近年、ドラァグクイーンたちが活躍するミュージカル作品が数多く日本へ上陸し、話題を集めているのをご存じでしょうか。
ドラァグクイーンの起源は、男性の同性愛者が性的指向の違いを超えるための手段として、ドレスやハイヒールなどの派手な衣裳を身にまとい、厚化粧に大仰な態度をすることで、男性が理想像として求める「女性の性」を過剰に演出したことにあるといわれています。
近年ではパフォーマンスや趣味として異性愛者(ストレート)がドラァグクイーンとなることもあります。しかし、やはりゲイ文化の一環として生まれた異性装の一つであるため、ゲイやバイセクシュアルのドラァグクイーンが圧倒的に多いです。
ドラァグクイーンが登場する作品の中には、セクシュアリティを考えさせられるテーマも多く、LGBTを知る・理解するきっかけにもなります。
では今年日本に初上陸した2作品をご紹介します。
ブロードウェイミュージカルKinky Boots
KinkyBoots公式サイトより ※日本版
ドラァグクイーン用のブーツを作る物語と一言で言ってしまうことも出来ますが、家族へのカミングアウトやその後の葛藤なども描きながら、明確なメッセージ性を持った作品です。
ドラァグクイーンのローラは、女性に憧れを持ち、自分自身を女性の鏡であると語ります。彼女は、彼女に差別意識を持つ男性に、「ありのままの他人を受け入れろ」というメッセージを残します。彼女の言葉と存在が、周りの人々の認識を変えていきます。
ミュージカルならではの歌とダンスの迫力も満点、フィナーレでは誰もがハッピーになれる作品です。
劇場で配布されるアンケート用紙の性別欄には、劇中のセリフを引用し「どちらか決めかねている貴方」という項目が。
ブロードウェイミュージカルKinky Boots アンケート用紙の一部
ブロードウェイミュージカルKinky Boots
日本版
~2016年9月4日(日) 東急シアターオーブ (東京都)
http://www.kinkyboots.jp来日版
2016年10月5日(水)~2016年10月30日(日) 東急シアターオーブ (東京都)
http://w1.onlineticket.jp/tkt13/main.jsp?prm=U=14:P2=184888:P3=0003:P6=603:P10=10:P1=0005
ミュージカル「PRICILLA」
今年の12月に日本での初上演が予定されている作品で、原作は1994年製作のオーストラリア映画です。
この作品の主人公は3人のドラァグクイーン(妻と息子のいたティック、夫を亡くしたばかりのトランスジャンダーのバーナデット、若くて美しいが生意気なアダム)が出会い、1台のバス「プリシラ号」で砂漠を横断する旅に出る物語です。
映画では、行く先々での酷い差別や偏見、家族との再会や新しい恋人などドラァグクイーン達の人生の一部をその美しい姿とともに見ることができます。
この作品のミュージカル版を日本で上演するのは今回が初めてで、美しく力強く生きるドラァグクイーンの姿は、見るものに感動と勇気を与える作品になるに違いありません。
ミュージカル「プリシラ」
2016年12月8日 ~12月29日
日生劇場
http://www.tohostage.com/priscilla/index.html
ミュージカル作品で描かれるドラァグクイーンたちは、パワフルで美しく、そして繊細な心を持ち合わせています。
そんなドラァグクイーンたちの生き様に触れることで、なんだかパワーがもらえるような気がします。
どちらもハッピーで気持ちが上がるミュージカルです♪是非劇場に足を運んでみてはいかがでしょうか(^o^)!?
tommie
この記事を書いた人
tommie
関西外国語大学卒、LGBTアライ。
nijipi編集長。イベント&エンタメ系担当。趣味はアイドルのおっかけ。