電通本社でLGBTに焦点を充てたDiversity Week開催中

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電通報より

電通本社でDiversity Week開催中

東京・汐留にある株式会社電通の本社1階エントランスでDiversity Weekが、9月1日~9月9日まで開催中ということで、さっそく見学に行ってきました。

今回のDiversity Weekでは、LGBTに焦点を当て、「ちがうは、ちから ~違うから分かろうとする。そこに力がうまれる。~」をメインコピーにダイバーシティ社会への理解を深める狙いだそう。(電通報よりhttp://dentsu-ho.com/articles/4387

エントランスに虹色の装飾と、写真家レスリー・キー氏が撮った「OUT IN JAPAN」プロジェクトのさまざまな家族や、カップル、個人などの写真が展示されていました。

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写真家レスリー・キー氏によるプロジェクト「OUT IN JAPAN」。
東京汐留の電通本社での展示会の後は、愛知、奈良でも開催予定だそうです。

OUT IN JAPAN 全国写真展 キャラバン

第3弾:9月17日(土)~9月25日(日)
@7th cafe(愛知県名古屋市中区栄3-18-1 ナディアパーク内デザインセンタービル7階)
※主催:虹色どまんなかパレード実行委員会 ※#007 の写真を中心に約100枚

第4弾:9月17日(土)~10月2日(日)
@ホ・スセリ(奈良県奈良市東向北町6 さくらバーガー 2F)
@きずなかふぇ(奈良県奈良市東向南町6 奈良県女性センター 1F)
@ギャラリーまつもり(奈良県奈良市橋本町31 もちいどのセンター街)
@きらっ都・奈良(奈良県奈良市橋本町3-1)
@藝育(げいいく)カフェ Sankaku(奈良県奈良市下御門町28-1 2階
@ホテルサンルート・奈良(奈良県奈良市高畑町1110) ※なら国際映画祭との連携(期間内6カ所にて実施) ※#007 を除く、#001〜#009 の写真を中心に約800枚

詳しくはこちら
twitter https://twitter.com/outinjapan
Instagram https://www.instagram.com/outinjapan/
HP http://outinjapan.com/

ちがうは、ちから

今回のテーマでもある「ちがうは、ちから」。
エントランスに飾られているタペストリーのメッセージの中には、電通社内でのLGBTへの理解もまだまだこれから、といった内容も。
こうした定期的な発信が、LGBTダイバーシティを知る、考えるきっかけになりそうですね。
エントランスの見学は自由だそうです。

火災保険や自動車保険では初のLGBT対応

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東京海上日動火災保険株式会社が、火災保険や自動車保険において、同性パートナーを「配偶者」に含める商品を開発すると発表しました。
火災や事故の際に事実所婚姻関係と同様の事情にある同性間のパートナーも配偶者と同じ補償を受けられるようになります。

これまで生命保険に関してはライフネット生命や日本生命保険、第一生命などが受取人として同性パートナーも認めることを発表していました。
しかし、火災保険や自動車保険に関する保険商品は東京海上日動火災保険が初となります。

火災保険では契約者の配偶者の家財が焼けた場合、ほぼ自動的に被害が補償されます。しかし、これまで配偶者に同性パートナーは含まれていなかったため、持ち物が焼けても補償を受けとることができませんでした。

今回、東京海上は「配偶者」に同性パートナーも含む商品の認可を金融庁から得ました。こうした金融商品の認可取得は初めてです。
この商品は2017年1月から個人向け保険として販売する予定となっており、既存の契約者については更新時に適用されます。
制度の悪用を防ぐため、同居している事実を示す住民票を提出する必要があります。さらに、渋谷区など公的な証明書を発行している自治体以外の地域では、第三者の署名を含めた確認書の提出を求める方針です。

今回の商品開発の背景として、東京海上は下記のように発表しています。

昨年、渋谷区で同性カップルを男女間の結婚に相当する関係として認めるパートナーシップ証明書の発行を開始され、各企業でもLGBT(※)に対する様々な対応が実施されており、社会的関心が高まってきております。
このような状況を踏まえ、当社といたしましては、お客様の多様な家族形態を尊重し、お客様のいざというときにお役に立てる商品をお届けするため、同性間のパートナーを異性間のパートナーと同様のお取扱いといたします。
(※)LGBTとは、L:レズビアン(女性同性愛者)、G:ゲイ(男性同性愛者)、B:バイセクシュアル(両性愛者)、T:トランスジェンダー(心と体の性の不一致)の頭文字をとった、性的マイノリティ(少数者)を表す総称。

東京海上のプレスリリースはこちら
同性間のパートナーを「配偶者」 同性間のパートナーを「配偶者」として補償の対象に含めます

アメリカなどの欧米諸国に比べ遅れるLGBT(性的少数者/セクシュアルマイノリティ)への対応を急ぐ日本企業が増えてきました。
顧客への対応だけでなく、第一生命保険では「LGBT相談窓口」設置の他、社宅貸与など福利厚生面でも同性パートナーを認めるなど、従業員の中にいるLGBT当事者への対応を行う企業も増えています。
政治においては自民党もLGBT対応を急ぐ法案の策定に動いています。
今後もこうした動きが加速していくことが予想されます。

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こあせんせー
早稲田大学法学部卒のストレートアライ。
時事ネタ、法律関係が得意。趣味は将棋とモノポリー。

LGBTフレンドリー企業ってどんな企業ですか?

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現状の日本社会においては、LGBTの当事者が働きにくい職場環境がたくさんあるというのは残念ながら事実です。
ただ一方で、LGBTも含めたダイバーシティを推進して、すべての人が働きやすい職場環境を実現している、あるいはそれに向けて取り組んでいる企業もたくさんあります。

LGBTフレンドリー企業の定義は明確にないので、人や企業によって捉え方は違います。基本的にはLGBT当事者の方でも特に差別をすることなく働きやすい環境をつくろうとしている企業と考えられます。

まずはLGBT当事者にとって働きやすい環境をつくろうとすること。次にそのための制度を整備すること。さらに実際の職場までその意識を浸透させることといくつかのステップがあります。

LGBTフレンドリー企業って具体的にはどこなのか?というのはなかなか分かりにくいですが、参考として東洋経済社が毎年発行している、「CSR企業総覧」という書籍には「LGBTに対する基本方針(権利の尊重や差別の禁止など)「あり」」の企業」が掲載されています。

この「LGBTに関する何らかの取り組みを行っている企業」の社数は2014年版では116社、2015年版では146社、2016年版では173社と増えてきています。
これはLGBTフレンドリー企業のうち大手企業のリストになります。これらの企業の中でもダイバーシティへの取り組み度合いは異なるので、実際にどのような取り組みがされているかや、職場環境の実態は直接聞いてみないとわからないこともあります。

また大手企業以外の中小ベンチャー企業でもフレンドリー企業はたくさんあります。一般的に大手企業は制度が整っていることが多いですが、働きやすい職場環境というのは制度だけでなく、社風にも大きく影響を受けるので、従業員数の少ない中小ベンチャー企業のほうが、働きやすい職場環境を実現できているケースもたくさんあります。

楽天、同性パートナーも配偶者として福利厚生を適用に

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楽天株式会社(以下楽天)が2016年7月22日に、社内規定の配偶者の規定を改定し、同性パートナーを含むものとしました。

楽天は事業のグローバル展開に伴い、社用公用語を英語化し、それによって外国籍の従業員数も増加。様々なバックグラウンドを持つ人材が集うダイバーシティに富んだ職場であることから、これまでもダイバーシティ推進課が設置され、個々の個性を尊重した制度の充実に取り組んでいました。
その中で、LGBTの従業員からの声も受けて、配偶者の定義を改定することになりました。

この改定により、これまで社内規定上の就業規則において、日本の法律で認められる婚姻証明に基づいて定義されてきた配偶者に、同性パートナーも含まれるようになります。
同性同士であってもパートナーの両者および第三者の証人による署名が記載された会社指定の書類を提出し受理されれば、慶弔休暇・見舞金などの福利厚生が適用されます。

また、2016年6月には社内の有志によるLGBTネットワークも発足されています。
LGBT当事者とアライが協力して社内での理解を深めていく活動を進めているとのことです。

さらに、この規定改定に合わせ、LGBTの顧客向けの取り組みも実施することとなりました。

楽天の顧客が受けられるサービス


楽天ウェディング
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結婚式場探し・結婚式準備の総合情報サイト「楽天ウェディング」では、特設ページを開設し、LGBTにフレンドリーな結婚式場情報を掲載しています。
http://wedding.rakuten.co.jp/special/lgbt/

Viber
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モバイル・メッセージング・アプリ「Viber(バイバー)」では、オリジナルキャラクターにレインボー(LGBTなどの性的マイノリティの権利擁護を支援する意思を示すイメージカラー)をあしらったデザインのステッカーが無料配布されます。

https://viber.co.jp/

楽天カード
楽天カードでは、家族カードの対象を「18歳以上(高校生除く)で生計を同一にする配偶者・両親・子供」としていましたが、この同性パートナーも対象として含まれるようになります。

http://www.rakuten-card.co.jp/

楽天生命
必要書類を提出することで、同性パートナーも死亡保険金受取人として指定できるようになります。

http://www.rakuten-life.co.jp/

楽天Edy
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楽天Edyと楽天ポイントカードを一体化させた「Edy-楽天ポイントカード」の新色として、レインボー柄が限定販売されます。
販売は、楽天市場内の楽天Edyオフィシャルショップにて、8月後半予定です。

http://www.rakuten.co.jp/edyshop/

LGBTへの対応をしているかどうかを取引や企業を評価する基準とする欧米企業が増えてきています。日本でも楽天のようにグローバル展開する企業にとっては、LGBTへの取り組みが必要不可欠になってきています。
日本企業もようやく重い腰を上げた、というところでしょうか。今後もこのような企業は増えていきそうですね。

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こあせんせー
早稲田大学法学部卒のストレートアライ。
時事ネタ、法律関係が得意。趣味は将棋とモノポリー。