男性カップルの養育里親認定で注目された「同性カップルを描いた漫画」

先月、大阪市が男性同士の同性カップルを、虐待などで親元で育てられない子どもの「養育里親」として認定したことがわかりました。
様々な意見があがる中で、1995年に連載された漫画「ニューヨーク・ニューヨーク」の一番面がSNSで取り上げられ注目されました。

ニューヨーク・ニューヨークとは

1995年~1998年に花とゆめで連載された、同性カップルの愛とヒューマニズムを描いた作品で、作者は「赤ちゃんと僕」などの作品が有名な羅川真里茂さんです。
単行本で全4巻発行されており、ストーリーの主軸となっているのは、ニューヨークで警官を勤めるケインと、パートナーであるメルの男性カップルです。

ゲイの男性を主人公にしたシリアスな話。BL的な内容ではなく、ゲイである事を隠して生活をする難しさやそれに伴うジレンマ、ゲイへの偏見や弾圧、肉親への罪悪感、エイズ (HIV)、更にはゲイカップルが養子を取る事で発生する問題まで、現実に生活しているゲイの人々が直面している、あるいはするであろう極めて深刻なテーマを多岐に渡って扱っている。
wikipediaより


Amazn.Co.Jpより

SNSで話題になった場面とは

大阪市が同性カップルを養育里親に認定したニュースで話題となったのは、ケインとメルが育てる「エリカ」のシーンです。

ケインとメルは養子縁組によって夫婦関係になった後、実の母親が麻薬中毒で育てられないため養護施設に預けられていたエリカという女の子を養子にします。

成長したエリカは、学校で「ゲイカップル」に育てられていることについて男子生徒から「ゲイは子供が作れないけど子供をほしがって養子を取ったりするが、それは勝手なのではないか。ニセモノの親の愛情を受けることになる子供がキズつくのでは」と言われます。

それに対しエリカは「自分はかわいそうに見えるか?」と返した上で、「私は親に恵まれなかった。彼らは子供に恵まれなかった。片方しかいなかったらこんな不公平なことない。でも私たちは求めあって一緒になれてすごく公平だ」と答えます。

「ニューヨーク・ニューヨーク」ではケインとメルが養子を取り、育てる姿も描かれています。
このことから、大阪市のニュースをみて「エリカのシーンを思い出した」という声がありました。

まとめ

20年以上前に連載された漫画ですが、現在でもなお続く様々な問題が描かれています。
決して軽いテーマではありませんが、どんなセクシュアリティの人にとっても、いろんなことを考えさせられる作品となっています。