性差って何だろう?後編 LGBT当事者による「セクシュアリティ」に関するレポートシリーズ。

LGBT当事者もしくはアライによる「セクシュアリティ」に関するレポートを紹介するシリーズ。
今回のテーマは「性差」についての後編です。

前編はこちら

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性差は性別役割分業の根拠になるの?

ここで断っておかなければならないのは、このような性差の存在を唱える生物学者が性別役割分業を支持する性差別主義者であるわけではないということです。

そのことは著名なサイエンス・ライターであるマット・リドレーの著書『徳の起源―他人を思いやる遺伝子』の中の次の文章に感じ取ることができるでしょう。

「男女の分業は単に生物学的構造の反映にすぎず、女性は出産し幼子の世話をしなければならないため、安全でゆっくりとした、そしてあまり遠くへ行く必要のない活動を受け持つようになったのだという主張もあるが、説得力を欠く。

…偶然にもステレオタイプ化が好きな人にはまことに好都合な材料がここにはふんだんにある。
しかし、女性の居場所は家庭であるということを証明するようなものはなにもない」
(pp.134-136)

性差なんて怖くない!

このように性差を性別役割分業の基盤として考えることは生物学者も支持するところではありませんが、ただ重要なのは性差があるかないかではなく、たとえあったとしても問題ないということです。

重要なのは典型的な「男性らしさ」/「女性らしさ」をすべての男性/女性に押し付けようとしないように社会の1人1人が心がけることです。

「性差」とは統計学的に男女両集団における平均値を比較したときに観察される差異のことでした。

ですから、そうして見いだされた「男らしさ」や「女らしさ」に当てはまらない男性や女性は当然存在します。
これは身長の性差を考えれば容易に理解できることです。

たとえば一般的には男性の方が女性よりも身長が高いですが、しかし言うまでもなく身長が低い男性はいますし、逆に身長が高い女性もいます。

しかし私たちは身長が低い男性に対して身長を伸ばすように求めることはありませんし、身長が高い女性に身長を低くするように求めることはありません。

ところが他の「性差」の話となると途端にこの常識が忘れ去られてしまいます。

女性はおしとやかで上品であるように求められますし、男性は仕事をこなし女性を引っ張るような姿勢を期待されます。
そしてこうして期待される「男らしさ」や「女らしさ」に当てはまらない男性や女性は「男らしくしろ」「女らしくしなさい」と周りの人から機会のあるごとに注意されるわけです。

しかし、そのような「男らしさ」や「女らしさ」が男/女の本性として存在するのならば、そもそもそのような言葉が世の中にあふれていることはないはずです。

なぜなら、「男らしさ」や「女らしさ」はすべての男/女に本性として備わっているのであり、それから外れる人などいるはずがないからです。

個人を個人として他者を他者として受け止めること

従来はこうした「男らしさ」/「女らしさ」がすべての男/女に強いられてきました。

しかし本当に大切なことは個人を個人として受け止めることではないでしょうか。
個人のありのままをありのままに受け止める。
ある人を理解するのに世間の「男らしさ」や「女らしさ」の枠に当てはめて捉えようとするなんて、真剣にその人に向き合おうとしているとは言えないと思いませんか。

しかし今までは実際そうやって個人を捉え個人々々の独自性よりも,平均値の差にすぎない性の枠組みを優先させていたのです。他者を他者としてあるがままに受け止めること。それが今,求められているのではないでしょうか。

横浜ダイバーシティパレード2016に行ってきたよ!レポート

2016年10月15日(土)に開催された横浜ダイバーシティパレード2016に行ってきました!
このパレードにはnijipiを運営するNijiリクルーティングも協賛しており、当日はブース出展&パレードにも参加してきました!

当日は快晴。海辺のみなとみらいの街を歩くのはとても気持ちよかったです^^!

横浜ダイバーシティパレード2016ってどんなイベント?

10/15横浜ダイバーシティパレード2016開催!でも紹介しましたが、昨年開催された横浜レインボーフェスタに次いで開催されたイベントです。

今年は「横浜ダイバーシティパレード2016」として開催。パレードを中心としたイベントでした。

横浜ダイバーシティパレード2016
日程 2016年10月15日(土)
時間 パレードは12:00~13:0
みなとみらいの象の鼻パークをスタートし、横浜の街を歩きました

大さん橋ターミナルでブース出展

ブースが出展されたのは、横浜港大さん橋国際客船ターミナル内。

物販ブースの他、占いコーナーや、ライフネット生命さんのブースでは記念撮影ができました。
Nijiリクルーティングのブースでは虹色のタトゥーシールを貼っていました(^o^)!
遊びに来てくださった方ありがとうございました~!

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パレードスタート!

パレードは、みなとみらいの象の鼻パークをスタートし、周辺をぐるっとまわります。

こんな感じ↓

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先導するフロート毎に、1km程の道のりを1時間程かけて歩きます。

パレードの参加者は300~400名くらい。
団体で参加している方もいれば、3~5人グループのお友達同士で参加している方も。

お揃いのコスチュームを着ているグループだけでなく、私服の方や当日販売されていたオリジナルTシャツを着ている方も多く、本当に様々。誰でも気軽に参加できる雰囲気がありました(^^)

 

Nijiリクルーティングが参加した3番フロート。

先導するトラックから音楽が流れていて盛り上がっていました♪

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音楽にあわせてフラッグを振るパフォーマンス♪

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新婚カップルさんもパレードしていました(^o^)♪
おめでとうございます♪♪

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ジェンダーレスなお洋服直しサービスを行うMADAM Mさんも参加されていました♪

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4番目のフロートは、SECRET GUYSさんの先導です^^

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横浜中華街前も通りました~♪

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最後に

パレード中は沿道からレインボーフラッグやレインボーグッズを持って「Happy pride!!」と声をかけて応援してくれる人も多く、一体感がありました(^^)♪

今回のテーマである「みんな私はここにいます」でしたが、たまたま通りかかってなんだろう?と興味を持ってくれる人も多く、LGBT(セクシュアルマイノリティ)を知ってもらうきっかけになったのではないかな?と思いました。

Nijiリクルーティングとしても、パレードに参加してみて、応援してもらうとうれしい!ということを実感できることができました。
今後もこのような活動に積極的に参加したいと思います!

 

Nijiリクルーティングのメンバーです^^
声をかけてくださった方々ありがとうございました~~!

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性差って何だろう?前編 LGBT当事者による「セクシュアリティ」に関するレポートシリーズ。

LGBT当事者もしくはアライによる「セクシュアリティ」に関するレポートを紹介するシリーズ。
今回のテーマは「性差」についてです。

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最近はダイバーシティという言葉をよく耳にするようになりました。

ひとりひとりが自分らしく生きることができる社会に。そのような考え方が昨今強まっています。
みなさんは2015年12月に出版された『ジェンダーレス男子』(双葉社)というフォトブックをご存知ですか。
男子だけどファッションもスタイルも中性的。そんなイマドキ男子の生態に迫るフォトブックです。

この本に象徴されるように昨今は旧来の固定観念に基づく「男らしさ」/「女らしさ」の枠組みにとらわれないライフスタイルを選ぶ若者が少なくありません。

そういうわけで、今回は「男らしさ」/「女らしさ」について「性差」という観点から考えてみましょう。

「性差」って何だろう

性差という言葉はよく耳にしますね。

たとえば、「男は仕事、女は家事」といったことを今どき大真面目に主張する人は多くはないかもしれませんが、そうした固定観念にもとづく性別役割分業を支持する人は、ときおり性差に言及します。

たとえば男性は女性よりも力が強い。
だからかつてヒトの祖先が狩猟採集生活をしていたときには男性が狩りをしていた。
だから外に出て働くのは男性であるべきで、女性は家庭に留まり家事を担うべきだ!といった具合に。

なるほど何だかもっともらしく聞こえますね。

いやいや、先を急いではいけません。
まずは「性差」とは何か改めてじっくり考えてみましょう。

性差とは何でしょうか?男女の違い?確かにそうですね。

しかしそれでは少し正確さに欠けるし曖昧です。

社会学者の加藤秀一氏によると、性差(ジェンダー差)とは、男性の集団の性質と女性の集団の性質とを比較したときに観察される「~である」という言い方で表すことのできる差異のことです。

さらに厳密に言えば、ある形質について性差があるというためには統計学的手法によって男女両集団の平均値を比較して両者に有意な差があるときのみ、その特徴について「性差がある」と言うことができます。
(『ジェンダー入門―知らないと恥ずかしい』(朝日出版社))

生物学における性差の議論

そしてこうした厳密な立場に立った上でもなお「性差がある」と主張されている男女の特徴は実際に存在します。

たとえば身長は容易に性差があることを直感でも理解することができると思いますが、それを超えた水準でも多くの主張が展開されています。

たとえばケンブリッジ大学の心理学・精神医学教授のサイモン・バロン=コーエン氏は、その著書『共感する女脳、システム化する男脳』の中で、「女性型の脳は共感する傾向が優位」で、「男性型の脳はシステムを理解し、構築する傾向が優位」であると主張しています。

それを男の子と女の子が好むおもちゃの違いや、狩猟採集生活時代の男女の分業の説明につなげています。

進化心理学者のデイヴィッド・バスは、嫉妬の性差を進化の過程の繁殖戦略の違いに求めています。

あるいは認知言語学者のスティーヴン・ピンカーは、ジェンダーをめぐる旧来の固定観念の中には、進化的基盤を有する妥当なものもあると主張し「男女の差異は生物学的要素とは無関係で、すべて社会的に構築されたものである」と主張するジェンダー・フェミニズムに批判を向けています。

そのほか進化心理学者のスーザン・ピンカーによる著書『なぜ女は昇進を拒むのか―進化心理学が解く性差のパラドクス』でも男女間の本質的な差の存在を示唆する類似した立場の議論が展開されています。(この点に関しては意見の対立が根強く存在していますが,ここでは言及しません。)

 

-後編につづく-

 

 

Xジェンダーと就活、企業選びの軸とは?当事者による「セクシュアリティ」に関するレポートシリーズ。

LGBT当事者もしくはアライによる「セクシュアリティ」に関するレポートを紹介するシリーズ。
今回のテーマは「Xジェンダーと就活」です。

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はじめに

私自身、LGBT当事者として就職活動を終えた身です。今回は自分の体験を基にLGBTの就職活動をお話しします。

私はLGBTのTの中のXジェンダーを自認しています。
男女で分けられたものに苦しさを覚えるため、スーツを着ることに抵抗があります。もちろん男女別のキャリアパスがあることも嫌なため、その点を見ながら就職活動をしていました。

マーケットという事実

就職活動を始めたとき、私はLGBTであることを武器にLGBT向けのサービスや商品を作りたいという軸で就活をしていました。しかし前回の記事(Xジェンダーという個性は就活でどうみられるか?)でも述べた通り、これが就活における武器にはなりません。

アパレルメーカーを受けている際に言われたのが、「男女に捉われないブランドは面白いとは思うが、市場規模を考えたときにビジネスとするのは難しい」ということでした。

13人に1人と言われるLGBTといっても服装に関する悩みを持つのはその中のさらに一部、そこにターゲットをしぼってビジネスをするのが難しいことは明白でした。

フレンドリー企業を探す

何社もの企業の説明会に参加していくうちに、企業の選び方が変わってきました。

ある企業の説明会で会った人事は、中性的な雰囲気の男性新入社員をホモネタで終始いじっていました。
学生の前でユーモアのあるおじさんを演出したかったのだろうと思いますが、その場にいた私はとても耐えられませんでした。

そのような経験を経ていくうちに、私は企業を探す際にLGBTフレンドリーを謳っているということを最優先にしていくようになりました。
選ぶ範囲はぐっとせばまりましたが、就職してから嫌な思いをするかもしれないなら、行かない方がいいと思ったのです。

LGBTフレンドリー企業とは?

数として決して多いとは言えませんが、LGBTフレンドリーを掲げる企業は増えてきています。

しかしLGBTに理解があると掲げることで求人数が増える事実があります。そのため実際に社員全員に正しい知識があるかはわからないのが正直なところです。
ですがフレンドリーを謳っている以上、自分自身のカムアウトを選考でした際に不利になったり嫌な思いをすることはないはずなので、直接社員の方に社内環境など気になることを質問をするのが一番だと思います。

結果

就職活動は他の人に比べ長期にわたりましたが、実現したいビジョンをしっかり持っていたため、最終的に納得のいく形で終えることができました。
前回の記事でも書きましたが、LGBTであるかどうかに関わらず、仕事の先のビジョンを明確化することが大切です。

当事者からして企業側に受け入れてもらえるかは気になる点ですよね。
本当の意味でのLGBTフレンドリーな会社が増えていってほしいと思います。

 

 

「レインボーフェスタ!2016・関西レインボーパレード2016」にお邪魔してきました♪レポート

近年、各地で開催されている、LGBTに関するフェスタ・パレードイベント。
10/8(土)に大阪で開催された「レインボーフェスタ!2016・関西レインボーパレード2016」もその1つ。
nijipi編集部も参加してきたので、様子をレポートします!

レインボーフェスタ!2016・関西レインボーパレード2016
2006年より開催し、今年で11回目となる「性の多様性」をテーマにしたパレード。
日程 2016年10月8日(土)
場所 扇町公園周辺
URL http://www.kansaiparade.org/

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フェスタ・パレードは、大阪の扇町公園で行われました。

開催当日は、予報的にも天気が崩れることが心配されていましたが、開催者・参加者の熱い想いが通じたのか!?気温は10月にして30℃を越え、スタートからパレードまで雨は降らない中での開催となりました。

50を越えるブースが出展

会場には、50を越えるブースが並びます。

協賛している企業や行政が、それぞれLGBTに関するグッズやサービスの案内、取り組みの紹介、相談窓口の開設…などなど様々な形で支援を表現していました。

中には飲食物を提供するブースもあり、LGBTの象徴として扱われる「虹」をモチーフにしたフードもたくさんありました。

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ステージも大盛り上がり♪

会場には、ステージが設営されており、そのステージで踊りが披露されるところからフェスタがはじまりました。ステージを観る来場者の人たちも、歓声をあげたり、手拍子をしたり!

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最初のグループの演目が終わったあと、実行委員の方から開会の挨拶です。

今年のテーマは「プラス1 ~ええこと、ひとつ」ということで、このフェスタに参加して、何か1つでも気付きが生まれたり、仲間に出会えたり、1日がちょっとだけ良い日になったり…そういうええことがひとつでも増えるように…という想いが込められています!

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パレードスタート!!

ステージ上でグループそれぞれからの演目が繰り広げられる中、13時過ぎにパレードがはじまります。

先ずは公園の中で整列。
それぞれが虹色のフラッグのようなアイテムを持ったり、メッセージボードを持ったりして、パレードのスタートを待ちます。

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運営側から何度も、暑いので倒れないようにと注意喚起するようなシーンがあり、その案内をしている人をパレードの準備で並んでいる人たちがうちわで扇いだりして励ましている光景が、印象的でした!

パレードの列は、撮影などをされたくない人のゾーンが設けられていたり、事前の案内で顔を出したくない人はマスクなどの着用なども促していて、参加者への配慮もされていましたよ。

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パレードがスタートしてからは、警察の方々の協力も受けながら、車道の一部をみんなで練り歩きます。

先導する車から流れる歌や、トラックの荷台でダンスをして盛り上げてくれる人もおり、参加者のみなさん、とても楽しそうに笑顔で歩いておられました!!

参加者は、総勢約750名にもなったようですよ♪

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最後に

天候にも恵まれた、レインボーフェスタ!2016・関西レインボーパレード2016。(ちなみに、夕方から関西地方は雨が降ったようです…!)

参加している人たちも、運営している人たちも、とても楽しそうにそれぞれの「らしさ」を表現されているように感じました。

大阪では11年目の開催だった今回。
きっと来年も、よりパワーアップして開催されるハズ…!?遠方から大阪までお越しの人も多数いらっしゃった模様。

全国各地でも、こういった催しが開かれることが今後多くなっていくと、楽しそうですよね!

レインボーフェスタ!2016・関西レインボーパレード2016の公式ページ
http://www.kansaiparade.org/

 

バイセクシュアルとパンセクシュアル、混同しやすいけれど、どう違うの?

LGBT当事者もしくはアライによる「セクシュアリティ」に関するレポートを紹介するシリーズ。
今回のテーマは、「バイセクシュアル」と「パンセクシュアル」です。

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LGBTやセクシュアル・マイノリティと言っても、その中にも様々なセクシュアリティがあります。
自分自身のセクシュアリティ以外はよく知らない、という方はLGBT当事者の中でも多いのではないでしょうか。

今回はその中でも話題になりにくい「バイセクシュアル」と「パンセクシュアル」に注目してみようと思います。

性自認と性指向

今回取り上げる2つのセクシュアリティはどちらも、性指向に関するものです。

好きになる性、という言い方もよくされますね。なので今回、身体の性や心の性は関係ありません。

男女またはどちらでもない人の中に必ず、一定数いるのがバイセクシュアルとパンセクシュアルです。

混同されて理解されることが多いですが、本質的には異なっています。

バイセクシュアルとは?

バイセクシュアルとは、異性愛者でもあり同性愛者でもあることで、両性愛者とも言われます。

好きになる割合が同性と異性で5分5分の人もいれば、、どちらかに偏っている人もおり、人によって様々です。

人を「男性」「女性」として、両性を好きになるということです。

パンセクシュアルとは?

それに対しパンセクシュアル(オムニセクシュアルとも言われます)は、全性愛と訳され、男女の枠に拘らずに人を好きになるセクシュアリティです。

異性、同性だけでなく、どちらの性でもないXジェンダーやインターセックスも含め、すべての人を好きになる、という点がバイセクシュアルとの違いといえます。

昔からいたの?

パンセクシュアルという言葉自体、最近聞くことが増えたように感じます。
最近出てきた言葉だと、昔はいなかったの?という疑問が生まれます。しかし、昔から一定の割合で存在していたとは思いますが、それを表す言葉がなかったために認識されてなかったのではないでしょうか。

また、バイセクシュアルに関しても、昔から存在していました。

「古代ギリシャの時代から男性同士の恋愛はあったし、バイセクシュアルはいたのではないか」という意見もあります。
ただ、注意したいのは、古代ギリシャの場合、男性同士の性行為が行われていたことは事実ですが、それが必ずしも恋愛ではなかったという点です。

バイセクシュアルやパンセクシュアルの話に戻しても、性行為と恋愛は分けて考える必要があります。

まとめ

私は今まで、身体の性と反対の性の方としか交際経験がないため、あまり深く意識はしていませんでしたが、パンセクシュアルについて知ったとき、自分も当てはまるのでは?と考えました。

自分の自認していない性に関して勉強すると、改めて自分自身について考え直す機会になると感じました。

 

「那覇市の同性パートナーシップ制度」どうやって申請する?どんな効果があるの??

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渋谷区、世田谷区、兵庫県宝塚市、三重県伊賀市に続き、沖縄県那覇市でも2016年7月8日にパートナーシップ制度が導入されました。

那覇市では「那覇市パートナーシップ登録の取扱いに関する要綱」を制定し、申請があった場合に登録証明書を発行することになりました。

パートナー申請第1号となった男性カップルは、2016年7月17日に開催した「ピンクドット沖縄」というイベントで、人前結婚式を挙げ、那覇市長から証明書が手渡されました。

那覇市の「那覇市パートナーシップ登録の取扱いに関する要綱」制定の目的

今回のパートナーシップ制度の導入は、当事者の方々から「存在が社会的に容認されると感じられ、精神的な支えになる」との早期導入を求める声に応えるものでございます。

(中略)


本制度は、法的な効力を有するものではございませんが、本市では市営住宅の入居申し込みや医療機関での手続き等での活用について、関係機関と調整を進めてまいります。


また、いくつかの民間企業では、行政機関発行のパートナーシップに関する証明書等の提示があれば、受けられるサービスの提供をスタートさせております。

那覇市は上記のように発表しており、法的な効力はないものの、多様な性が尊重される市になることを目指すとしています。

発行される書類

パートナーシップ制度を“要綱”としている点では、世田谷区、宝塚市、伊賀市と同様ですが、発行される書類は那覇市のみ「登録証明書」となっています。

申請の手順

電話予約

申請の日時と場所について、打合せをします

申請

申請書類の提出に加えて、本人確認されます

登録

「那覇市パートナーシップ登録証明書」が交付されます

申請に必要な書類

渋谷区では公正証書が必要ですが、那覇市の場合は不要です。
そのため、費用面での負担がほとんどありません。

・那覇市パートナーシップ登録申請書
・住民票抄本
・戸籍抄本
・本人確認ができるもの(写真付きは1点、写真がないものは2点確認します)

対象となる人

以下をすべて満たしている場合に、申請が可能です。

(1)互いを人生のパートナーとし、継続的に共同生活をしている、又は継続的に共同
生活をすることを約していること。

(2)戸籍上の性別が同一であること。


(3)20 歳以上であること。


(4)2人とも那覇市民であるか、那覇市民になることを予定していること。

ア 2人とも、那覇市民であること。
イ 1人が那覇市民であり、もう1人が市内への転入を予定していること。
ウ 2人とも、市内への転入を予定していること。

(5)一対一の関係にあること。
ア 結婚していないこと。
イ 申請の相手方以外の人と、パートナーシップの関係がないこと。

全国で5例目となる那覇市。LGBT当事者を含むすべての人が、差別や偏見なく暮らしていけるようにしていきたいと発表しています。

詳しくはこちら
http://www.city.naha.okinawa.jp/kakuka/heiwadanjyo/osirase/partnership78.html

LGBTインタビューvol.1株式会社サニーサイドアップ

LGBTフレンドリー企業に取り組み内容などをインタビューをするコーナー。
第1回目は株式会社サニーサイドアップさんです!

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同性婚・事実婚の場合でも結婚出産祝金、結婚休暇を認める「パートナーシップ」制度の導入や、TOKYO RAINBOW PRIDEへの広報PR協力など、LGBT支援を積極的に行う株式会社サニーサイドアップ(http://www.ssu.co.jp/)さん。

制度導入のきっかけや、ダイバーシティに関するお考えを、バイスプレジデントの松本理永さんにお伺いしました。

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松本理永氏
株式会社サニーサイドアップ
バイスプレジデント
株式会社サニーサイドアップの代表取締役社長である次原悦子氏とは同級生であり、会社立ち上げ当初からのメンバー。昨年発足したSSU DIVERSITY LABプロジェクトのリーダーでもある。
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御社ではLGBT支援を積極的にされていますが、何かきっかけはあったのでしょうか?

きっかけは現在TOKYO RAINBOW PRIDEの代表をしている杉山文野さんとの出会いです。10年ほど前、人を介して当時学生だった杉山さんと知り合いました。

この出会いがきっかけで、4・5年前のことでしょうか。TOKYO RAINBOW PRIDEの存在も知りました。

TOKYO RAINBOW PRIDEは今年も多くの方が参加されて、大規模なイベントになりました。しかし、当時はまだまだ知名度は高くはありませんでした。人手も足りず、PRにもそれほど力を入れられていないという話を聞き、それなら私たちができることで協力しよう、ということになったのです。

※協力参加した当時のイベント名は「東京レインボーウィーク」

2016年のTRPにも広報PR協力されていますよね。

はい、今では毎年、当社の新入社員が広報協力として参加させていただいています。当日のメディアの受付や、取材の対応などのお手伝いをするほか、もちろん彼ら自身もパレードに参加して、当社のオウンドメディアで自分達が感じたことを率直にレポートしています。

TOKYO RAINBOW PRIDEでの活動の様子
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「パートナーシップ」制度の導入はどのようなきっかけだったのでしょうか?

渋谷区の「男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例」の施行などを受け、当社の制度にも見直すべきところがあるのではないか、ということになり、その一つとして以前からあった結婚祝金制度などの対象に同性婚・事実婚も加える形で、「パートナーシップ」制度をスタートさせました。

社内でのLGBTの理解はいかがでしょうか?

例えば新入社員はTOKYO RAINBOW PRIDEに参加する前に、トランスジェンダー活動家である前出の杉山文野さんによるLGBTに関する講義を受けています。これは希望があれば新入社員以外も参加することができます。

その他SNS等でも積極的にLGBTに関する情報を発信しているので、社内での理解は少しずつ進んできているのではないかと思います。

杉山文野さんによるLGBTに関する講義の様子
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LGBT就活生から、カミングアウトのタイミングについて相談を受けることがあるのですが、御社ではどのように考えられていますか?

どのタイミングであっても問題ないです。
現在当社にはカミングアウトした当事者の社員も働いていますし、していない人もいると思います。
もちろん誰もがカミングアウトしなければいけないということではないですが、カミングアウトして働きたいけれど会社の環境に何らかの問題があってできない、という人がいないような環境にはしていきたいです。

LGBTに関する取り組みを始められて、何か変化はありましたか?

LGBT当事者の学生さんが選考に来られることが増えました。
エントリーシートにLGBT当事者であることを書かれている方もいますし、面接で話をされる方もいます。お友達が当事者だったという方や、アライとして積極的に活動をしていた、という方もいます。
まだあまりLGBTフレンドリーを公表している企業が少ないから、当社に興味を持ったという話をよくされますね。

LGBT就活生から、履歴書やエントリーシートの性別欄をどう書けばいいか悩むといった相談も受けます。御社ではどのように対応されていますか?

当社の代表である次原はもともと、性別だけでなくあらゆるバリアがない人です。
ですから当社では性別によって就けない仕事もありませんし、選考においても男女関係なく人物重視です。
だったらもうエントリーシートにも性別欄は不要なのではないか、そもそもこの二択は適切ではないのでは、という話になり、今年から新卒採用のエントリーシートには性別記入欄をなくしました。
中途採用に関してはもともと弊社指定のエントリーシートがないのですが、中途採用にエントリーいただく際にも何かしらの形で導入していけたらと考えています。

御社ではどのような想いでLGBTを含むダイバーシティを推進されているのでしょうか?

この会社を、「職場」というよりも「生活する場所」にしたいという考えがあります。
起きているうちの多くの時間を共に過ごす場所を、できるだけ気持ちよい環境にしたいんですね。
とはいえ、どんな環境であれば気持ちいいのかは人それぞれ価値観が違うので難しい部分はありますが、であれば常に「できるだけ多くの人が」気持ちよく過ごせるようにしたいと考えています。

また、ダイバーシティは企業にとって大きな強みです。
特に当社の仕事には性差がありません。採用したいと思うのは、例えば社会性が高く、かつ自分の得意分野を持っている人。オタク気質というか、興味を持ったことをとことん追求できる人が多様に集えば、会社としては大きな財産だと考えています。
例えばLGBT当事者の人であれば、経験や、考え方、人脈など、LGBT当事者だからこそ持っているものがあると思います。LGBT当事者以外にも、留学をした人、バイトや部活での経験、出産や子育てを経験した人、アーティスト活動をしている人、追っかけをしていた人、ダンスに没頭する人、介護をしている人など、人それぞれ、その人だからこそ経験してきたことがあります。
一人が全部を経験できるわけではないのですから、それぞれ違った深い経験や視点を持つ人が集まることは、まさに会社の懐の深さや幅につながります。そしてその人々が会社の掲げるミッションの元に同じ方向を向いて共に進む、そこにこそ、一人ではなくみんなで仕事をする意味があるのではないでしょうか。
それに、当社の場合はクライアント様も、ニュースを届ける先も多種多様。様々な方の気持ちがわかるということはもちろん、強みになります。
そういう意味でも多様性というのは今後ますます重要であると思っています。

社内ミーティングの様子

 

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編集部より

すべての社員が気持ちよく働ける環境を目指し、ダイバーシティを推進するサニーサイドアップさん。とにかく人物重視で採用も行ってきたいと話されていました。

「ゲイだと疑われ…」同性愛が違法であるカタールで、ポーランド人男性が逮捕

ポーランドで人気のインスタグラマー、ラグジーが旅行中カタールでゲイだとみなされ逮捕されました。

カタールは同性愛が違法とされる国であり、同性間の性交渉が発覚すると罰金または5年以下の実刑となります。

 

ラグジー(luxyferisaloser)

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出典:https://www.instagram.com/luxyferisaloser/


7月6日、ラグジーはカタール・ドーハにあるハマド国際空港でビザに問題があるとして入国審査で携帯電話の中を見せるよう管理官に言われました。

携帯電話を見た管理官は、ラグジーがSNSにupしていた彼が化粧をした写真や、上半身裸の写真を「わいせつ且ネット上で害があるとし」、逮捕しました。

さらに、逮捕の理由には彼がゲイであるということも含まれていました。

ラグジー本人は自分はゲイではないと主張していますが、SNSに投稿した写真から、ゲイだと誤解されたようです。

ラグジーは後にこう語りました。
「私が同性愛者であるとして逮捕されたのは、あくまでも入国管理官が私の携帯の中から見つけた写真を見て私を同性愛者だと判断したからだ」。

逮捕状によると、ラグジーは逮捕されたとは明記されておらず、代わりに拘留されたと記載されています。
さらに、当局が彼の性別(男)を疑い、性別は不明と記されたそうです。

ラグジーは自分がカタールで逮捕されたことや、逮捕の理由を母国に伝えられていないことを信じていました。
しかし、カタールに拘留されていた2ヵ月間の間に、彼の母国であるポーランドでは行方不明者として報告されていました。

カタールのポーランド大使館は、BuzzFeedNewsのインタビューで下記のように話しています。

「ラグジーはゲイであるから逮捕されたわけではなく(文面では詐取、恐喝、カタール国家に対するネット上での侮辱が逮捕の理由とされている)、ポーランドで行方不明者として報告されてもいない。
彼はカタール警察の対応に何一つ不満はなく、逮捕は公正に行われた」

BuzzFeedNewsがラグジーに彼自身の証言と大使館側の報告の相違について尋ねると、ラグジーは問題はまだ解決していないと答えました。

彼が最も心配しているのは、事実が間違ったまま伝えられていることだそうです。

 

 

LGBT当事者が働きやすい環境とは?日本の企業の取り組み事例

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東京都の渋谷区や世田谷区などでスタートした同性パートナーシップ制度。
これを機に、LGBTという言葉の認知度は高まり、LGBTに関する取り組みをする企業も増えてきています。

今回は企業がどのような取り組みをしているのかを紹介します。

1.LGBTに関する文言を明文化

社内規定や採用情報などで、「セクシュアリティで差別をしない」といった文言を明記する企業が増えてきました。

これによって、LGBT当事者が安心して採用に応募できたり、働けることができます。
LGBT非当事者にとっても、会社は社員を大切にしているということを認識することができ、自社に対する誇りを持てるというメリットがあります。

また、社外に対しても、LGBTを含むダイバーシティを推進している会社としてポジティブなイメージを持たれやすくなります。

2.アライを増やす取り組み

LGBT当事者が働きやすい環境を整えるためには、アライの存在が欠かせません。

アライを増やすためには、LGBT非当当事者がLGBTについて「知る」ことが重要です。

その手段として、講習会やセミナーの開催する企業も増えています。

3.制度の導入や施設の整備

・同性パートナーも配偶者として認め、福利厚生を適用できるよう制度を改定する
・「誰でもトイレ」を設置する
・性自認の服装や通称名を認める etc…

以上のような取り組みをする企業も増えてきました。

また、同性愛が禁止されており、命の危険がある国もあることから、そういった国への出張を考慮するといった取り組みを行う企業もあります。

 

LGBT当事者の働きやすさを整えようとする企業は徐々に増えています。
このような企業の特徴は、LGBT当事者を特別視しないということです。

LGBTであることを個性と捉えており、ダイバーシティの一環としてLGBT当事者の働きやすさも整えようとしています。
今後発展する企業の要素のひとつは、「多様な人材がそれぞれのパフォーマンスを最大限発揮できる環境を整えること」と認識しているからです。

LGBTフレンドリー企業は、nijipiでも紹介しています。

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