LGBT当事者もしくはアライによる「セクシュアリティ」に関するレポートを紹介するシリーズ。
今回は就活の体験記です。
男女に捉われない考えを活かしたい
私はMTXを自認しており、ネクタイなど男性らしい服装などを心ぐるしく思います。
私は就活においてXジェンダーであることはオープンにしていました。私はトイレや更衣室の問題があるわけでもなく、またこれがひとつの個性だと思ったからです。
なので隠すよりもむしろ、「男らしい、女らしいというのが嫌いです」と積極的に伝えていました。
3月に就職活動を始めたとき、主にアパレル業界をみていました。
セクシュアリティがXジェンダーであることから「男女に捉われない」という考えが活かせると思ったこと、そしてもともと服が好きだったからです。
しかしなかなか思うように進まず、内定まで至りませんでした。
「男女に捉われないブランドやショップ」というのはおもしろいと言ってはもらえましたが、ビジネスとして成り立たせるのは難しいとのことでした。
就職活動を始めて数か月、内定がなく若干焦り初めていた頃、周りの人との相談も含め、視野を広げました。そこで気づいたことがありました。
Xジェンダーというだけで内定とはならないということを。
Xジェンダーという個性だけでは内定はとれない
Xジェンダーが自分のひとつの個性であるという考えは今も変わっていません。
しかしそれが企業側からみて面接を通過させ、内定を出し、ビジネスを任せる理由までにはならないのです。
メンズレディース以外の服の需要は一定数ありますが、マーケットとして大きくはありません。
自分自身の経験を活かし何ができるのかもう一度考えなおし、ありのまま生きられる人を増やしたい(もちろん自分も含め)という思いに気づきました。
それを過去や会社のビジョンに結びつけて話し始めたとき、内定をもらうことができました。
上記の思いに合致する会社、内定先はいくつかありましたが、最終的に人材業界に決めました。自分自身のセクシュアリティと向き合っていなければ知らなかった会社です。
就活でセクシュアリティをオープンにするかどうかは人それぞれ
就活においてセクシュアリティをオープンにするかどうかは人それぞれでいいと思います。私もXジェンダーであることを隠していればもらえた内定があったかもしれません。
しかし一番理想なのは、カムアウトする必要のない世の中です。
ありのままにいられる人を増やすために、内定先で勤めていこうと思います。