東京海上日動火災保険株式会社が、火災保険や自動車保険において、同性パートナーを「配偶者」に含める商品を開発すると発表しました。
火災や事故の際に事実所婚姻関係と同様の事情にある同性間のパートナーも配偶者と同じ補償を受けられるようになります。
これまで生命保険に関してはライフネット生命や日本生命保険、第一生命などが受取人として同性パートナーも認めることを発表していました。
しかし、火災保険や自動車保険に関する保険商品は東京海上日動火災保険が初となります。
火災保険では契約者の配偶者の家財が焼けた場合、ほぼ自動的に被害が補償されます。しかし、これまで配偶者に同性パートナーは含まれていなかったため、持ち物が焼けても補償を受けとることができませんでした。
今回、東京海上は「配偶者」に同性パートナーも含む商品の認可を金融庁から得ました。こうした金融商品の認可取得は初めてです。
この商品は2017年1月から個人向け保険として販売する予定となっており、既存の契約者については更新時に適用されます。
制度の悪用を防ぐため、同居している事実を示す住民票を提出する必要があります。さらに、渋谷区など公的な証明書を発行している自治体以外の地域では、第三者の署名を含めた確認書の提出を求める方針です。
今回の商品開発の背景として、東京海上は下記のように発表しています。
昨年、渋谷区で同性カップルを男女間の結婚に相当する関係として認めるパートナーシップ証明書の発行を開始され、各企業でもLGBT(※)に対する様々な対応が実施されており、社会的関心が高まってきております。
このような状況を踏まえ、当社といたしましては、お客様の多様な家族形態を尊重し、お客様のいざというときにお役に立てる商品をお届けするため、同性間のパートナーを異性間のパートナーと同様のお取扱いといたします。
(※)LGBTとは、L:レズビアン(女性同性愛者)、G:ゲイ(男性同性愛者)、B:バイセクシュアル(両性愛者)、T:トランスジェンダー(心と体の性の不一致)の頭文字をとった、性的マイノリティ(少数者)を表す総称。
東京海上のプレスリリースはこちら
同性間のパートナーを「配偶者」 同性間のパートナーを「配偶者」として補償の対象に含めます
アメリカなどの欧米諸国に比べ遅れるLGBT(性的少数者/セクシュアルマイノリティ)への対応を急ぐ日本企業が増えてきました。
顧客への対応だけでなく、第一生命保険では「LGBT相談窓口」設置の他、社宅貸与など福利厚生面でも同性パートナーを認めるなど、従業員の中にいるLGBT当事者への対応を行う企業も増えています。
政治においては自民党もLGBT対応を急ぐ法案の策定に動いています。
今後もこうした動きが加速していくことが予想されます。
こあせんせー
この記事を書いた人
こあせんせー
早稲田大学法学部卒のストレートアライ。
時事ネタ、法律関係が得意。趣味は将棋とモノポリー。