LGBT当事者もしくはアライによる「セクシュアリティ」に関するレポートを紹介するシリーズ。
今回のテーマは「Xジェンダーと就活」です。
はじめに
私自身、LGBT当事者として就職活動を終えた身です。今回は自分の体験を基にLGBTの就職活動をお話しします。
私はLGBTのTの中のXジェンダーを自認しています。
男女で分けられたものに苦しさを覚えるため、スーツを着ることに抵抗があります。もちろん男女別のキャリアパスがあることも嫌なため、その点を見ながら就職活動をしていました。
マーケットという事実
就職活動を始めたとき、私はLGBTであることを武器にLGBT向けのサービスや商品を作りたいという軸で就活をしていました。しかし前回の記事(Xジェンダーという個性は就活でどうみられるか?)でも述べた通り、これが就活における武器にはなりません。
アパレルメーカーを受けている際に言われたのが、「男女に捉われないブランドは面白いとは思うが、市場規模を考えたときにビジネスとするのは難しい」ということでした。
13人に1人と言われるLGBTといっても服装に関する悩みを持つのはその中のさらに一部、そこにターゲットをしぼってビジネスをするのが難しいことは明白でした。
フレンドリー企業を探す
何社もの企業の説明会に参加していくうちに、企業の選び方が変わってきました。
ある企業の説明会で会った人事は、中性的な雰囲気の男性新入社員をホモネタで終始いじっていました。
学生の前でユーモアのあるおじさんを演出したかったのだろうと思いますが、その場にいた私はとても耐えられませんでした。
そのような経験を経ていくうちに、私は企業を探す際にLGBTフレンドリーを謳っているということを最優先にしていくようになりました。
選ぶ範囲はぐっとせばまりましたが、就職してから嫌な思いをするかもしれないなら、行かない方がいいと思ったのです。
LGBTフレンドリー企業とは?
数として決して多いとは言えませんが、LGBTフレンドリーを掲げる企業は増えてきています。
しかしLGBTに理解があると掲げることで求人数が増える事実があります。そのため実際に社員全員に正しい知識があるかはわからないのが正直なところです。
ですがフレンドリーを謳っている以上、自分自身のカムアウトを選考でした際に不利になったり嫌な思いをすることはないはずなので、直接社員の方に社内環境など気になることを質問をするのが一番だと思います。
結果
就職活動は他の人に比べ長期にわたりましたが、実現したいビジョンをしっかり持っていたため、最終的に納得のいく形で終えることができました。
前回の記事でも書きましたが、LGBTであるかどうかに関わらず、仕事の先のビジョンを明確化することが大切です。
当事者からして企業側に受け入れてもらえるかは気になる点ですよね。
本当の意味でのLGBTフレンドリーな会社が増えていってほしいと思います。