LGBT当事者orアライによるレポート。今回は韓国でのLGBTの受け入れについてです。
韓国人は20歳以上になれば性別適合手術の実施が認められます。2002年には法的に性別変更が可能となりました。また韓国では同性愛について言及した項目はありません。しかし韓国軍では法律において、同性間の性行為は最長で懲役1年間と規定されており、「相互強姦」と呼ばれています。その背景として、韓国では最大宗派がキリスト教であることから同性愛を「ソドム」として悪いものだととらえていました。そのため韓国では日本よりも自身のセクシュアリティのカミングアウトが困難な社会であることがわかります。
その例として、一部のキリスト教の団体がLGBTについて激しいデモを行いました。そのプラカードには「同性愛が早く治りますように」、「同性愛が神の教えに反している」、「私たちは普通の家族をサポートします」書かれており、LGBT差別は過激なものになっています。さらに、韓国では教育者がLGBTに偏見を持っている人が多く、学校でLGBT差別を受けている生徒の40パーセントが「学校の先生」から差別を受けていると答えた。
しかし一方で、KQCFというLGBT応援のイベントが行われ、過去最多の3万人が参加しました。ここでも一部の韓国人がパレードを妨害する様子が報道されています。韓国でも少しずつ理解しようという運動は起っているようですが、差別社会である韓国では他の国に比べれば理解は得られていません。
ソウル大学学長のLGBT告白
そのような社会状況の中、2015年11月にソウル国立大学の学生会長であるキム・ボミさんが会長選挙演説中にレズビアンであることを公表しました。韓国の最高学府でもあるソウル国立大学での出来事であるだけに、韓国国内で大きな話題を呼びました。
しかしカミングアウトをした後は、「実は私もそうだった」というような声も届くようになり、周囲の反応が少しずつ良い方向へ変わっていく様を目の当たりにしてさらなる勇気を得たそうです。
韓国でも若い人たちでは偏見は少なくなっており、偏見のほとんどは中高年の層であることかからも、彼女が勇気を出して告白してくれたことによって韓国社会では大きな衝撃を受けたことからも、今後LGBTを含めたマイノリティの人たちに対して寛容な社会になることを期待したいです。