LGBT当事者orアライによるレポート。今回は自治体の同性パートナーシップ制度によるLGBTの理解促進です。
日本で初めて同性カップルの権利を定めた条例、通称「パートナーシップ条例」が渋谷区で導入されてからおよそ1年半、今回はこのパートナーシップ条例について私の思う点を書いてみようと思います。
パートナーシップ制度とは?
現在日本では同性婚が認められていません。婚姻は「両性の合意に基づく」ものとされているため、男女間に限られているというのが一般的な解釈です。
国が同性婚やパートナーシップ法を定めていないことから、渋谷区をはじめとして地方自治体が独自にパートナーシップ制度を導入し始めました。
渋谷区に続き、世田谷区、三重県伊賀市、兵庫県宝塚市、沖縄県那覇市、北海道札幌市が、が要綱としてパートナーシップ制度を導入しました。
法的な拘束力はないものの、公的に同性カップルが認められることになります。
これにより保険や住居での手続きにおいて、関係を証明することが可能になるということです。
導入後の現状
最初に条例としてパートナーシップ制度を導入した渋谷区は、証明書の発行に約8万円がかかるとのことで、見込んでいたほどの利用者がいなかったという現状があるようです。
また、あくまで自治体で行っている制度のため、夫婦間が受けられる法的な制度を完全に利用することはできないのが現状です。
しかし、同性パートナーシップが公的に認められたことを受け、生命保険会社や携帯会社等が、異性カップルの男女と同じようなサービスを同性カップルにも提供し始めた現状があります。
実際に利用された数よりも、公的機関がこのような制度を定めたことにより企業が動き始めたことが、パートナーシップ制度の導入による一番大きな功績なのではないかと私は思います。
これから
では、このままパートナーシップ制度を認める自治体が増えていけばそれですべてが解決になるのか、と言えば私はそうは思いません。
同性カップルと異性カップルの受けることのできる制度の違いはまだ存在しています。
ならば、同性結婚を国として認めればいいのか、と言われれば、個人的にはそれにも疑問があります。
異性カップルを対象とした婚姻制度とは別に、同性カップル向けの制度を作るのではなく、婚姻自体を性別の限定しないものに変えてほしいと思います。
同性愛者、両性愛者の中には特別な扱いはのぞまず、他の異性愛者と同じように恋愛し、結婚し、家族と暮らしていくことをのぞむ方がいます。というよりもその考えが大多数なのではないかと思います。
同性間を対象とした特別な制度を設ける、というのがどんどん続いていけば、LGBTに否定的な人からの差別の目はなくなることはないかと思います。
本来性的指向がどうであろうと、権利は同等に持つべきです。
LGBTという言葉の認知度があがった今、婚姻に関してもいい方向に進んでいってほしいと思います。