日本の民間企業でLGBTダイバーシティに取り組むところが増えてきています。
企業がLGBTに取り組む理由としては様々ありますが、大きく分けると2つです。
1つはマーケティング的な視点です。
LGBT当事者向けサービスを充実させることで、これまでリーチできていなかった層にもリーチすることができます。
具体的には、生命保険の受取人を同性パートナーに指定できるようにしたり、同性カップル用のウェディングビジネス、トランスジェンダーなどに向けた幅広いサイズ展開の服や靴などです。
もう1つは人材戦略的な視点です。
LGBTフレンドリー企業になることで、既存社員の従業員満足度が向上したり、優秀なLGBT人材の採用につながります。
具体的な取り組みとしては、LGBTに関する社内研修の実施、企業ポリシーにLGBTへの差別禁止を明記、同性パートナーを配偶者として認め福利厚生を利用できるようにする、性自認の服装や通称名の使用を認めるなどです。
マンパワーグループが実施した約5000人の当事者にアンケートでは、求職時に困難を感じると回答したLGBが40%、Tに関しては69%、約7割という結果がでました。また、職場で差別的言動があると答えた方は非当事者が40%だったのに対し、当事者は57%という結果が出ました。
この結果からはまだまだ日本のLGBTダイバーシティに取り組む企業は少ないと思われますが、今後取り組みをしていこうとしている企業は確実に増えています。
その理由の1つが、2020年の東京オリンピックです。
2014年にオリンピック憲章が改正され、差別禁止規定に性的指向が明記されました。
また、オリンピックの調達コードにも、LGBTへの差別禁止や人権を尊重することが明記されています。調達コードを守っている企業から、東京オリンピックに関わる物品やサービスなどを調達する必要があります。また、製品だけでなくその製造にかかわる関連企業もすべて調達コードを守っている必要があります。
このことから、多くの企業がLGBTフレンドリーになる必要が出てきています。
最近では、日本のメディアでもLGBTが取り上げられることが増えてきています。
まだまだ取り組みに関して過渡期であるために、賛否両論様々な意見が出ていますが、徐々に誰もが暮らしやすい社会へとなっていくことが期待されています。