「LGBTに偏見はない」という人は本当に偏見がないのか

LGBT当事者orアライによるレポート。今回はLGBTと偏見についてです。

LGBTという言葉をきいたことがないひとでも、「ゲイ?私は全然偏見とかないから大丈夫だよ」という人がいます。
しかしこの台詞を聞いたことのある人は思った人もいるかもしれません、「本当にそうなのか」?
今回は偏見を持っている人が少ないと言われる若者に関して書きたいと思います。

「ゲイの友達が欲しい」?

ゲイやLGBTの話題になった際に、「ゲイ(LGBT)の人と友達になりたい」と答える人がいます。
その理由をきいてみると、「女の子の気持ちも男の気持ちもわかるから」「おしゃれな人が多いから」といった答えが返ってきます。
なぜそう思うのかを聞いても、はっきりとした答えは返ってきません。そのように答える人は勝手なイメージで、そのような返答をするのです。

気付かないうちに偏見を持っている

ゲイ(LGBT)だから男女両方の気持ちを理解できる、ファッションセンスに長けている。当事者の方ならよくわかるかもしれませんが、実際にそんなことはありません。
おそらく、テレビの中の有名人や、アニメや漫画などのコンテンツの中のゲイやLGBTをイメージしているからこそ、そのような間違った認識をしています。
たしかにゲイの中にもいわゆる女性的なしぐさをし、容姿も女性に近い人もいるでしょう。しかしそれはノンケの中にも存在するでしょうし、「ゲイだから」という理由にはなっていません。
特にテレビで見るLGBT当事者は、受けがいいためにかなり派手なキャラクターだったり、奇抜なファッションをしている場合が多いです。
そのような人しか目につかないために、LGBT全体がテレビの中の人と同じようであるという間違った認識を持ってしまいます。
そしてそれが、「なんか想像していたLGBTと違う」という偏見につながってしまうのです。

最後に

「全然偏見ないから大丈夫」という人の中には、本当に正しい理解をしている人もいるかと思います。
ただまだまだ、LGBTは会ったことない特別な人、と思っている人も少なくありません。
若者に寛容な人が増えた、という理由として私は2つあると思っています。
1つは、ジェンダーレスという言葉が流行ったように、男女問わずファッションが多様になったこと、もう1つは、集団への帰属意識があまりないために、他人と協調するという考えが少なくなったことです。
正しい知識を得たうえで、「まったく偏見なんてない」という人がもっと増えればいいなと思っています。