性同一性障害(GID)を自覚したとき

中学校入学を迎え、制服という男女の違い、男らしさ女らしさという周りの大人たちの教育に物凄く嫌悪感を抱くようになっていったのです。

そして周囲の友達が恋愛の話をしている中、自分自身の恋愛の対象が女性である事を心に秘め、やはり自分は頭が変なのか、病気なのか、なぜみんなと違う感覚であるのかということに日々葛藤していました。

高校はブレザーの制服で、女子のズボン着用が認められており、服装での精神的苦痛からは逃れることができましたが、未だ自分の性別について何がどうなっているのか分からずにいました。

ちょうどその時期にテレビで目にした「性同一性障害」という人々の映像を観て、全てが自分自身の事の様に当てはまり、ネットで詳しく調べ始めたのです。

初めは“障害”という文字に戸惑いましたが、それが悪い事ではないという事や同じ苦しみを持つ人々がいるという現実を知り、とても心が楽になったのを覚えています。

しかしながら周りの大人たちをはじめ、親や友達にはそのことを打ち明ける事は出来ませんでした。
高校を卒業後、就職し実家を出ることになった時、初めて母親に自分の悩みを打ち明けました。勘当されはしなかったものの、母親が泣いている姿を見たとき改めてショックを受けました。

それから成人し、精神科医2名の診断を経て正式に「性同一性障害」という診断名がついたのでした。