アメリカのLGBTの生き方を変えた「ストーンウォール事件」

「同性愛者」という概念が生まれてから100年ほどが経ちますが、未だ多くの国では同性婚が認められていないなど、同性愛者の権利が完全に獲得されたとはまだ言えません。
歴史の中で同性愛者をめぐる事件や出来事は数多くありましたが、今回はその社会運動の最初とも言えるストーンウォール事件について簡単に紹介します。

事件以前の同性愛者について

キリスト教圏では多くの地域で、ソドミー法と呼ばれる同性間性行為を禁止する法律が存在していました。同性間での性行為については紀元前より行われていましたが、同性愛者という概念が誕生したのはつい最近のことです。

1960年代のアメリカにもソドミー法は存在していて、同性愛者たちへの抑圧的な態度は依然存在していました。警察の同性愛に対する態度は厳しく、「ストーンウォール・イン」などのゲイバーは酒の販売を許可されず、違法営業を続けていました。

ストーンウォール事件の発生

そのような厳しい環境の中、1969年6月28日に事件は起きます。

「ストーンウォール・イン」に警察が突撃し、違法に酒類を販売していた店員を逮捕しようと踏み切りました。
その時店内にいた同性愛者(クロスドレッサーなどもいたとされています)は警察に対し、空き瓶を投げつけるなど反抗したそうです。
結果的に13人の逮捕者が出てその日は終わり、店内は大荒れとなりました。

以降「ストーンウォール・イン」のあったクリストファー・ストリートでは警察官に対する反抗が、1週間ほど続いきました。
同性愛者が史上はじめて警察に対して反抗した事件ということで、現在も語り継がれています。

事件以後の動き

事件以後、同性愛者権利団体はより活発に活動し始め、アメリカ国内は大きく変わっていきました。
1970年代以降ソドミー法が各州で廃止されはじめました。
現在もLGBTのシンボルとして使われている6色のレインボー・フラッグも、はじめて用いられたのはこの時期でした。

最後に

記事では本当に簡単に紹介しました。LGBTだけでなく、マイノリティの権利が獲得されるまでには誰かの勇気ある行動が不可欠です。
私はまだ見れていませんが、映画『ストーンウォール』が去年アメリカで公開されています。
気になる方はそちらも見てみてはいかがでしょうか。