性別適合手術と仕事の並行は可能か?

LGBT当事者もしくはアライによるレポート。今回は、性別適合手術です。

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性同一性障害の人で、性別適合手術を行うことを考えている人が多くいると思います。
そのために仕事やアルバイトに励んでいる方も大勢いると思います。実際に私もその一人です。ですが、仕事をしながら治療や手術をスムーズに行えるのでしょうか。

性別適合手術とは?~行うまでの道のり~

性別の不一致、性同一性障害を抱える者に対し、当事者の心の性に合わせて外科的手法により形態を変更する内外性器に関する手術療法のことです。

戸籍上の性別を変更するためには必ず性別適合手術が必要となります。では、この性別適合手術を行うまでの流れについてご存知でしょうか?

初めに、精神科(ジェンダー科)へ受診し、精神的カウンセリングを行います。
二名の精神科医の診断の後(通常、診断が出るまで半年以上かかる)、身体検査・染色体検査・ホルモン値の検査を行い、身体的に健常であるか検査を行います。

二名の精神科医に性同一性障害であると診断を貰い、身体的に健常であると分かると、性別変更判定会議にかけられその後の治療へ進めるか医師たちによる話し合いが行われます。

許可が下り次第、ホルモン療法を始めることができます。ホルモン療法を一年以上行うと、性別適合手術を行えるようになります。(GID治療のガイドラインに基づく)

性別適合手術は、人によってどこまで手術を行うのか段階があると思います。
今回はFTMの方を参照にしていきます。FTMの方の場合、性別変更を行うために必要とされる手術は、子宮・卵巣摘出手術です。さらに乳腺摘出手術を先、または同時に行う方が多いですね。

タイと日本の費用と期間の違い

仕事をしてくる人に大きく関わっていることは休暇しなければならない期間です。正社員ともなると中々長期的に休みをもらうことは難しいですよね。

乳腺摘出と子宮・卵巣摘出手術を同時に行う場合、そして日本で行うか、手術の症例も多く性別適合手術に関して有名であるタイで行うのか2タイプの比較を行いました。

日本
約126万円
入院期間は1週間

タイ
約60万円
入院期間、その後の滞在期間を含めて2週間

日本とタイで、それぞれメリット、デメリットがあるので人それぞれ自分の生活スタイルに合わせて選択を行うのがベストです。

日本で行う場合、病院によっては一泊だけで帰宅できる病院もあります。
費用は高いですが、仕事がなかなか休めず、すぐに復帰したい方には良いのかもしれません。

タイの場合、費用は安く済みます(航空費、宿泊費別途かかります)が、一週間程度の入院+抜糸するまではタイに滞在しなければなりません。時間のある人ではないと中々難しいでしょう。

また、どちらで行うにしても術後、運動制限が一か月ほどあることも忘れてはいけません。

身体を使う仕事の場合、休暇がとれるか会社側と話し合う必要があります。会社側へカミングアウトをすることも必要になってくると思うので、慎重に考えなければいけない問題です。