LGBT当事者が暮らしやすい国とは?

LGBT当事者もしくはアライによるレポートシリーズ。今回はLGBT当事者が暮らしやすいとされるカナダについてです。

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LGBTフレンドリーな国、カナダ

カナダの北東部に位置するオンタリオ州は、カナダ全州が同性愛を合法とする2005年よりさらに2年前、2003年にはすでに同性愛を認めていたLGBTフレンドリー地域です。
そのオンタリオ州の中にあるトロントで行われる「プライドパレード」に今大きな注目が集まっています。

トロントでは、トロントプライドパレードに向かう1ヶ月間を“Pride Tronto”月間としています。その期間にはLGBT著名人のスピーチや、LGBT関連映画の上映会、バーでのイベントなどが行われ、人々の交流の場となります。
パレードが行われる当日には道路は人でごった返し、さまざまな人種、職業、セクシャリティの人がみんなでフロートを掲げてゴールまで町を練り歩きました。

このような大規模なLGBTイベントの存在は、街の雰囲気をそのまま表しています。人々の偏見が少ないからこそこれらのイベントが成立し、イベントが行われることで住民の理解が深まるという相乗効果をもたらしているのです。

カナダは同性カップルも暮らしやすい

カナダには「コモンロー」というカップルが存在します。

事実婚に近い関係で、婚姻関係はないものの、夫婦同然に暮らすカップルのことです。
同性間、異性間に関わらず、一緒に1年以上暮らしていることでコモンローカップルとして申請することができます。

また、カナダは移民の国と呼ばれる程、多様性のある国です。
セクシュアリティも含めて多様性を受け入れる風土があることや、コモンローカップルなど、様々な面でLGBT当事者が暮らしやすい国と言われています。

LGBTへのセクシャルハラスメント

LGBT当事者もくしは、アライによるレポートシリーズ。今回はLGBTへのセクシャルハラスメントです。

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2016年の5月に、厚生労働省は男女雇用機会均等法において「性的少数者(LGBT)への差別的発言」がセクシャルハラスメントに該当することを明文化する方針を発表しました。

元々、LGBTへの差別的発言はセクシャルハラスメントであるという方針は存在しました。しかし、法律として文書化されていないことで、訴え出ることができずに泣き寝入りを余儀なくされるケースが多かったのです。
それを今回はっきりと法律として明記することで、LGBTへのセクハラを根絶していこうという取り組みとしました。施行は、来年の1月とされています。

どのようなことがセクハラに当たるのか

職場で起こるLGBTへのセクハラには、以下のようなものが挙げられます。

・「あいつはホモだ」「オカマだ」などと陰で言われている。
・身体の性別と、口調や仕草の性別が合っていないことを執拗に注意される。
・カミングアウトした後、周囲の態度がよそよそしくなったり、嫌がらせをされるようになったりした。
・性別適合手術を受け、今後も働き続けたいと会社に打診したところ、拒否される。
・性自認のトイレや、更衣室の使用を拒否される。

まとめ

LGBTへのセクハラは、LGBTについての理解不足によって起こっていることも少なくありません。
職場でのセクハラをなくすためには、社内の理解が必要になってきます。

また、セクハラはあくまで「された本人が不快に感じる」ことです。

「これくらいで騒いではいけないのではないか」と考え、誰にも悩みを打ち明けられないという方も多くいらっしゃるのでしゃないでしょうか。
セクシュアリティに関わるハラスメントの場合、社内の人に相談しにくいということもあるはずです。
その場合は、外部の相談窓口や法テラスを利用するのもひとつの手段だと思います。

ジェンダーレスな服が買えるショップ

LGBT当事者もしくは、アライによるレポートシリーズ。今回はジェンダーレスな服が買えるショップの紹介です。

LGBT当事者の中でも悩んでいる方が特に多いのが服装の問題。今回はそんな悩みを解決するオンラインショップを紹介します。

MALE FE MALE

http://www.malefemale.jp/
LGBT、ジェンダーレス、アンドロジナスのためのオンラインショップで、今年オープンしました。
カテゴリーをレディース、メンズで分けず、サイズ表記も独自のものを用いて男女の区別をなくしています。

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MALE FE MALE という名前は、Male(メール)男性 とFemale(フィメール)女性 を組み合わせ、Female のFe を中央に配置することで性差がなくなるという意味を込めました。「男女の性差がない世界へ」という願いを込めて創った造語です。
(中略)
MALE FE MALE は自分らしさを隠さずに表現できる、本来の自分に出会える空間になることを目指しています。

株式会社リブリッチ プレスリリースより
http://pressrelease-zero.jp/archives/100191

ACROSS THE VINTAGE

http://acrossthevintage.jp/
メンズ、レディース、キッズに捉われないサイズ展開をしています。
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ZARA

http://www.zara.com/jp/
ファストブランドZARAも、ジェンダーレスライン「ungenderd」を展開しています。
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LGBTが直面する服装の問題

服装に関して悩みを持っていることが多いのがLGBTの中でもT、トランスジェンダーの方です。性別適合手術を完了したトランスの方でも、身長や肩幅などの問題で着たい服が着られないことがまだまだあります。

就職活動で悩むことが多いのがスーツの問題。
ネクタイをしてパンツに革靴である男性用スーツと、基本的にはスカートでパンプス、ネクタイはしない女性用スーツ。私服以上に男女が明確に分かれているように感じます。服装以外でも髪型やメイク、バッグなど、就活生が避けて通れないことはたくさんありますよね。

私自身は、男女問わず気に入った服を着ていますが、やはり異性のショップに一人で入る勇気はなかなかありません。
特にアクセサリーや小物を見ていると、「彼女さんへのプレゼントですか?」なんてきかれることもめずらしくありません。
食品や書籍など男女共通して購入するものに比べ、ジェンダーを強くあてはめられてしまうのが衣服ではないでしょうか。

今後服装問題はどうなっていくか

最近では芸能人でもメンズ、レディースにこだわらずに服を選んでいる人が増えているように感じます。異性の服を着こなすことがある意味おしゃれと捉えられていますよね。

一点異性のアイテムを取り入れるおしゃれも素敵だと思いますが、男女区別なく気に入った服を選ぶことができるのが理想です。
需要の増加とともに、このようなショップは今後増えていくのではないでしょうか。

マイリー・サイラスがパンセクシュアルであることをカミングアウト

LGBT当事者、アライによるレポートシリーズ。今回は人気歌手のカミングアウトについてです。

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参照http://aleexart.deviantart.com/art/Miley-Cyrus-mileycyrus-com-396501353

2015年に、人気歌手のマイリー・サイラスさんは自分が「パンセクシュアル」だと公表しました。

パンセクシュアルとは全性愛を意味します。男性・女性の性の分類に適合しない人々も含め、あらゆる人々に恋をしたり、性的願望を抱いたりする人を指します。また、パンセクシュアルの「パン」とは、ギリシア語に由来し、「全て」を意味します。

サイラスはVariety誌の最新インタビューで、自分のジェンダーについてさらに詳しく語りました。

サイラスは、自分自身の性について意識するようになったのは5年生か6年生くらいの時で、最初の恋人は女の子だったと明らかにしました。男の子か女の子、どちらかの性になりたいと考えたことはなかったといいます。

また、自分をパンセクシュアルだと感じるようになったのはいつか、というサイラスは質問にこう答えています。

「ロサンゼルスにあるLGBTQセンターに行って、色んな人の話を聞いた時、ある人が『自分を男性でもないし女性でもない』と言っていました。

センターで会った人たちは、美しく、セクシーでたくましかった。だけど脆くもあり、女性らしく男性らしくもあった。そして私は『自分を男性でもないし女性でもない』と言った人に、これまで出会った誰より、自分と同じものを感じました。

私は人と違って見えるかもしれない。
だけど私を『ジェンダーニュートラル(性的な区別がない)』と見る人はあまりいないんじゃないかな。それでも私は、自分がとてもジェンダーニュートラルだと感じています。

多分、その人は私が初めてあったジェンダーニュートラルな人だと思います。
私は男性でも女性でもないということがわかって、自分の性をもっと理解するようになりました。
『だから、自分がストレートでも同性愛でもないと感じていたのね。だってそうじゃないから』って」

サイラスは「LGBTQ」という言葉はこれからも使われ続けるだろうが、そこにパンセクシュアルのPも加えるべきだ、という考えを伝えました。

まとめ

彼女のカミングアウトにより、勇気づけられた人はきっと多くいると思いました。
このように芸能人が公に自分のセクシュアリティを明かすと、かなり大きな影響力を及ぼすと思います。自分がセクシュアルマイノリティであることを、隠さずにポジティブに捉えているサイラスに感動しました。誰もが自分がどのようなセクシュアリティであっても前向きに生きられると良いですね。

参照
http://www.huffingtonpost.jp/2016/10/13/miley-cyrus-opens-up-pansexual-gender-neutral_n_12481506.html?utm_hp_ref=japan-lgbt

カミングアウトのきっかけは、TOKYO RAINBOW PRIDE

LGBT当事者、アライによるレポートシリーズ。 今回はカミングアウトのきっかけです。

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私は、家族や友人知人など、周りにいるほとんどの人にカミングアウトしています。
なぜカミングアウトしようと思ったのか、きっかけはTOKYO RAINBOW PRIDE2016でした。

それまでの私は、自分のセクシュアリティを堂々と言えるような勇気を持った人ではありませんでした。
確実に受け入れてくれるであろう人だけにカミングアウトをしていたので、私のセクシュアリティを知る人はほんのわずかでした。
恐らく多くのセクシュアルマイノリティの方が、当時の私のように「言えない状態」にあるのだと思います。

しかし私は、TOKYO RAINBOW PRIDE2016のステージをみたことで、考えが変わりました。

様々なセクシュアリティの人々が何も恐れず人前に出て輝いていました。
中でも私と同じFTMの出演者はかなり勇気のいるパフォーマンスをしていました。そんな彼が発したメッセージが「今変われ」でした。

その時初めて、「私は独りじゃないんだ」と心から思うことができました。
当事者が当事者に励まされることがこんなにも心強いものだとは思いもしませんでした。

「自分もあの人みたいになりたい」と思い、私はその日の帰りに自分のセクシュアリティと考えに考え抜いた想いを文章にしてTwitterで拡散しました。

今までは人前を恐れていたけれど、もう嫌われたって仲間をみつけられたから大丈夫なのだと心から思うことができた結果です。

Twitterでの私の発言に、嫌なことを言う人はいませんでした。

むしろ私の予想を超えた温かい反応が多く返ってきました。

多くの人々から受け入れられた私は、今では病院でLGBT関連の講演会をしたり、大学で初のLGBTサークルを設立しています。
私は「自分でいていいんだ」と思うことができたからクリエイティブになることができました。

次に私が目指すのは、あのステージの上で応援してくれた憧れの人のように、自分も人前に出るセクシュアルマイノリティにとして、今後は多くの人から憧れを持ってもらえる存在になることです。

どうする同性カップルの遺産相続

同性婚が認められていない日本において、同性カップルはたびたび法律上の壁に直面します。

その大きなひとつが、遺産相続の問題です。法的に結婚関係にない同性カップルがお互いの遺産を相続したいと考えたときに、そこにはどんな障害があって、どんな対策が取れるのか。
代表的なケースについて、考えてみましょう。

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日本の遺産相続制度

まず、日本における遺産相続制度について見てみましょう。
遺言などが何もない状態で半自動的に遺産を受け取ることができる人を、法定相続人と呼びます。
一番優先されるのは配偶者で、全体の半分以上を受け取ることができます。次が直系の子どもや孫、さらに直系の父母や祖父母世代、兄弟姉妹と続きます。特に問題がなければ、遺産は彼らに順次配分されます。

しかし、同性カップルの場合、パートナーはこのどの枠にも入ることができません。同性婚のシステムがない以上、パートナーは法的な配偶者にはなりえないのです。
なので、法的結婚関係にないカップルは、また別に手段を講じる必要があります。

遺言を書く

遺産相続において、法定相続人よりも優先されるのが遺言書の記述です。遺言書に名前と分配分を書いておけば、法定相続人ではない相手にも遺産を相続することができるのです。

他にも生前贈与を利用したり養子縁組を行うなどの手段が考えられますが、同性カップルがパートナーに遺産を分配したいと考えた場合、この方法がもっとも確実かつ手軽であると思います。

その上で、注意すべきことは大きく2点です。
まず、同性のパートナーは正式な配偶者ではないため、相続税の控除を申請できないこと。2016年現在、婚姻関係にないパートナーへの遺産は単なる遺贈とみなされ、相続税がかかるようになっています。

もう1つは、遺留分を考慮しておくことです。
遺産には、法的相続人が最低限相続できると決められている遺留分が存在しており、それは遺言書の適用範囲外とされてしまいます。親兄弟に理解があれば話がスムーズに進むかもしれませんが、もしパートナーに対して理解をしてもらっていなかった場合、争いの元となる恐れがあります。

そのことも考慮し、遺留分を考慮した遺言書をあらかじめ作成しておくなどの対策が必要になってきます。

法的な壁を、できるだけ超える努力

同性パートナーを中心に、LGBTカップルには様々な法的な壁が立ちはだかっています。制度の改正がなされるのが一番の解決ではありますが、まだまだそれは難しい話。なので、それらをできるだけかわしていく手段を考えることがパートナーとの幸せの近道になるのです。

多様性のある社会を目指す。NHK「バリバラ」

LGBT当事者、アライによるレポートシリーズ。 今回はNHKの番組「バリバラ」の紹介です。

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最近はテレビでLGBTというワードをきくことも増えてきました。ニュースなどで特に取り上げられることが増えました。今回はNHKで今人気の番組“バリバラ”を紹介します。

バリバラってどんな番組?

バリバラは“障害者のためのバリアフリー・バラエティ”として2012年に始まりました。

障害者はネタとして扱いづらい、触れてはいけないといった空気が一般的にあります。バリバラでは障害者と笑いを掛け合わせ、今までタブー視されていたテーマを扱う番組です。

2016年からは障害者のみならず、すべてのマイノリティーへと視野を広げ、みんなのためのバリアフリー・バラエティとなっています。

みんなのためのバリアフリー・バラエティ
http://www6.nhk.or.jp/baribara/about/

“感動ポルノ”への疑問

障害者を扱う番組で他にあるのが、他局の24時間テレビです。
そこにうつる障害者は、マイノリティであるが努力をして何かを成し遂げる感動を与える存在です。

障害者と笑いを掛け合わせているバリバラはこの番組に対し、同時刻の放送で疑問を投げかけました。
“感動ポルノ”とは、障害者が感動を生むために使われる道具の1つとして扱われている状況を、オーストラリアの故・ステラ・ヤングさんが表した言葉です。

このテーマの放送では、NHKの過去に障害者を“感動ポルノ”として扱っていた際の例なども交え、いかに障害者が感動ポルノとしてできあがっているか、障害者はそれに対してどう感じているかなどが紹介されました。

出演していた障害者の方は、障害者としてではなく、一人の面白い人間としてテレビ番組へのオファーをしてほしいという切実な思いを打ち明けました。

バリバラの中のLGBT

みんなのためのバリアフリー・バラエティとなったバリバラでは、LGBTをテーマにした放送がされています。

セクシュアルマイノリティの悩みとして、当事者の方のカミングアウトを放送したり、ゲストの方が過去の経験を語るなど、LGBTについて知識のない人にもわかりやすく、かつバリバラのテーマでもある面白さも加えて構成されていました。

まとめ

LGBTも障害者も、マイノリティという立場に置かれやすいという点で共通しています。LGBTであり、かつ障害を持っている方もいらっしゃいます。

感動ポルノの回で、ある障害者の方がおっしゃった「障害者としてではなく、一人の人間として見てほしい」という部分がすべてをあらわしていると私は思います。

どのようなセクシュアリティであろうが、どのような障害を持っていようが、それも個性の1つです。テレビなどのメディアでも、もちろん日常生活でも、特別視されずに見てもらえる社会が理想ですね。

私がアライになったきっかけ。-LGBT当事者、アライによるレポートシリーズ-

LGBT当事者、アライによるレポートシリーズ。
今回はアライになったきっかけについてです。

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私はLGBT当事者ではなくアライです。

元々LGBTに強い関心を持っていたわけではなく、アライという言葉は最近知りました。ではなぜ私がアライになったかというと、大学生になってトランスジェンダーの友人ができたことがきっかけです。

その人の第一印象はボーイッシュな人でした。私は元々恋愛等に関して性別は関係ないという考えを持っていました。
そのためその友人からFTMだとカミングアウトされた時も特に驚きませんでした。しかしその友人の話を他の人に話しても、最初から理解し受け入れる人は多くありませんでした。私はそのことに驚きました。

私はそのFTMの友人を通して、LGBTの人々と交流するようになりました。大学内にも多くのLGBT当事者がいることを知り、見た目だけではセクシュアリティを判断するのは難しいということが分かりました。

私はLGBTが過ごしやすい世界が少しでも早く来てほしいと思っています。
FTMの友人と一緒にいると、トイレや名前の問題が常に目の前にあります。その問題が解決すれば少しは過ごしやすくなるのかもしれません。

今は徐々にLGBTを受け入れる人が増えてきていますが、拒絶する人も一定数います。そういう人たちの意識を変えるのは難しいと思います。しかし意識を変えるのではなく、正しい知識を身につけて認識を変えることはできるかもしれません。私はこのような認識を変える活動がしたいです。

“LGBTの命”を伝える、72カ国の国旗でできた美しいドレス

セクシュアルマイノリティ/アライによるレポートシリーズ。今回は、ユーロプライドで披露されたドレスの話題です。

“LGBTの命”を伝えるドレス

LGBTコミュニティが現在直面する“命を脅かす問題”について啓発するため、72カ国の国旗から1つのドレスが作られました。このドレスは、世界中で同性愛が禁じられている72の国の国旗で作られています。

また、この内の12か国では、同性愛者は死刑にされる可能性もあります。

例えばイランでは同性愛者は死刑になってしまいます。イラン・イスラーム共和国の刑法では、姦通や同性愛について死刑に処することが要求されているからです。

1979年のイランにおけるイスラム革命以来、4000人以上の同性愛者が処刑されたと推計されています。そのため、イランでは同性愛者が相次いで亡命を試みる人たちが多くいます。これは、同性愛が禁止する国にも同性愛者がいることが驚くべきことではなく、当たり前であることを示しているのです。

今回、オランダのデザイナーのマティス・ヴァン・ベルゲン氏とアーティストのオエリ・ヴァン・ウォエツィキ氏が共同で、アムステルダムで開催されたユーロプライドでこの政治的なメッセージ性の強いドレスを発表しました。そのドレスが美しい写真として撮影されました。

「この大きなドレスを着ているのは、私です」と、モデルのバレンティン・デ・ハイフ氏がInstagramに投稿しました。

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参照 https://www.instagram.com/valentijndehingh/

オランダ出身の写真家で映画監督のピーテル・ヘンケット氏は、ユーロプライドが終わった後に、このドレスの写真に関する力強いメッセージをInstagramにコメントしました。

「同性愛者に対する規制が撤廃された国の国旗は、レインボーフラッグに変わっていくことになっています。このドレスがすぐにでも、全てレインボーフラッグのパッチワークのドレスになることを祈りましょう!」

まとめ

この一つの美しいドレスに世界中の同性愛者たちの悲痛なメッセージが込められていると思うと感慨深いと思いました。

この写真はInstagramで拡散され話題になっていますが、SNSを通じて呼びかけていくことは若い世代にも発信することができるので、効果的な手法だと思いました。

私たちの住む日本では同性愛者が死刑にこそならないものの、未だに偏見や差別は根深く残っています。世界中の誰もが、誰のことを愛してもいいのであってそれで命を奪われる意味はないと思います。

このドレスが世界中に拡散されて同性愛者に対する規制が早く撤廃されることを望みます。

日本の間違った性教育

セクシュアルマイノリティ/アライによるレポートシリーズ。今回は日本の性教育についてです。

日本の性教育は間違っている

現在の日本では、「性」についての話題は友達同士や親子の間でもタブーとされたり、ためらわれたりしています。
その原因は日本の性教育に問題があるからではないのでしょうか。

子供達は小学校中学年くらいで「性」について学ぶことになります。しかし、そこでの教育は不十分であり生徒たちが正しく理解できていません。
よって、性について考えることや性について語ることは汚らわしい行為だと思ってしまいます。また、異性の体の仕組みを理解せずに、体の成長の過程で異性の友達にいじめられて悩んでしまう子供がたくさんいます。

人間が生きていくためには「性」を正しく捉えることは不可欠なことです。性を教えるのに、早いとか遅いとか時期は関係なく教えるのは早ければ早いほうが良いのだと思います。

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また、教師はそのような理解をしていないために、性教育についてあまり積極的ではないように感じます。
保健の授業で男女別に区別して、男子には男性の教師が、女子には女性の教師が教える仕組みも改善すべきではないでしょうか。
これでは、異性の身体や成長過程について男女一緒に学ぶことはできずに正しい理解を得られません。また、セクシュアルマイノリティの子供達にとっては苦痛な時間であり、自己に違和感を覚えて必死に隠し通そうとするでしょう。

セクシュアルマイノリティの子供達は様々な問題に直面しています。
自己を受け入れることや開示することに困難になっている子供たちがたくさんいるのです。

世の中には、多様な性が存在するということを日本の性教育では語られていません。
日本では「性」についてまだまだネガティブなイメージを持つ人が多いような傾向にあります。

しかし性の問題は、社会や文化などさまざまな場面で浮き彫りになってきます。日本は、昔から比べたら男女平等がより進んだように思われています。しかし、まだ性の多様性や労働状況などを見てみると、男女平等の問題でさえまだたくさん残っているのが現状です。

子供たちが適切に性教育を受けられれば、これからの日本はもっと多様性を受け入れていくことができるのではないかと思います。そして、そういった性についての理解を幼いころから深めていけたら、差別やいじめを減らすことができるのではないのでしょうか。

日本が多様な性を受け入れて、どんな人でもどんな場所でも輝いて生きていけるような国になるためには性教育の改革が必要になるでしょう。

参考文献
2007年 安達倭雅子著 「子どもと親と性と生」