LGBTの住みやすさは地域格差あり?

現在ではテレビや本などのメディアなどにも取りあげられてLGBTの存在に目を向けられることも多くなってきました。
以前よりも注目されることで、多様な生き方を受け入れる世の中に変わってきたように感じます。

しかし、イベントや交流の場は都会にだけ多く存在し、地方のLGBTにはそういった機会が圧倒的に少ないです。そういった環境の違いが、LGBTの地域間格差を生み出しています。

都会は人とつながれる機会がある

都会ではコミュ二ティや人が多く存在していて、LGBT同士で簡単につながることができます。
また、情報も豊富にありふれていて当事者とも支援者とも関わりを持つことができます。「一人じゃない」と感じることができるのです。
自分の居場所や共同体を容易に見つけて、選択することまでできるのです。

NEXT ページ
→地方のLGBTは孤立しがち?

マライアキャリー、LGBT団体のアライ賞を受賞

2016年5月14日、メディアを中心にLGBTへの理解を促す団体「GLAAD」によってニューヨークで開催されたセレモニーで、マライアキャリーがアライ賞を受賞し、スピーチを披露しました。

アライとは、LGBTを理解し、支援する人たちのことを指します。

マライア・キャリーはスピーチでLGBTQのそれぞれの意味をこう説明しました。
「LGBTQはね、Legendary(伝説的な)のL、Gorgeous(ゴージャス)のG、Beautiful(ビューティフル)のB、Tantalizing(たまらなくセクシーな)のT、そしてQuality(気品ある)のQなの」

海外では著名人がLGBTであることやアライであることをオープンにすることは珍しくありません。
こういった著名人の活動が、LGBT当事者に勇気を与えるといったポジティブな効果もあります。

LGBTとの出会いで世界が広がった。LGBT当事者orLGBTアライによるレポート シリーズ

45ecc1eb7862661abf1eecd4b202cc4f_s

LGBT当事者もしくはアライによる「セクシュアリティ」に関するレポートを紹介するシリーズ。
今回はTOKYO RAINBOW PRIDEでLGBTという言葉と出会ったという方のレポートです。

LGBTとの出会いで世界が広がった

私がLGBTという言葉を知るきっかけは「RENT」というミュージカル作品でした。

この作品には1組のゲイカップルがと1組のレズビアンカップルが登場します。物語の中で彼らは、差別や偏見に負けずに自由な愛にあふれた生活をし、彼らの友人たちはごく自然に彼らを受け入れている、性別による壁のない愛や友情を描いた物語です。

舞台鑑賞が趣味である私は、この作品も是非観たいと調べていたところ、とあるイベントにてチケットが販売されることを知りました。

そのイベントが、LGBT関連イベントであるTOKYO RAINBOW PRIDEでした。

私はチケットを買いにイベントへ行き、LGBTという言葉とその存在を知りました。
当初の目的はチケットだったものの、イベントに参加することで、LGBTに、そしてこのイベントに参加する人たちに非常に関心を持ちました。

イベントでの光景は、一生忘れないと思います。そこにいる全ての人が楽しそうで、自由で、美しく輝いていました。
私とLGBTという言葉の出会いは、長くない人生の中でかなりの衝撃的な出来事でした。

今年も私はTOKYO RAINBOW PRIDEに足を運び、虹色の空間で様々な人と写真を撮ったり、楽しい時間をすごしました。

私は、知るきっかけはなんでもよい、LGBTを知ってもらいたいと思っています。
知って、話をし、触れ合うことで、本当に全ての人が自由に輝ける、虹色の社会が見えてくれるのだと感じています。

LGBTのトーク番組が台湾で誕生

ta1

LGBTのトーク番組が台湾で開始

LGBT当事者たちが恋愛や結婚、ストレートとの関わり方について語り合う、世界初のLGBT番組「TA們說」が台湾から発信されました。

記念すべき第1回目の放送は8月18日。動画サイト「Youtube」で公開されました。

TA們說

「TA們說」の発案者は台湾の有名マルチタレントである曲家瑞さん。

LGBTの視点に立っていろいろな意見を出すことで人々の理解を深めたいと考え、この企画を提案しました。

テレビ番組での放送は実現できなかったようですが、youtubeで公開となりました。

第1回のテーマは家族について。
「LGBT
当事者の家庭の築き方」「同性カップルが子供を持つならどういった形で持つか」や、人工授精が認められていないなど社会的な壁についても深く話し合われました。

8月25日公開の第2回では、LGBT当事者とストレート(LGBT非当事者)の友情や、関わり方」について考えました。この回では日本人の女優・大久保麻里子さんもゲストとして登場し、エピソードトークなどを行いました。

台湾はアジア随一の
LGBTフレンドリー国

世界初のLGBTトーク番組が誕生した台湾は、アジアで随一のLGBTフレンドリー国として知られています。

台北では「ウォーク・イン・クィアズ・シューズ」と題されたLGBTパレードが毎年行われており、その動員規模は7万人にも及ぶとのこと。これは、東京の約5倍に相当する数で、台北の人口が約260万人、東京23区人口が910万人であることも考慮すると大変大規模なパレードを行っているということになります。

パレードの規模が単純にその地域のLGBTフレンドリー度を表すわけではありませんが、それだけ関心を持っている人の割合が高いという指標にはなり得ます。

https://youtu.be/d8-oor6U6TA?t=6s

また、台湾は今年5月に同性婚支持の総統が就任。

LGBT支援を掲げる新党「時代力量」も1月の選挙で5つの議席を獲得し、議会での発言権を確実に強めました。
同性婚を合法化する法律も年内には提出される見通しです。このように、台湾国内のLGBT支援は着々と進んでいると言えるでしょう。

こあせんせーは残念ながら中国語はわからないのですが、「TA們說」はゲームコーナーがあったりと明るいバラエティ番組のようです。
LGBT非当事者にとっても親しみやすい雰囲気なのではないでしょうか。

TA們說、加油!
(↑加油は中国語でがんばれ!の意味らしいです!)

koasenseこあせんせー

 

この記事を書いた人

koasenseicon
こあせんせー
早稲田大学法学部卒のストレートアライ。
時事ネタ、法律関係が得意。趣味は将棋とモノポリー。

LGBTイベント 3選 9/5~9/11

lgbtevent

こんにちはnijipi編集部です!
今週は9/11(日)までの全国LGBTイベント情報をピックアップします!

[東京]LGBT講座

Cp-h4B_VMAAPkDH

セクシュアル・マイノリティ理解をするための全2回の講座1回目。
自分らしく生きられる社会について考える機会に。
1回目はLGBTの基本的な知識と多様性について理解を深める内容になっています。

LGBT講座
開催日:9月10日(土)
開催時間:14:00~16:00
開催場所・会場:東京日野市中央公民館
東京都日野市日野本町7丁目5番地の23
http://kouminkan-city-hino-tokyo.jp/
入場料:無料
URL:https://twitter.com/nijiiro_tongzhi/status/765508449513811974

[埼玉]LGBT・交流会・越谷

lgbtkoshigaya

越谷市男女共同参画支援センターの登録団体、「LGBT越谷十人十彩」が主催する交流会です。
今回は「仕事」「就活」がテーマ。
LGBTにとって働き辛いこととは?就活はどのような想いで取り組むか?アライはどう接すればいいか?などです。

LGBT・交流会・越谷
開催日:9月11日(日)
開催時間:13:30~16:00
開催場所・会場:
越谷市男女共同参画支援センター
URL:https://twitter.com/koshigaya_toiro

[三重]三重レインボーフェスタ

d74e9a_c88945e1e5f044b49eed7208d7942705-mv2

三重県伊勢市で開催されるLGBTイベント。
9月11日のメインイベントでは、パフォーマンスやライブなどが行われます。
9月10日には虹色の竹あかりが灯るイベントも。

三重レインボーフェスタ
開催日:9月10日(土)~9月11日(日)
開催時間:9月10日は18:00~21:00、9月11日は13:00~17:00
開催場所・会場:伊勢シティプラザ
URL:https://twitter.com/mieken_RF

三重レインボーフェスタで行われる、竹あかりイベント素敵ですね~(^^)♪
その他のイベントもカレンダーにまとめ中です!
LGBTイベントカレンダー

tommietommie

 

この記事を書いた人

tommieicon
tommie
関西外国語大学卒、LGBTアライ。
nijipi編集長。イベント&エンタメ系担当。趣味はアイドルのおっかけ。

子供からのカミングアウト90%が「受け入れる」

aca3f4703a399a4dfa61a8dba443f7f2_s

子供からのカミングアウト90%が「受け入れる」

「LGBTマーケティングラボ」が日本全国の子どもがいる男女を対象に、「もし子どもからLGBTのカミングアウトを受けたら?」という調査を行いました。(2016年8月8日〜8月11日のインターネット調査。調査対象は30~59歳の男性 285名、女性281名の計566名)

この結果、全体の90%近くの親が「子供がLGBTであることを受け入れる」と回答。
内訳としては「受け入れたくないが、しょうがないので受け入れる」が 38.9%、「時間をかければ受け入れられる」が27%、「驚くがすぐに受け入れる」が18.4%、「好意的に受け入れる」が4.9%となりました。
一方で、「断固として受け入れられない 」は10.8%となりました。

LGBTの知識がある親は「受け入れる」

「受け入れる」と回答した理由については、「親の意思で変わるわけではないから」が61.2%と最も多く、次いで「ニュースなどで色々なセクシュアリティがあると知っているから」が 42.6%、という結果になりました。

この結果から、受け入れると回答した親の多くが、LGBTの知識があることが伺えます。

「受け入れたくない」と回答した理由で最も多かったのは「この先苦労しそうだから」が50.8%。子供の将来を心配していることが理由でした。

次いで多かったのは、「恥ずべきことだと思うから」29.5%、「気持ち悪いから」26.2%、「病気だと思っているから」21.3%となりました。

この結果から、受け入れたくないと回答する親の約半数はLGBTの知識がなく、偏見を持っていることが伺えます。

これらの結果から、親にカミングアウトした際の反応は、親のLGBTへの知識が左右することがわかりました。

「カミングアウトした相手」は親よりも友人が多い結果に

NHKが2015年に行ったLGBT当事者へのアンケートにおいて「カミングアウトした相手」の質問に対する回答では、「家族」が51.2%であるのに対し、「LGBTではない友人」が82.6%、「LGBTの友人」が78.8%という結果になりました。
この結果から、家族へのカミングアウトはLGBT当事者にとってハードルが高いことがわかりました。

昨今では様々なメディアでLGBTを知る機会があり、LGBTに理解ある人も増えてきました。しかしまだまだ偏見もあります。
LGBTをアイデンティティとして誰もが受け入れる。そんな社会になれば親へのカミングアウトに悩む当事者も少なくなるのではないでしょうか。
やはりそのためにもアライの存在は不可欠ですね。こあせんせーも自分にももっとできることがあるのではないか、改めてそう思いました。

koasenseこあせんせー

 

この記事を書いた人

koasenseicon
こあせんせー
早稲田大学法学部卒のストレートアライ。
時事ネタ、法律関係が得意。趣味は将棋とモノポリー。

リオ五輪LGBT選手の47%がメダルを獲得!!

熱い戦いが繰り広げられたリオオリンピックがついに閉幕!
リオオリンピックではセクシュアリティをオープンにするLGBT選手が53名とオリンピック史上最多となりました。
さらに53名中、25名がメダルを獲得。うち10名は金メダル獲得と大活躍でした!
今回は金メダルを獲得した10名を紹介します。

金メダルを獲得したLGBTであることをオープンにする選手たち

ニコラ・アダムズ

RIOEC8I1C8ILG_768x432
出典:googleリオオリンピック2016

イギリス/ボクシング女子フライ51㎏級
バイセクシュアルであることをオープンにしています。

ヘレン・リチャードソン・ウォルシュ
ケイト・リチャードソン・ウォルシュ
スザンナ・タウンゼント

MTZSPDEC77XCFNWD_768x432
ヘレン・リチャードソン・ウォルシュ選手 出典:googleリオオリンピック2016

イギリス/女子ホッケー
ヘレン・リチャードソン・ウォルシュ選手とケイト・リチャードソン・ウォルシュ選手は同性カップルであり、チームメイトでもあります。また、スザンナ・タウンゼント選手はガールフレンドがいることをオープンにしています。

ラファエラ・シルバ

RIOEC881IN65I_768x432
出典:googleリオオリンピック2016

ブラジル/柔道女子57kg級
同棲中の彼女がいることをインタビューで語っています。

サイモン・オーガスタス
エレナ・デレ・ダン
ブリトニー・グリナー
エンジェル・マコートリー

MTZSPDEC7U5JT6G0_768x432
サイモン・オーガスタス選手 出典:googleリオオリンピック2016

アメリカ合衆国/バスケットボール
北京オリンピックでも金メダリストとなったオーガスタス選手は現在は同性婚しています。
グリナー選手はレズビアンであることを公言しています。
マコートリー選手はインスタグラムで同性の婚約者とのツーショットを公開し、カミングアウトしました。

キャスター・セメンヤ

RIOEC8L01OVTW_768x432
出典:googleリオオリンピック2016

南アフリカ/女子800m
かつては男性疑惑もあったセメンヤ選手。国際陸上競技連盟(IAAF)の調査により、卵巣がなく精巣があるという両性具有であることがわかりました。2015年には同性婚をしています。

五輪憲章に「性的指向による差別禁止」が盛り込まれることになり、東京オリンピックではさらにセクシュアリティをオープンにする選手が増えるのではないかと言われています。
性的指向による差別をしないオリンピックにするためには、アライの存在が欠かせません。日本もオリンピックを機にLGBTへの知識、理解が深まることが期待されています。

こあせんせーはスポーツが大好きなので2020年の東京オリンピックがとても楽しみです!
今よりもっと、人種・国籍・セクシュアリティ…あらゆる個性を尊重する日本になっていてほしいものです!

koasenseこあせんせー

 

この記事を書いた人

koasenseicon
こあせんせー
早稲田大学法学部卒のストレートアライ。
時事ネタ、法律関係が得意。趣味は将棋とモノポリー。

私がLGBTアライになったきっかけ

cf6a0bada1b4a4eed5bb55b3b4f5447f_s

LGBT当事者もしくはアライによる「セクシュアリティ」に関するレポートを紹介するシリーズ。
今回はあるきっかけでアライになったという方のレポートを紹介します。

私がLGBTアライになったきっかけ

大学三年生の春、一年次から仲の良い友人に突然「女性を好きになることってあるよね」と言われました。
私は人として好きになるという意味だと思ったのですが、彼女は恋愛感情として好きになるという意味だと言いました。そして「おかしなことではないと思っているがこれまで口に出して言うことができなかった」と、言いました。

当時の私はLGBTにまったく知識もなく、関心もありませんでした。ですから彼女の気持ちがわからず、素直にそう伝えてしまいました。

最近、新聞や雑誌などでLGBTというキーワードが登場することが多くなりました。LGBTについて知る機会が増えたことで、当時、彼女が勇気を出して告白してくれたということに気づきました。
この出来事が私のLGBTに関心を持つきっかけでした。

今までの私は、誰が誰を好きになっても自由なのだから、口に出して言う必要性はないと考えていました。
しかし、この出来事をきっかけに、彼女たちは自分は変ではないと思っていても、人と違うことに不安を感じ、ネガティブな感情を持っているということに気づきました。
だからこそ、あえて声に出すことで、ありのままの自分を知ってもらい認めてもらいたい、自分と同じような人と出会い共感しあいたい、と考えるのかもしれないと思うようになりました。

しかし、私はあえて声を出していかなければ不安な社会は変だと思います。人を好きになるもならないもその人個人の自由です。将来的にはLGBTという言葉も聞かなくなり、ごく普通の人だという認識がされる社会になるべきだと思います。