セクシュアリティをオープンにするリオ五輪選手たち

名称未設定-1
Tom Bosworth twitter @TomBosworth より

リオオリンピックではセクシュアリティをオープンにして活躍する選手が過去最多となりました。
開催中にプロポーズするカップルなども話題になりましたよね。今回はそんなLGBT当事者である出場選手を紹介します!

アリ=ペッカ・リウッコネン (フィンランドの水泳選手)
彼は50メートル自由形のフィンランド記録を持ち、2012年のロンドンオリンピックにも参加しました。彼はロシアのLGBTQコミュニティーが直面している恐ろしい状況を見て、世間の注意をひくように、2014年のソチオリンピック前にゲイであることをカミングアウトしました。「カミングアウトは私にとってゆっくりとした長いプロセスであったが(中略)ついに本当の自分自身でいられるようになり、本当に最高の気分だ」とフィンランド国営放送で語りました。
出場種目:男子100メートル自由形、男子50メートル自由形

カール・ヘスター (イギリスの馬術選手)
リオオリンピックは彼にとって5回目のオリンピックです。ロンドンオリンピックでは個人と団体の馬場馬術に出場し、団体金メダルを獲得しました。比較的前からゲイであることを公表して活動しています。
出場種目:馬場馬術個人、馬場馬術団体(銀メダル獲得!)

キャロライン・シーガー (スウェーデンのサッカー選手)
シーガーは、スウェーデンのミッドフィールダーです。彼女は3度のワールドカップに出場し、2008年と2012年のオリンピックでもスウェーデン代表として出場しています。2013年にカミングアウトしました。
出場種目:女子サッカー

ヘドウィック・ヘンダール (スウェーデンのサッカー選手)
彼女は、スウェーデンのゴールキーパーで、スウェーデンの年間最優秀ゴールキーパー賞を3度受賞しています。また2015年ワールドカップにも出場しています。2011年に女性パートナーと結婚し、子供もいます。
出場種目:女子サッカー

リサ・ダールクヴィスト (スウェーデンのサッカー選手)
彼女もスウェーデンのサッカー選手で、ポジションはミッドフィールダー。2回のワールドカップに出場し、ロンドンオリンピックにも出場しています。
出場種目:女子サッカー

ニラ・フィッシャー (スウェーデンのサッカー選手)
フィッシャーはスウェーデン代表チームのセンターバックで、2013年に彼女の女性パートナーと結婚しました。
出場種目:女子サッカー

ミシェル・ヘイマン (オーストラリアのサッカー選手)
ヘイマンはキャンベラ・ユナイテッド所属のストライカーで、リオは彼女にとって最初に出場するオリンピックです。彼女はカミングアウトについて、自分にとってはすごく単純で大した問題ではなかったと書いています。「私は両親にカミングアウトした日から、すごく気持ちがすっきりしています。自分が何者であるかをもう隠す必要がなく、カミングアウトはより一層自分に自信をもたらすと思う」
出場種目:女子サッカー

ロバート・マンソン (ニュージーランドのボート選手)
マンソンは、2012年のオリンピックに出場し、2015年の世界選手権で銅メダルを獲得しました。
彼は彼の人生に関する、力強いエッセイを書き、アウトスポーツに対してカミングアウトをことに決めました。
出場種目:男子ダブルスカル

サイモン・オーガスタス (アメリカのバスケットボール選手)
オーガスタスは2006年WNBAドラフトの全体1位指名でミネソタ・リンクスに入団。北京オリンピックと、ロンドンオリンピックで金メダルを獲得しました。彼女は昨年ハワイで女性パートナーと結婚しています。
出場種目:女子バスケットボール

トム・ボスワース (イギリスの陸上選手)
ボスワースは20キロ競歩に出場し、これが初めてのオリンピックです。彼は昨年ゲイであることをカミングアウトしています。
出場種目:男子20キロ競歩(惜しくも6位!)

トーマス・デーリー (イギリスの飛込競技選手)
デーリーはロンドンオリンピックで銅メダルを獲得しました。彼はアカデミー賞を獲得したこともある脚本家のダンスティン・ランス・ブラックと2015年に婚約を発表しています
出場種目:男子10メートルシンクロ高飛込(銅メダル獲得!)
エドワード・ガル (オランダの馬術競技選手)
ガルは、チーム馬場馬術、ならびに2010年の世界選手権でホーム多数の金メダルを取りました。また2012年ロンドンオリンピックで銅メダルを獲得しました。彼とチームメイトのハンス・ペーターとは数年の付き合いです。
出場種目:馬場馬術個人、馬場馬術団体

マールチュ・パウメン (オランダのフィールドホッケー選手)
彼女は長年に渡ってオランダ代表ホッケーチームのメンバーに選ばれています。北京とロンドンでオリンピック金メダルを取っいます。彼女はトップオリンピックスコアラーの一人で、北京、ロンドン五輪の両方で14ゴールを記録しています。
出場種目:女子ホッケー

カルリアン・ディルクス・ファン・デン・フーヴェル (オランダのフィールドホッケー選手)
彼女は2012年のロンドンオリンピックで2ゴールを決め、金メダル獲得に貢献しました。
出場種目:女子ホッケー

ミーガン・ラピノー (アメリカのサッカー選手)
ラピノーはアメリカのシアトル・レインFCのミッドフィルダーです。彼女は2012年のオリンピックとワールドカップに出場していて、オリンピックでのコーナーキックからの直接ゴールは有名ですね。
出場種目:女子サッカー

マイッサ・ペソア (ブラジルのハンドボール選手)
ペソアはロンドンオリンピックでレズビアンであることをカミングアウトしました。
彼女はモデルのニッキ―と婚約しています。
出場種目:女子ハンドボール

ハンス・ペーター・ミンデルフート (オランダの馬術選手)
ミンデルフートは2008年の北京オリンピックでチーム馬場馬術で銀メダルを取りました。またケンタッキーの世界選手権で金メダルをとりました。

ニコラ・アダムズ (イギリスのボクシング選手)
アダムズはカザフスタンでタイのピェンウィライ・ラオピェムを破って以来、フライ級の世界チャンピオンです。2012年のロンドン大会では金メダルを獲得しており、今回はその防衛戦となります。バイセクシュアルであることをカミングアウトしています。
出場種目:女子ボクシング

ラリッサフランカ (ブラジルのビーチバレー選手)
フランカは、2012年のロンドンオリンピックで銅メダルを獲得し、2度アメリカ大陸選手権のタイトルを獲得しました。彼女は2013年にリリマエストリニと結婚しました。
出場種目:ビーチバレー(おしくも4位)

ブリトニー・グリナー (アメリカのバスケットボール選手)
グリナーは現在、フェニックス・マーキュリーのセンターとして活躍していて、WNBAの年間優秀ディフェンスプレイヤーに2度選ばれました。彼女は2013年にカミングアウトしています。
出場種目:女子バスケットボール

ステファニー・ラベー (カナダのサッカー選手)
ラベーは、カナダのナショナルチームのためにゴールキーパーだけでなく、ワシントン・スピリットにも所属しています。彼女は2度のワールドカップおよび多数の他の試合でカナダ代表として出場しております。
出場種目:女子サッカー

アレクサンドラ・ラクラベーラ (フランスのハンドボール選手)
リオは彼女にとって3回目のオリンピックになります。2011年世界選手権で銀メダルを獲得したとき、フランス代表ハンドボールチームで出場。彼女はロンドン五輪の前にカミングアウトしました。
出場種目:女子ハンドボール

イアン・マトス (ブラジルの飛込競技選手)
マトスは2011年アメリカ大陸選手権に出場し、4位になりました。彼はまた、アメリカのワールドツアーイベント中に2012年に銅メダルを獲得しました。マトスは2014年にゲイであることをカミングアウトしました。
出場種目:男子3メートルシンクロ板飛び込み(8位入賞)

エンジェル・マコートリー (アメリカのバスケットボール選手)
マコートリーはWNBAでアトランタ・ドリームで活躍しています。彼女は2度の WNBAの得点王のタイトルを獲得しており、ブランデ・エリーゼさんと結婚しています
出場種目:女子バスケットボール

マリー・イブ・ノールト (カナダのサッカー選手)
ノールトはカナダが銅メダルを獲得した2度のワールドカップと2012年オリンピックでのカナダ代表のディフェンダーとして出場しています。彼女は7歳からサッカーを続けています。
出場種目:女子サッカー

アシュリー・ニー (アメリカのカヌー選手)
ニーは、2015年のアメリカ大陸選手権で銅メダルを獲得しました。リオは彼女の最初のオリンピックになります。彼女は2008年の北京オリンピックの前に肩の負傷に苦しみ、ちょうど2012年オリンピックは予選を勝ち抜くことができませんでした。彼女の妻、アシュリーマクエワンは、彼女のオリンピックの夢を追いかけ続けるように説得しました。そして今回の初出場につながりました。
出場種目:女子カヤック

ヘレン・リチャードソン・ウォルシュ (イギリスのフィールドホッケー)
リチャードソン・ウォルシュは3度オリンピックでのMFとして出場し、3度世界オールスターチームに国際ホッケー連盟から選ばれました。彼女の妻ケイトはフィールドホッケーのチームメイトでもあり、2013年結婚して、一緒にリオに出場します。
出場種目:女子ホッケー

ケイト・リチャードソン・ウォルシュ (イギリスのホッケー選手)
リチャードソン・ウォルシュは、彼女の四度目のオリンピック出場することになります。彼女は2003年からチームのキャプテンとなって、2007年以来のイギリスのホッケー選手です。
出場種目:女子ホッケー

スザンナ・タウンゼント (イギリスのホッケー選手)
タウンゼントは、2008年のオリンピック以来、国際大会に出場し続けています。 2014年に、彼女は今年のホッケー記者クラブが選ぶ、その年の女子プレーヤーに選ばれました。彼女とそのガールフレンド、チェンバレンは、いくつかの大会で対戦しています。
出場種目:女子ホッケー

ジェフリー・ヴァメス (オランダの体操選手)
ヴァメスは2005年から大会に出場していて、2008年のワールドカップで銀メダルを獲得しました。リオは彼の最初のオリンピックになります。彼は2011年にカミングアウトしました。
出場種目:体操各種目

スペンサー・ウィルトン (イギリスの馬術競技選手)
彼は1999年に最初の馬場馬術の国内タイトルを獲得しました。13度の国内タイトルを獲得してきた一方で、リオは彼にとって最初のオリンピックです。
出場種目:馬場馬術個人、馬場馬術団体(銀メダル獲得)

ケイティ・ダンカン (ニュージーランドのサッカー選手)
ダンカンは3度のワールドカップに出場し、北京とロンドンオリンピックにも出場しました。彼女は2015年にプリシラと結婚しました。
出場種目:女子サッカー(予選敗退)

ナディーネ・ミュラー (ドイツの円盤投げ選手)
ミュラーは10代のころから競技を続けています。彼女は2011年世界選手権で銀メダルを獲得し、2015年には銅メダルを獲得しました。ロンドンオリンピックにも出場しました。彼女は2013年に大晦日に彼女の妻と結婚しました。
出場種目:女子円盤投げ(6位入賞)

ケリー・グリフィン(アメリカのラグビー選手)
グリフィンは2013年ラグビーワールドカップで銅メダルを獲得し、2015年のアメリカ大陸選手権ではで銀メダルを獲得しました。彼女は妻からのサポートを信頼しています。
出場種目:女子ラグビー

メラニー・エニック (フランスの水泳選手)
エニックは50メートルバタフライで2011年世界選手権で銅メダルを獲得しました。 彼女はレズビアンであることをカミングアウトしています。
出場種目:女子50メートル自由形(予選敗退)

ジリオン・ポッター (アメリカのラグビー選手)
ポッターは癌を克服した後、2016年のオリンピックで注目を浴びています。彼女は決して希望を失わないために、彼女の妻、キャロルファブリツィオと共に生きています。
出場種目:女子ラグビー
エレナ・デレ・ダン (アメリカのバスケットボール選手)
ダンは3回WNBAオールスタースターターであり、2015年WNBA MVPに選ばれました。彼女は現在、シカゴ・スカイでプレーしています。彼女は、ヴォーグの8月号でカミングアウトし、アマンダ・クリフトンと結婚しています。

アミニ・フォヌア (トンガの水泳選手)
フォヌアはロンドンオリンピックでトンガの旗手を務めました。リオでは男子100メートル平泳ぎに出場しました。
出場種目:男子100メートル平泳ぎ

イサドラ・セルーロ (ブラジルのラグビー選手)
セルーロは2015年のアメリカ大陸選手権で銅メダルを獲得しました。リオは彼女にとって最初のオリンピックです。 2016年のオリンピックで彼女の最後の試合の後、彼女のパートナー、マージョリーエンヤにプロポーズしました。
出場種目:女子7人制ラグビー

ラファエラ・シルバ (ブラジルの柔道選手)
シルバは、2012年ロンドンオリンピックで一旦は技ありと判断されましたが、足をつかんでかけた技と判断され反則負けになりました。地元リオはで金メダルを獲得しました。
出場種目:女子柔道57キロ級(金メダル!!!)

日々熱い戦いがくり広げられたリオオリンピックもついに閉幕!
リオではLGBT当事者である出場者が過去最多であることも話題になりました。東京オリンピックではさらに自らのセクシュアリティをオープンにして出場する選手が増えるのではないかと言われています。

koasenseこあせんせー

 

この記事を書いた人

koasenseicon
こあせんせー
早稲田大学法学部卒のストレートアライ。
時事ネタ、法律関係が得意。趣味は将棋とモノポリー。

台湾、同性婚が合法化へ

3cd163dac5f3af2fe70c2a56515ef8ee_s

台湾で、同性婚を合法化する法案が早ければ年内にも立法院(国会)に提案される見通しです。成立すればアジア初となります。

台湾はLGBTへの対応が最も進んでいる

台湾は、LGBT(セクシュアルマイノリティ/性的少数者)への権利擁護ではアジアで最も進んでいると言われています。
実際に台北の街では同性で手をつないで楽しそうに歩くカップルをたくさんいます。周囲の人たちも気にとめる様子はありません。
2006年4月に台湾の女性団体が6,439人を対象にした調査では、75%の人々が同性間のリレーションシップに対して「認める」と回答し、早くから同性カップルに対して寛容なムードがあります。
職場や学校での性的指向に基づく差別は禁じられ、台北や高雄など主要都市では法的拘束力はないものの同性カップルをパートナーと認める取り組みが始まっています。

このように理解が広がっている背景には台湾の歴史が関わっています。

台湾では、第二次大戦後、中国大陸からやって来た国民党政府が長らく戒厳令を敷き、無実の罪で投獄される人が相次ぐ暗い時代が続きました。

今年5月に女性として初めて台湾総統に就任した蔡英文氏が属する民主進歩党(民進党)は、1986年に国民党に対する抵抗勢力として誕生しました。

LGBT政策は自由と人権、多様な価値観を尊重する「民主化後の台湾社会」を象徴する政治的課題であり、台湾の主体性を重視する立場からすれば、人権抑圧が続く中国との違いを明確に打ち出せるテーマでもあります。

蔡英文氏は、自身のフェイスブックで「愛の前には誰もが平等、私は婚姻の平等の権利を支持します」と同性婚支持を明確にしています。

同性婚を合法化する法案は2013年にも立法院に提出されましたが、委員会レベルで挫折しています。
しかし、今年1月に民進党が選挙で立法院の定数113のうち68議席を獲得し初めて過半数を制しました。LGBT支援を掲げる新党「時代力量」も5議席を得ており、同性婚の合法化が進むとみられています。

改正法案には、同性のカップルを結婚したカップルとして登録することや、財産や不動産の相続、代理親契約などの権利を明記することが検討されています。

同性婚への支持の高まりは世論調査にも表れている

台湾の司法省がインターネットを通じて昨年実施した世論調査では、同性婚の合法化を支持するという回答が71%に上り、それまでの調査よりもさらに増えました。

台湾のマクドナルドは若い男性が自分の父親にカミングアウトするCMを流しました。宗教団体からの反発はありましたが、世論調査では好感度は高く、3月4日にYoutubeに投稿されて以来、支持は9,600件、不支持は600件にとどまっています。

日本からも近い台湾でこのような動きが起こっていることは大変興味深いですね。もちろん政治的な思惑が大きくからんでいるのですが、ぜひ合法化して欲しいと思います。

koasenseこあせんせー

 

この記事を書いた人

koasenseicon
こあせんせー
早稲田大学法学部卒のストレートアライ。
時事ネタ、法律関係が得意。趣味は将棋とモノポリー。