大学におけるLGBT対応

LGBT当事者orアライによるレポート。今回は大学におけるLGBT対応についてです。

昨今LGBTに対する認識も高まってきましたが、大学でもLGBTに対する認識が高まってきています。身近なところだと、全国の様々な大学においてLGBTサークルが結成されていることが挙げられます。

早稲田大学

そのような団体が結成される一方で、2017年4月8日付けの日経新聞によると、早稲田大学が4月から性的少数者(LGBT)が安心して学生生活を送れる環境の整備に乗り出したと報道しました。この内容を要約すると多目的トイレを「誰でもトイレ」と改称し、教員には性別を問わずに「さん」付けで呼ぶように指導して、相談窓口も設置しました。その相談窓口として「GS(ジェンダー・セクシュアリティ)センター」を新設し、専門知識を持つ職員を配備しました。

このように大学においても様々な背景を持つ学生のために、ダイバーシティの確保が課題となってきました。

国際基督教大学

この問題に対して早大よりも早くから取り組んでいた東京都三鷹市にある国際基督教大学では「各人の性自認や性的指向を尊重」を明記した学長宣言を公表しています。

2015年秋には、「LGBT学生生活ガイドin ICUトランスジェンダー」というガイドブックを出しました。ガイドブックによると、ICUでは2003年より性別に違和感を持つ学生の学籍簿上の指名・性別表記の変更が可能でしたが、人権相談員が対応しなければならず、2015年より通常の学生対応で可能になりました。

また体育実技の授業では、2015年より性別を問わずに利用できる更衣室が新しく常設されました。更衣室利用の際は内側から鍵をかけることができるため、登録がなく自由に使うことができます。さらに学生寮でも上層階に性別を問わないフロアを初めて設置しました。

他にも、学内行事とし「ふわカフェ」と呼ばれるイベントが存在し、相談よりもより気軽に参加することができ、予約不要参加費無料で、飲み物やお菓子が用意されており「ふわっとおしゃべり」できる環境が整っています。

最後に

ICUでも入学から卒業まで男女二元論・異性愛主義が基準となっている部分も依然としてまだ多くあります。その原則を維持したまま、マイノリティを特別扱いして対応する体制はかえって差別にもつながってしまうこともあり、ただ単純にICUを「先進的LGBTフレンドリー大学」といった評価することができないことも現状の問題点として浮き彫りになっているのではないでしょうか。