苦しむLGBTの子なくしたい

LGBT当事者orアライによるレポート。今回は苦しむLGBTの子なくしたいです。

文部科学省は2月14日に学習指導要領を変えると発表しました。ここの案の中にはLGBTについての記述は全くありませんでした。
「思春期になると異性への関心が芽生える」など、同性愛などには記載がないのです。私も同じように、「思春期になると異性に関心を持ち始める」と学校で教えられました。しかし、同性に好きという感情を抱く子供は、きっと授業中苦しい思いをするでしょう。

当事者の方たちは「この案では、LGBTなどの子どもの実情にそぐわない内容となる恐れがある」として指導要領に対するパブリックコメントを求めています。

私の友人も「小学校の頃に自分は同性が好きかもしれない」と思うようになったそうです。
やはり学校では男女の恋愛が「普通」だと教えられ、悩んだという経験があると話していました。
「男と女」、そうはっきり区切られてしまい、異性同士の恋愛が当たり前だと学校できめつけているから、このように窮屈な思いをしている子供がいるのだと思います。
私も中学校の時に同性愛者の同級生が、そのことで周りにからかわれているのを見ました。教師も、教科書に載っていないから説明をしないのではなくて、積極的にLGBTの人にも触れて正確に情報を伝えてほしいですね。

「男の子用・女の子用」と区別しないLEGOの商品カタログ

LGBT当事者orアライによるレポート。今回はLEGOブロックについてです。

ブロック玩具のLEGO。誰でも一度はこのブロックで遊んだことがあるのではないでしょうか?
私も小さいころ、保育園においてあったLEGOブロックで遊んでいました。LEGOの商品カタログは「男の子向け」「女の子向け」といったカテゴリー分けではなく、テーマごとに分かれています。このことを評価する声が上がっていて話題になっているのでご紹介します。

カテゴリーが性別ではなくテーマで分けられていることに触れたつぶやきが投稿されるとSNSでたちまち話題になりました。「好きや興味で選べるようになるのが一番いいよね」「そういうのもっと増えたらいいな」といった反応が寄せられたそうです。

そのような反応があったLEGO。
現在は性別ではなく、「ヒーロー編」「なかよし編」に分けているそうです。性差なくおもちゃで遊んでもらうため、自分の好きな世界を自由に作ってもらうために性別で区別することはしないとのこと。
下記のようなメッセージも発信されています。

“私たちレゴには数多くのカテゴリーや、テーマに沿ったレゴブロックがあります。年齢にあわせて、お好みに合わせて、気分に合わせて、ご自分がお好きな世界を選び、自由に創造し、遊んでいただけることを願っています”

「男の子は戦隊物のおもちゃで遊び、女の子はおままごとで遊ぶ」などのように決めつけて、おもちゃを買い与える親もいるのではないのでしょうか。自分の好きなことを性別によって制限されてしまうのはつらいことです。性差なくカテゴリー別にするという配慮は素晴らしいと思いました。幼いころから自然と「男らしさ」「女らしさ」を決めつけられて過ごしていると窮屈に感じてしまいます。このように、性別に捉われず自由に遊ばせるというのは将来にとっても大事なことだと思います。

友達のカミングアウト

LGBT当事者orアライによるレポート。今回は友達のカミングアウトについてです。

私は共通の知り合いを通じて最近新しくお友達になった子がいます。
彼女は私と大学も出身地も何もかも違い、お互いのことをよく知らなかったので二人で会っておしゃべりをしようということになりました。そこで、恋愛の話になると、急に彼女は「あのね・・・」と話すのをためらっている様子でした。そして、彼女がレズビアンであることを聞きました。
彼女は今まで男性と付き合ったこともあるけれど、それに違和感があってすぐに別れて以来、女性と付き合ってきたと話してくれました。

彼女は周りの友達に対して、レズビアンであることを全く隠しておらず、すぐに自分から言うようにしているそうです。悩みは、彼女の親が「将来は男性と結婚し、子供を産んでほしい」と望んでいるのだそうです。唯一、親にレズビアンであることを理解してもらえずどうしたらいいのか分からないと言っていました。

私は今までストレートの友達としか恋愛の話をしてきませんでした。彼女が抱える悩みや苦しみを聞いて悲しくなりましたが、彼女に何とアドバイスをしていいのか分かりませんでした。しかし、話を聞いてあげるだけで嬉しいと言ってくれて、それだけでも私が力になれることがあるのだと思いました。

私はLGBTフレンドリー企業でインターンをしていましたが、自分の友達の中でLGBTだとカミングアウトしてくれた友達は彼女が初めてでした。私がフレンドリー企業で働いていることを告げると、とても喜んでいました。「ストレートの子なのに、そこまで分かっていてくれて嬉しい」と。それを聞いて嬉しくなりましたが、同時に、同じセクシュアリティでないと分かり合えないという気持ちがどこかにあるのかなと思いました。「当事者とそうでない人」と壁を作ってしまうことは良くないと感じます。そこで私は、自分がアライであることを積極的に周りに伝えていきたいと思いました。

LGBTの人たちはさまざまな問題が立ちはだかって生活において悩みを抱える人が多くいると思います。その人たちのための何か制度や法を確立することも重要ですが、近くにいる人が話を聞いてあげたり、分かってあげることも大切だと思いました。私は、これからもアライである自分を表して生きていきたいです。

ゲイ向け下着メーカー成功の秘訣

LGBT当事者orアライによるレポート。今回はゲイ向け下着メーカー成功の秘訣です。

日本では今、LGBTマーケットが注目されてきていて広まってきています。
その中でも、特にゲイビジネスも流行し始めた時に、日本生まれの男性向け下着ブランドが出来ました。例えば、「GX3」や「EDGE」などです。このブランドのモデルになっているのはGOGO BOYたち。大きなイベントなどでコラボしてPRすることもあるそうです。全面的に「ゲイ向け」であることを押し出していますね。こういったゲイ向け下着メーカーはビジネスとして成功しています。一体なぜ成功したのでしょうか?

○理由1
下着というのは毎日身に着けるものです。洋服であると、四季によって着ない服があったりしますが、下着は季節を問いません。誰もが必要としている下着であるからこそ、ビジネスとしての成功率があがったのかもしれません。

○理由2
これまで海外や日本でゲイに人気そうなものを輸入したり卸売りして、セレクトショップで販売することはありました。しかし、自社ブランドを持つということは、製造・流通・販売を全て自社で行うことでコストが削減できるのです。そして利益を上げることに成功するのです。

○理由3
今までゲイの方たちがセクシーな下着を買おうと思ったら、海外ブランドの高価なものしかありませんでした。安いものだと、素材やデザインがどうしても質素になってしまいます。ゲイ向けというと、マニア向けの下着を売っているところもありますが、そういったものとは違ってデザインも質も良く、そして価格も高すぎず安すぎない、そんな特徴があったのです。

○理由4
徹底的にブランディングを行ってきたために、そのブランドを世の中に知らしめることができたのも成功の秘訣だと言えます。モデルに、人気のGOGO BOYSを起用するなどして、全く知らないモデルにするよりも、憧れを抱かせるようにしています。また、そういったモデルの写真をSNSを通じて拡散したり、プレゼントキャンペーンを行ったり流行するきっかけを作る工夫をしています。

このようにいくつかの秘訣があったからこそ、このゲイ向け下着ブランドはビジネスとして成功しているのだと思います。
また、ゲイ向けだけでなくトランスジェンダーの方に向けた下着も売られていますね。下着ブランドだけでなくLGBTビジネスはこれからも注目されていきそうです。

LGBTアライとして思うこと

LGBT当事者orアライによるレポート。今回はアライとして思うことです。

今回は私がアライとして変わったこと、今の想いなどを中心に書いていきたいと思います。

私は、LGBTを知ったのは大学の友達から話を聞いたのがきっかけでした。そこから、一気に世界が広くなったような気がしました。セクシュアリティで悩んでいる人たちがたくさんいること、また、その人は身近にいることを知りました。私はそれによって、自分がいつのまにか「~らしさ」に捉われている社会に生きていることに気が付きました。

私は女性として生きています。しかし、女性はこうあるべきだとか、こう振る舞うべきだと決めつけられるのは大嫌いです。好きになる人がだれなのかも、自分がどう生きるかも自由でいいと思っています。それは、LGBTやそれに属さない人などの話を聞いて、ますますそう思えました。そして、私はその思いを友達や彼氏、家族に話しました。そうすると、今までLGBTについて知らなかった周囲の人も、私をきっかけに知るようになりました。

そして、大学3年生の夏から約半年間、LGBTフレンドリー企業でインターンシップを行いました。そこで、当事者の方たちとも話をする機会も増えて、友達も作りました。そこでの出会いや経験によって、より自分を大切に、自分らしく生きていこうと思いました。自分も今までは、色眼鏡を通して人を見ていたかもしれません。大事なのは、それに気づくことだと思います。たくさんの人の話を聞いて、自分にどう振り返って考えられるかだと思います。私は、LGBTが特別であるとか、そういう考えはありません。人は誰一人として同じ人はいなくて、その違いを素直に受け入れられるような社会になってほしいと願っているだけです。

自分と人との違いをマイナスに捉えて命を落としている人がたくさんいます。ニュースを見るたびに心が痛いです。差別や偏見が少しでも社会からなくなればいいなと思っています。

アートでLGBTの理解促進

LGBT当事者orアライによるレポート。今回はアートとLGBTについてです。

“好きに変はない展”を見に行かれた方はどれくらいいるでしょうか?
2017年2月14日~19日の間、好きに変はない展が開催されました。これは写真家の青山裕企さんと日本セクシュアルマイノリティ協会による個展です。今年で3年目を迎えるこの展示会では、さまざまな“好き”の形を表現しています。また、今年は15名のアーティストが出展しました。ここでは、写真に象徴的な言葉を載せて展示したりしていました。

ここでは明確に「LGBT」や「セクシュアルマイノリティ」と言った言葉を使わずに、好きの多様性を表しています。また、ツイッターでもハッシュタグでたくさん拡散されていたので、目にしたことがある人もいると思います。私もツイッターでこの展示会を知りました。

私は、よく展示会などに足を運ぶことが多いのですが、そこで思うことは文字と同じように、またはそれ以上に写真やアート作品が与える印象は大きいと思います。そこに込められたメッセージを、文字に表さないことで見る人によりインパクトを与えて、考えさせる効果があるのだと思います。また、アーティストによってテーマが同じであっても、表現の方法が全く異なっていて、個性が出て面白いなとも感じます。今回、クリエイティブディレクターとしてこの展示会に携わった銭谷侑さんは、この展示会に来てほしい人はLGBTの方はもちろん、そのことに関して全く考えたことのない人に来てほしいと考えていたそうです。

様々な社会問題を解決しようと考えたときに、法律を作ったり差別は禁止と呼びかけたりすることが多いです。しかし、その方法だけでなくて、写真やアートは直接人に語りかけるものです。この展示会で、心に響いた人たちはたくさんいます。また、今まで関心のなかった人もこれをきっかけに考えるようになったと思います。

今年の“好きに変はない展”は終わってしまいましたが、来年も開催してくれることを願っています。

ホルモン治療をしない理由

LGBT当事者orアライによるレポート。今回はホルモン治療についてです。

生まれたときの身体と心の性に違和感を感じる人の中にも、様々な人がいます。
完全に心の性に性別移行したい人、自分の気になる部分だけ治療をしたい人、治療を望まない人など、様々です。

私の友人にも、身体と心の性の不一致に悩みながらも、治療をしないという選択した人がいます。
「パートナーも、周りの友人も、心の性で接してくれるし、性別に捉われない生き方をしようと思った」とのことです。

ホルモン注射をするかしないかは自由です。
しかし、その注射によるメリットとデメリットを考えて決めなくてはなりません。
彼は、海外にわたって自分らしく生きることができるようになったと話しています。

では、日本ではありのままの自分で生きることは不可能なのでしょうか?少しずつですが、セクシュアリティに捉われず生きやすい社会に変化しつつあると思います。海外に行きたくてもいろいろな問題で行けない人もたくさんいます。大切なことは日本でも海外でもどこにいても自分らしく生きられることだと感じました。

同性愛の矯正治療“コンバージョン・セラピー”

LGBT当事者orアライによるレポート。今回はコンバージョン・セラピーです。

コンバージョン・セラピーとは、人の性的指向や性自認をヘテロセクシャル、あるいはシスジェンダー(身体的性別と性自認が一致している人)の基準や規範に当てはまるように変えることを目的として実施される一連の行為で、多くは宗教的動機に基づいて行われます。

▼コンバージョン・セラピーを異性愛者向けに再構成したもの

治療には会話療法や電気ショック療法、LGBTとしてのアイデンティティを麻薬や酒の依存症と同じような問題として扱う手法などが用いられています。治療では、ショック療法を行ったり、食べ方、話し方、服装なども指導されるようです。

これはLGBTを病気だと考えているようにしか思えません。主要な精神医学専門団体はコンバージョン・セラピーをまともな治療行為と認めていません。
この恐ろしいセラピーによって、精神を病んだりそれのせいで自殺する人が無くなるようにLGBTへの理解を広めていく必要があると思います。

LGBT×働くについてのまとめ

LGBT当事者の働く環境を整えようとする企業は徐々に増えてきました。
しかし、まだまだLGBT当事者にとって、様々な場面で困難を感じることも少なくありません。今回は、働く上で感じることについて、LGBT当事者のレポートを紹介したいと思います。

職場でカミングアウトせずに働く上での悩み

レズビアンの当事者によるレポートです。
カミングアウトをせずに働くことはできるけれど、だからこその悩みがあるというお話です。

career

FTMの働き方。自衛隊での体験。

トランスジェンダー(FTM)の当事者によるレポートです。
自分らしく働けるのではと考え自衛隊に入隊したものの、男女で分けられることも多く、違和感を感じるようになったそうです。

career

MtFの就活体験記「大手企業から内々定を得るまで」

トランスジェンダー(MTF)の当事者によるレポートです。
就職活動の面接において、カミングアウトするかしないか。
どちらも経験した結果、最終的にはカミングアウトをせずに就活をすることになったそうです。

【就活体験記】大手企業から内定を得るまで。トランスジェンダー編

まとめ

カミングアウトするかしかないか、どのような働き方をしたいかなど、人によって考え方や悩みはそれぞれ違います。
自分はどうしたいのかを考える際に、自分以外のLGBT当事者の体験レポートも参考にしてみてはいかがでしょうか。

世田谷区、同性のカップルも区営住宅に入居可能へ

LGBT当事者orアライによるレポート。今回は同性カップルの同居についてです。

東京都世田谷区が、同性のカップルも区営住宅に入居できるようにする方針を決めました。

世田谷区は、原則親族などに限られていた家族向けの区営住宅で、同性カップルが入居できるよう条件を変えることに決定しました。住民票などで一緒に生活していることが確認できた同性カップルも、対象に加えるといいます。

世田谷区は2015年、同性のカップルを公認する制度を導入しました。法的拘束力はないものの、結婚に相当する関係を渋谷区の“パートナーシップ条例”に次いで認めました。この制度によって、区は不動産会社に、同性カップルであることを理由にして入居を拒否しないように求めてきました。

区営住宅の入居は、制度を利用しているかどうかは条件とせず、幅広く応募できるようにするもので、ただし、入居希望者が多いため、他の人と同様に、抽選や所得などの条件を満たした場合に入居が認められます。

同性カップルの公営住宅への入居が条例に明記されれば、渋谷区に次いで2例目となります。

これによって世田谷区で同性カップルの入居が認められればいいですね。
渋谷区のパートナーシップ条例をはじめとして、いくつかの自治体で同性カップルに配慮した制度が作られてきています。しかし、一方で、地方ではこうした制度がまだまだ整っていません。理解や知識も少ない状態です。都会だけ制度が整うと、地方との格差が余計広がってしまうような気がします。
都会だけではなく、地方でも同性カップルに配慮した試みがなされると良いですね。

https://nijipi.lgbt/eventpickup/3263