私の初めての彼女

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LGBT当事者もしくはアライによる「セクシュアリティ」に関するレポートを紹介するシリーズ。
今回はアメリカ留学中の体験からセクシュアリティをより意識するようになったという方のレポートです。

BUG=卒業するまではバイセクシュアル

「BUG」という言葉をご存知だろうか。
この言葉はBisexual untill graduationの頭文字をとったもので、直訳すれば「卒業するまではバイセクシュアル」である。英語圏、特にアメリカの大学生の一部が使う言葉である。

日本では寮生活をしている大学生は少数だが、アメリカでは大半の大学生が大学内の寮に入る。
寮に入ると新しい出会いもなく、異性との関わりが極端に減る。そういった生活を続けていると、本来はストレート(異性愛者)ではあるが、同性に対して恋愛感情を持ち始めたり、同性で性的欲求を満たそうとする人たちがいる。このように大学卒業の間だけバイセクシュアルとして過ごしている人のことを「BUG」と呼ぶ。

かくいう私もアメリカ留学中、何か月も寮で過ごしていたためか、パーティーでレズビアンの人にキスを求められ応じてしまったことがある。
同性を好きになるという感情はなかったが、地味な寮生活に刺激がほしかったのか、それから何度かそういう事があった。

夏休みに入る前に、一人の女性と出会った。
彼女は優しくユーモアがありすぐに仲良くなった。周りの友人から「お似合いのカップルだね」とよく言われるようになったが、「仲良しだね」程度の意味で言われているのだと思っていた。

しかし、相手の様子が以前と違ってきていた。もしかして私たちはカップルとして付き合っているのだろうか?そう考えるようになった。しかし相手に聞くのも失礼な気がしてしまい、もやもやした思いを持ちながらもそのまま夏休みに入った。
夏休み中に届く彼女からのメールは嬉しかったし、早く会いたくなった。

夏休みが終わったある日、私は彼女の友達何人かの前で、「私のgirlfriend」だと紹介された。
やはり私たちは付き合っていたのか…。

いざ付き合っていると思うとメールの返信が遅いことにやきもきしたり、他の人と二人でいることにも嫉妬したり、彼女のルームメイトをライバル視したり…、とにかく私は面倒な彼女だった。

しかし、帰国の日が近づくにつれ、どんどん気持ちが冷めていった。特に彼女から別れは告げなかったが、寄せ書きには「またあなたと一緒になりたい」と書かれていた。

彼女からは「帰国前に会いたい」というメールが届いたが、返信はしないままに帰国の日を迎えた。

帰国後、私は彼女のFacebookで新しいガールフレンドらしき人ができたことを知ったが、特別何も感じることはなかった。あれ程思っていたのに大学を出たとたんに気持ちが消えてしまったのだ。

これが私が体験した、典型的なBUGの一例である。

「同性婚が特別でなくなることを願う」リオ五輪金メダリストの女性バスケ選手が同性婚を発表

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Elena Delle Donne Official Instagramより @de11edonne

「同性婚が特別でなくなることを願う」リオ五輪金メダリストの女性バスケ選手が同性婚を発表

過去最多のLGBT表明選手が出場したリオオリンピック。その選手の中の1人、女子バスケットボールアメリカ代表メンバーとして金メダリストになったエレナ・デレ・ダン選手が、アメリカのファッション雑誌である『VOGUE』で同性愛者であり、交際中の女性と婚約状態にあることを語りました。

リオオリンピック開催前に行われたインタビューでデレ・ダン選手は、「この発表はカミングアウトを主目的としたものではない」と発言。同性愛者であるという告白に世間が騒がなくなることが目標だと語っています。
デレ・ダン選手はオリンピックを前にしてこの発表ができたことをとても喜んでいるそうです。
彼女がSNSを通して公開しているパートナーとの写真には全世界から「いいね」の声が届いています。素敵なプロポーズの写真もその中には入っていて、彼女たちがいかに幸せなカップルであるかを知らしめる形となっています。

パートナーの女性と。
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Elena Delle Donne Official Instagramより @de11edonne

アメリカは2015年に全州で同性婚が認められた

同性婚が世界で初めて合法化されたのはオランダであり、2001年に同性婚の法律が制定されました。
その後、ベルギーやスペイン、カナダがこれに続き、現在では約20か国が同性婚を法制化しています。

アメリカでは2004年にマサチューセッツ州で同性婚の登録が開始しましたが、州によって同性婚に対する考えは様々。賛成・反対の激しい論争が続いていましたが、2013年にアメリカ連邦最高裁判所が婚姻を男女間に限定した連邦法が違憲だとする判断を下しました。しかし、アメリカ合衆国では、連邦制をとっているため、同性婚が認められるには各州での立法が必要です。
2014年の時点では13州が同性婚を認めないとしていたため、これに対し同性カップルが提訴。しかし、オハイオ州、ミシガン州、ケンタッキー州、テネシー州の4つの州を管轄する合衆国高等裁判所が同性婚を認めない判断を示したため、最高裁判所に判断が委ねられることになりました。
その結果、2015年6月に最高裁判所が全州での同性婚を認める判断を示し、大変な話題になりました。

アメリカでの同性婚を巡る歴史的な裁判はドキュメンタリー作品「ジェンダーマリアージュ」として映画化もされ、様々な映画賞を受賞しています。

世界では多くの国が同性婚を認めていますが、まだまだ「同性愛」や「同性婚」は特別な事例としてメディアに取り上げることが多いのが現状です。
デレ・ダン選手は、「女性と結婚しても私の顔が変わるわけではないし、イメージに影響するわけでもない」と話しており、いつか結婚が同性婚だからという理由で騒がれるのではなくなってほしいとも話しています。

とても素敵で幸せそうなカップルですね!
デレ・ダン選手は「何も包み隠すことなくやっていこうと決めました」とインタビューで話しているそうです。
リオ五輪に出場したアメリカ代表のバスケットボールチームにはデレ・ダン選手の他にLGBTであることを公表している選手が3名います。
現在はLGBTというと、どうしても特別なこととして報道されがちです。しかし、著名人のカミングアウトや幸せな報告はLGBT当事者にとって勇気になるはず。今はまだ特別なこととして報道されますが、こうした発表が増えていくことで、いつしかそれが特別ではないこととして世界に浸透していくといいなと思いました!

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こあせんせー
早稲田大学法学部卒のストレートアライ。
時事ネタ、法律関係が得意。趣味は将棋とモノポリー。

リオ五輪LGBT選手の47%がメダルを獲得!!

熱い戦いが繰り広げられたリオオリンピックがついに閉幕!
リオオリンピックではセクシュアリティをオープンにするLGBT選手が53名とオリンピック史上最多となりました。
さらに53名中、25名がメダルを獲得。うち10名は金メダル獲得と大活躍でした!
今回は金メダルを獲得した10名を紹介します。

金メダルを獲得したLGBTであることをオープンにする選手たち

ニコラ・アダムズ

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出典:googleリオオリンピック2016

イギリス/ボクシング女子フライ51㎏級
バイセクシュアルであることをオープンにしています。

ヘレン・リチャードソン・ウォルシュ
ケイト・リチャードソン・ウォルシュ
スザンナ・タウンゼント

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ヘレン・リチャードソン・ウォルシュ選手 出典:googleリオオリンピック2016

イギリス/女子ホッケー
ヘレン・リチャードソン・ウォルシュ選手とケイト・リチャードソン・ウォルシュ選手は同性カップルであり、チームメイトでもあります。また、スザンナ・タウンゼント選手はガールフレンドがいることをオープンにしています。

ラファエラ・シルバ

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出典:googleリオオリンピック2016

ブラジル/柔道女子57kg級
同棲中の彼女がいることをインタビューで語っています。

サイモン・オーガスタス
エレナ・デレ・ダン
ブリトニー・グリナー
エンジェル・マコートリー

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サイモン・オーガスタス選手 出典:googleリオオリンピック2016

アメリカ合衆国/バスケットボール
北京オリンピックでも金メダリストとなったオーガスタス選手は現在は同性婚しています。
グリナー選手はレズビアンであることを公言しています。
マコートリー選手はインスタグラムで同性の婚約者とのツーショットを公開し、カミングアウトしました。

キャスター・セメンヤ

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出典:googleリオオリンピック2016

南アフリカ/女子800m
かつては男性疑惑もあったセメンヤ選手。国際陸上競技連盟(IAAF)の調査により、卵巣がなく精巣があるという両性具有であることがわかりました。2015年には同性婚をしています。

五輪憲章に「性的指向による差別禁止」が盛り込まれることになり、東京オリンピックではさらにセクシュアリティをオープンにする選手が増えるのではないかと言われています。
性的指向による差別をしないオリンピックにするためには、アライの存在が欠かせません。日本もオリンピックを機にLGBTへの知識、理解が深まることが期待されています。

こあせんせーはスポーツが大好きなので2020年の東京オリンピックがとても楽しみです!
今よりもっと、人種・国籍・セクシュアリティ…あらゆる個性を尊重する日本になっていてほしいものです!

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こあせんせー
早稲田大学法学部卒のストレートアライ。
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セクシュアリティをオープンにするリオ五輪選手たち

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Tom Bosworth twitter @TomBosworth より

リオオリンピックではセクシュアリティをオープンにして活躍する選手が過去最多となりました。
開催中にプロポーズするカップルなども話題になりましたよね。今回はそんなLGBT当事者である出場選手を紹介します!

アリ=ペッカ・リウッコネン (フィンランドの水泳選手)
彼は50メートル自由形のフィンランド記録を持ち、2012年のロンドンオリンピックにも参加しました。彼はロシアのLGBTQコミュニティーが直面している恐ろしい状況を見て、世間の注意をひくように、2014年のソチオリンピック前にゲイであることをカミングアウトしました。「カミングアウトは私にとってゆっくりとした長いプロセスであったが(中略)ついに本当の自分自身でいられるようになり、本当に最高の気分だ」とフィンランド国営放送で語りました。
出場種目:男子100メートル自由形、男子50メートル自由形

カール・ヘスター (イギリスの馬術選手)
リオオリンピックは彼にとって5回目のオリンピックです。ロンドンオリンピックでは個人と団体の馬場馬術に出場し、団体金メダルを獲得しました。比較的前からゲイであることを公表して活動しています。
出場種目:馬場馬術個人、馬場馬術団体(銀メダル獲得!)

キャロライン・シーガー (スウェーデンのサッカー選手)
シーガーは、スウェーデンのミッドフィールダーです。彼女は3度のワールドカップに出場し、2008年と2012年のオリンピックでもスウェーデン代表として出場しています。2013年にカミングアウトしました。
出場種目:女子サッカー

ヘドウィック・ヘンダール (スウェーデンのサッカー選手)
彼女は、スウェーデンのゴールキーパーで、スウェーデンの年間最優秀ゴールキーパー賞を3度受賞しています。また2015年ワールドカップにも出場しています。2011年に女性パートナーと結婚し、子供もいます。
出場種目:女子サッカー

リサ・ダールクヴィスト (スウェーデンのサッカー選手)
彼女もスウェーデンのサッカー選手で、ポジションはミッドフィールダー。2回のワールドカップに出場し、ロンドンオリンピックにも出場しています。
出場種目:女子サッカー

ニラ・フィッシャー (スウェーデンのサッカー選手)
フィッシャーはスウェーデン代表チームのセンターバックで、2013年に彼女の女性パートナーと結婚しました。
出場種目:女子サッカー

ミシェル・ヘイマン (オーストラリアのサッカー選手)
ヘイマンはキャンベラ・ユナイテッド所属のストライカーで、リオは彼女にとって最初に出場するオリンピックです。彼女はカミングアウトについて、自分にとってはすごく単純で大した問題ではなかったと書いています。「私は両親にカミングアウトした日から、すごく気持ちがすっきりしています。自分が何者であるかをもう隠す必要がなく、カミングアウトはより一層自分に自信をもたらすと思う」
出場種目:女子サッカー

ロバート・マンソン (ニュージーランドのボート選手)
マンソンは、2012年のオリンピックに出場し、2015年の世界選手権で銅メダルを獲得しました。
彼は彼の人生に関する、力強いエッセイを書き、アウトスポーツに対してカミングアウトをことに決めました。
出場種目:男子ダブルスカル

サイモン・オーガスタス (アメリカのバスケットボール選手)
オーガスタスは2006年WNBAドラフトの全体1位指名でミネソタ・リンクスに入団。北京オリンピックと、ロンドンオリンピックで金メダルを獲得しました。彼女は昨年ハワイで女性パートナーと結婚しています。
出場種目:女子バスケットボール

トム・ボスワース (イギリスの陸上選手)
ボスワースは20キロ競歩に出場し、これが初めてのオリンピックです。彼は昨年ゲイであることをカミングアウトしています。
出場種目:男子20キロ競歩(惜しくも6位!)

トーマス・デーリー (イギリスの飛込競技選手)
デーリーはロンドンオリンピックで銅メダルを獲得しました。彼はアカデミー賞を獲得したこともある脚本家のダンスティン・ランス・ブラックと2015年に婚約を発表しています
出場種目:男子10メートルシンクロ高飛込(銅メダル獲得!)
エドワード・ガル (オランダの馬術競技選手)
ガルは、チーム馬場馬術、ならびに2010年の世界選手権でホーム多数の金メダルを取りました。また2012年ロンドンオリンピックで銅メダルを獲得しました。彼とチームメイトのハンス・ペーターとは数年の付き合いです。
出場種目:馬場馬術個人、馬場馬術団体

マールチュ・パウメン (オランダのフィールドホッケー選手)
彼女は長年に渡ってオランダ代表ホッケーチームのメンバーに選ばれています。北京とロンドンでオリンピック金メダルを取っいます。彼女はトップオリンピックスコアラーの一人で、北京、ロンドン五輪の両方で14ゴールを記録しています。
出場種目:女子ホッケー

カルリアン・ディルクス・ファン・デン・フーヴェル (オランダのフィールドホッケー選手)
彼女は2012年のロンドンオリンピックで2ゴールを決め、金メダル獲得に貢献しました。
出場種目:女子ホッケー

ミーガン・ラピノー (アメリカのサッカー選手)
ラピノーはアメリカのシアトル・レインFCのミッドフィルダーです。彼女は2012年のオリンピックとワールドカップに出場していて、オリンピックでのコーナーキックからの直接ゴールは有名ですね。
出場種目:女子サッカー

マイッサ・ペソア (ブラジルのハンドボール選手)
ペソアはロンドンオリンピックでレズビアンであることをカミングアウトしました。
彼女はモデルのニッキ―と婚約しています。
出場種目:女子ハンドボール

ハンス・ペーター・ミンデルフート (オランダの馬術選手)
ミンデルフートは2008年の北京オリンピックでチーム馬場馬術で銀メダルを取りました。またケンタッキーの世界選手権で金メダルをとりました。

ニコラ・アダムズ (イギリスのボクシング選手)
アダムズはカザフスタンでタイのピェンウィライ・ラオピェムを破って以来、フライ級の世界チャンピオンです。2012年のロンドン大会では金メダルを獲得しており、今回はその防衛戦となります。バイセクシュアルであることをカミングアウトしています。
出場種目:女子ボクシング

ラリッサフランカ (ブラジルのビーチバレー選手)
フランカは、2012年のロンドンオリンピックで銅メダルを獲得し、2度アメリカ大陸選手権のタイトルを獲得しました。彼女は2013年にリリマエストリニと結婚しました。
出場種目:ビーチバレー(おしくも4位)

ブリトニー・グリナー (アメリカのバスケットボール選手)
グリナーは現在、フェニックス・マーキュリーのセンターとして活躍していて、WNBAの年間優秀ディフェンスプレイヤーに2度選ばれました。彼女は2013年にカミングアウトしています。
出場種目:女子バスケットボール

ステファニー・ラベー (カナダのサッカー選手)
ラベーは、カナダのナショナルチームのためにゴールキーパーだけでなく、ワシントン・スピリットにも所属しています。彼女は2度のワールドカップおよび多数の他の試合でカナダ代表として出場しております。
出場種目:女子サッカー

アレクサンドラ・ラクラベーラ (フランスのハンドボール選手)
リオは彼女にとって3回目のオリンピックになります。2011年世界選手権で銀メダルを獲得したとき、フランス代表ハンドボールチームで出場。彼女はロンドン五輪の前にカミングアウトしました。
出場種目:女子ハンドボール

イアン・マトス (ブラジルの飛込競技選手)
マトスは2011年アメリカ大陸選手権に出場し、4位になりました。彼はまた、アメリカのワールドツアーイベント中に2012年に銅メダルを獲得しました。マトスは2014年にゲイであることをカミングアウトしました。
出場種目:男子3メートルシンクロ板飛び込み(8位入賞)

エンジェル・マコートリー (アメリカのバスケットボール選手)
マコートリーはWNBAでアトランタ・ドリームで活躍しています。彼女は2度の WNBAの得点王のタイトルを獲得しており、ブランデ・エリーゼさんと結婚しています
出場種目:女子バスケットボール

マリー・イブ・ノールト (カナダのサッカー選手)
ノールトはカナダが銅メダルを獲得した2度のワールドカップと2012年オリンピックでのカナダ代表のディフェンダーとして出場しています。彼女は7歳からサッカーを続けています。
出場種目:女子サッカー

アシュリー・ニー (アメリカのカヌー選手)
ニーは、2015年のアメリカ大陸選手権で銅メダルを獲得しました。リオは彼女の最初のオリンピックになります。彼女は2008年の北京オリンピックの前に肩の負傷に苦しみ、ちょうど2012年オリンピックは予選を勝ち抜くことができませんでした。彼女の妻、アシュリーマクエワンは、彼女のオリンピックの夢を追いかけ続けるように説得しました。そして今回の初出場につながりました。
出場種目:女子カヤック

ヘレン・リチャードソン・ウォルシュ (イギリスのフィールドホッケー)
リチャードソン・ウォルシュは3度オリンピックでのMFとして出場し、3度世界オールスターチームに国際ホッケー連盟から選ばれました。彼女の妻ケイトはフィールドホッケーのチームメイトでもあり、2013年結婚して、一緒にリオに出場します。
出場種目:女子ホッケー

ケイト・リチャードソン・ウォルシュ (イギリスのホッケー選手)
リチャードソン・ウォルシュは、彼女の四度目のオリンピック出場することになります。彼女は2003年からチームのキャプテンとなって、2007年以来のイギリスのホッケー選手です。
出場種目:女子ホッケー

スザンナ・タウンゼント (イギリスのホッケー選手)
タウンゼントは、2008年のオリンピック以来、国際大会に出場し続けています。 2014年に、彼女は今年のホッケー記者クラブが選ぶ、その年の女子プレーヤーに選ばれました。彼女とそのガールフレンド、チェンバレンは、いくつかの大会で対戦しています。
出場種目:女子ホッケー

ジェフリー・ヴァメス (オランダの体操選手)
ヴァメスは2005年から大会に出場していて、2008年のワールドカップで銀メダルを獲得しました。リオは彼の最初のオリンピックになります。彼は2011年にカミングアウトしました。
出場種目:体操各種目

スペンサー・ウィルトン (イギリスの馬術競技選手)
彼は1999年に最初の馬場馬術の国内タイトルを獲得しました。13度の国内タイトルを獲得してきた一方で、リオは彼にとって最初のオリンピックです。
出場種目:馬場馬術個人、馬場馬術団体(銀メダル獲得)

ケイティ・ダンカン (ニュージーランドのサッカー選手)
ダンカンは3度のワールドカップに出場し、北京とロンドンオリンピックにも出場しました。彼女は2015年にプリシラと結婚しました。
出場種目:女子サッカー(予選敗退)

ナディーネ・ミュラー (ドイツの円盤投げ選手)
ミュラーは10代のころから競技を続けています。彼女は2011年世界選手権で銀メダルを獲得し、2015年には銅メダルを獲得しました。ロンドンオリンピックにも出場しました。彼女は2013年に大晦日に彼女の妻と結婚しました。
出場種目:女子円盤投げ(6位入賞)

ケリー・グリフィン(アメリカのラグビー選手)
グリフィンは2013年ラグビーワールドカップで銅メダルを獲得し、2015年のアメリカ大陸選手権ではで銀メダルを獲得しました。彼女は妻からのサポートを信頼しています。
出場種目:女子ラグビー

メラニー・エニック (フランスの水泳選手)
エニックは50メートルバタフライで2011年世界選手権で銅メダルを獲得しました。 彼女はレズビアンであることをカミングアウトしています。
出場種目:女子50メートル自由形(予選敗退)

ジリオン・ポッター (アメリカのラグビー選手)
ポッターは癌を克服した後、2016年のオリンピックで注目を浴びています。彼女は決して希望を失わないために、彼女の妻、キャロルファブリツィオと共に生きています。
出場種目:女子ラグビー
エレナ・デレ・ダン (アメリカのバスケットボール選手)
ダンは3回WNBAオールスタースターターであり、2015年WNBA MVPに選ばれました。彼女は現在、シカゴ・スカイでプレーしています。彼女は、ヴォーグの8月号でカミングアウトし、アマンダ・クリフトンと結婚しています。

アミニ・フォヌア (トンガの水泳選手)
フォヌアはロンドンオリンピックでトンガの旗手を務めました。リオでは男子100メートル平泳ぎに出場しました。
出場種目:男子100メートル平泳ぎ

イサドラ・セルーロ (ブラジルのラグビー選手)
セルーロは2015年のアメリカ大陸選手権で銅メダルを獲得しました。リオは彼女にとって最初のオリンピックです。 2016年のオリンピックで彼女の最後の試合の後、彼女のパートナー、マージョリーエンヤにプロポーズしました。
出場種目:女子7人制ラグビー

ラファエラ・シルバ (ブラジルの柔道選手)
シルバは、2012年ロンドンオリンピックで一旦は技ありと判断されましたが、足をつかんでかけた技と判断され反則負けになりました。地元リオはで金メダルを獲得しました。
出場種目:女子柔道57キロ級(金メダル!!!)

日々熱い戦いがくり広げられたリオオリンピックもついに閉幕!
リオではLGBT当事者である出場者が過去最多であることも話題になりました。東京オリンピックではさらに自らのセクシュアリティをオープンにして出場する選手が増えるのではないかと言われています。

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ゲイ出会い系アプリでリオ五輪選手のプライバシー侵害

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アメリカのWEBニュースサイト「THE DAILY BEAST」が、リオオリンピック出場選手のプライバシーを侵害しアウティングに近い記事を公開したとして問題になりました。

問題となった記事は、「『オリンピックの選手村が出会いの温床である』という実態を探るために、記者がゲイの出会い系アプリを実際に使って調査をした」という内容です。

記事には、grinderという人気アプリを使って「登録して1時間で3件のデートの約束が取れた」と書かれていました。
さらに、grinderで出会ったリオオリンピックに出場する男性選手たちの、国籍や身体の特徴などが詳細に書かれていました。誰であるかが特定されかねないような内容であったため、プライバシーの侵害でありアウティングになりかねない記事だとして大きな問題になりました。

THE DAILY BEAST誌は、該当記事を削除した上で、謝罪しました。
編集長のアバロン氏は以下のように謝罪しています。
「記者にアウティングの意図はなかった。しかし国によってはゲイであることが安全性を脅かされる懸念さえある。我々は彼らの安全性を脅かす可能性が少しでもあったことについて謝罪する」

また、プロフェッショナルジャーナリスト協会は今回の記事について以下のように批判しています。
「この記事によって悪影響を受けたアスリートに対しても謝罪するべき。このような記事を書くメディアは、現代メディア組織においてその居場所はない」

こあせんせーもスポーツは大好きなので、日々オリンピックを見ておりますが非常に残念なニュースですね。
この件に関しては①スポーツメディアの在り方の問題(選手のことを何でも記事にして良いのか?)と、②記者のLGBT当事者がおかれている状況への認識のなさの問題があると思います。
特に②については、現在でも同性愛が違法とされる国は70国程あり、同性愛者だと知られることは命の危険性さえあります。このような事実がまだまだ知られていないのだなぁと実感するところであります。
つい先日もアメリカのゲイクラブで49人が射殺されたばかりだというのに…。

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台湾、同性婚が合法化へ

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台湾で、同性婚を合法化する法案が早ければ年内にも立法院(国会)に提案される見通しです。成立すればアジア初となります。

台湾はLGBTへの対応が最も進んでいる

台湾は、LGBT(セクシュアルマイノリティ/性的少数者)への権利擁護ではアジアで最も進んでいると言われています。
実際に台北の街では同性で手をつないで楽しそうに歩くカップルをたくさんいます。周囲の人たちも気にとめる様子はありません。
2006年4月に台湾の女性団体が6,439人を対象にした調査では、75%の人々が同性間のリレーションシップに対して「認める」と回答し、早くから同性カップルに対して寛容なムードがあります。
職場や学校での性的指向に基づく差別は禁じられ、台北や高雄など主要都市では法的拘束力はないものの同性カップルをパートナーと認める取り組みが始まっています。

このように理解が広がっている背景には台湾の歴史が関わっています。

台湾では、第二次大戦後、中国大陸からやって来た国民党政府が長らく戒厳令を敷き、無実の罪で投獄される人が相次ぐ暗い時代が続きました。

今年5月に女性として初めて台湾総統に就任した蔡英文氏が属する民主進歩党(民進党)は、1986年に国民党に対する抵抗勢力として誕生しました。

LGBT政策は自由と人権、多様な価値観を尊重する「民主化後の台湾社会」を象徴する政治的課題であり、台湾の主体性を重視する立場からすれば、人権抑圧が続く中国との違いを明確に打ち出せるテーマでもあります。

蔡英文氏は、自身のフェイスブックで「愛の前には誰もが平等、私は婚姻の平等の権利を支持します」と同性婚支持を明確にしています。

同性婚を合法化する法案は2013年にも立法院に提出されましたが、委員会レベルで挫折しています。
しかし、今年1月に民進党が選挙で立法院の定数113のうち68議席を獲得し初めて過半数を制しました。LGBT支援を掲げる新党「時代力量」も5議席を得ており、同性婚の合法化が進むとみられています。

改正法案には、同性のカップルを結婚したカップルとして登録することや、財産や不動産の相続、代理親契約などの権利を明記することが検討されています。

同性婚への支持の高まりは世論調査にも表れている

台湾の司法省がインターネットを通じて昨年実施した世論調査では、同性婚の合法化を支持するという回答が71%に上り、それまでの調査よりもさらに増えました。

台湾のマクドナルドは若い男性が自分の父親にカミングアウトするCMを流しました。宗教団体からの反発はありましたが、世論調査では好感度は高く、3月4日にYoutubeに投稿されて以来、支持は9,600件、不支持は600件にとどまっています。

日本からも近い台湾でこのような動きが起こっていることは大変興味深いですね。もちろん政治的な思惑が大きくからんでいるのですが、ぜひ合法化して欲しいと思います。

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同性愛者に傷害を加えることは許されない(エジプト)

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エジプトの大ムフティー(スンナ派のイスラム教国におけるイスラーム法に関わる官吏の最高位者に対する称号)アッラーム氏が、『同性愛者に傷害を加えることはたとえイスラム教の教えで同性愛が禁じられているとしても、受け入れられることではない』との見解を表明しました。

エジプトの大ムフティは宗教上の地位も大変高く、宗教法についての意見を決定する際に重要な役割を果たしています。
2013年に大ムフティーとなったアッラーム氏は、その穏健な思考で知られています。今回の同氏の同性愛についてのコメントは、エジプトの他の宗教権威者とはまったく対照的なものです。

アッラーム氏のインタビューは、エジプトで同性愛社会に対する取締まりの最中に行わました。この取締りを受けて国内の同性愛者らは、逮捕されたり襲撃に遭ったりするのを恐れて身分を隠すなどして対処しています。

LGBT活動家らは、増加傾向にある同性愛やトランスジェンダーだと思われる人々をねらった不当逮捕に対する懸念を訴えています。このような無差別逮捕のなかには、友人の誕生日を祝っていた7人のトランスジェンダーの人々(2015年2月)や、売春を疑われた11人の同性愛者(同年9月)などが含まれています。またエジプトでは同性間の性行為を淫行の罪として収監しているという事実もあり、国際社会からも懸念される事態になっています。

インタビューで大ムフティーは、49人が犠牲になった米国フロリダ州オーランドの襲撃事件を非難。
誰一人として『同性愛者を傷つけたり、(イスラム教の教えを)自ら行動に移したりする』権利はもっていないと強調しました。また、同性愛を禁じる一方で同性愛者であっても平等に扱われるべきだと主張していると指摘しました。

エジプトには、同性愛を禁じる明文規定はありません。しかし、2012年にエジプトの外交官が同性愛者は実在しない人間であるというような発言をしたり、2013年のピュー研究所の研究では、調査対象となったエジプトの人々の95%は、同性愛は排除されるべきだと信じていることが明らかになっています。
また「個人的権利のためのエジプト戦略(Egyptian Initiative for Personal Rights)」によると、過去数年において、警察はエジプトのLGBT社会でよく使われているウェブサイトやSNSを監視していると言います。
監視対象にはゲイの男性向けのデートアプリである「グラインダー」も含まれており、警察は偽のアカウントを作成して個人を摘発するのに利用しているといいます。

ある同性愛者の男性は匿名で「自分の態度や言動につねに注意していなければならない。服装も、他人に対する反応も」と話し、「私はいつでも、会う人が誰しも政府のスパイでいつか逮捕されるのではないかと心配している」と不安げな声をもらしました。

アフリカは場所によっては同性愛者は死刑される国もあるなど、大変LGBTに関する権利が制限されている地域です。またイスラム教を信仰している人・地域も多く、その教えに則って、同性愛が禁止されている地域がたくさんあります。そのなかにあって、エジプトという比較的政治的・宗教的影響力のある国の宗教指導者が、今回のようなコメント出したことは大変意義深いことだと思います。これをきっかけに少しずつ良い方向に動きだすといいですね。

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時事ネタ、法律関係が得意。趣味は将棋とモノポリー。

米民主党大会、LGBT権利拡大が前面に

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アメリカ合衆国で行われている大統領選挙では、LGBTに関する方針も注目されています。

米民主党は当地で開催中の全国大会で、LGBT(セクシュアルマイノリティ/性的少数者)の権利拡大を前面に押し出しています。
大会で採択された党綱領は、昨年の連邦最高裁判決で同性婚が全米で合法化されたことを称賛。綱領で男女間の伝統的な結婚の枠組みを明確に支持していた2004年と比べ、民主党の価値観がこの10年余りで急激に世俗化・左傾化したことを物語るものだと言われています。

米政治専門誌コングレッショナル・クオータリーによると、党大会に参加する各州の代議員のうちLGBTが占める割合は、2008年が5.8%、12年が7.8%と増加傾向にあり、今回さらにこれを更新するとみられています。実際、党大会ではLGBTを象徴するレインボーのバッジなどを身に着けた代議員の姿が目立っています。LGBTの権利拡大は今や民主党の看板政策の一つと言っても過言ではありません。

また民主党内でLGBT勢力が盛り上がっているのは、大統領候補に正式指名されたヒラリー・クリントン前国務長官がオバマ大統領と同様にLGBT擁護に極めて熱心だからです。国務長官時代、国際的なLGBT擁護を「米外交の優先課題」に位置付けて取り組んだ経緯があります。

数年前に同性愛者であることを公表して注目を集めた元プロバスケットボール選手、ジェイソン・コリンズ氏は、LGBTコーカスでの演説で「クリントン氏はLGBTコミュニティーの同盟者だ。彼女が大統領になれば、オバマ大統領と同じようにホワイトハウスに友人を持つことになる」と強調しました。

民主党がLGBTの権利拡大を前面に押し出すのは、多様で開かれた政党のイメージをアピールできるとともに、共和党への攻撃材料にもなるからだと言われています。米国民の多くが同性婚に反対していた時代は、共和党が民主党を攻撃する立場にありました。しかし、同性婚が合法化され国民の抵抗感も薄れてきた今、攻守が完全に入れ替わってしまっています。

民主党大会で、特に攻撃の標的となっているのが、同性婚合法化で脅かされる信教の自由を守ろうとした共和党の副大統領候補マイク・ペンス・インディアナ州知事です。大会初日に演説した民主党の有力者エリザベス・ウォーレン上院議員は、ペンス氏を「同性愛者への差別を合法化しようとしたことで有名」と批判しています。

アメリカではオバマ大統領が2013年に同性婚を支持する発言をし、2015年に連邦として合法化しました。民主党大統領候補に指名されたヒラリー上院議員もこれを支持する考えです。一方で共和党大統領候補のトランプ氏もLGBTの権利向上に賛成の立場ですが、副大統領候補のペンス・インディアナ州知事は反対の立場を取っており、この対立はLGBT関連の政策を重視する人々の投票行動に影響を与えるでしょう。アメリカは影響力が大きいので、注視していきたいですね。

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こあせんせー
早稲田大学法学部卒のストレートアライ。
時事ネタ、法律関係が得意。趣味は将棋とモノポリー。