheとも呼ばれたくないLGBTに配慮し、三人称単数としてtheyを使ってもよい」と加えました。

AP通信の新ルール「they」

AP通信とは、世界的な通信網を持つアメリカ合衆国の大手通信社です。
アメリカ国内の放送局や新聞社の協同組合であり、各社はAP通信を通して記事を配信すると同時にAP通信から記事の配信を受けています。
AP通信は、毎年自社の英文表記の基準をまとめたスタイルブックを発行しており、多くの作家やジャーナリストが利用しています。

AP通信の新ルールでは、heともsheとも表現しにくい、してほしくないLGBT当事者に対し、できるだけ名前や職業で表現するようにし、どうしても他に言い換えられない場合に「they」と表現してもよいとしています。
また、theyに続くbe動詞は三人称複数と同じで「they are」と使われます。

これまでもLGBT当事者に配慮し「they」が使われることがありました。ただ、その使い方は「they is」や「they are」などに分かれ、定着してはいませんでした。

世界的に影響力のあるAP通信の新ルールによって、今後は「they」の使用が定着するのではと言われています。

広がるニュートラルな表現

様々なところでニュートラルな表現が広がっています。
Facebookでは以前から自分のジェンダーで男女以外に「カスタム」という選択肢があります。これを選ぶと自由記述で自分のセクシュアリティが選べ、さらにその公開範囲を友達だけにするのか等、選ぶことができます。
また、呼ばれ方も選ぶことができ、英語版では「he」「she」以外に「they」があります。
その他に、Googleでもアカウント作成時の性別で男女以外に「その他」を選ぶことができます。

Facebookの自分のプロフィールの編集画面(英語版)

まとめ

AP通信の新ルールにより、theyの使用が定着していくかもしれません。
こうしたことにより、男女どちらでもないXジェンダーや、心と身体の性が一致しないトランスジェンダーなど、男女どちらかで表現してほしくないとする人への配慮が広がることを期待します。

男性カップルの養育里親認定で注目された「同性カップルを描いた漫画」

先月、大阪市が男性同士の同性カップルを、虐待などで親元で育てられない子どもの「養育里親」として認定したことがわかりました。
様々な意見があがる中で、1995年に連載された漫画「ニューヨーク・ニューヨーク」の一番面がSNSで取り上げられ注目されました。

ニューヨーク・ニューヨークとは

1995年~1998年に花とゆめで連載された、同性カップルの愛とヒューマニズムを描いた作品で、作者は「赤ちゃんと僕」などの作品が有名な羅川真里茂さんです。
単行本で全4巻発行されており、ストーリーの主軸となっているのは、ニューヨークで警官を勤めるケインと、パートナーであるメルの男性カップルです。

ゲイの男性を主人公にしたシリアスな話。BL的な内容ではなく、ゲイである事を隠して生活をする難しさやそれに伴うジレンマ、ゲイへの偏見や弾圧、肉親への罪悪感、エイズ (HIV)、更にはゲイカップルが養子を取る事で発生する問題まで、現実に生活しているゲイの人々が直面している、あるいはするであろう極めて深刻なテーマを多岐に渡って扱っている。
wikipediaより


Amazn.Co.Jpより

SNSで話題になった場面とは

大阪市が同性カップルを養育里親に認定したニュースで話題となったのは、ケインとメルが育てる「エリカ」のシーンです。

ケインとメルは養子縁組によって夫婦関係になった後、実の母親が麻薬中毒で育てられないため養護施設に預けられていたエリカという女の子を養子にします。

成長したエリカは、学校で「ゲイカップル」に育てられていることについて男子生徒から「ゲイは子供が作れないけど子供をほしがって養子を取ったりするが、それは勝手なのではないか。ニセモノの親の愛情を受けることになる子供がキズつくのでは」と言われます。

それに対しエリカは「自分はかわいそうに見えるか?」と返した上で、「私は親に恵まれなかった。彼らは子供に恵まれなかった。片方しかいなかったらこんな不公平なことない。でも私たちは求めあって一緒になれてすごく公平だ」と答えます。

「ニューヨーク・ニューヨーク」ではケインとメルが養子を取り、育てる姿も描かれています。
このことから、大阪市のニュースをみて「エリカのシーンを思い出した」という声がありました。

まとめ

20年以上前に連載された漫画ですが、現在でもなお続く様々な問題が描かれています。
決して軽いテーマではありませんが、どんなセクシュアリティの人にとっても、いろんなことを考えさせられる作品となっています。

LGBTへのハラスメント「SOGIハラ」とは?

LGBT当事者へのハラスメントを「SOGI(ソジ)ハラ」と呼び、防止する活動が行われています。

SOGIハラとは?

SOGIハラとは、好きになる人の性別(Sexual Orientaition)と、自分の性別についての認識(Gender Identity)の頭文字である「S O G I」と、ハラスメントと組み合わせた造語です。

好きになる人の性別や、自分の性別についての認識に関わることで差別的な扱いを受けたり、発言をされたり、いじめや暴力といった精神的・肉艇的な嫌がらせを受けることをSOGIハラと呼びます。

SOGIハラを防ぐための支援団体は、ウェブサイトを開設してSOGIハラの体験談を集めています。
http://sogihara.com/

どんなことがSOGIハラになるの?

差別的な呼称

レズ
オネエ
オトコオンナ
etc…

差別的な言動

「ホモ/レズって気持ち悪い」
「オトコオンナって変だよね」

学校や職場でのいじめ、差別的な扱い

学校で「ホモ」とからかわれ、無視されたり暴力を振るわれる
職場で「オネエ」とあだ名をつけられ、何かとからかわれる
etc…

望まない性別での生活の強要

望まない性別の制服を着用するよう言われる
職場で「女性なのだから化粧をするように」と言われる
etc…

不当な異動や解雇、不当な入学拒否や転校強制

「髪を切らないのなら仕事を辞めろ」と言われる
カミングアウトしたら理由なく異動をさせられた
etc…

自分の望まない形でセクシュアリティを知らされる「アウティング」

上司にカミングアウトしたら、職場で自分のセクシュアリティが広まってしまい、好奇な目で見られるようになった
友だちにレズビアンであることを周囲にバラされてしまい、学校でからかわれるようになった
etc…

SOGIハラを防ぐためには

SOGIハラを防ぐためには、正しい知識が必要です。
SOGIハラが起こる原因の多くは「知識がない」からです。

例えば、よく耳にする「オネエ」「ホモ」「レズ」といった言葉は差別的な言葉であり、それによって傷ついているLGBT当事者もたくさんいます。
しかし、LGBTについて知らない人によっては、それらが差別的な発言であることも、誰かを傷つけていることもわかりません。

こうしたことを防ぐためにも、現在は、企業や行政、NPO法人などがLGBTの正しい知識を広めるために、様々なセミナーを開催したり、LGBTの相談窓口の設置、同性パートナーシップ制度の導入、誰でもトイレの設置などが行われています。

「LGBT対応 大手企業の4割」その取り組み内容とは?

5月15日に、経団連が会員企業にLGBTに関する取り組みについて調査を行ったところ、4割の企業が何らかの取り組みを行っていると発表したことが報道されました。

「LGBT」対応 大手企業の4割 経団連調査
経団連は、性別を問わないトイレを職場に設置するなど、「LGBT」と呼ばれる性的マイノリティーの人たちが働きやすくするための取り組みを行っている大手企業は、全体のおよそ4割に上るという調査結果を発表しました。
経団連はことし3月、会員企業を対象に「LGBT」の人たちへの対応を尋ねる初めての調査を行い、全体の15%に当たる233社から回答を得ました。

それによりますと、何らかの取り組みを「実施している」と答えた企業は42.1%に上りました。また、「検討中」という企業が34.3%だった一方、「予定なし」と答えた企業も23.2%に上りました。

2017年5月15日 NHKニュース

LGBTフレンドリー企業は増えている?

経団連は「回答率は15%で、実際には企業の対応をより促していく必要があると感じている。グローバル化が進む中、多様な人材の受け入れは、優秀な人材を確保したり成長性を高めたりするための大きな課題となっていて、職場環境や制度の整備を広く呼びかけていきたい」とコメントしています。

会員企業のうち回答があった企業は全体の15%である233社であり、その42.1%が「実施している」ということは、おおよそ98社がLGBTに関する何らかの取り組みを実施ているようです。

今回の調査は経団連の会員企業のみが対象となっているため、日本全体の企業を含めるともっと多くの企業が「実施している」と思われます。
しかし、やはり現状ではLGBTフレンドリーは大手企業を中心に広がっているため、まだまだ数としては少ないことが予想されます。

LGBTフレンドリー企業の取り組みとは?

経団連の発表によると、「実施している」と回答した企業に具体的な内容を聞いたところ、下記のような結果になりました。

91.8% 社内セミナーなどの開催
82.8% 相談窓口の設置
52.2% 性別を問わないトイレなど職場環境の整備
32.8% 結婚休暇や配偶者手当を同性のパートナーにも認めるなどの人事制度の改定

LGBTダイバーシティいついては、まずは「知ること」が大切になってきます。「知らない」ことが偏見や差別の大きな原因となっているためです。
LGBTに関する差別には「悪気はないけれど知らずに相手を傷つけてしまっている」ということが起こりがちです。そういったことを防ぐためにも、LGBTについて知るためのセミナーを開催する企業は多いようです。

LGBTフレンドリー企業の今後の動きに期待

LGBTフレンドリー企業といっても、取り組み内容・状況は企業によって様々です。

「LGBTフレンドリー言っているのに実際には職場の理解が進んでいない」といった意見も見られますが、最初から完璧に理解が浸透させることは非常に難しいです。
理解を浸透させるためにも、まずは始めることが大切です。
日本の企業でのLGBTダイバーシティの推進はまだ始まったばかり。今後の動きに期待です。

ドンキ「LGBT用トイレ」に様々な意見

5月11日にディスカウント店大手のドン・キホーテが旗艦店である「MEGA(メガ)ドン・キホーテ渋谷本店」に「LGBT用トイレ」を設置すると報道されました。

ドンキがLGBT用トイレ
先進地・渋谷の旗艦店に

ディスカウント店大手のドン・キホーテは11日、同性愛や性同一性障害などの性的少数者(LGBT)用のトイレを、差別解消を目指す先進地として知られる東京・渋谷の旗艦店に初めて設けたと発表した。小売業界では珍しい試みで、顧客の反応が良ければ他の店舗への導入も検討する。

 旗艦店は「MEGA(メガ)ドン・キホーテ渋谷本店」で、12日にオープンする。渋谷区が多様性を認め合う地域づくりの一環で、同性カップルを夫婦と同等のパートナーと公的に認める証明書を交付していることなどに賛同した。

 「ALL GENDER」の案内板を掲げた個室トイレ3室をつくった。

2017年5月11日 共同通信

「LGBT用トイレ」の表現はおかしい?

記事中では「同性愛や性同一性障害などの性的少数者(LGBT)用のトイレ」と紹介されています。
これに対し、「トイレの問題は性同一性障害などのT(トランスジェンダー)の問題であり、LGB(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル)には関係がないのでLGBT用という表現はおかしい」といった意見も見られました。

しかし、トイレの案内板には「ALL GENDER」と書かれており、セクシュアリティを特定した書き方はされていません。
報道のされ方と、ドン・キホーテのトイレ設置の意図にズレがあったことにより、こうした意見が出たようです。

「ALL GENDERトイレ」はLGBTフレンドリーなのか

ドン・キホーテでは、渋谷区の多様性を認め合う地域づくりという考えに賛同しています。
そのことから、「ALL GENDERトイレ」が設置されることとなりました。

これまでも様々な企業や自治体などで「ALL GENDERトイレ」が設置されてきました。
案内板にLGBTの象徴である6色のレインボーや、身体の半分はズボン・もう半分はスカートを履いているようなイラストを使用するなどで表現されています。

このような「ALL GENDERトイレ」には「トイレを利用しやすくなった」という声がある一方で、「利用することで当事者だとわかってしまう」といった否定的な声もあります。

▼ドン・キホーテはTOKYO RAINBOW PRIDE 2017にも出展。
LGBTフレンドリーな取り組みを進めている。

まとめ

賛否両論ある「ALL GENDERトイレ」ですが、設置の目的は「多様性を認め合う」ということにあります。

まだまだ社会で浸透していないため様々な意見が出ていますが、実際にトイレに困っている人たちにとって利用しやすいものになるための、必要な段階なのかもしれません。

みなさんはドン・キホーテの「ALL GENDERトイレ」について、どう感じましたか?

今週の記事まとめ~TRPレポートやLGBTフレンドリーインタビュー~

本日は今週公開した記事をまとめて紹介します。TOKYO RAINBOW PRIDE 2017のレポートや、LGBTに関する情報発信をする雑誌編集部へのインタビューなど様々な記事を公開しました!

渋谷が虹色に染まる日 TOKYO RAINBOW PRIDE 2017レポート前編!

前編ではTRPのブースをレポートしています!

渋谷が虹色に染まる日 TOKYO RAINBOW PRIDE 2017レポート前編!

渋谷が虹色に染まる日 TOKYO RAINBOW PRIDE 2017レポート後編!

後編ではTRPのパレードをレポートしています!

渋谷が虹色に染まる日 TOKYO RAINBOW PRIDE 2017レポート後編!

LGBTインタビューvol.7 株式会社ダイヤモンド社

LGBTに関する情報を発信する「Oriijin(オリイジン)」編集部の福島さんにインタビューしました!

interview

教育現場でのLGBT

LGBTアライによるレポート。LGBTに関する教育の必要性についてです。

教育現場でのLGBT

LGBT当事者との出会い。

LGBTアライによるレポート。LGBT当事者との出会いによってLGBTの理解がより深まったというレポートです。

LGBT当事者との出会い。

LGBTフレンドリーな性病クリニックの紹介

LGBTフレンドリーな性病クリニックの紹介

LGBTフレンドリーな性病クリニックの紹介

同性愛者カップルにとって怖いものは複数あると思いますが、性行為による「性病」や「HIV」の感染は特に恐ろしいです。性行為は愛情表現やコミュニケーションの一環として、カップルの信頼関係を築くものとして重要な行為です。しかし片方が感染していると発覚したら、性行為に及ぶことは難しくなりますし、秘密にしてパートナーに感染させてしまったら信頼関係を崩壊させかねません。

ただ性病やHIVに感染した後、専門病院に受診しにいく事はストレートの人にとってもハードルが高く、同性愛者においてはそのハードルはより高まります。
日本においてHIV感染者の感染経路が同性間感染の異性間感染の3倍といったデータもあり、専門病院に関する知識も入れる必要があると考えます。

そこで今回の記事で紹介するのは、LGBTフレンドリーの性病クリニックです。

あおぞらクリニック

http://www.aozoracl.com/
新橋駅徒歩8分 夜8時まで診療している性病専門クリニックです。毎月500もの人が訪れていて、多くのLGBT当事者に利用されています。
ではなぜこんなに多くの方に選ばれているのでしょうか。

1 プライバシーを守ってくれる
自費診療なので、保険診療と違って匿名で診察を受ける事が可能、払うのは検査料金と薬代のみです。また自費診療にすることによって家族に知られる心配もありません。クリニック内のレイアウトも極力ほかの患者と接触しないように配慮されています。

2 LGBTフレンドリー
LGBT当事者の患者の割合が他のクリニックに比べ多く、LGBT当事者の治療経験が豊富な医師が多く在籍しています。LGBT当事者もそうでない方も同じように接するのが当たり前という考え方が当クリニックに存在しています。また、男性診療は男性スタッフのみで行い、女性診療は女性スタッフのみで行っています。

3 即日対応、即日治療
基本的に通院は1回で大丈夫で、検査や薬の受け取りも即日で終わります。また、即日で検査がでなくてもwebで結果を閲覧することが可能です。また、病気によって治療費が明確に設定されています。

LGBT当事者のみならず、一般の方でも利用しやすいのが当病院です。性病にかかってしまった事は知人には極力知られたくないです。病院に行くということも人によっては非常に恥ずかしいことだと思います。しかし性病やHIVは早期発見・治療が大事になってくるので、このような病院があることは大変ありがたいですね。

LGBT当事者との出会い。

LGBT当事者orアライによるレポート。今回はLGBT当事者との出会いです。

私がLGBTというワードを初めて知ったきっかけは、2年前の12月でした。
その時、LGBT当事者は日本の人口の8%(AB型や左利きの人と近い割合)ということを初めて知り、思っていたより多いなという印象を受けました。同時に、当時私の友達に(私が認識している範囲で)当事者はいなかったのですが、もしかしたらいるかもしれないと感じました。

出会い1

私の会社にはLGBT当事者の方がいます。
入社してカミングアウトを聞いたときは、多少の驚きはありましたが、他の社員さんたちと変わらずすぐに打ち解けられ、毎日一緒にたのしく仕事をしています。
仕事をしたり、食事をしたり、会話をしたり、日々生活する中で、だれが当事者でだれが当事者でないということはほとんど意識していません。つまり、LGBTという知識はもっていて、関わる人は全員1人の人として関わっている、といった感じです。私はそれでいいと思っています。

出会い2

タイムリーなことに、入社して2週間過ぎ、現在海外に留学していて、一時帰国中の親友と遊んだときのことです。いつも通りたわいもない恋愛話をしていました。

私「最近どうなのー?」
親友「すごい私のことを好いてくれる人がいて、私もその人のこと気になってるんだよね~」
私「え!めっちゃいいね!どんな人??」
親友「トランスジェンダーの人なんだよね!そういうの抵抗ある?」

という会話をしました。
私は「全然ない!(親友に好きな人ができて)うれしい!!」と即答しました。
LGBTという存在を知っていて、すごくよかったなと思いました。もし私が、LGBTについて何も知らなかったら、私は珍しいことを聞くような反応をしてしまい、親友を傷つけていたかもしれません。

私は、もともとLGBTなどセクシュアルマイノリティの方々に対して、なんの抵抗もありませんでした。(深く考えたことがなかったと言った方が合っているかもしれません。)これは悪いことではないかもしれませんが、もしかすると自分の気付いていないところで誰かを傷つけていたかもしれません。

LGBTという存在を知り、当事者と出会ったことで、より“その人を理解しよう”“知りたい”という気持ちを持って人と接するようになった気がします。

2年前の私のようにLGBTに対して何も知らない人が世の中にはたくさんいます。知るきっかけは何でもいいと思います。知ることで、LGBTに対して理解するきもちや少しの配慮をもった接し方ができる人たちがもっとたくさん増えればいいなと思います。