自分の理解が深まった。LGBT当事者による就活体験記3。

LGBT当事者もしくはアライによるレポートシリーズ。今回は、就職活動の体験記の3回目です。

第1回会社説明会に参加して気づいたこと。LGBT当事者による就活体験記。
第2回就活で身についたマナー。LGBT当事者による就活体験記2。

自分の理解が深まった

就活で必須なのが自己分析、3年生の方は既に始めている人も多いかと思います。
自己分析の方法については別記事を参照してくださいね)
自己分析、つまり自分の過去を振り返り、理解すること、そして、ESや面接を通してそれを他者に伝える経験を、就職活動ではすることになります。

就職活動以前に親や友達などから「おまえって○○なやつだよなー」とか「あなたは本当に△△な人だよね」などと言われることはあったかもしれませんが、自分で自分の性格を表現することはあまりありません。

また性格を紹介するにあたって、過去の経験を振り返りますが、ふと過去の出来事を思い出す機会はあっても、それがなぜ起こったか、や得たことなど掘り下げて考えることはあまりなかったかと思います。
就職活動においては、自分をしっかりと理解し、それを言葉にしてうまく伝えられるようにしなければいけません。

私は今までに自分ってこういうところがあるなと軽く考えたことはあっても、それを過去の経験と関連付けたりすることは多くありませんでした。
周りからの印象や経験を踏まえて、改めて自分を把握することで、今までに気付いていなかった自分の特徴に気づくことができました。

自分はLGBT当事者であることに加えて、軽い障害も抱えています。その点の特徴は文字に起こして伝えやすいことですが、それだけで判断されたくないという気持ちもずっと持っていました。
就職活動では「1分間程度で自己PRをしてください」といった質問が来ることがあります。その際に以上のような特徴以外に、堂々と自分の説明をすることができるようになったのは、大きな進歩だと思います。

就職活動における自己分析は、いい点だけではありません。自分の短所に改めて気づくこともあるために、辛いこともあるかと思います。しかし、働くにおいて、自分と言う存在をしっかりと自分で把握しておくことは役立つかと思います。

就活で身についたマナー。LGBT当事者による就活体験記2。

LGBT当事者もしくはアライによるレポートシリーズ。今回は、就職活動の体験記の2回目です。

前回の記事に続いて、私が就職活動を経て変わったことを紹介します。

敬語や礼儀を身につけられた

今までに接することがあった目上の人は、少なくはなかったと思いますが、厳格な礼儀が必要になる場面はほとんどなかったと思います。
学校の先生や、バイト先や学校での先輩があたるかと思いますが、体育会系などでかなり厳しい関係などでなければ、あまり厳しくはなかったと思います。
実際に私は体育会系の部活などの経験はなかったために、先生や先輩に対してタメ口まじりの不適切な敬語を使っていました。
メールの書き方などは大学生活を経て学んだ面もありますが、機会が多くなかったために慣れてはいませんでした。

敬語で言えば、学校で尊敬語、謙譲語、丁寧語は習いましたが、使い慣れていなかったため初めは苦労しました。
使い間違えると聞き手としては主語が分からずに混乱してしまう場合があるので、注意が必要です。

NEXT 就活で身についた「マナー」

会社説明会に参加して気づいたこと。LGBT当事者による就活体験記。

LGBT当事者もしくはアライによるレポートシリーズ。今回は、就職活動の体験記です。

私は就職活動を既に終えました。数か月にわたる就職活動を通して、私は変わったと思います。それはいい意味もあり、悪い意味もあります。その経験を、これから就職活動をする方たちへのアドバイスも含め紹介していきたいと思います。

会社に対するイメージが変わった

就職活動では、Web、会社説明会、就活イベントなど様々な機会で、会社を知る機会があります。

私は、普段愛用している商品のメーカーや、よく行く店舗を運営している会社に行ったこともあれば、今まで自分が意識したことのなかった事業を行っている会社を見に行ったこともあります。

特に今まで消費者として関わっていたメーカーや小売店の場合は、説明会や求人情報でのそのギャップに驚くことが多くあります。

ナビサイトやコーポレートサイトの情報ももちろん重要な情報源ですが、それ以上に説明会が一番印象に残りました。実際に足を運んで説明会に行っても、選考に進んだ例も進まなかった例も多くありました。

説明会は多くの場合以下のような内容で構成されます。

・会社紹介
・先輩社員の話(職種紹介)
・社長や役員からの話
・募集要項、選考フローの説明
・質疑応答、アンケートなど

現場で働く社員と直接接することができるが故に、会社の印象に大きく影響します。社長や人事の方がすごくだるそうに話していれば、それだけで受けるかどうか悩んでしまうほどです。

逆に会社の業種や規模を問わず、すごく親切で丁寧な説明会だとそれだけで魅力的な会社に見えますよね。

また、休日の数や勤務時間、福利厚生などの労働条件をデータとして見ることになるので、実際に消費者としての印象とのギャップが生まれる場合もあります。

業界によっての傾向はありますが(平日休みか休日休みかなど)、募集要項はよく見ておいて他社とよく比べた方がいいです。自社の社員を大切にできている会社が本当にいい会社ですよね。

NEXT 会社説明会の参加時のポイントは?

世界のLGBT事情。中国の場合。

今回は日本のお隣の国、中国のLGBT事情を見ていきたいと思います。中国というとどのようなイメージを持つでしょうか?LGBTに関する用語から実情まで簡単に紹介します。

同志という言葉

“同志”は、性的少数者を表す語になっています。ほとんどの場合、男性の同性愛者、ゲイを表しています。
はじめは、1989年に香港の同性愛映画祭で、そのイベントの名前が主催者によって、中国語で香港同志影展と名付けられたことに始まったようです。
以降同性愛者を主にLGBT全体を指す言葉として使われ始め、今では北京LGBTセンターの中国語の名前も、北京同志中心になっています。

元々の意味

同志という言葉自体は、1989年の以上の言葉で生まれたわけではありません。本来の意味は、友達間で呼び合う時の呼称として使われていたようです。
現代になると、“志を同じくする人”のことの意味で、中華民国の革命期に、毛沢東らが用い始めたようです。
現在の中国の国家主席である周近平は、「私を主席でもなく、総書記でもなく、(本来の意味で)同志と呼んでほしい」と述べています。若者の間で多く使われるLGBTの意味での同志ではありますが、60歳を超える彼も意味は知っているんですね。

他のLGBT用語

中国語でLGBTのそれぞれ翻訳は以下の通りになります。

ゲイ…男同性恋者
レズビアン…女同性恋者
バイセクシュアル…双性恋者
トランスジェンダー…跨性別者

跨の字は日本語でまたぐと読みます。日本語と少し違いますが、意味を推測できますね。
ちなみにセクシュアル・マイノリティは“性少数”と書きます。しかし現在では同志またはLGBTと書いてあることの方が多く感じます。

NEXT→ 中国のLGBT事情とは

性別で分けられる色。誰もが自分の好きな色を選べる社会にしたい

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出展:http://randoseru.tokyo/index.html

LGBT当事者もしくはアライによる「セクシュアリティ」に関するレポートを紹介するシリーズ。
今回は様々な場面で区別される男女に疑問を持つ方のレポートです。

自分の好きな色

「どうして男子のランドセルは黒で、女子は赤なのか」。

小学生の時、ふとそんなことを思うようになった。
当たり前のように買ってもらった赤いランドセルを何の疑問もなく使っていたけれど、私はそこに強い違和感を覚えた。
黒が好きな女子だって、赤が好きな女子だっているはずなのに、どうして男子は黒、女子は赤と決められているのか不思議に感じた。
その他にも銭湯ののれんや公衆トイレのマークなど、日常生活の中で「男性」と「女性」をはっきり意識することがあった。

最近はランドセルのカラーバリエーションが増え、水色や紺色など様々な色のランドセルを背負った子どもたちを見かけるようになった。

色が増えたことによって子供たちが自分の好きな色を選べるようになった利点もあるが、性別を超えた「自分自身の好きな色」を選択できることはとても良いことだと感じている。

幼少期に「男の子だから、女の子だから」という視点をできるだけ意識させないのは大切ではないだろうか。
子供の頃に受けた傷がトラウマとなって大人になってからも苦しめられる人がいるように、幼少期の体験はその人の価値観を形成する大きな要素になりえる。

性差を意識させないことは、その後のLGBT理解に大きくつながっていくのではないだろうか。
LGBTへの理解が少しずつ広まってきたとはいえ、セクシュアルマイノリティを差別もしくは嫌悪する人も多い。私はそういった人たちに理解をおしつけることは違うのではないかと思う。
LGBTへの理解を普及させながら、周囲からの冷たい視線とどう折り合いをつけていくのかが大切だと感じた。
誰もが「自分自身の好きな色」を胸をはって言えるような世の中にしていきたい。

就活とLGBT。服装やカミングアウトなど。 就活ノウハウ講座

就活において、セクシュアリティに関わることで悩むLGBT当事者は少なくありません。
今回は、就活とLGBTをテーマに記事を紹介していきます。

カミングアウトする?しない?

カミングアウトするかしないかは、個人の自由ですが、どうすべきか悩んでいる人も多いのではないでしょうか。

▼カミングアウトせず就活したMTFの学生の場合

【就活体験記】大手企業から内定を得るまで。トランスジェンダー編

▼カミングアウトして就活したXジェンダーの学生の場合

【就活体験談】Xジェンダーという個性を就活でどういかすか?

LGBTフレンドリー企業の探し方

カミングアウトするしないなどに関わらず、できればLGBTフレンドリーな会社に入社したいというLGBT学生は多いです。
また、LGBTのダイバーシティが進んでいる企業は、多様な個性を尊重することで成長しようとしている企業なので、今後の成長性も高い可能性があります。

▼LGBTフレンドリー企業の探し方、4つのポイント

career

まとめ

LGBTといっても、就活の上での悩みは人それぞれです。
自分がどんな働き方をしたいかによって、就活の仕方や、志望する企業も異なります。
悩んだら、信頼できる人に相談するなどして、楽しみながら就活をしましょう。

「LGBTフレンドリーだから」は志望動機になる?「志望動機の書き方」 就活ノウハウ講座

就活において「志望動機」をしっかり考えておくことは重要なことです。なぜなら、志望動機は面接や履歴書など様々な過程において求められるからです。今回は就活における志望動機の書き方をご紹介したいと思います。

なぜその企業で働きたいのか?

志望動機を書く手順として“自分はなぜこの企業に入りたいのか”ということを考えてリストアップしてみましょう。

社風、企業理念、事業内容、福利厚生など、まずは書き出してみるといいです。

また、なぜ働きたいのかをリストアップする上で、その企業を深く知ることが必要になってきます。
企業のコーポレートサイトや採用情報、新聞やニュースなどの情報を収集するのもよいです。

志望動機の書き方

志望動機を書く際には構成を組み立てることが重要です。

1 最初に結論を書く
2 希望する業界への志望動機
3 希望する会社への志望動機
4 入社したらやりたい事・できる事
5 やる気のアピールや決意表明

この順序で組み立てていくと、読みやすいので相手に伝わりやすいです。

また、自分の長所を踏まえ、その会社でどんな活躍ができるのか、どんなことをやってみたいのかも同時に考えてみましょう。
それらは、自己PRにもつながりますし、自分の想いを言葉にすることで、熱意が伝わります。

志望動機に「LGBTフレンドリーだから」は書いていいの?

最近では、LGBTフレンドリーであることを社外に発信する企業も増えてきました。

LGBTフレンドリーであることをきっかけにその企業に興味を持った、より志望度が上がったということであれば、志望動機に加えてもまったく問題ありません。
実際に、LGBTフレンドリーであることを発信するようになってから、LGBT当事者・非当事者に関わらず、「LGBTフレンドリーに興味を持って応募をしてくれる人が増えた」という企業は多いです。

LGBTフレンドリー企業はたくさんあるので、志望動機が「LGBTフレンドリーだから」だけだとやや弱いです。
その他にも興味をもったポイントを書くと、より説得力が増していきます。

見られている?会社説明会で気を付けたいこと 就活ノウハウ講座

会社説明会では、企業概要や理念・仕事の内容やどんな人材が欲しいかなどの話をされます。
参加する前の準備次第で、より参加する意義のあるものになります。
また、LGBT学生の中には服装を気にしている人もいるのではないでしょうか。

事前に下調べをしておこう

説明会に行く前に、その企業のホームページなどを見てある程度企業情報を知っておきましょう。
そうしておけば、当日に企業の方に質問したいと思うことが見つかるかもしれません。

また、ニュースサイトで企業がどのようにメディアで取り上げられているかなどを把握しておくと良いでしょう。

説明会の態度はみられている

説明会では、人事の人が学生を見る機会でもあります。
次のようなことに気をつけると、好印象を持たれます。

・遅刻しない
・早く行きすぎない(開始5~10前がちょうどよいです)
・話を聞いているときは、話をしている人の方を見て適度にうなづく
・質問をする

どんな服装で参加すればいい?

会社説明会に参加する際は、リクルートスーツの着用が一般的です。
上記でも述べたように、人事から見られているということに注意して、身だしなみを整えましょう。

・髪に寝ぐせがついていたり、ボサボサになっていないか
・スーツのサイズはちょうどよいか(サイズが合っていないとだらしない印象を与えます)
・ネクタイがまがっていないか
など

ただ、LGBT当事者の学生の中には、リクルートスーツの着用に抵抗があるという人もいます。
リクルートスーツは義務ではないので、それにかわる清潔感のある服装でも原則的には問題はありません。

また、自由な服装で参加OKな企業もあります。
そういった企業の説明会に参加時する際は、普段着ているような服装でかまいません。
ただし、清潔感のある身だしなみはこころがけましょう。