香港でLGBT団体支援のための「虹色のライオン像」が出現

LGBTのシンボルカラーである6色のレインボーは、今や世界中でパレードや様々な活動でつかわれています。
香港でこのレインボーを使った像が出現し、賛否両論になっています。

※レインボーフラッグの起源についてはこちら

LGBTのシンボル「レインボーフラッグ」が6色になった理由

1対のライオンの像

香港のHSBC(汇丰銀行)という銀行の前には、一対のブロンズでできたライオンの像が佇んでいます。
この銀行はとても歴史のある銀行で、ライオンも80年以上そこにありました。

2016年12月より、同性愛の団体を支持する目的で、ブロンズのものとは反対の出入り口の前に虹色のライオンが出現しました。

ブロンズのそれぞれの像は、“勇気”と“繁栄”をそれぞれ象徴していました。
今回は色が異なるということで、その象徴するものも、“誇り”と“団結”にそれぞれなっているということです。

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参照:http://www.guancha.cn/local/2016_12_07_383275_1.shtml

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香港のLGBT事情とは?

台湾で同性婚合法化を求め25万人が集結

台湾で同性婚合法化を求めて、史上最大規模の25万人が集まりました。

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現在の与党である民進党の婚姻法改正への態度が曖昧なまま、台湾で最大規模の運動が開催されました。

LGBTホットライン協会をはじめとする複数の団体が、今月10日土曜日の午後、「もう命を絶たせない、婚姻の権利のために立ち上がろう」のメッセージと共にコンサートを行い、民法の改正を訴えました。

現場には25万人以上が来場し、4キロに渡る道路がレインボーフラッグであふれました。この規模は、ここ30年の間で最も大きな規模になったということです。

台湾総統府は10日土曜日の晩に、「同性愛者もまた結婚の権利がある」とのコメントを出しました。

12月10日は世界人権の日になっており、この日に合わせて今回のイベントも行われたということです。

現在世界では23か国で同性婚が認められており、15か国で同性カップルの権利が保障されています。台湾は現在立法院での審査の段階に入っています。どのような形で民法が変わっていくのかわかりませんが、今後の動きに期待です。

出典:25万人争婚姻平权 总统府:同志有权结婚(http://www.kwongwah.com.my/?p=238668)

反LGBTのマイク・ペンスがアメリカ次期副大統領に

ハフィントンポストUS版「Queer Voices」編集統括ミケランジェロ・シグノリルのレポートにて、マイク・ペンス次期副大統領について語られていたので紹介します。

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大統領選の期間中、ドナルド・トランプは比較的LGBTに寛容であるとの報道もありました。
その理由には、ゲイの友人がいる、エルトン・ジョンの同性婚にお祝いのメッセージを送った、「LGBT」という表現を使っている、2015年に最高裁がアメリカ全土での同性婚の合法化を認めた件について「解決済み」と答えた、などが挙げられています。

しかし、その一方で次期副大統領には、LGBTに厳しい態度を取るマイク・ペンスを選びました。

ドナルド・トランプは、政権運営において、自分自身を「取締役会長」に近い立場とし、副大統領を「最高経営責任者」(CEO)あるいは「最高執行責任者」(COO)のような立場にする計画を立てていると言われています。

これは副大統領に大きな権力を与えることにつながるため、「史上もっとも権力を持つ副大統領」になるだろうと言われています。

反LGBTの態度を取るマイク・ペンスが副大統領になることで、同性婚が認められなくなったり、あらゆる面でLGBTの権利が低くなったり奪われたりするのではないか、と危惧されています。

ミケランジェロ・シグノリルは、「もしトランプが、大統領としてLGBTの問題に干渉せず、ペンスのような人々にやりたいようにさせておくのなら、LGBTの権利に対する攻撃はすでに進んでいると考えていい」と語っています。

参照
http://www.huffingtonpost.com/entry/mike-pence-assault-lgbtq-equality_us_58275a17e4b02d21bbc8ff9b

愛媛の中学校 LGBTに配慮したトイレ

愛媛県の中学校で、LGBTに配慮した取り組みが始まりました。

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トランスジェンダーの当事者にとっての悩みとなるのがトイレの問題。

愛媛県の丹原東中学校は、既に学校に2か所設置してあった車いす用トイレの表示を変更し、「思いやりトイレ」に変更。マークにはLGBTを表すレインボーカラーを用いたとのこと。
丹原東中学校は学校ホームページで次のように報告しています。

1学期の生徒総会で決まった、「車イストイレ」の名まえの変更を昨日の放課後に実施しました。
夏休みに開催したリーダー研修会で、新しい名前が「思いやりトイレ」に決まり、表示板のデザインも生徒たちが考え、発注してできあがったものを昨日取り付けました。
その様子が、NHKの夕方のニュースにも出ました。

このトイレは、障がいのある人だけでなく男性用・女性用トイレに入りにくい人など、誰でも利用できるというものです。校舎の1階東側と、体育館にあります。
ご自由にお使いください。

丹原東中学校のWebページより
http://tambarahigashi-j.esnet.ed.jp/

丹原東中学校は、費用を割いて特別な用意をしたわけではありません。
ちょっとした工夫ですが、これによって暮らしやすくなる人はたくさんいます。

LGBTといってもセクシュアリティは様々なため、人によって困難に感じることは異なります。
今回の場合は、LGBTの中でもトランスジェンダーに配慮した取り組みです。

様々なセクシュアリティの人たちそれぞれが、暮らしやすい社会にしていくためには、今後もさらにLGBTへの理解が必要です。

参照
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161104/k10010756371000.html

ミス・トランスジェンダーを決める大会、ジャカルタで秘密裏に開催

LGBTに対してネガティブなイスラム強硬派が多い、インドネシアのジャカルタで、ミス・トランスジェンダーを決める大会が秘密裏に開催されました。

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イスラム強硬派に大会を知られてしまった場合、暴力などの危険性があるため、大会関係者や参加者は、秘密裏に準備を進め当日を迎えました。

大会主催者であるナンシー・イスカンダールは次のように語っています。

「イスラム強硬派化にこのイベントがあることを事前に知られれば、私たちは攻撃される可能性がありました。だから私たちは最後まで秘密にしておきました」

大会当日は、約200人が会場を埋め、34人のトランスジェンダーが美しさあふれる、エネルギッシュなショーを行いました。

今大会の優勝者であるキエナブ・タッピーは、28歳のジャカルタの代表です。
彼女は下記のようにコメントしています。

「私はとても嬉しいです。泣きたいぐらい嬉しいです。

今夜はワリア(トランスジェンダーを意味するインドネシア語)としての権利に対する私の闘いの始まりです。

私は、社会で受け入れられ、評価され理解され、他のインドネシア人と平等になることを望んでいます。
私はそれを達成するため一生懸命働くつもりです」

この大会が開催されたことは、インドネシアにおけるトランスジェンダーや、セクシュアルマイノリティの人々に勇気を与えたようです。

LGBT権利団体はヒラリーを支持していたが…

ドナルド・トランプ氏がアメリカの大統領となりました。
同性婚など、LGBT当事者の権利がどうなるのかも、注目されています。

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アメリカ国内最大のLGBT権利団体は、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアルやトランスジェンダーのアメリカ人のための保護を強化するため、連邦政府全体に大胆な努力をするように、大統領に呼びかけています。

人権キャンペーン(Human Rights Campaign=以下HRC)は、70以上の具体的な政策変更を促す選挙後にレポートをリリースする準備をしていて、それは連邦政府のプログラムでLGBT差別を禁止し、性自認と性的指向を含む、ジェンダーの多様性への政府全体のコミットメントを示しました。

「過去8年間、オバマ政権は、この国の建国以来、LGBTQコミュニティを悩ませてきた連邦政府の不平等な差別的インフラを解体してきました。

しかし、驚異的な連邦政府の進捗状況の年をきっかけに、LGBTQコミュニティは、自身が岐路に立っていることに気がづきました。まだ行われていないことがたくさん存在していることに」

HRCは、1月19日に民主党の大統領候補としてヒラリー・クリントン支持を表明しました。
HRCは、ヒラリー・クリントンは同性結婚を合法化した2015年の最高裁判所の決定を支持し、最高裁判事を任命するために働くだろうと述べています。

しかし、結果的にはアメリカ次期大統領は、ドナルド・トランプ氏となりました。
彼は2000年から「伝統的な結婚」を支持しており、LGBTに批判的だともいわれています。しかし、選挙中にはレインボーフラッグを掲げるというパフォーマンスも行っています。

今後、LGBTに関してトランプ氏がどのような立場をとるのか、LGBT関連団体も彼の動向に注目しています。

参照
https://www.washingtonpost.com/news/powerpost/wp/2016/11/07/top-lgbt-rights-group-calls-for-stronger-protections-diverse-cabinet-appointments/

ベラルーシが、LGBTコミュニティーの権利を阻止

ベラルーシ率いる17か国のグループは、国連が策定したLGBTコミュニティーの権利を含む新たな都市戦略計画を阻止しようとしています。

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ベラルーシってどんな国?

ベラルーシという国はヨーロッパ最後の独裁国家と呼ばれており、ルカシェンコ大統領が1994年以来、その座に就き続けている国家です。

そんなベラルーシでは2010年5月15日、ゲイ・イベント「スラヴィック・プライド」のプライド・マーチが、警察によって強制的に阻止されたこともありました。

そんなベラルーシが、国連が策定したLGBTコミュニティーの権利を含む新たな都市戦略計画を阻止しようとしています。

ベラルーシが率いるグループには、バングラデシュ、マレーシア、ナイジェリア、サウジアラビア、ソマリア、イラン、ジンバブエなどが含まれています。

このグループが都市戦略計画を阻止しようとしている理由としては、下記の通り発表しています。

「我々は、人権が女性と男性子どもや高齢者、障害のある人くを家庭環境内で守られなければない」(=LGBTは家庭環境内で守られるべき対象ではないという意味)

これに対し、カナダのバンクーバーの元市長であるエレン・ウッズワース氏は、以下のように述べています。

「ベラルーシ率いる17か国のグループの発表を最初に聞いた時はショックを受けました。
セクシュアリティで差別することを保護すべきではありません」

※エレン・ウッズワース氏
女性のための都市国際社会変革会議の議長で、文書内に同性愛者の権利を保護することを推した、最初のカナダ人。

まとめ

2015年にロシアが国連内での同性愛者の権利を制限しようとしたことがありました。
ベラルーシの動きに、ロシアもサポートしていると言われています。
今後の動きにも注目です。

茨城県水戸市が初めて職員対象のLGBT研修を実施

LGBT当事者、アライによるレポートシリーズ。
今回は茨城県水戸市で行われた研修会についてです。

茨城県水戸市は10月14日、LGBTについて学ぶための研修会を市内で初めて開きました。
約50人がLGBT当事者の話に耳を傾けました。講師を務めたのは、原ミナ汰さんです。

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出典:http://mainichi.jp/articles/20160520/ddl/k28/040/433000c

原ミナ汰さんは1956年生まれで、NPO法人共生社会をつくるセクシュアルマイノリティ支援全国ネットワーク代表理事、よりそいホットライン・セクシュアルマイノリティ専門回線統括コーディネーターを務めています。

また、LGBT法連合会共同代表でもあり、日英西翻訳・通訳業(原美奈子として)も行っています。
20代にレズビアンのサポートグループを結成、30代は性被害のピアサポート、40代からは「Xジェンダー」の立場で性的マイノリティへの社会的支援を求めて活動しています。
現在は、電話相談・同行支援、「性の多様性」研修、政策提言などを実施しています。
(『にじ色の本棚 LGBTブックガイド』より)

研修会では、全人口の約7~8%がLGBT当事者と言われており、身近な存在であること。
「性的指向を、『個人の趣味』と矮小化したり、選べるものだと誤解したりされることが多い」といった話がありました。
日本ではLGBT対応を推進したりセミナーや研修会を行う企業が増えてきました。

しかし、その一方で地方では都会よりも対応が進んでおらずまだまだ当事者の方が声をあげずらく、働きにくい環境があります。
地方と都会では地域格差があるのも事実です。そのために、自分のことを隠し通して生き続けなければならない人が地方には都会よりもたくさんいるのです。

また、LGBT という言葉自体も広まっていなかったり、そういう人たちは都会にしか存在しないようなイメージさえ地方にはあるのです。当事者はどこにでも身近にいて当たり前だという意識があまりないのです。

私も茨城県出身者ですが、セクシュアルマイノリティの人はメディアの中だけに存在する人といった印象がありました。周りの人もLGBTフレンドリー企業なんてものは見たことも聞いたことも無い人がほとんどだと思います。

そういった環境を変えるためには、このように、企業が積極的にセミナーや研修会に参加して、LGBTについて知ることが大事だと思います。

これからも、水戸市のように地方でどんどん対応を推進していくべきだと思います。そして、都会にいても地方にいても当事者が隔離されずに自分らしくオープンに生きられるようになることを願っています。

アメリカで活躍する女優サラ・ラミレスがバイセクシュアルであることをカミングアウト

アメリカの医療ドラマ『グレイズ・アナトミー』のカリー・トーレスを演じているのサラ・ラミレスが、LGBTのイベントに出席し、自分はバイセクシュアルであるとカミングアウトしました。

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出典 http://www.crank-in.net/person/12154

サラ・ラミレスが出席したのは、ロサンゼルスで開催された若者のホームレスを支援するLGBTのイベント「True Colors: 40 to None Summit」です。

サラ・ラミレスはLGBTイベントの中で次のようにスピーチしました。

「ホームレスの若者たちの多くは、セクシュアリティや、人種、宗教、市民権の有無について岐路に立たされています。
そして私自身にも、そういった岐路が存在しています。

私はメキシコとアイルランドの混血で非白人女性で、バイセクシュアルというセクシュアルマイノリティでもあり、信仰深いカトリック教徒としても育てられました。

そういった若者たちの声を届けるために、このプロジェクトに献身することで複雑な問題を抱える若者世代を支援し、彼らが必要とする助けを差し伸べられるのです」

サラ・ラミレスは、2011年にアニメシリーズ『サウスパーク』で音楽を手掛けるライアン・ディボルトと結婚しています。
これまではバイセクシュアルであることはオープンにしていませんでしたが、このLGBTイベントで初めて自分自身のセクシュアリティについて語りました。

彼女は、『グレイズ・アナトミー』でレズビアンの役を演じており、同性愛者の権利を支援する運動で熱心に活動していることでも知られています。

東京スター銀行がLGBTに配慮した取り組みを開始

東京スター銀行が、邦銀で初めて、2016 年 11 月 1 日(火)より、預金商品における「家族取り引き」の範囲を拡大し、これまでの取引可能な「家族(2 親等以内)」 に加えて、「同性パートナー(※2)」も対象にする取り扱いを開始しました。

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具体的には、下記3商品について、渋谷区や世田谷区が発行する「パートナーシップ証明書」や「パートナーシップ宣誓書受領証」などの公的証明書を提示することにより、「同性パートナー」も家族の対象となり、家族優遇を受けることができます。

1.「スターワン円定期預金プラス(1 年もの)」
お申し込みの方と、本商品への同時申し込みで、お申し込みの方と同じ優遇金利が適用されるご家族の範囲を「同性パートナー」まで拡大

2.退職金運用プラン
「退職金専用 スターワン円定期預金(1 年もの)」
お申し込みの方と、ご一緒に本プランをご利用いただけるご家族の範囲を「同性パートナー」まで拡大

3.退職金運用プラン
「退職金専用 ミックスプラン 1000)」
お申し込みの方と、ご一緒に本プランをご利用いただけるご家族の範囲を「同性パートナー」まで拡大

参照:http://www.tokyostarbank.co.jp/profile/pdf/161101.pdf

東京スター銀行では、様々なセクシュアリティを持つLGBT当事者が活躍しており、2014 年6月に台湾の民間最大手銀行である CTBC Bank(正式名称:中國信託商業銀行股份有限公司)が株主になったことで、海外出身者の行員も増えているそうです。
こういったことから、セクシュアリティや国籍、人種など、様々なダイバーシティが進んでいるようです。

ダイバーシティを推進することで、多様な人材がそれぞれの能力を最大限発揮できる組織文化を構築することで、企業として持続的に成長していきたいとしています。