LGBTへのハラスメント「SOGIハラ」とは?

LGBT当事者へのハラスメントを「SOGI(ソジ)ハラ」と呼び、防止する活動が行われています。

SOGIハラとは?

SOGIハラとは、好きになる人の性別(Sexual Orientaition)と、自分の性別についての認識(Gender Identity)の頭文字である「S O G I」と、ハラスメントと組み合わせた造語です。

好きになる人の性別や、自分の性別についての認識に関わることで差別的な扱いを受けたり、発言をされたり、いじめや暴力といった精神的・肉艇的な嫌がらせを受けることをSOGIハラと呼びます。

SOGIハラを防ぐための支援団体は、ウェブサイトを開設してSOGIハラの体験談を集めています。
http://sogihara.com/

どんなことがSOGIハラになるの?

差別的な呼称

レズ
オネエ
オトコオンナ
etc…

差別的な言動

「ホモ/レズって気持ち悪い」
「オトコオンナって変だよね」

学校や職場でのいじめ、差別的な扱い

学校で「ホモ」とからかわれ、無視されたり暴力を振るわれる
職場で「オネエ」とあだ名をつけられ、何かとからかわれる
etc…

望まない性別での生活の強要

望まない性別の制服を着用するよう言われる
職場で「女性なのだから化粧をするように」と言われる
etc…

不当な異動や解雇、不当な入学拒否や転校強制

「髪を切らないのなら仕事を辞めろ」と言われる
カミングアウトしたら理由なく異動をさせられた
etc…

自分の望まない形でセクシュアリティを知らされる「アウティング」

上司にカミングアウトしたら、職場で自分のセクシュアリティが広まってしまい、好奇な目で見られるようになった
友だちにレズビアンであることを周囲にバラされてしまい、学校でからかわれるようになった
etc…

SOGIハラを防ぐためには

SOGIハラを防ぐためには、正しい知識が必要です。
SOGIハラが起こる原因の多くは「知識がない」からです。

例えば、よく耳にする「オネエ」「ホモ」「レズ」といった言葉は差別的な言葉であり、それによって傷ついているLGBT当事者もたくさんいます。
しかし、LGBTについて知らない人によっては、それらが差別的な発言であることも、誰かを傷つけていることもわかりません。

こうしたことを防ぐためにも、現在は、企業や行政、NPO法人などがLGBTの正しい知識を広めるために、様々なセミナーを開催したり、LGBTの相談窓口の設置、同性パートナーシップ制度の導入、誰でもトイレの設置などが行われています。

「LGBT対応 大手企業の4割」その取り組み内容とは?

5月15日に、経団連が会員企業にLGBTに関する取り組みについて調査を行ったところ、4割の企業が何らかの取り組みを行っていると発表したことが報道されました。

「LGBT」対応 大手企業の4割 経団連調査
経団連は、性別を問わないトイレを職場に設置するなど、「LGBT」と呼ばれる性的マイノリティーの人たちが働きやすくするための取り組みを行っている大手企業は、全体のおよそ4割に上るという調査結果を発表しました。
経団連はことし3月、会員企業を対象に「LGBT」の人たちへの対応を尋ねる初めての調査を行い、全体の15%に当たる233社から回答を得ました。

それによりますと、何らかの取り組みを「実施している」と答えた企業は42.1%に上りました。また、「検討中」という企業が34.3%だった一方、「予定なし」と答えた企業も23.2%に上りました。

2017年5月15日 NHKニュース

LGBTフレンドリー企業は増えている?

経団連は「回答率は15%で、実際には企業の対応をより促していく必要があると感じている。グローバル化が進む中、多様な人材の受け入れは、優秀な人材を確保したり成長性を高めたりするための大きな課題となっていて、職場環境や制度の整備を広く呼びかけていきたい」とコメントしています。

会員企業のうち回答があった企業は全体の15%である233社であり、その42.1%が「実施している」ということは、おおよそ98社がLGBTに関する何らかの取り組みを実施ているようです。

今回の調査は経団連の会員企業のみが対象となっているため、日本全体の企業を含めるともっと多くの企業が「実施している」と思われます。
しかし、やはり現状ではLGBTフレンドリーは大手企業を中心に広がっているため、まだまだ数としては少ないことが予想されます。

LGBTフレンドリー企業の取り組みとは?

経団連の発表によると、「実施している」と回答した企業に具体的な内容を聞いたところ、下記のような結果になりました。

91.8% 社内セミナーなどの開催
82.8% 相談窓口の設置
52.2% 性別を問わないトイレなど職場環境の整備
32.8% 結婚休暇や配偶者手当を同性のパートナーにも認めるなどの人事制度の改定

LGBTダイバーシティいついては、まずは「知ること」が大切になってきます。「知らない」ことが偏見や差別の大きな原因となっているためです。
LGBTに関する差別には「悪気はないけれど知らずに相手を傷つけてしまっている」ということが起こりがちです。そういったことを防ぐためにも、LGBTについて知るためのセミナーを開催する企業は多いようです。

LGBTフレンドリー企業の今後の動きに期待

LGBTフレンドリー企業といっても、取り組み内容・状況は企業によって様々です。

「LGBTフレンドリー言っているのに実際には職場の理解が進んでいない」といった意見も見られますが、最初から完璧に理解が浸透させることは非常に難しいです。
理解を浸透させるためにも、まずは始めることが大切です。
日本の企業でのLGBTダイバーシティの推進はまだ始まったばかり。今後の動きに期待です。

ドンキ「LGBT用トイレ」に様々な意見

5月11日にディスカウント店大手のドン・キホーテが旗艦店である「MEGA(メガ)ドン・キホーテ渋谷本店」に「LGBT用トイレ」を設置すると報道されました。

ドンキがLGBT用トイレ
先進地・渋谷の旗艦店に

ディスカウント店大手のドン・キホーテは11日、同性愛や性同一性障害などの性的少数者(LGBT)用のトイレを、差別解消を目指す先進地として知られる東京・渋谷の旗艦店に初めて設けたと発表した。小売業界では珍しい試みで、顧客の反応が良ければ他の店舗への導入も検討する。

 旗艦店は「MEGA(メガ)ドン・キホーテ渋谷本店」で、12日にオープンする。渋谷区が多様性を認め合う地域づくりの一環で、同性カップルを夫婦と同等のパートナーと公的に認める証明書を交付していることなどに賛同した。

 「ALL GENDER」の案内板を掲げた個室トイレ3室をつくった。

2017年5月11日 共同通信

「LGBT用トイレ」の表現はおかしい?

記事中では「同性愛や性同一性障害などの性的少数者(LGBT)用のトイレ」と紹介されています。
これに対し、「トイレの問題は性同一性障害などのT(トランスジェンダー)の問題であり、LGB(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル)には関係がないのでLGBT用という表現はおかしい」といった意見も見られました。

しかし、トイレの案内板には「ALL GENDER」と書かれており、セクシュアリティを特定した書き方はされていません。
報道のされ方と、ドン・キホーテのトイレ設置の意図にズレがあったことにより、こうした意見が出たようです。

「ALL GENDERトイレ」はLGBTフレンドリーなのか

ドン・キホーテでは、渋谷区の多様性を認め合う地域づくりという考えに賛同しています。
そのことから、「ALL GENDERトイレ」が設置されることとなりました。

これまでも様々な企業や自治体などで「ALL GENDERトイレ」が設置されてきました。
案内板にLGBTの象徴である6色のレインボーや、身体の半分はズボン・もう半分はスカートを履いているようなイラストを使用するなどで表現されています。

このような「ALL GENDERトイレ」には「トイレを利用しやすくなった」という声がある一方で、「利用することで当事者だとわかってしまう」といった否定的な声もあります。

▼ドン・キホーテはTOKYO RAINBOW PRIDE 2017にも出展。
LGBTフレンドリーな取り組みを進めている。

まとめ

賛否両論ある「ALL GENDERトイレ」ですが、設置の目的は「多様性を認め合う」ということにあります。

まだまだ社会で浸透していないため様々な意見が出ていますが、実際にトイレに困っている人たちにとって利用しやすいものになるための、必要な段階なのかもしれません。

みなさんはドン・キホーテの「ALL GENDERトイレ」について、どう感じましたか?

今週の記事まとめ~TRPレポートやLGBTフレンドリーインタビュー~

本日は今週公開した記事をまとめて紹介します。TOKYO RAINBOW PRIDE 2017のレポートや、LGBTに関する情報発信をする雑誌編集部へのインタビューなど様々な記事を公開しました!

渋谷が虹色に染まる日 TOKYO RAINBOW PRIDE 2017レポート前編!

前編ではTRPのブースをレポートしています!

渋谷が虹色に染まる日 TOKYO RAINBOW PRIDE 2017レポート前編!

渋谷が虹色に染まる日 TOKYO RAINBOW PRIDE 2017レポート後編!

後編ではTRPのパレードをレポートしています!

渋谷が虹色に染まる日 TOKYO RAINBOW PRIDE 2017レポート後編!

LGBTインタビューvol.7 株式会社ダイヤモンド社

LGBTに関する情報を発信する「Oriijin(オリイジン)」編集部の福島さんにインタビューしました!

interview

教育現場でのLGBT

LGBTアライによるレポート。LGBTに関する教育の必要性についてです。

教育現場でのLGBT

LGBT当事者との出会い。

LGBTアライによるレポート。LGBT当事者との出会いによってLGBTの理解がより深まったというレポートです。

LGBT当事者との出会い。

LGBTフレンドリーな性病クリニックの紹介

LGBTフレンドリーな性病クリニックの紹介

LGBTフレンドリーな性病クリニックの紹介

同性愛者カップルにとって怖いものは複数あると思いますが、性行為による「性病」や「HIV」の感染は特に恐ろしいです。性行為は愛情表現やコミュニケーションの一環として、カップルの信頼関係を築くものとして重要な行為です。しかし片方が感染していると発覚したら、性行為に及ぶことは難しくなりますし、秘密にしてパートナーに感染させてしまったら信頼関係を崩壊させかねません。

ただ性病やHIVに感染した後、専門病院に受診しにいく事はストレートの人にとってもハードルが高く、同性愛者においてはそのハードルはより高まります。
日本においてHIV感染者の感染経路が同性間感染の異性間感染の3倍といったデータもあり、専門病院に関する知識も入れる必要があると考えます。

そこで今回の記事で紹介するのは、LGBTフレンドリーの性病クリニックです。

あおぞらクリニック

http://www.aozoracl.com/
新橋駅徒歩8分 夜8時まで診療している性病専門クリニックです。毎月500もの人が訪れていて、多くのLGBT当事者に利用されています。
ではなぜこんなに多くの方に選ばれているのでしょうか。

1 プライバシーを守ってくれる
自費診療なので、保険診療と違って匿名で診察を受ける事が可能、払うのは検査料金と薬代のみです。また自費診療にすることによって家族に知られる心配もありません。クリニック内のレイアウトも極力ほかの患者と接触しないように配慮されています。

2 LGBTフレンドリー
LGBT当事者の患者の割合が他のクリニックに比べ多く、LGBT当事者の治療経験が豊富な医師が多く在籍しています。LGBT当事者もそうでない方も同じように接するのが当たり前という考え方が当クリニックに存在しています。また、男性診療は男性スタッフのみで行い、女性診療は女性スタッフのみで行っています。

3 即日対応、即日治療
基本的に通院は1回で大丈夫で、検査や薬の受け取りも即日で終わります。また、即日で検査がでなくてもwebで結果を閲覧することが可能です。また、病気によって治療費が明確に設定されています。

LGBT当事者のみならず、一般の方でも利用しやすいのが当病院です。性病にかかってしまった事は知人には極力知られたくないです。病院に行くということも人によっては非常に恥ずかしいことだと思います。しかし性病やHIVは早期発見・治療が大事になってくるので、このような病院があることは大変ありがたいですね。

LGBT当事者との出会い。

LGBT当事者orアライによるレポート。今回はLGBT当事者との出会いです。

私がLGBTというワードを初めて知ったきっかけは、2年前の12月でした。
その時、LGBT当事者は日本の人口の8%(AB型や左利きの人と近い割合)ということを初めて知り、思っていたより多いなという印象を受けました。同時に、当時私の友達に(私が認識している範囲で)当事者はいなかったのですが、もしかしたらいるかもしれないと感じました。

出会い1

私の会社にはLGBT当事者の方がいます。
入社してカミングアウトを聞いたときは、多少の驚きはありましたが、他の社員さんたちと変わらずすぐに打ち解けられ、毎日一緒にたのしく仕事をしています。
仕事をしたり、食事をしたり、会話をしたり、日々生活する中で、だれが当事者でだれが当事者でないということはほとんど意識していません。つまり、LGBTという知識はもっていて、関わる人は全員1人の人として関わっている、といった感じです。私はそれでいいと思っています。

出会い2

タイムリーなことに、入社して2週間過ぎ、現在海外に留学していて、一時帰国中の親友と遊んだときのことです。いつも通りたわいもない恋愛話をしていました。

私「最近どうなのー?」
親友「すごい私のことを好いてくれる人がいて、私もその人のこと気になってるんだよね~」
私「え!めっちゃいいね!どんな人??」
親友「トランスジェンダーの人なんだよね!そういうの抵抗ある?」

という会話をしました。
私は「全然ない!(親友に好きな人ができて)うれしい!!」と即答しました。
LGBTという存在を知っていて、すごくよかったなと思いました。もし私が、LGBTについて何も知らなかったら、私は珍しいことを聞くような反応をしてしまい、親友を傷つけていたかもしれません。

私は、もともとLGBTなどセクシュアルマイノリティの方々に対して、なんの抵抗もありませんでした。(深く考えたことがなかったと言った方が合っているかもしれません。)これは悪いことではないかもしれませんが、もしかすると自分の気付いていないところで誰かを傷つけていたかもしれません。

LGBTという存在を知り、当事者と出会ったことで、より“その人を理解しよう”“知りたい”という気持ちを持って人と接するようになった気がします。

2年前の私のようにLGBTに対して何も知らない人が世の中にはたくさんいます。知るきっかけは何でもいいと思います。知ることで、LGBTに対して理解するきもちや少しの配慮をもった接し方ができる人たちがもっとたくさん増えればいいなと思います。

教育現場でのLGBT

LGBT当事者orアライによるレポート。今回は教育現場でのLGBTについてです。

幼稚園生の事例

ある小さな男の子が体の性は男なのですが、心の性が女である子供の事例を紹介します。
その子供のお父さんは男の子であるため、息子と一緒にキャッチボールをしたり、男の子用のおもちゃを買ってあげたりして‘男の子’として接していました。

しかし突然ある日、一緒におもちゃを買いに行ったときに、泣き出してしまい、女の子が好きなかわいいものが好きだと言い出したのです。お父さんはびっくりしたと同時に、自分が今まで子供に傷をつけていたのだと深く反省した瞬間だったそうです。それと同時に幼稚園で「くん」付けから全員に対して、「ちゃん」付けにすることを幼稚園側と話し合い決めたそうです。

小学校におけるLGBT授業

私が小学生だった10年以上前では、LGBTという言葉は聞いたことはなく、それに関する授業も受けたことはありません。
4年ほど前に、福岡県の小学校で6年生の道徳の授業で「自分らしく生きること」をテーマにした公開授業が行われました。これは実際に当事者の方が講師となって、自身の経験を基に語りました。
その結果児童が自分のことを肯定的にとらえて、他人をしっかりと理解しようとする児童が増えたと担任の先生は述べました。
さらに教員でも性の多様性について深く考えるきっかけになったと話していました。しかし多くの小学校現場では依然として偏見を持っている先生が多いため、まずはセミナーなどに参加して教員の勉強会を行う必要性があります。
そしてそこで学んだことを子供たちに教えて、早い段階から子供たちに理解させることが重要になってきます。

中学校での取り組み

性的マイノリティーの人たちが自分の性や恋愛対象を自覚するのは早くて小学校の段階ですが、思春期に入った中学校の段階で自覚する人が多いようです。
性的マイノリティ―の方が学校生活においていじめを受けたのは全体の68パーセントにまでのぼります。そこで小学校と同じようにまず教員からの理解を得るために、LGBTに関する教材を中学校の教員向けに無料で配布を開始したり、「誰でもトイレ」を設置したり、まだ実現はしていませんが、今後男女の制服を同じものへ変更することを検討するなどが行われています。

また、ある学校では文化祭で、3年生がLGBTについての自作の劇をおこなっていますが、生徒からの不満や反発はほとんどありません。
むしろ小中学生のほうが受け入れも柔軟で早く、生徒たちが進んでやっているそうです。その事例からもやはり小中学校における教員のLGBTの理解と、早い段階での教育がますます大切になっていきます。

LGBTをメインテーマにした漫画

昨今日本の漫画やアニメが世界中でブームになり、日本のそういたサブカルチャーがクールジャパンという文化として認められつつあります。
日本の文化を代表する漫画には様々なジャンルがあり、ギャグ、ファンタジー、バトル、日常系など多岐にわたります。
その中で今回はLGBTをメインテーマにした漫画をいくつか紹介していきたいと思います。

放浪息子

志村貴子著
エンターブレインより全15巻刊行
アニメ化もされている

「女の子になりたい男の子」である二鳥修一と、「男の子になりたい女の子」である高槻よしの、性自認に揺らぎを抱える二人の主人公が葛藤や恋愛を経て成長する姿を、小学校から高校生まで描いている。トランスジェンダーや異性装というテーマを扱っており、中には重い話しが含まれているが、温かみのある独特な表現で志村貴子が描き切っている。

あらすじ

物語の始まりでは二鳥修一は小学校5年生で、度々姉の服を内緒で着るような男の子であった。女装姿は非常に可愛く、その姿に惚れる男の子もいるほどであった。
高槻よしのに出会う前までは、時折女装をするだけであったが、高槻よしのに出会ったことで、「女の子になりたい」という自信の願望を自覚した。その後二鳥修一が女装、高槻よしのが男装して2人でデートにでかけるようになり・・・

青い花

志村貴子著
太田出版より全8巻刊行
アニメ化もされている

こちらも志村貴子が描いた漫画である。それぞれ別の女子高に通う2人の主人公に焦点を当て、女性同士の恋愛と友情が描かれている。女性同士の恋愛だけでなく、男女の恋愛も同時に描くことでその比較もしているのが今作品の特徴である。

あらすじ

2人の主人公であり、幼馴染である万城目ふみと奥平あきらは高校入学時に10年ぶりに再会し、2人は一緒に登校するようになる。
それと同時期に、ふみは交際していた従姉の女性が結婚したために落ち込んでいたがその後ふみは部活の先輩の女性と交際するようになる。

オクターブ

秋山ハル著
講談社より全6巻刊行 

同性愛者や両性愛者同士の恋愛模様を描いたのが今作品である。あらゆる表現で主人公宮下雪乃の内面描写が描かれている。同性愛者岩井節子と出会い、恋愛をしていく過程で雪乃の内面にどのような変化が表れているかが見所だ。

あらすじ

売れなかったアイドル宮下雪乃は芸能界引退後、田舎に帰るが、アイドルであった過去を中傷され再び上京、今度はアイドル時代所属していた事務所でマネージャー見習いとして働き始める。雪乃は孤独な日々を送るが、ある日コインランドリーで元ミュージシャンの岩井節子と出会う。そこから2人の関係が始まる。

まとめ

他にもトランスジェンダーや同性愛を描いた作品はあるが、どの作品も、自分の性自認や恋愛観に抱く苦悩や、世間との対立を描いたりしている。現実に即した描写をしている場面もあり、LGBT当事者の恋愛事情を理解するには上記のまんがを読むのもいい手なのかもしれない。

LGBTが登場するCM

Amazonが新サービス「Audible」のCMでゲイカップルを起用したことがあります。今回はそのCMの概要や背景を記述していくと共に、過去にLGBTを起用したCMについていくつか紹介していきたいと思います。

CM概要

CMになったAmazonのサービスは「Audible」といってスマートフォンで場所を選ばず本を「聴く」ことができるサービスです。オーディオブックは、欧米ではすでにサービスとして人々に広まっていますが、日本ではまだ認知度が非常に低いです。このサービスを新しい文化として知ってもらう事を目的として作成したブランディングムービーが今回紹介するCMになります。

映像に出てくる人たちはみな何かしらの苦悩を抱えています。その方達が、「Audible」で宮沢賢治の「雨ニモマケズ」を聴いて彼らの表情に少しずつ笑顔が戻っていくといった内容になっているようです。その中に非常に自然な形でゲイカップルが登場します。

LGBTを登場させた理由

ブランディングムービーの原案に最初は高齢者やLGBTが入っておらず、企画者が何かが足りないと感じ、ゲイのカップルを登場させる事を決めたようです。
ただそれはシンプルに物珍しいという理由からLGBTを扱ったわけではなく、ストレートの方と変わらない、人間ならではのドラマに深みを持たせるためにLGBTを取り扱ったそうです。また、LGBTを起用することに対して社内の人間でネガティブな反応を見せた人は皆無だったそうで、LGBTをブランディングに起用することがとても自然なことだと、企画者は感じたそうです。

AmazonのLGBTに関する取り組みについて

AmazonはアメリカではLGBTフレンドリーな企業として評価されているようです。なので、Amazon Japanではダイバーシティに力を入れていて、企業としてダイバーシティ構想を掲げる事によって、社内の人間が良い環境で働けることつなげたいと考えているそうです。

その他にLGBTを取り上げた他のCM

ドコモ

携帯キャリア「ドコモ」のCMにてレズビアンカップルが登場しています。「多様性」をテーマに掲げたCMで、日本を舞台にして「この国の4人に1人は、高齢者です。」「この国の60人に1人は、外国人です。」などのメッセージと共に「この国の13人に1人はセクシャル・マイノリティです」といったメッセージが流れます。

マクドナルド

台湾マクドナルドのCMの中で、若いゲイ男性が、父親にカミングアウトするといった内容です。カミングアウトという場面を感動的に描いたCMで、一見の価値はあると思います。

他にも魅力的なCMは複数あります。上記のCMや他のCMについては下記のURLで視聴できます。時間があればご視聴お願いします。

LGBTフレンドリーなホテル

同性カップルがホテルを利用する際に不便を感じることがあります。
2015年、東京都豊島区の宿泊施設の半数以上が男性または同性同士の宿泊を違法に拒否していることが明らかになり、杉並区でも2施設で同性同士の宿泊を拒否していたことが判明し、区が指導しました。

まだまだ数は少ないものの、LGBT当事者の要望に応えるLGBTフレンドリーなホテルが日本でも増えてきました。
今回は日本にあるLGBTフレンドリーを公表しているホテルいくつか紹介していきたいと思います。

ホテルグランディア京都

日本人にも人気があり、海外からの観光客も毎年大勢訪れている京都にある、LGBTフレンドリーである高級ホテルです。
JR京都駅直結で京都観光や、ちょっと足を伸ばすときに非常に便利なホテルです。エントランスから高級感に溢れる光景で、専用ラウンジからフィットネスジム、和洋多数の食事処、ブライダル施設も備わっていています。

LGBTフレンドリーに関する取り組み

2006年からLGBTのツーリズムをサポートする団体IGLTAに加盟していて、営業推進室担当部長の池内志帆氏がIGLTAの日本アンバサダーを務めています。
コンシェルジュスタッフがIGLTAのレインボーピンバッチを着用していたり、ロビーエリアにあるパブリックトイレには「ジェンダーニュートラル」の看板も設置されていて、施設の隅々まで配慮されています。
また、2014年より、臨済宗の春光院と連携し、LGBT当事者のための結婚式プランを提案しており、すでに何組かの同性カップルが式を挙げています。

ホテルパームロイヤルNAHA

那覇・国際通りの中心に位置し、国際通りまで徒歩数秒のアクセスで、牧志駅から徒歩4分から那覇空港から車で約16分の距離です。
インテリアもこだわっていて沖縄文化だけではなく、アジアの古美術やヨーロッパのモダンアートまでもインテリアに用いています。
施設にはボディケアサロン、イタリアンレストラン、メイドイン沖縄にこだわってセレクトされた商品を取り扱ったギャラリーショップ等があります。
客室も宿泊者が非常に過ごしやすい作りになっています。

LGBTフレンドリーに関する取り組み

IGLTAに加盟しており、LGBTツーリズムの普及に力を入れています。
館内や受付にはレインボーフラッグが掲げられており、リクエストに合わせた配慮も行ってくださるようです。LGBT当事者向けのウエディングプランや宿泊プランもあるそうです。

まとめ

LGBTフレンドリーホテルは日本ではまだまだ数は多くはありません。
しかし、2020年に向けて徐々にではありますが、LGBTフレンドリーを打ち出すホテルが増えてきています。