生田斗真がトランスジェンダーの女性を演じる話題の映画来春公開

LGBT当事者もしくはアライによるレポートシリーズ。今回は話題の映画です。

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LGBT当事者が登場する映画作品は数多くありますが、2017年にもまたひとつ、話題の映画が公開されます。

それが、映画「彼らが本気で編むときは、」です。

母親と二人で暮らしていた、愛を知らない孤独な少女トモ。
しかし、母親が家を出てしまい、ひとりぼっちになってしまいます。

そんなトモが頼ったのは叔父であるマキオ(桐谷健太)でした。

マキオは心優しいトランスジェンダーの女性、リンコ(生田斗真)という恋人と共に暮らしています。

そこにトモが加わり、3人での生活が始まります。

それぞれの幸せをみつけるまでの60日間を描いた心温まるストーリーです。

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リンコを演じるのは生田斗真

主演は、演技力が高く評価されている生田斗真さん。

インタビューでは、「こんなに難しい役はない」と語っています。
生田斗真さんの周りには以前からLGBT当事者がおり、身近な存在だったといいます。

リンコを演じるにあたり、知人のトランスジェンダーの方などに話を聞き役作りをしていったそうです。

LGBT当事者との会話や、映画撮影を通じ、LGBT当事者が自分らしく生きるためにはまだまだ課題もあることを感じたと語っています。

また、この作品を通して、「いろんな愛の形を伝えたい」とも話しています。

LGBTの理解が広まるきっかけに

公開は2017年2月25日。

人気俳優である、生田斗真さん、桐谷健太さんの主演であることから、話題の映画になるのではないでしょうか。
この作品を通して、LGBTへの理解が広まっていくことを願います。

私自身も純粋に、この映画に魅力を感じました。公開が待ちどおしいですね。

参照
「彼らが本気で編むときは、」
http://kareamu.com/

MtFの就活体験記「大手企業から内々定を得るまで」

LGBT当事者もしくはアライによるレポートシリーズ。今回はMTFの方の就活体験レポートです。

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私が「女子大生」になるまで

私は現在大学4年生です。
先日誕生日を迎え、ついに25歳になりました。四捨五入すると30歳です。

なぜ私が25歳で「女子大生」をしているかというと、私の生い立ち、セクシュアルマイノリティという事柄に深く関わってきます……。

私のセクシュアリティは、ざっくり言うと「トランスジェンダー」らしいです。
私の場合は、男として生まれ現在は女として生活している、通称「MtF」に区分けされています。

私は幼いころから性別の違和感が拭えなかった典型的なパターンでした。
高校卒業後は親元を離れて上京し、女性として生きるためにホルモン療法を開始して性別をシフトチェンジしていきました。

働きながらトランスをしていき、女性として認知されるようになった20歳の時に大学に入学しました。

ジャストのタイミングで性別適合手術の費用も貯まったので、大学の長期休暇を使い、タイで全てをモデルチェンジしました。

その年には戸籍上の性別も変更し、はれてフツーの「女子大生」に進化(?)することができました。

就活せねば!と一念発起

大学3年生になった2016年3月。
翌年の3月には大学を卒業するつもりでいたので、「就活せねば!」と一念発起しようとしました。
しかし、何から始めたらよいか分からなくて、路頭に迷っていた時にNijiリクルーティングの存在を知りました。

「とりあえず、私もセクマイの端くれなので登録しておこう」という軽い気持ちで就活イベントに行きました。

Nijiリクルーティングのキャリアアドバイザーの方は、セクマイに関わること以外にも就職活動のアドバイスなどをしてくださいました。

私はコミュ障なのも相まって、初めから就職活動は苦戦するだろうと踏んでいました。

しかし、Nijiリクルーティングからのアドバイスなどのおかげで、多少苦戦はしましたが、七夕(7月7日)に化粧品業界の大手企業に内々定を頂きました。

就活でMtFであることは
話さなかった

私は自分がMtFであることを公表して就職活動は行いませんでした。

セクシュアルマイノリティであることを公表して企業面接を受けたこともあります。

しかし、セクシュアリティのことを聞かれたれることもあり、戸籍の性別も変えている以上、わざわざ腫物に触るような扱いを受けるようなことを言わないでもいいのではないかと思うようになりました。

変に気を使われて打ち解けられない雰囲気になるのであれば、男女の分けられた世界で女性として埋没している方が私は気が楽でした。

なので、カミングアウトをしないまま就職活動をすることを選びました。

私がこの就職活動を通して感じたのが、必ずしもカミングアウトすることが全てではないということです。

nijipi編集部より

人によって事情は様々なので、就活をする上でカミングアウトするかどうかもそれぞれの意思によるものだと思います。
彼女の場合はカミングアウトすることがすべてではないと感じたようです。

カミングアウトせずに働く人はたくさんいます。カミングアウトできる環境ではないという人もいれば、LGBTフレンドリー企業に勤めながらもあえてカミングアウトしないことを選択している人もたくさんいます。

トランスジェンダー役を男性が演じることに批判意見が続出?

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トランスジェンダー役は
トランスジェンダーでなければ演じられない?

映画『Anything』 (原題/エグゼクティブプロデューサーはマーク・ラファロ)、に登場するMTFのトランスジェンダー役に、男性であるマット・ボマーが起用されたことに批判が集まっています。

この映画のストーリーは、妻を亡くした自殺願望をもつ男性が、ミシシッピからロサンゼルスに引っ越し、そこでマット・ボマーが演じるトランスジェンダー(MTF)の売春婦と友人になるというものです。

エグゼクティブプロデューサーのマーク・ラファロは、企画が発表された際「この企画に参加できてすごくうれしいと思っています」「愛は偉大な物語の本質であり、すべての差別や政治を超越する」と話しました。

しかしマーク・ラファロがインタビューで映画の配役についてコメントした途端、実際のトランスジェンダーを起用しなかったことを批判するツイートが彼のもとに集中したと Washington Post などが報じています。

批判の内容は、「トランスジェンダーはトランスジェンダーの人が演じるべき」や、「トランスジェンダー気持ちはトランスジェンダーの方にしかわからない」等。

自分自身もMTFのトランスジェンダーであり、女優もであるジェン・リチャーズも、男性であるマット・ボマーがFTMのトランスジェンダー役に配役されたことに反対意見を述べています。

※トップの写真はhttp://www.imdb.com/name/nm0093589/より

マット・ボマーってどんな人?

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マット・ボマーTwitterよりhttps://twitter.com/MattBomer

トランスジェンダー役に演じることに批判をされているマット・ボマーとはどんな人物なのでしょうか。

マット・ボマーは、アメリカのテレビドラマ『トゥルー・コーリング』のルーク役、『ホワイトカラー』のニール・キャフリー役で知られる俳優です。

彼はトランスジェンダーではありませんが、LGBT当事者ではあります。
男性のパートナーと同性婚をしており、2012年にはゲイであることをカミングアウトしています。

リリーのすべてにも批判はあった

『リリーのすべて』でMTFのトランスジェンダー役を演じたエディ・レッドメインや、『ダラス・バイヤーズクラブ』でトランスジェンダー役を演じたジャレッド・レトーに対しても同じような批判は持ち上がっていました。

その役と同じ人種、性別などでなければ配役は不適切だという意見があるのです。

 

映画『Anything』の制作サイドはマット・ボマーがトランスジェンダー役を演じることへの批判に対し、すでに撮影が終了していることから配役を変えることはできないとし、「マットはこの役に魂を注ぎ込みました。どうか理解してくれませんか。私たちはまだ学んでいる段階なのです」と、コメントしています。

 

トランスジェンダー役は、
トランスジェンダーの人でないと演じられないという意見、こあせんせーにはわかりませんね!

ではトランスジェンダー役以外でも、同じ境遇、同じ体験をしたことがあるような人でなければ演じてはいけないということなのでしょうか??

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この記事を書いた人

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こあせんせー
早稲田大学法学部卒のストレートアライ。
時事ネタ、法律関係が得意。趣味は将棋とモノポリー。