LGBTの人々の輝きを表現する「OUT IN JAPAN」

LGBT当事者もしくはアライによるレポート。今回は「OUT IN JAPAN ―あなたの輝く姿が、つぎの誰かの勇気になる。」についてです。

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OUT IN JAPANというプロジェクトをご存じでしょうか。
LGBT関連のイベントに行かれる方であれば、名前は目にしたことがある方も多いかもしれません。

OUT IN JAPANとは

日本のLGBTをはじめとするセクシュアル・マイノリティにスポットライトを当て、市井の人々を含む多彩なポートレートを様々なフォトグラファーが撮影し、5年間で10,000人のギャラリーを目指すプロジェクトです。

個人、団体、企業、自治体等との連携を通して、WEBサイト・展覧会・写真集などを展開し、身近な存在としてのセクシュアル・マイノリティを可視化させ、正しい知識や理解を広げるきっかけとしていきます。

セクシュアル・マイノリティにとってカミングアウトは段階的なものであり、ひとりひとり、そのタイミングや方法は違います。カミングアウトをしないという選択をする人もいます。「OUT IN JAPAN」では、カミングアウトをしたいと願い選択する人を、やさしく受け止め応援できる社会づくりを目指しています。

参照
http://outinjapan.com/

勇気を与える写真

プロジェクトのフォトグラファーは、レスリー・キー氏。
彼は、人物の写真を撮ります。

OUT IN JAPANのHPをのぞいてみると、これまでの活動での写真を見ることができます。
目の閉じられた写真をクリックすると、まっすぐとこちらを見つめる写真とともに、写る人物の名前とセクシャリティ、そしてカミングアウトについての想いを見ることができます。

モノクロの写真に生き生きとした表情で写る人々の姿。それがすべて、LGBT当事者がカミングアウトのために一歩踏み出した勇気だと知れば、メッセージとして訴えかけられるものがあるのではないでしょうか。

モノクロの写真は、色とりどりの個性であり、色で定義することのできない輝きを表現しているのです。
『あなたの輝く姿が、つぎの誰かの勇気になる』
カミングアウトに悩むLGBT当事者の方へ、そしてその想いを共有してほしいと思っているアライの方へ、勇気を与える写真です。

OUT IN JAPANは、クラウドファンディングでの資金をもとに、全国での写真展やLGBTイベントへの出展、アパレル企業や舞台作品とのコラボレーションも行っています。

LGBT学生のための個別就活相談会開催

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株式会社Nijiリクルーティングでは、LGBT※の学生さん向けに個別就活相談会を開催します。
相談会当日は、LGBTの知識と理解のある専門のキャリアカウンセラーが、個別にLGBT学生さんのお話を聞き、就活のアドバイスを行います。

※LGBTについて
レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーなどのセクシュアルマイノリティの総称として使用しています。
セクシュアリティは、LGBTだけではなく、非常に多様です。また、セクシュアリティに対する考え方、状況などもひとりひとり異なります。
Nijiリクルーティングでは、学生さんひとりひとりの声に耳を傾け、不安や悩みの解消に少しでも役立てるよう努めています。

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個別就活相談会開催の背景

・セクシュアリティが選考に影響するのでは?と不安…
・できればLGBTフレンドリー企業に就職したい
・性自認の服装ができる職場で働きたい
・自分にはどんな仕事が向いているのか相談したい…

Nijiリクルーティングでは、これまで1000人以上のLGBT当事者のみなさんの働く上での相談に応じてきました。
学生さんから特に多かったのが上記のような相談です。

また、これらの相談はセクシュアリティに関わるために、「学校のキャリアセンターには相談しずらい」、「LGBTに理解のある人でないと安心して相談できない」という声も多く寄せられました。

そこで、Nijiリクルーティングでは、LGBTの学生さんを対象に、完全に個別での相談会を実施することとなりました。

個別相談会のpoint

1.個別に就活相談ができる!

一人一人、相談したい内容は違うはず。
じっくり話して、不安や悩みを解決したい方のための相談会です。

2.LGBTに理解あるキャリアカウンセラーに相談できる!

LGBTの知識と理解があるキャリアカウンセラーが就活の相談に応じます。
セクシュアリティに関わることも安心してご相談いただけます。

3.LGBTフレンドリー企業の探し方がわかる!

誰もが自分らしく働けることを大切にしている「LGBTフレンドリー企業」の探し方をお伝えします!

Q&A

Q.服装は性自認に近いものでも大丈夫でしょうか?

A.服装は自由です!お好きな服装でお越しください。

Q.アウティング※はされませんか?

A.注意事項として対応ガイドを設けていますので、安心してご参加ください。

※アウティングとは、本人の了解を得ずに、公にしていない性的指向や性自認等の秘密を暴露する行動のことです。

Q.費用はかかりますか?

A.無料でご参加頂けます。お気軽のご参加ください。

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参加した先輩の声

セクシュアリティのことも関わってくるので、学校のキャリアセンターには相談しずらかったので、参加しました。
LGBTに理解があるカウンセラーの方に相談できるので、安心していろいろ話すことができました。

トランスジェンダーが働きやすい会社をどう探せばいいのか、よくわからず不安だったので参加しました。
具体的にLGBTフレンドリーな企業を紹介してもらえて、就活の参考になりました。

セクマイサークルの先輩に紹介されて参加しました。リクルートスーツを着るのにも抵抗があるし、自分には就活は無理かもしれないと思っていたのですが、いろんなアドバイスをもらえて視野が広がりました。参加してよかったです。

対象となる方

・2018年卒業予定の大学生、大学院生の方
・セクシュアルマイノリティの方

セミナー概要

日程
12月26日(月)10:30~17:30のうちの1時間
12月27日(月)10:30~17:30のうちの1時間

ご予約頂いた方と個別に相談の上、時間を確定いたします。
上記日程がご都合が悪い場合は、別日程でのご予約も賜ります。

会場
Nijiリクルーティング
東京都港区東新橋2-4-1サンマリーノ汐留6階

JR・メトロ新橋駅烏森口から徒歩7分
大江戸線汐留駅8番出口から徒歩3分

服装 自由

持ち物 筆記用具

参加費 無料

主催 株式会社Nijiリクルーティング
東京都港区東新橋2-4-1 サンマリーノ汐留6階
TEL 03-6452-8822
URL https://niji-recruiting.com/

お申し込みはこちら

下記フォームに必要事項を入力し、お申込みお願いいたします。

性別適合手術と仕事の並行は可能か?

LGBT当事者もしくはアライによるレポート。今回は、性別適合手術です。

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性同一性障害の人で、性別適合手術を行うことを考えている人が多くいると思います。
そのために仕事やアルバイトに励んでいる方も大勢いると思います。実際に私もその一人です。ですが、仕事をしながら治療や手術をスムーズに行えるのでしょうか。

性別適合手術とは?~行うまでの道のり~

性別の不一致、性同一性障害を抱える者に対し、当事者の心の性に合わせて外科的手法により形態を変更する内外性器に関する手術療法のことです。

戸籍上の性別を変更するためには必ず性別適合手術が必要となります。では、この性別適合手術を行うまでの流れについてご存知でしょうか?

初めに、精神科(ジェンダー科)へ受診し、精神的カウンセリングを行います。
二名の精神科医の診断の後(通常、診断が出るまで半年以上かかる)、身体検査・染色体検査・ホルモン値の検査を行い、身体的に健常であるか検査を行います。

二名の精神科医に性同一性障害であると診断を貰い、身体的に健常であると分かると、性別変更判定会議にかけられその後の治療へ進めるか医師たちによる話し合いが行われます。

許可が下り次第、ホルモン療法を始めることができます。ホルモン療法を一年以上行うと、性別適合手術を行えるようになります。(GID治療のガイドラインに基づく)

性別適合手術は、人によってどこまで手術を行うのか段階があると思います。
今回はFTMの方を参照にしていきます。FTMの方の場合、性別変更を行うために必要とされる手術は、子宮・卵巣摘出手術です。さらに乳腺摘出手術を先、または同時に行う方が多いですね。

タイと日本の費用と期間の違い

仕事をしてくる人に大きく関わっていることは休暇しなければならない期間です。正社員ともなると中々長期的に休みをもらうことは難しいですよね。

乳腺摘出と子宮・卵巣摘出手術を同時に行う場合、そして日本で行うか、手術の症例も多く性別適合手術に関して有名であるタイで行うのか2タイプの比較を行いました。

日本
約126万円
入院期間は1週間

タイ
約60万円
入院期間、その後の滞在期間を含めて2週間

日本とタイで、それぞれメリット、デメリットがあるので人それぞれ自分の生活スタイルに合わせて選択を行うのがベストです。

日本で行う場合、病院によっては一泊だけで帰宅できる病院もあります。
費用は高いですが、仕事がなかなか休めず、すぐに復帰したい方には良いのかもしれません。

タイの場合、費用は安く済みます(航空費、宿泊費別途かかります)が、一週間程度の入院+抜糸するまではタイに滞在しなければなりません。時間のある人ではないと中々難しいでしょう。

また、どちらで行うにしても術後、運動制限が一か月ほどあることも忘れてはいけません。

身体を使う仕事の場合、休暇がとれるか会社側と話し合う必要があります。会社側へカミングアウトをすることも必要になってくると思うので、慎重に考えなければいけない問題です。

「男の子は戦隊ヒーローが好き」?おもちゃという観点からみるジェンダー

LGBT当事者もしくはアライによるレポート。今回はおもちゃという観点からジェンダーについてレポートします。

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誰もが過ごした子ども時代、皆さんが夢中になったものは何だったでしょうか。戦隊ヒーロー?おままごと?

子ども時代に意識することはなかったものの、大人になって考えてみると、子供用のコンテンツにはジェンダーが強くあてはめられています。
男の子用にはかっこよく、直線的なデザインのもの、女の子用は丸みを帯びたピンクやパステルカラーのもの。私のイメージですが、共感する方も多いのではないでしょうか。

おもちゃとジェンダー

欧米諸国では、ジェンダーフリーな玩具を提案する動きが既にあるようです。国内・海外のサステナビリティを紹介するサイト“EcoNetworks”さんが事例を紹介している記事があったので紹介します。

サイトの中でも最も興味深いのは、こちらの動画です。

車や銃型のいわゆる男の子向けとされるおもちゃや人形、家事に関するものなどいわゆる女の子向けとされるおもちゃ、様々な種類のおもちゃが混在している場所で男女の子どもをあそばせると、性別に関係なく気に入ったおもちゃで遊び始めるというものです。

参照
おもちゃの世界はジェンダーフリー
http://www.econetworks.jp/internatenw/2016/06/toys/

ジェンダーフリーでダイバーシティ推進!?

何かを売り出す際に、年代や性別等のターゲットを細かく想定することは大切なことです。
しかし同時にそれは、ジェンダーを形成することにつながっています。

男女別に玩具などで小さいうちから区別をしてしまえば、子どもたちに男女のイメージが形成されていきます。それは言い換えれば、「男らしく/女らしく」というダイバーシティの正反対を辿っていくことになりかねません。

小さいころから性別に関係なく好きなものを選ぶことができれば、個性が尊重され、「その人らしく」生きることができますよね。

日本の子どもとジェンダーフリー

日本も当然、昔に比べるとずっとジェンダーの壁は薄くなってきています。

特に顕著なのは小学生のランドセル。
昔は、男の子は黒、女の子は赤の2色のみでしたが、最近は街で色んな色のランドセルを見かけることがあります。昔は女子のみだった家庭科も今は男女関係なく履修しています。

日本のおもちゃに関してはまだ男女の区別がされているように思います。海外の流れを受けて変わっていってほしいと思います。

まとめ

今回はおもちゃに注目しましたが、子どものジェンダーを規定するものは洋服など他にもあります。子どもが選ぶという点に加え、親が買い与える場合、知り合いの子どもにプレゼントするときなど、ジェンダーの観点をもってみると面白いかと思います。
自分らしく生きるという点で性別にかかわらずすべてのものを選べるようになるといいですね。

日本でも古くからあった男色という文化は同性愛なのか?

同性愛者という概念が誕生したのは100年ほど前と言われていますが、それ以前にもいわゆる同性愛は存在していました。今回は日本の歴史に目を向けてみようと思います。

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男色という文化

まず初めに、同性愛といっても昔は女性の地位が高くなかったため、女性同性愛の記述は基本的に残っていません。そのため今回の記事も男性同士についてとなります。

男色とは男性同性愛を表す言葉で、同性間性交渉は男色行為と呼ばれます。ただし、男色行為は基本的に成人男性と少年の間で行われています。

日本において男色行為は古くから行われていたとされています。
法律で同性間性交渉を禁止するものは特になく、公然と行われていたようです。織田信長や足利義満、武田信玄など歴史上有名な武将も男色行為をしていたそうです。

男色行為の理由として最も多く説明されるのが、女性禁制の環境があったからと言われます。女性がいない環境での生活や、女性との性交渉を禁止されている中で、少年と性交渉をすることで欲求の解消をしたと言われています。

日本以外での男色と衰退

男色行為は歴史的に海外でも行われていました。古代ギリシアや『テルマエ・ロマエ』の舞台古代ローマでも少年愛として存在したようです。

ヨーロッパでは、子どもというのは男女に分化する前の存在であり、成人男性が少年に対して抱く欲求を同性愛と捉えていなかった、という見方もあるようです。

しかし、これらヨーロッパ地域で段々と男色行為は廃れていきました。その理由が、キリスト教の浸透です。

伝統的なキリスト教の考えでは、同性間性交渉を罪とみなされています。そのため、キリスト教がヨーロッパ全域に広まって以降は、少年愛は徐々に廃れていきました。
日本も、キリスト教の考えが入ってくるにつれて、段々と男色行為に対する罪の意識が芽生えていったようです。

男色=同性愛?

上でも何か所か同性愛という記述をしましたが、私は男色や少年愛を同性愛とはあまり考えていません。というのは、性的欲求を満たす性交渉と、好きになる、愛情を抱くというのは別物として考える必要があるからです。

実際に男色を行っていた多くの武士は女性と結婚し、子どもを授かっています。彼らは確かに性交渉の相手として同性の少年を見てはいましたが、そこに愛情や結婚とのつながりがあったのかどうかは分かりません(好きな相手と結婚するというのも最近の概念ですが)。

そのため、武士やローマ皇帝がゲイ、またはバイセクシュアルである、と言い切ってしまうのは難しいと思います。
しかし歴史的に見て日本は同性間の愛情や性交渉について厳格ではなかったということですね。

参考
Wikipedia男色
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%B7%E8%89%B2
Wikipedia日本における同性愛https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8B%E5%90%8C%E6%80%A7%E6%84%9B

LGBT当事者が就活で応募する際にチェックしたい企業のポイント

LGBT当事者もしくはアライによるレポート。今回は、LGBT当事者が就活で応募する際にチェックしたい企業のポイントです。

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国籍や人種、性別、性的指向などに捉われず「多様性」を推進する動きが日本でも活発になってきました。それは、企業でも目立ち始めています。

現在では以前よりも、企業側がLGBTを受け入れていることが多く見られるようになってきました。

LGBT当事者は、セクシュアリティが採用や昇進などの面で不利になるのではないか、入社後に同僚や上司と上手く付き合っていけるかなど、不安なことが多いのではないでしょうか。

そこで、就活においてLGBT当事者がチェックしたい企業のポイントを紹介します。

LGBTに関する文言があるかどうか

企業がセクシュアリティを理由に採用において差別をしないことを明確に発信していることで、LGBT当事者は安心して応募することができます。
まだまだ数は少ないですが、日本にも採用情報ページ等で発信している企業があります。応募する際には企業のホームページもチェックしてみるといいかもしれません。

ダイバーシティを尊重しているかどうか

LGBTについて明記されていなかったとしても、外国人や女性の活躍促進をしているダイバーシティ企業は多いです。

そういった企業はLGBTに対してもフレンドリーであることも多いです。
中にはLGBTに関する取り組みを行ってはいるものの「まだ社外に公表できるレベルではないので…」という理由でホームページ等では公開していない場合もあります。

会社説明会や選考が服装自由

服装自由だからLGBTフレンドリーであるということではありませんが、自由な服装を認める企業は多様性を尊重する傾向があります。
また、トランスジェンダーの人にとっては、服装自由は応募しやすいポイントのひとつです。

ナビサイト等でも、服装自由というキーワードで企業検索をすることができます。

LGBTに配慮した取り組みを行っている

まだまだ数は少ないですが、LGBTに配慮した取り組みを行っている企業も増えてきました。
企業がLGBTに関してできることの一例を紹介します。

・差別やハラスメント禁止規定などにLGBTに関する文言を明記
・社員に向けてLGBTに関する研修を実施する
・相談窓口の設置
・性自認に近い服装で勤務することを認める
・トランスジェンダーの通称名利用、性自認のトイレの使用等を認める
・結婚祝い金など、結婚などに関連する福利厚生を同性パートナーを持つ社員も利用できるようにする
etc…

まとめ

現在は多くの企業がダイバーシティを尊重しており、社員の多様な個性を活かすことが企業の発展につながると考えられています。
ダイバーシティというと、これまでは外国人や女性の採用や活用が注目されていましたが、今後はLGBTにも目を向ける企業が増えていくと思われます。

LGBTに配慮する企業は、今後の成長が見込まれる企業ともいえます。
就活においての企業選びのポイントとして、LGBTフレンドリーかどうかは大切にしてもよいのではないでしょうか。

LGBTに優しいベルギーが大切にしていること

LGBT当事者もしくはアライによるレポート。今回は、LGBTフレンドリーな国、ベルギーについてです。

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LGBTに優しい国、ベルギーの約20年間の歩みと、首都ブリュッセルのLGBTの祭典「プライド」が大切にする「少数派に優しい社会」について、ブリュッセル在住のフリーライター・栗田路子さんのレポートを紹介します。

世界で2番目に同性結婚を合法化したベルギー

2016年で21回目を迎えるブリュッセルのプライド・パレードが始まったのは、1996年のことでした。
当時のブリュッセル市長に猛反対されながら、たった2500人で市内を歩いたのが始まりでした。でも、毎年仲間が少しずつ増えて2000年代初めに、2万人を超えたころから市民権を得て弾みがついたそうです。

その頃、『同性結婚の合法化』を公約に掲げていたエコ政党や社会党がプライド・パレードをともに歩いて大勝利し、新政権下の2003年6月、際立った反対もなく同性結婚は公約通りに成立しました。

ベルギーはこうして、オランダに次いで世界で2番目に同性結婚を合法化し、翌年の2004年にはカップルの片方がベルギー在住であれば、外国籍であってもベルギー内で合法的に結婚が成立するようになりました。
以来、人口1000万人のこの国で年間1000組を上回る同性カップルが、合法的に家庭を築いています。アフリカや中東を中心に、同性愛による迫害を理由に、ベルギーに難民として庇護申請する者も毎年1000件を超えているのです。

多様なセクシュアリティが自然に受け入れられている

ベルギーでは、身近な人同士でも自分のセクシュアリティを受け入れて暮らしているようです。

例えば友達がゲイであることをカミングアウトしたら、周囲の友達がお祝いのパーティを開くなど、とても寛容であることが分かります。カミングアウトもそれを受け入れることもごく自然なことのように見受けられます。

また、政治家にもカミングアウトしているLGBTが少なくありません。前首相エリオ・ディルポ氏は、社会党党首時代に、ゲイであることを公表しました。ブリュッセル首都圏政府の内務長官を務めたブルノー・ドゥ・リル氏(ブリュッセル議会議員、緑の党)は、同性結婚をして養子を迎えています。

もちろん、政治家ばかりではなくデザイナーやアーティストなどのクリエイティブな世界では、ゲイでないと肩身が狭いとまで囁かれています。今日のベルギー社会では、身近にLGBTとして普通に生きている人が多いのです。

まとめ

ベルギーは多様性を受け入れていて誰もが暮らしやすい国だと思いました。このように自分を隠すことなくオープンにしていて、なおかつ相手もそれを受け入れている社会だと幸せに感じる人も多いのかなと思いました。

日本は、ベルギーに比べるとまだまだ劣っていると思います。これから日本も、すべての人が暮らしやすい国になる日が待ち遠しいですね。

 

 

記事参照
http://www.huffingtonpost.jp/2016/05/05/belgium-lgbt-pride_n_9853762.html

写真拠出
http://dlift.jp/photo/photoDisplayCountry72

性別に違和感を覚えたのは小学校高学年の頃だった。

LGBT当事者もしくはアライによるレポートシリーズ。今回は性同一性障害についてです。

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私が性別に違和感を覚えたのは小学校高学年の頃でした。
といっても、幼少期からずっと何の戸惑いもなく自分は男であると思って過ごしてきたのですが、そういった意味では女の子として振る舞った時期というのは無かったと思います。

服装も、遊びも言葉遣いも全てが男でした。海で遊ぶ時も、BBQなどで花火をする時にも上半身は裸で過ごしていました。
まだ幼かったからか、周りの大人たちも何も言わなかった記憶があります。

しかし、成長するにつれて段々と「スカートを穿いたら?」「髪を伸ばしてみたら?」などと、友達や先生から言われ始め、身体的にも女性としての特徴が出始めた頃、自分はみんなと違うのかもしれない。と思うようになっていきました。

そして自分が女性であると決定的に気づかされたのは、初潮を迎えた事が大きなきっかけでした。

初めは何が起こっているのか意味が分からず、何かの病気ではないか、ケガをしてしまったのかと戸惑いながら、母親に相談するとそれが女性に起こる生理であることを説明され、頭がパニックになったのを覚えています。

そうしているうちに中学校入学を迎え、制服という男女の違い、男らしさ女らしさという周りの大人たちの教育に物凄く嫌悪感を抱くようになっていったのです。

そして周囲の友達が恋愛の話をしている中、自分自身の恋愛の対象が女性である事を心に秘め、やはり自分は頭が変なのか、病気なのか、なぜみんなと違う感覚であるのかということに日々葛藤していました。

高校はブレザーの制服で、女子のズボン着用が認められており、服装での精神的苦痛からは逃れることができましたが、未だ自分の性別について何がどうなっているのか分からずにいました。

ちょうどその時期にテレビで目にした「性同一性障害」という人々の映像を観て、全てが自分自身の事の様に当てはまり、ネットで詳しく調べ始めたのです。

初めは“障害”という文字に戸惑いましたが、それが悪い事ではないという事や同じ苦しみを持つ人々がいるという現実を知り、とても心が楽になったのを覚えています。

しかしながら周りの大人たちをはじめ、親や友達にはそのことを打ち明ける事は出来ませんでした。
高校を卒業後、就職し実家を出ることになった時、初めて母親に自分の悩みを打ち明けました。勘当されはしなかったものの、母親が泣いている姿を見たとき改めてショックを受けました。

それから成人し、精神科医2名の診断を経て正式に「性同一性障害」という診断名がついたのでした。

MtFの就活体験記「大手企業から内々定を得るまで」

LGBT当事者もしくはアライによるレポートシリーズ。今回はMTFの方の就活体験レポートです。

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私が「女子大生」になるまで

私は現在大学4年生です。
先日誕生日を迎え、ついに25歳になりました。四捨五入すると30歳です。

なぜ私が25歳で「女子大生」をしているかというと、私の生い立ち、セクシュアルマイノリティという事柄に深く関わってきます……。

私のセクシュアリティは、ざっくり言うと「トランスジェンダー」らしいです。
私の場合は、男として生まれ現在は女として生活している、通称「MtF」に区分けされています。

私は幼いころから性別の違和感が拭えなかった典型的なパターンでした。
高校卒業後は親元を離れて上京し、女性として生きるためにホルモン療法を開始して性別をシフトチェンジしていきました。

働きながらトランスをしていき、女性として認知されるようになった20歳の時に大学に入学しました。

ジャストのタイミングで性別適合手術の費用も貯まったので、大学の長期休暇を使い、タイで全てをモデルチェンジしました。

その年には戸籍上の性別も変更し、はれてフツーの「女子大生」に進化(?)することができました。

就活せねば!と一念発起

大学3年生になった2016年3月。
翌年の3月には大学を卒業するつもりでいたので、「就活せねば!」と一念発起しようとしました。
しかし、何から始めたらよいか分からなくて、路頭に迷っていた時にNijiリクルーティングの存在を知りました。

「とりあえず、私もセクマイの端くれなので登録しておこう」という軽い気持ちで就活イベントに行きました。

Nijiリクルーティングのキャリアアドバイザーの方は、セクマイに関わること以外にも就職活動のアドバイスなどをしてくださいました。

私はコミュ障なのも相まって、初めから就職活動は苦戦するだろうと踏んでいました。

しかし、Nijiリクルーティングからのアドバイスなどのおかげで、多少苦戦はしましたが、七夕(7月7日)に化粧品業界の大手企業に内々定を頂きました。

就活でMtFであることは
話さなかった

私は自分がMtFであることを公表して就職活動は行いませんでした。

セクシュアルマイノリティであることを公表して企業面接を受けたこともあります。

しかし、セクシュアリティのことを聞かれたれることもあり、戸籍の性別も変えている以上、わざわざ腫物に触るような扱いを受けるようなことを言わないでもいいのではないかと思うようになりました。

変に気を使われて打ち解けられない雰囲気になるのであれば、男女の分けられた世界で女性として埋没している方が私は気が楽でした。

なので、カミングアウトをしないまま就職活動をすることを選びました。

私がこの就職活動を通して感じたのが、必ずしもカミングアウトすることが全てではないということです。

nijipi編集部より

人によって事情は様々なので、就活をする上でカミングアウトするかどうかもそれぞれの意思によるものだと思います。
彼女の場合はカミングアウトすることがすべてではないと感じたようです。

カミングアウトせずに働く人はたくさんいます。カミングアウトできる環境ではないという人もいれば、LGBTフレンドリー企業に勤めながらもあえてカミングアウトしないことを選択している人もたくさんいます。

レズビアンカップルに育てられた男性のスピーチ

LGBT当事者もしくはアライによるレポートシリーズ。今回はレズビアンカップルに育てられた男性のお話です。

ご存知の通り、アメリカでは全土で同性婚が合法化されています。今回取り上げる動画は、まだ同性婚が認められていなかった時代のアイオワ州での、ある大学生のスピーチです。

動画の概要

スピーチをしているザックはアイオワ大学に通う学生の1人です。
アイオワ州では当時同性パートナーシップ法を廃止する案があり、それに対する主張としてスピーチをしています。

レズビアンカップルに育てられたザックは、両親が男女でなく女性2人であることで、他のアイオワ州の家族と異なっていることは何もないと主張しています。

彼自身とても堂々としており、「アイオワ大学で優秀な成績をおさめ、ボーイスカウトをし、小さなビジネスもしている。こんな私がもしあなた方の息子であれば、あなた方は私を誇りに思うだろう」と発言しています。

また締めの言葉として、両親の性的指向は、子供の性格になんら影響はしないと言っています。

優劣という言葉を使わない

彼は3分のスピーチの中で、私の両親は2人とも女性であるから男女の両親よりこんないいことがある、悪いことがあると言った言い方を決してしていません。

主張はあくまで「違っているけど同性パートナーシップも認めてほしい」ではなく、「他の家族と何も変わりはない」です。

自らの家庭を特別視することもなく、また卑下することもない彼の一貫した姿勢にとても感動させられました。

中盤で自分自身のことは、成績が優秀でビジネスなどもしている、と表現していますが、女性2人に育てられたから優秀になったとは言っていません。

まとめ

彼はスピーチの最初から最後まで堂々としていて、自信に満ち溢れています。
誰かにメッセージを投げかける際に自信をもっているだけで印象が全然違いますよね。

マイノリティの権利向上を訴える際に、辛い歴史や体験を交えて同情を誘う話し方もあります。どちらが正しいというのは言えませんが、私はザックのスピーチをきいて勇気づけられました。

LGBT当事者本人や当事者のパートナー、友達がスピーチをしているものは見かけることがありますが、当事者の子ども目線でのスピーチははじめて見ました。様々な目線からLGBTについての考えに触れることで、自身も成長できているように感じます。