アメリカのWEBニュースサイト「THE DAILY BEAST」が、リオオリンピック出場選手のプライバシーを侵害しアウティングに近い記事を公開したとして問題になりました。
問題となった記事は、「『オリンピックの選手村が出会いの温床である』という実態を探るために、記者がゲイの出会い系アプリを実際に使って調査をした」という内容です。
記事には、grinderという人気アプリを使って「登録して1時間で3件のデートの約束が取れた」と書かれていました。
さらに、grinderで出会ったリオオリンピックに出場する男性選手たちの、国籍や身体の特徴などが詳細に書かれていました。誰であるかが特定されかねないような内容であったため、プライバシーの侵害でありアウティングになりかねない記事だとして大きな問題になりました。
THE DAILY BEAST誌は、該当記事を削除した上で、謝罪しました。
編集長のアバロン氏は以下のように謝罪しています。
「記者にアウティングの意図はなかった。しかし国によってはゲイであることが安全性を脅かされる懸念さえある。我々は彼らの安全性を脅かす可能性が少しでもあったことについて謝罪する」
また、プロフェッショナルジャーナリスト協会は今回の記事について以下のように批判しています。
「この記事によって悪影響を受けたアスリートに対しても謝罪するべき。このような記事を書くメディアは、現代メディア組織においてその居場所はない」
こあせんせーもスポーツは大好きなので、日々オリンピックを見ておりますが非常に残念なニュースですね。
この件に関しては①スポーツメディアの在り方の問題(選手のことを何でも記事にして良いのか?)と、②記者のLGBT当事者がおかれている状況への認識のなさの問題があると思います。
特に②については、現在でも同性愛が違法とされる国は70国程あり、同性愛者だと知られることは命の危険性さえあります。このような事実がまだまだ知られていないのだなぁと実感するところであります。
つい先日もアメリカのゲイクラブで49人が射殺されたばかりだというのに…。
こあせんせー
この記事を書いた人
こあせんせー
早稲田大学法学部卒のストレートアライ。
時事ネタ、法律関係が得意。趣味は将棋とモノポリー。